カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染はかなりの減少を見せています。11月21日の保健省の発表によれば、死者は累計2900名(11月14日から33名増)です。累計陽性者数は11万9867名(同331名増)となっています。治癒数は11万6246名(同322名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は290名、海外帰国・入国者の新規陽性は41名でした。
11月1日、フン・セン首相は、カンボジアの経済社会の全部門での完全再開を宣言しました。10月以降、感染防止対策規制は順次緩和されてきています。11月14日、フン・セン首相は、ワクチン接種完了済の入国者(カンボジア人・外国人)については、入国時のラピッドテスト(抗原検査)で陰性であれば、ホテル等での隔離を免除すると発表しました。11月15日から適用されました。これまで外国人がほとんどゼロだった観光業界は息を吹き返すものと期待されます。また、11月18日からは、全国の全ての博物館、映画館等の再開が認められました。
11月18日~20日は、カンボジアの伝統的なお祭りである「水祭り」の連休でした。伝統あるボートレース等のイベントは自粛でしたが、プノンペンを始め各地では地元客や国内旅行者等で賑わいました。観光省によりますと、3連休の間で、約91万人の人出があったとしています。
11月19日、林芳正外務大臣は、カンボジアを含む9カ国に合計370万回分のワクチンを供与すると発表しました。日本は既に合計3000万回分のワクチンを各国に供与しています。
11月17日、フン・セン首相は、中国に対し、カンボジア国内でワクチンの製造が可能となるようライセンスの供与を求めました。ワクチンを外国から購入し続けることは、カンボジアにとっては重い負担であり、国内製造の可能性を求めているものと見られます。
ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、「カンボジアのワクチンミラクル」と呼ばれ始めています。11月20日現在で、1409万184人(うち12歳~17歳180万1007人、6歳~11歳197万2976人、5歳24万7520人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の88.1%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の100.7%に第1回接種を、96.9%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を実施しています。11月20日現在213万4357人が3回目接種を完了しています。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、大幅緩和の方向となっています。ただ、引き続き様々な規制があり、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、水祭りで賑わうプノンペンのリバーサイド)
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