カンボジア経済

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2023年 携帯電話加入者数増加 通信品質改善が急務

2024年10月14日 | 経済
 2023年・2024年の携帯電話・インターネットの現状等について、カンボジア通信監督機構(Telecommunication Regulator of Cambodia: TRC)が統計を発表しています。
 発表によりますと、2024年6月現在の携帯電話加入者数(SIMカード数)は、2186万3609台です。2019年末2167万5523台、2020年末2082万7435台、2021年末1989万9790台、2022年末1950万5294台、2023年末の2104万9636台となっており、新型コロナ後は増加傾向にあります。携帯電話は、カンボジア全土で普及しており、複数台・複数SIMを保有する人も多いため、携帯電話加入者数は人口(1680万人:2022年)を上回っています。
 他方、固定電話加入者数は減少を続けており、2014年の36万1056回線から2018年末には8万6354回線、2019年末5万7438回線、2020年末4万9381回線、2021年末4万296回線となり、2022年末には3万8284回線、2023年3万2723回線、2024年6月末3万2311回線にまで減少しました。
 インターネット利用数(移動体・固定合計)は、2014年の502万5945回線から、2018年末1385万9571回線、2019年末1612万6356回線、2020年末2034万480回線となり、4倍以上に増加しました。しかし、2021年末は、1787万2173回線、2022年1760万8076回線、2023年末1966万3666回線、2024年6月末2000万7274回線と頭打ちとなっています。インターネット使用者数も、スマホの普及に伴う個人向けインターネットの浸透により、人口を大きく上回っています。
 カンボジアは、世界で初めて携帯電話の契約者数が固定電話の契約者数を上回った国といわれています。携帯電話は、固定電話のように電話線の引込み等の工事や固定設備を必要とせず、手軽に利用を開始できるため、通信インフラ基盤が十分に整備されていなかったカンボジアでは、固定電話が普及する前に携帯電話が浸透したと見られます。
 このようにカンボジアは、固定電話を飛び越えて、最先端の光ファイバー、ワイヤレス、インターネットプロトコール(IP)で、低コストで全土に通信網を構築し、農村部にまでインターネット環境を広げてきました。途上国では、先進国が一歩一歩進めてきた技術革新を一気に追いつく「リープフロッグ(蛙飛び)」という現象がみられることがありますが、カンボジアの通信セクターは、まさにその好例と言えます。
 しかし、最近は通信需要の急増に設備投資が間に合わず、プノンペン郊外ではインターネットが通じない、速度が遅い等といった品質問題が課題となっています。政府では、携帯電話用のタワー1000基の建設を目指す等といった対策を講じていますが、最も重要な5Gの導入が大幅に遅れています。中国のファーエイ問題が影を落としているとの見方もあり、今後の動向が注目されます。
(写真は、全国どこにでもある携帯電話アンテナのタワー)

カンボジア通信監督機構のサイト(英文です)
https://trc.gov.kh/en/#


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