カンボジア経済

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2024年交通事故件数は減少も 飲酒運転取り締まり強化

2025年01月22日 | 経済
 国家交通安全委員会によりますと、交通事故件数は、2021年2670件、2022年2976件から、2023年3317件、2024年2844件(対前年比14%減)となっています。死亡者数は、2021年1497人、2022年1709人、2023年1590人、2024年1509人(同5%減)となっています。負傷者数は、2021年3615人、2022年4026人、2023年4515人、2024年3720人(同18%減)となりました。なお、届出されていない事故や死傷も多数あると見られます。
 新型コロナの影響で交通量が減ったことと、2020年5月から交通違反罰則金を大幅に引き上げる等の交通法規の厳格化がなされたこと等から、2020年~2021年は交通事故が減少していました。2022年~2023年は再び増加に転じましたが、2024年は減少しています。
 交通事故の主な原因としては、速度違反(1156件、40.6%)、通行権不履行(649件、23%)、不適切な車線変更(268件、9.4%)、無謀な方向転換(221件、8%)等でした。その他の要因としては、追い越し(215件、7.6%)、車両不具合(114件、4%)、飲酒運転(105件、3.7%)等が挙げられています。また、オートバイの死亡事故、特にヘルメット不着用の死亡事故が目立つと指摘されています。
 日本国内における2024年中の交通事故による死者数は2663人です。車の台数等を考えると、カンボジアでは日本と比較して約100倍も死亡事故が発生していると言われます。
 交通事故は、カンボジアにとって重大な問題となりつつあります。カンボジア政府も取り組みを進めており、フン・マネット首相は、2024年1月23日にカンボジアの交通事故で大きな原因となっている飲酒運転の取り締まり強化・アルコール飲料の広告規制強化等を表明しています。また、富裕層に有利と言われ、国民の怨嗟を招いている交通事故関連裁判についても迅速化を図る方針です。この他、交通事故を起こした違反者の資産差し押さえ等も強化するとしています。
 カンボジアでは、交通安全教育や交通インフラにおける安全対策等によって、交通事故を減らしていく努力が引き続き必要とみられます。また、海外からの支援についても、今のところ交通安全対策は重点となっているとは言い難いところがあるため、ドナー各国や国際機関にその重要性を訴えていく努力も必要と見られます。特に、交通事故死亡者数を大幅に減らしてきた日本のノウハウをカンボジアで活かす機会も十分にあるものと見られます。
(写真は、プノンペンポスト紙より)


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