カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

緑の気候基金 カンボジア気候基金に1億ドルを供与

2024年03月15日 | 経済
 3月6日、緑の気候基金(Green Climate Fund:GCF)は、ルワンダで開催した理事会で、カンボジアを含む途上国向けの事業への資金供与(総額12億6000万ドル)を承認しました。カンボジアについては、カンボジア気候基金(Cambodian Climate Financing Facility’s: CCFF)向けに、合計1億900万ドル(約159億円)の資金供与を行うことが承認されました。
 緑の気候基金は、開発途上国の温室効果ガス削減(緩和)と気候変動の影響への対処(適応)を支援するため、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)に基づく資金供与の制度の運営を委託された基金です。
 今回の資金供与の対象は、カンボジア気候基金 (CCFF)の分野横断的な目標の達成となります。具体的には、カンボジアの「国が決定する貢献」(Nationally Determined Contribution: NDC)の実施の加速、気候資金の規模拡大、気候耐性を高めながら温室効果ガス排出量を削減すること等が含まれます。
 カンボジア気候基金は、この資金を活用して、NDCで優先分野とされている分野の事業に対し、長期の譲許的借款を供与します。資金供与だけでなく、関係者への人的能力開発も支援するとしています。
 カンボジアは、洪水、猛暑などの気候災害を受けやすく、気候変動に対して特に脆弱な国とされています。更に、カンボジアの主要産業である農業は、こうした気候災害を受けやすく、人口の大きな割合を占める農村人口は気候変動に脆弱であると指摘されています。気候変動の被害は、カンボジアのGDPの9%に達する可能性もあるとされており、貧困人口を増大させるといった悪影響が懸念されています。
 カンボジアは、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)に対し、2021年にカーボンニュートラル長期戦略(LT4CN)を提出済です。2021年末までに、2050年までの長期戦略を提出したのは49カ国のみであり、特にカンボジアは、提出した後発開発途上国としては2か国のうちの1カ国ということです。カンボジアは、先進国や中国等と比較すると温室効果ガスの排出量は圧倒的に少ないのですが、被害は深刻なものになる懸念があり、国際社会と協力して気候変動問題に取り組む強い姿勢を示しています。
(写真は、カンボジアの農村部。記事とは直接関係ありません)

緑の気候基金の発表(英文です)
https://www.greenclimate.fund/news/green-climate-fund-usd-126-billion-climate-action-developing-countries


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シアヌークビル港 2023年の... | トップ | プノンペンで美味しいふぐ刺... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事