カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

南部回廊を走る(その4:コッコン)

2008年06月08日 | 経済
 タイとの国境を越えると、コッコン州です。コッコン州の州都コッコン市は、これまでは道路の状況が悪く、陸の孤島とも言えるところでしたが、道路の整備によってプノンペンとバンコクを結ぶ重要な拠点となりつつあります。
 まだまだ小さな町ですが、2002年に開通したコッコン橋により、国境と結ばれました。上の写真は、コッコン市からコッコン橋の向こう、国境方面を見たところですが、ちょうど美しい虹が出て、2国間の架け橋のように見えました。カンボジアは、米ドルが一般に流通していますが、このコッコン市では、タイ・バーツも一般に流通していました。
 コッコン州は美味しい海産物も有名で、写真のような川沿いの水上レストランで、楽しむことができます。また、この州には、まだ手付かずの原生林も残されています。蛍の里等も建設中で、今後エコツーリズムの発展も期待されます。

コッコン市の水上レストラン


コッコン州の美しい原生林
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南部回廊を走る(その3:国境)

2008年06月06日 | 経済
 バンコクから400kmを走って、カンボジアとの国境(Cham Yeam:写真上)につきました。夕方だったこともあってか、国境を通過する人の数は多くなく、手続きもスムーズで、5分で通過することができました。なお、午前中はもっと混むそうです。タイとカンボジアの間の車の通行はまだ制限が多く、実質的にはここで必ず車、バスを乗り換えることになります。
 国境のタイ側は、小さな町で、おみやげ物屋さんやローカルなレストランがある程度ですが、カンボジア側はまったく違い、国境のすぐ隣に大きなホテルが二つ建っています。そのうちのひとつは、LYP財閥が経営する豪華リゾートホテル「Koh Kong Resort」で、大規模なカジノもあります。カジノは、全てタイ・バーツ建てで、タイ人と思われるお客さんたちが、大金を賭けていました。ここには、免税店もあり、お酒やブランド品も売っていました。ホテルの前には、おみやげ物屋さんを集めたマーケットもあり、こちらは庶民的な感じです。
 また、国境から、車で5分ほどのところに「コッコン経済特別区」が認可され、工事が始まっていました。完成にはまだ時間を要するものと思いますが、既に興味を示している企業もあるとのことで、今後が期待されます。
 カンボジア側の道路の整備が進んだため、今後は、このコッコン国境も交通量が多くなるものと思われます、既にプノンペンから大型バスの運行が始まっており、何台ものバスを見かけました。また、タイ側でも西洋人観光客を乗せたバスを見ました。今後、出入国管理や税関の改善、車両規制の2国間での調整を進めて、この地域が更に発展することが期待されます。

タイ側の出入国管理事務所。


カンボジア側の出入国管理事務所。手続きはスムースでした。


カジノもある大型ホテル「コッコンリゾート」



カジノホテル前の庶民派のマーケット


これからが期待されるコッコン工業団地(特別経済区)
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南部回廊を走る(その2:レムチャバン~国境)

2008年06月05日 | 経済
 昨日からの続きです。今日は、タイの中核港のレムチャバンからタイ・カンボジア国境までです。
 レムチャバンから、タイ国道3号線で国境へ向かいます。レムチャバンのすぐ南には、有名な観光地のパタヤビーチがありますが、最近は他のビーチに人気を奪われて、若干元気の無い感じです。ここから、国道36号線でショートカットして、ラヨンに向かいます。この近くには、重化学工業で有名なマプタプット港と工業団地があります。ここも最初は日本のODAで開発されたもので、今では一大産業地域となっています。
 国道3号線で更に東に向かい、終点のトラットに向かいます。国道3号線、36号線ともに片側2車線の高速設計で、多くの車が時速120kmくらいで飛ばしています(写真上)。バンコクからトラットまでは、更に近道になる国道344号線を使うと325kmです。
 トラットから国境までは、国道318号線(75km)で、最後のこの区間だけが片道1車線です。ただ、道路状況は問題ありません。途中にきれいなビーチもたくさんあるようです。
 バンコクから国境までは合計400kmです。飛ばせば、4時間ほどでしょうか。

有名な観光地であるパタヤビーチ。


ラヨンの浜辺から、工業地帯を眺める(ちょっと見難いですが)。


最後の国道318号線だけは片側1車線。

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南部回廊を走る(その1:バンコク~レムチャバン)

2008年06月04日 | 経済
 タイ(バンコク)~カンボジア(プノンペン)~ベトナム(ホーチミン)を結ぶ南部回廊の開発機運が高まっています。今般、その中でも一番南の海岸沿いのルートを陸路で走る機会がありました。
 まずは、バンコクから、タイの東部臨海工業地帯の中核であるコンテナ港と工業団地を有するレムチャバンまでです。
 バンコクは、カンボジアから行くと本当に大都会で、圧倒される感じがします。朝一番で出発しますが、まずは、バンコク市内の渋滞を抜けなくてはなりません。高速道路に乗るまでに30分以上かかってしまいました。しかし、東に向かう高速道路は片側4車線(写真上)で、まさに快適です。レムチャバンまでは約120kmですが、高速道路に乗れば1時間15分ほどで到着です。
 レムチャバンでは、展望タワーに登らせていただきました。展望室からは、コンテナ港、工業団地、パタヤビーチに繋がるビーチ等が一望できます。この東部臨海地帯の開発は日本の円借款(ODA)が、港湾、道路、鉄道、水道、工業団地建設等に活用され、大きな成功を収めたものです。この経験は、カンボジアでもシアヌークビル港と隣接する工業団地の開発に活かされているということです。
(タイ東部臨海開発計画 総合インパクト評価 報告書)
 http://www.jbic.go.jp/japanese/research/report/review/pdf/2-4.pdf

バンコク中心部 高架鉄道や地下鉄も走っています。


レムチャバンのコンテナ港


レムチャバン港に隣接する工業団地

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南部回廊(ホーチミン~プノンペン~バンコク)

2008年06月03日 | 経済
 カンボジアを中心とするメコン地域(カンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、ミャンマー、中国南部)は、大メコン地域(グレーター・メコン・サブリージョン:GMS)」と呼ばれています。この地域を一体的に開発するため様々な計画がありますが、東西経済回廊(ベトナム中部ダナン港~ラオス~タイ~ミャンマー)、南北回廊(中国雲南省昆明~ラオス~タイ・バンコク)、南部回廊(ホーチミン~プノンペン~バンコク)が、主要な経済回廊と呼ばれています。このうち、東西回廊については、主に日本の協力を得てミャンマー部分を除き完成に至っています。引き続き、南部回廊の開発が重要な課題となっています。
(参考資料)
http://www.ofc-okita.com/pdf/GMS071129%20GMSdeve&corridors.pdf

 これまでは、カンボジア国内の道路整備が課題となっていますが、日本やアジア開発銀行の支援を得て、次第に整備が進められています。プノンペンからは、カンボジア国道5号線経由、ポイペと国境を経て、バンコクに行くのが主要ルートですが、今般、バンコクから海岸沿いに走り、カンボジア・コッコン州経由でプノンペンまで陸路を走る機会がありましたので、明日から順次ご紹介します。
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四辺形戦略のレビュー会議

2008年06月02日 | 経済
 カンボジア政府は、2004年7月に、「四辺形戦略(レクタンギュラー・ストラテジィ)」を打ち出しました。これは、四角形の真ん中に政策の中核となる「良き統治(グッド・ガバナンス)」を置き、四つの辺に、1.農業セクターの強化、2.インフラの復興と建設、3.民間セクターの開発、4.人的資源の開発を置いた戦略です。
詳細は、以下のページをご参照ください。
http://www2.jiia.or.jp/pdf/global_issues/h17_cambodia/h17_cambodia07_Chapter4.pdf

 この四辺形戦略の成果と課題をレビューする会議が先週5月29日から6月1日まで開かれました。フンセン首相は、経済成長、安定的なマクロ経済等を成果として評価する一方、脆弱な経済構造や貧富の格差を課題として取り上げ、7月に予定される選挙で現政権が支持されれば、この四辺形戦略に引き続き取り組む熱意を示したとのことです。

フンセン首相の締めくくりスピーチ(長い英文です)
http://www.cnv.org.kh/2008_releases/01jun08_nc_people's_prosperity_rs_closing.htm
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