青函トンネル その3

2006年07月17日 | 
急に車窓が明るくなった。
見学施設もある、非常時の避難経路にもなっている竜飛海底駅。
この駅を過ぎると、いよいよ海底。
頭上には津軽海峡の海があるのだ。
列車は下り坂を130kmの早さで進む。
猛スピードの車窓に青と緑のライトが突然流れる。
トンネルの最深部の標。
つまり、いま、頭上には100mの岩盤があって
その更に上には水深140mの海があるのだ。

列車はモーター音をうならせながら
上り坂になったトンネルを突き進む。

おそらく植生境界線である「ブラキストンライン」も超えた頃だろう。
この闇を一刻でも早く抜けたいかのごとく
列車は進む。

やがて前方がぼんやりと明るくなり、
一気にトンネルを抜ける。
そこは北海道。
木立の樹々が、それを実感させる。

飛行機では味わえない瞬間。
ただこの瞬間を味わいたくて、
今日も列車で北海道まで来た。

函館に到着し、私はいつも通り駅前で
「海峡ラーメン」をすすった。
北海道の旅は、やはり函館から始めたい。
コメント
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