カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は減少傾向にあるものと見られます。10月31日の保健省の発表によれば、死者は累計2788名(10月24日から54名増)です。累計陽性者数は11万8522名(同750名増)となっています。治癒数は11万4727名(同1750名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は644名、海外帰国・入国者の新規陽性は106名でした。
10月8日、フン・セン首相は、新型コロナ感染状況が落ち着いている場合には、経済の全部門での活動再開を行う方針であると発表しました。また、10月22日には、学校、工場、市場等について、新型コロナ陽性者が発見されても、今後は閉鎖・ロックダウンは行わないと言明しました。この方針に沿って、規制が緩和されつつあります。これまで営業が禁制されていた博物館、映画館等については、10月30日からの再開が許可されました。ただし、カラオケ、ディスコ等については、営業禁止が11月11日まで更に2週間延長されています。
観光については、サンドボックス方式での一部開放が決定されました。11月30日から、シアヌークビル、ロン島、ダラサコ―地区(コッコン州で中国が開発中)については、隔離期間無しで入国・観光が可能となります。更に、来年1月1日からは、シェムリアップも同方式で入国が再開される予定です。域外への移動は制限されるものの、アンコールワット等の主要な遺跡には、入場・観光が可能となる見込みです。
カンボジア政府が開発した「ストップ・コロナ(Stop COVID)」QRコードシステムが、国連の国際電気通信連合等による「グローバルサウス・コロナ・デジタル・イノベーション・チャレンジ賞」を受賞しました。このシステムは、スマートフォンで店頭のQRコードを読み取ることで、接触状況、検疫・隔離管理、ワクチン接種状況等が簡単に登録・確認できるアプリです。カンボジア政府では、カンボジアが獲得した初の国際的な情報通信関連の受賞であるとしています。カンボジアは遅れた国と見られがちですが、既得権益といったしがらみが少ないことから、先進国に一気に追いつき追い越す「蛙飛び現象」が見られます。今回のQRコードシステムも、問題が続発した日本の接触確認アプリCOCOA等を利便性や簡便性で凌駕しているものと見られます。
ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、「カンボジアのワクチンミラクル」と呼ばれ始めています。10月30日現在で、1370万6107人(うち12歳~17歳178万8581人、6歳~11歳191万9439人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の85.7%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の99.98%に第1回接種を、96.4%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を実施しています。10月30日現在183万1190人が3回目接種を完了しています。また、カンボジア政府では、これまでの12歳~17歳、6歳~11歳に加えて、11月1日から5歳児にも接種を行う方針としています。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、ようやく緩和の方向となっています。ただ、引き続き様々な規制があり、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、カンボジアのStop COVID QRシステム)
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