カンボジア経済

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世界銀行 カンボジア経済アップデート2020 新型コロナでマイナス成長へ

2020年06月03日 | 経済
 5月29日、世界銀行は「カンボジア経済アップデート2020年5月: COVID-19におけるカンボジア」を発表しました。
 カンボジアの2020年の成長率については、GDPの71.4%、雇用の39.4%を占める主要セクターである観光、輸出、建設が、新型コロナの影響を大きく受けるため、マイナス1%~マイナス2.9%となるものと予測しています。これは、少なくとも176万人の雇用に影響するとしています。
 カンボジアは、新型コロナの感染は抑え込んでいますが、経済的な影響は、観光、輸出、海外直接投資等を通じて、免れないとしています。まず、観光は、新型コロナが発生した中国からの観光客が多いこともあり最初に大きな影響を受けています。輸出は、縫製品に偏った構造で、輸出先も欧米に集中しています。このため、先進国の需要蒸発の影響は大きいとしています。直接投資も中国からが多いことに加え、建設不動産に集中していたため、大きなマイナスは避けられないものと見られます。
 そのインパクトは各方面に影響します。銀行セクターは、不動産の価格下落、建設ブームの終焉から、不良債権の増加が懸念されます。マイクロファイナンスも、借入人の輸入減少・喪失により、不良債権が増加する等の影響が出ると見られます。財政も歳入が大幅に減少するため、財政赤字は対GDP比9.0%にまで拡大する見込みです。外貨準備については、2019年末よりは減少するものの、168億ドル(輸入の6.8か月分)を維持可能と見ています。
 見通しとしては、ベースラインシナリオで、GDP成長率は、2020年はマイナス1%となるものの、2021年には6.0%にリバウンドするとしています。しかし悲観的シナリオでは、2020年マイナス2.9%、2021年3.9%に留まると見ています。
 必要な政策として、喫緊の課題として、緊急経済対策と感染対策、短期的課題として経済回復政策、中期的課題として金融と社会的耐性の涵養を提言しています。
 なお、特別レポートとして、教育の重要性に関する分析も添付されています。

世界銀行の発表(英文です)
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2020/05/29/covid-19-coronavirus-epidemic-poses-greatest-threat-to-cambodias-development-in-30-years-world-bank


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