カンボジア経済

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IMF IV条協議結果2024 不動産向け不良債権に懸念

2024年10月04日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。9月17日から30日まで実施されたIMF調査団とカンボジア政府との協議結果について、9月30日にIMFから発表がありました(なお、詳細なレポートは、通常2ヶ月ほどで発表されます)。
 カンボジアのGDP成長率は、2022年5%、2023年5%から、2024年5.5%へと加速すると見ています。その要因としては、縫製品・農産品輸出の好調と観光の回復を挙げています。他方、建設・不動産セクターの調整は長引いているとしています。
 物価上昇率については、2023年2.1%から2024年1.5%程度へと落ち着くものと見ています。国際収支については、2023年に黒字化した経常収支は、2024年には1.8%程度の赤字となると見ています。外貨準備は安定的な水準にあるとしています。対外債務についても「低リスク」と見ています。
 金融については、民間向け信用が急速に伸び悩んでいる一方で、不動産向け等の不良債権が増加し、金融機関の不良債権比率が6%まで上昇してきていることに懸念を示しました。
 リスクとしては、先進国や中国の経済鈍化による需要減少、地政学的な経済分断、高水準の民間貸付等を挙げています。特に、不動産向け等の不良債権の増加が金融安定や経済成長のリスクとなっていると指摘しています。政策提言としては財政基盤強化による財政余力の創出の重要性を指摘しています。また、後発開発途上国(LDC)からの卒業への備えも必要と提言しています。また、不動産開発業者による不動産向け貸付について厳格なモニタリングが必要と警鐘を鳴らしています。
(写真は、建設中のカンボジア国立銀行本店)

国際通貨基金(IMF)の新聞発表(英文です) 
https://www.imf.org/en/News/Articles/2024/09/30/pr24349-cambodia-imf-staff-completes-2024-article-iv-mission?cid=em-COM-123-49052


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