カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染の第3波はピークを越えつつある模様ですが、デルタ株の感染が確認され、感染拡大が懸念される状況です。8月29日の保健省の発表によれば、死者は1881名(8月22日から89名増)です。累計陽性者数は9万2208名(同2977名増)となっています。治癒数は8万8119名(同3038名増)です。先週の新規陽性者のうち、2268名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は770名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(8月29日現在陽性者7万9278名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。また、タイからの帰国者を中心にデルタ変異株の感染拡大が進みつつあり、8月28日現在で1752例が確認されています。
カンボジア日本人会、カンボジア日本人商工会では、在カンボジア日本国大使館と協力して、カンボジア政府に対し在留邦人が日本政府承認済みのワクチン(カンボジアの場合はアストラゼネカ)を接種できるようにすることを請願していましたが、カンボジア政府の承認を頂くことができました。8月30日及び31日にプノンペンの国立母子保健センターで日本製のアストラゼネカワクチンの接種が実施される予定です。
カンボジアにおける感染防止対策は継続されています。映画館等の閉鎖や酒類の販売禁止等は、8月26日までの予定でしたが、9月9日まで更に2週間延長されています。
ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。8月28日現在で、1044万4人(うち12歳~17歳142万7552人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の約65%に相当します。この結果、2021年内に成人1000万人への接種を完了するという目標は10月中にも達成可能となり、12歳~17歳200万人を加えて、人口(約1600万人)の80%への接種を11月中にも完了できると見ています。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。デルタ株の市中感染が確認されたこともあり、再度規制強化が実施されています。新たな規制については、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペン駅近くの薬局。店内には入れません。)
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