カンボジア経済

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2024年第4四半期 カンボジア信用機構報告 不動産向け減少続く

2025年02月05日 | 経済
 1月30日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2024年第4四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は16%減、金額は20%減となりました。その内訳は、個人向け貸付が件数17%減・金額22%減、住宅ローンは件数3%減・金額11%減、クレジットカード利用は件数25%減・金額17%減となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比0.8%増の約204万人となっています。残高は、前期末比0.5%増の155.3億ドル(約2兆3900億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%、第4四半期2.03%、2022年第1四半期2.35%、第2四半期2.47%、第3四半期2.60%、第4四半期2.51%、2023年第1四半期3.28%、第2四半期3.96%、第3四半期4.71%、第4四半期5.14%、2024年第1四半期6.03%、第2四半期6.22%、第3四半期6.35%、第4四半期6.24%と推移しています。借入人の29.7%が複数の機関から借り入れを行っています。長引く不動産不況の影響もあって、不良債権比率が上昇しており、5期連続で5%を超えて警戒水域に入っています。
 新規貸付需要は新型コロナの国内感染の拡大を受けて2021年~2023年は概ね横ばい状態でした。2024年第3四半期は増加となっていましたが、第4四半期は大幅減少となりました。不動産不況の影響を受けて、住宅ローンが2期連続で減少しています。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構のサイト(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/data-for-good-consumer-credit-index


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