カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、今年初頭にはワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、5月には死亡者数・新規陽性者数はゼロに近いレベルとなっています。6月26日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(6月19日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同ゼロ名増)となっています。治癒数は13万3206名(同ゼロ名増)です。5月7日から6月25日まで49日間連続で新型コロナ新規陽性者はゼロとなっています。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ8週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数が低いレベルにあるのは確かなものと見られます。なお、公式統計上は、カンボジア国内の感染者はゼロ名となっています。
6月22日、日本政府は6月26日から入国時の3回目接種の有効ワクチンとしてアストラゼネカ等を認めると発表しました。これまでは、ファイザー、モデルナしか認められていませんでした。日本政府は、カンボジアを含む各国に日本製アストラゼネカワクチンを贈与していましたが、これまで3回目接種として認めておらず、矛盾した対応だとの批判がありましたが、ようやく解消されることとなります。
6月23日、日経新聞は、「訪日客回復に「出国前検査」の壁 際立つ日本の厳格さ」と題する記事を掲載し、日本政府の水際対策を批判しました。既に欧米・アジアの主要国では、入国時規制を大幅緩和しており、特段の検査を要しない体制となっています。日本だけが「非科学的」規制を続けており、外国人観光客獲得競争に大きく出遅れています。陰性証明のためのPCR検査も方法や書式・手続きが一方的に厳格に定められているため、旅行客に大きな負担となっています。日経新聞では「感染対策と経済活動を両立するウィズコロナを模索するうえで、水際対策のさらなる見直しが引き続き検討課題となる。」としています。
私も、5月、6月に日本に入国しましたが、海外でのPCR検査や日本政府指定の証明書の確認・使用は、大変でした。6月25日にカンボジアに入国した際は、ワクチン接種証明を見せるだけで、他には検査も手続きも必要なく、到着してから15分で空港の外に出ることができました。6月25日に成田空港から離日しましたが、日本の空港だけショッピング街がほとんど休業中という異常さに、政府の政策の違いで大きな損害を受けている企業があることも実感しました。日本政府の水際対策は、少なくとも主要国との横並びとなるよう早急な見直しが必要と見られます。
カンボジア観光省は、観光業界の厳しい状態について発表し、5月末現在で旅行会社やホテル等1196社が休廃業し、2万1998人が失業したとしています。政府としては、観光業向けの免税や、中小企業銀行を通じた融資等の対策を行っているとのことです。
カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。6月25日現在で、1507万8410人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の94.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.3%に第1回接種を、99.8%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、6月25日現在943万5373人(うち成人657万9929人)が接種を完了しています。また、4回目の接種を1月14日から開始しました。6月25日現在285万7589人が接種済です。4回目接種から3カ月以上経過している医療関係者等が対象となる5回目接種も6月9日から開始され、26万1399名が接種完了しています。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、廃墟のようになっている成田空港のショッピング街。6月25日撮影)
これまで毎週月曜日に掲載してまいりました「新型コロナ カンボジアの状況」ですが、感染状況が落ち着きを見せているため、今後は月1回程度の掲載といたします。ご理解を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
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6月22日、日本政府は6月26日から入国時の3回目接種の有効ワクチンとしてアストラゼネカ等を認めると発表しました。これまでは、ファイザー、モデルナしか認められていませんでした。日本政府は、カンボジアを含む各国に日本製アストラゼネカワクチンを贈与していましたが、これまで3回目接種として認めておらず、矛盾した対応だとの批判がありましたが、ようやく解消されることとなります。
6月23日、日経新聞は、「訪日客回復に「出国前検査」の壁 際立つ日本の厳格さ」と題する記事を掲載し、日本政府の水際対策を批判しました。既に欧米・アジアの主要国では、入国時規制を大幅緩和しており、特段の検査を要しない体制となっています。日本だけが「非科学的」規制を続けており、外国人観光客獲得競争に大きく出遅れています。陰性証明のためのPCR検査も方法や書式・手続きが一方的に厳格に定められているため、旅行客に大きな負担となっています。日経新聞では「感染対策と経済活動を両立するウィズコロナを模索するうえで、水際対策のさらなる見直しが引き続き検討課題となる。」としています。
私も、5月、6月に日本に入国しましたが、海外でのPCR検査や日本政府指定の証明書の確認・使用は、大変でした。6月25日にカンボジアに入国した際は、ワクチン接種証明を見せるだけで、他には検査も手続きも必要なく、到着してから15分で空港の外に出ることができました。6月25日に成田空港から離日しましたが、日本の空港だけショッピング街がほとんど休業中という異常さに、政府の政策の違いで大きな損害を受けている企業があることも実感しました。日本政府の水際対策は、少なくとも主要国との横並びとなるよう早急な見直しが必要と見られます。
カンボジア観光省は、観光業界の厳しい状態について発表し、5月末現在で旅行会社やホテル等1196社が休廃業し、2万1998人が失業したとしています。政府としては、観光業向けの免税や、中小企業銀行を通じた融資等の対策を行っているとのことです。
カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。6月25日現在で、1507万8410人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の94.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.3%に第1回接種を、99.8%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、6月25日現在943万5373人(うち成人657万9929人)が接種を完了しています。また、4回目の接種を1月14日から開始しました。6月25日現在285万7589人が接種済です。4回目接種から3カ月以上経過している医療関係者等が対象となる5回目接種も6月9日から開始され、26万1399名が接種完了しています。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、廃墟のようになっている成田空港のショッピング街。6月25日撮影)
これまで毎週月曜日に掲載してまいりました「新型コロナ カンボジアの状況」ですが、感染状況が落ち着きを見せているため、今後は月1回程度の掲載といたします。ご理解を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
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