カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染が高止まりしている中、デルタ株の感染が確認され、感染拡大が懸念される状況です。8月1日の保健省の発表によれば、死者は1420名(7月25日から137名増)です。累計陽性者数は7万7914名(同4991名増)となっています。治癒数は7万754名(同5490名増)です。先週の新規陽性者のうち、3365名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は2125名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(8月1日現在陽性者6万8158名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
7月28日、カンボジア政府は、7月29日から8月12日まで「新型コロナ感染拡大対抗防止策強化キャンペーン」を実施すると発表しました。プノンペン都では、21時から翌朝3時までの外出が禁止され、レストラン等の店内飲食も原則禁止となりました。また、タイ国境に近い8州(コッコン州,ポーサット州,バッタンバン州,パイリン州,バンテアイミエンチェイ州,ウッドーミエンチェイ州,プレアビヒア州及びシェムリアップ州)をロックダウンすることも決定されました。シェムリアップ州のアンコール遺跡群への入場も停止となっています。
ワクチンについては、日本(日本製アストラゼネカ100万回分)に続き、米国(ジョンソンアンドジョンソン100万回分)、英国(アストラゼネカ100万回分)もワクチン供与を発表しました。米国の第1便(50万回分)は7月30日に到着しました。英国の第1便(41万5000回分)は8月3日に到着予定です。これらを含めて、8月中には合計2650万回分の調達が完了する見込みです。このため、政府は、8月1日から12歳から17歳の国民にも接種を開始しました。また、中国製のワクチンの効果が十分ではないと見られているため、アストラゼネカワクチンをブースターとして3回目接種を実施する方針です。医療従事者を優先して実施し、その後、全国民に広げたいとしています。7月31日現在で、730万4756人への第1回接種を完了しており、2021年内に人口の62%に当たる1000万人への接種を完了するという目標は10月中にも達成可能となり、12歳~17歳を加えて、人口の80%への接種を11月中にも完了できると見ています。なお、カンボジア政府では、民間病院でもWHO承認済ワクチンを輸入・接種できるようにする方針です。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは一旦終了したものの、デルタ株の市中感染が確認されたこともあり、再度実施されることとなりました。新たな規制については、州毎に状況が異なっていたりしますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、米国製ワクチンの歓迎式典。AKPより)
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