カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

国際通貨基金 巨額の特別引出権を配分 カンボジアには約260億円相当

2021年08月18日 | 経済
 8月2日、国際通貨基金(IMF)は、国際的な流動性を促進するために、約4560億SDR(約71兆円)の特別引出権(Special Drawing Right: SDR)の配分を承認しました。SDRは、IMFにより創出された国際準備資産で、現在は、ドル、ユーロ、円、ポンド、人民元の5通貨のバスケットで構成されています。SDRは、これまでの累計で2042億SDRしか配分されていませんでしたので、今回の配分で一気に3倍以上に増加しました。
 今回の配分により、新型コロナの影響で国際収支赤字や財政赤字に苦しむ途上国に、余裕と強靭性を与えることができるものと見られます。新しく創出されたSDRは、各国の既存IMFクォータ(出資割当額)に応じて各加盟国に割り当てられることとなっており、カンボジアへの配分額は、約260億円相当になるものと見られます。なお、今回のSDR一般配分は2021年8月23日に発効する予定です。
 ゲオルギエバIMF専務理事は「IMF史上最大となるSDR配分は、この未曾有の危機において世界経済にとってのカンフル剤となります。SDRの配分によって全加盟国が恩恵を受けることになり、長期的かつ世界的な準備資産の必要性に対処が行われ、信頼が構築され、世界経済の強靭性と安定性が促進されることになります。とりわけ、加盟国の中でも、コロナ禍がもたらした影響の対処に苦慮している最脆弱国にとって助けとなります」と述べました。
 SDRは、国・国際機関等のみが利用可能な準備資産で、通常は通貨危機等の際に外貨準備を補完する働きがあります。今回の配分では、配分されたSDRを他国に売って得た資金を、新型コロナ対策等に利用することも可能です。カンボジアは、財政、国際収支、対外債務、外貨準備等、いずれも今のところは大きな問題がないことに加え、日本、世界銀行、アジア開発銀行、EU等から十分な財政支援も得ており、マクロ経済は安定的な状況ですが、準備資産が積み増しされることにより、信頼性、安定性、強靭性が補完されるものと期待されます。
(写真は、IMFの総務会)

国際通貨基金の発表
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2021/07/30/pr21235-imf-governors-approve-a-historic-us-650-billion-sdr-allocation-of-special-drawing-rights


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日経新聞 カンボジア、中国への依存加速 EU制裁から1年

2021年08月17日 | 経済
 8月12日、日本経済新聞に「カンボジア、中国への依存加速 EU制裁から1年」と題する記事が掲載されました。著者は、日本経済新聞社ハノイ支局の大西智也支局長です。記事では、EUの制裁発動から1年を経たカンボジアの状況が解説されています。幣研究所の鈴木博チーフエコノミストのコメントも入れていただいております。記事の概要は以下の通りです。
 2020年8月12日に欧州連合(EU)の欧州委員会が人権問題を理由にカンボジアへの経済制裁を発動してから1年となりましたが、今もなお、フン・セン首相の政治手法に大きな変化はありません。2020年のカンボジアのEUへの輸出は前年に比べて減る一方、フン・セン政権の後ろ盾である中国への輸出は1割以上伸びています。2022年1月には中国とカンボジアの自由貿易協定(FTA)も発効する予定です。カンボジア政府幹部は「FTAで中国への輸出が約25%増える」と予測しています。カンボジアへの外国直接投資のうち、中国は約9割を占めています。新型コロナウイルスのワクチンでも、8月11日時点でカンボジア国民の接種分のうち中国製の割合は9割を超えています。米中対立激化の中で綱渡り外交を続けるカンボジアですが、経済成長のために中国にもある程度依存せざるを得ません。フン・セン首相は5月に開かれた国際交流会議「アジアの未来」で、「中国以外に誰に頼ればいいのか」と嘆き、欧米や日本のカンボジアへの投資を求めました。残念ながら、こうした現状ではEUのカンボジアへの圧力は効果がないだけでなく、「中国とカンボジアをさらに接近させている」(カンボジア総合研究所の鈴木博のコメント)状況です。記事は、「カンボジアを取り巻く国際情勢は、米中対立が深まる中で人権尊重など西側の価値観を新興国に定着させる難しさを浮き彫りにしている。」と結ばれています。
 カンボジアと中国との関係を背景に、カンボジアの置かれた立場や状況について、多くの情報を含んだ有益な記事です。ぜひご一読ください。
(写真は、プノンペン北部の高層ビル群)

日本経済新聞のサイト(有料記事です)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM038G50T00C21A8000000/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年08月16日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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新型コロナ カンボジアの状況 8月16日 日本人会ワクチン希望者調査

2021年08月16日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染の第3波はピークを越えつつある模様ですが、デルタ株の感染が確認され、感染拡大が懸念される状況です。8月15日の保健省の発表によれば、死者は1683名(8月8日から121名増)です。累計陽性者数は8万5448名(同3557名増)となっています。治癒数は8万396名(同4901名増)です。先週の新規陽性者のうち、2664名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は893名でした。
 国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(8月15日現在陽性者7万3612名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
カンボジアでは、タイからの帰国者を中心にデルタ変異株の感染拡大が進みつつあり、8月13日現在で513例が確認されています。カンボジア全土に広がりつつあり、3州(タケオ、ケップ、クラチエ)を除くすべての州・都で確認されているとのことです。こうした状況を受けて、8月11日、日本政府はカンボジアを「水際対策上特に懸念すべき変異株に対する指定国・地域」に指定すると発表しました。カンボジアから日本へのすべての入国者は、検疫所長の指定する場所で3日間待機が必要となり、その後検査を受けて陰性と判定されれば、入国後 14 日目までの間の自宅等待機が求められます。なお、成田空港等での到着時のワクチン接種の取扱も変更されていますのでご留意ください。
 カンボジアにおける規制も延長されています。映画館等の閉鎖や酒類の販売禁止等は、8月26日まで2週間延長されています。プノンペンの夜間外出禁止(22時~翌朝3時)は、8月19日までの1週間の延長です。なお入国時に選択可能なホテルとして、ラッフルズホテルに続き、ソフィテルホテルも4軒目の隔離可能ホテルとして認可されました。こうした安心できるホテルに宿泊できるようになることは、入国時のハードルを格段に引き下げる効果があるものと期待されます。
 ワクチンについては、中国製を中心に続々と到着しています。8月11日現在で、851万9714人(うち12歳~17歳40万3562人)への第1回接種を完了しています。2021年内に成人1000万人への接種を完了するという目標は10月中にも達成可能となり、12歳~17歳200万人を加えて、人口の80%への接種を11月中にも完了できると見ています。なお、カンボジア日本人会、カンボジア日本人商工会では、在カンボジア日本国大使館と協力して、カンボジア政府に対し在留邦人が日本政府承認済みのワクチン(カンボジアの場合はアストラゼネカ)を接種できるようにすることを請願しています。この関係で、日本人会と商工会は、接種対象となる在留邦人でアストラゼネカワクチンの接種を希望する邦人に関する調査を行っています。ご希望の方は、留意事項を十分にご検討の上、日本人会・商工会のサイトから氏名等をご登録ください(締め切り:8月17日火曜日)。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは一旦終了したものの、デルタ株の市中感染が確認されたこともあり、再度規制強化が実施されています。新たな規制については、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。活気が戻ってきています。8月15日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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ちょっとお洒落なクメール朝食 Sombok Restaurant

2021年08月15日 | 生活環境
 プノンペンのリバーサイドに開店した高級クメール料理レストラン「Sombok Restaurant」です。場所は、元K-Westがあったところです。大きなガラス窓で店内は明るい感じで、公園越しにトンレサップ川を眺めることができます。白とティファニーブルーが爽やかな感じのインテリアです。特筆すべきは、防音になっていることで、外を走る車やバイクの音がほとんど聞こえません。朝食で伺ったのですが、メニューは、クイティウ等のオーソドックスなものに加えてと、フォアグラやキャビアを使ったものもありました。今回は、シーフード・クイティウ(4.5ドル)をお願いしました。プレゼンもなかなか素敵で、美味しくいただけました。お客さんは、ホテルの泊り客らしき方や、朝からミーティングの地元ビジネスマン等でした。リッチな雰囲気で朝ごはんを頂くのも時には良いものです。セットランチやディナーメニューも色々あるようです。なぜかキャビアがいろいろ揃っています。お勧めです。お試しください。

Sombok Restaurant
https://web.facebook.com/sombokrestaurant/

シーフード・クイティウ。調味料類も含めて、お洒落な雰囲気です。



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サッカーJリーグ清水エスパルス 「Cambodia Day」のイベント タイカ社協賛

2021年08月14日 | 社会・風土
 8月9日、日本のサッカーJリーグの清水エスパルスは、横浜Fマリノスとのホームゲーム(IAIスタジアム日本平)で、「Cambodia Day」のイベントを開催しました。オフィシャルトップパートナーのタイカ社の協賛によるものです。カンボジア製のオリジナルトートバックの配布や、在日カンボジア大使館のウン・ラチャナ大使によるキックインセレモニー等が行われたとのことです。スタジアムには、日本カンボジア協会もブースを設置して、カンボジアの紹介やグッズの販売を行いました。この他、タイカ社提供で、全選手サイン入りTシャツなどの賞品が当るプレゼント等も実施されました。
 タイカ社は、清水生まれの鈴木大登社長が率いる清水で創業された企業です。カンボジアでは、プノンペン経済特区で、シューズ等に使われる衝撃を吸収する多機能素材の生産等を行っています。
 カンボジアに進出した日系企業の協力で、日本とカンボジアがスポーツでも繋がるのは大変素晴らしいことです。タイカ社の取り組みに拍手を送りたいと思います。
(写真は、カンボジア大使によるセレモニー。在日カンボジア大使館より)

清水エスパルスのサイト
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/47385

タイカ社の鈴木大登社長のインタビュー
https://www.s-pulse.co.jp/sponsors/interview_detail/47643



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リネットとソラミツ バコン普及へ加盟店開拓 デジタル人民元に対抗へ

2021年08月13日 | 経済
 8月6日、リネットジャパングループ株式会社は、国際協力機構(JICA)の「DX主流化に向けた情報収集・確認調査」に関連し、カンボジアにおける中央銀行デジタル通貨バコンの普及に向けた調査・実証事業に協力企業として参画したと発表しました。世界で初めてカンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)が正式展開したデジタル通貨であるバコンの更なる普及を目指すものです。具体的には、バコンのサービス展開を促す観点で、ショッピングモールや公共市場といった小売分野での店舗決済と送金実験を行うとともに、将来他業種での支払い手段等についても普及を後押しするための調査・実証事業を進めていく予定です。リネットジャパン社は既にソラミツ・ホールディングスAG社との間でカンボジアの中央銀行デジタル通貨を軸としたデジタルバンキングサービスの事業化に向けた合弁会社として Renet Soramitsu Financial Technologies社を設立済であり、今回のプロジェクトにおいても、ソラミツ社との連携により、RSFT社を活用していくとしています。
 NBCがバコン普及を急ぐ背景として、デジタル人民元の存在があるとの見方も出ています。中国は2022年にもデジタル人民元の発行をもくろんでおり、バコンが普及する前にデジタル人民元が国境を越えて入ってくると、駆逐されかねないとの懸念が出ています。また、カンボジアの周辺国のベトナムやタイでもデジタル通貨の導入機運は高まっており、リネットジャパン社とソラミツ社は、セキュリティーの高さに加え、こうした普及促進策をセットにしたモデルを各国に輸出したいとしています。
(写真は、NBCのフェイスブックより。バコン開発を主導したチア・スレイ副総裁)

リネットジャパン社の新聞発表
https://corp.renet.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/20210806-2.pdf

日本経済新聞(有料記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB035B10T00C21A8000000/


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日・ASEAN外相会議2021

2021年08月12日 | 経済
 8月3日、日ASEAN外相会議(共同議長:茂木外務大臣及びソン・ベトナム外相)がオンライン形式にて開催されました。ASEAN 外相会議開催に合わせた一連の会議の一環として開催されたものです。カンボジアからは、プラック・ソコン外務大臣が参加しました。
 会議では、茂木大臣は、ASEAN諸国で多くの新型コロナ感染者が発生していることへのお見舞いを述べ、日本はASEANの真の友人として、保健・医療分野での支援、ワクチンの提供、ASEAN包括的復興枠組等への支援を通じて、この難局を共に乗り越えていきたいと述べました。また、法の支配、開放性、透明性、包摂性といった原則をインド太平洋地域で維持・強化していくことが重要であり、「自由で開かれたインド太平洋」を実現する要であるASEANが発出した、インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)への日本の支持及びAOIPの進展につながる具体的な協力を惜しまないと述べました。また、2023年は、日本とASEANが友好協力関係50周年であり、50周年の機会にASEAN各国首脳を日本にお迎えし、特別首脳会議を開催し、日ASEAN関係を新たなステージに引き上げたいとしています。これに対し、各国からワクチンの供与はじめコロナ対応での日本の支援に対し、高い評価と感謝が表明されました。
 また、茂木大臣は、東シナ海及び南シナ海では、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されており、これに強く反対すると述べました。国際司法裁判所による仲裁判断から5年の節目であり、南シナ海における法の支配や紛争の平和的解決の重要性を強調し、同判断は当事国によって遵守されるべきとしています。この他、北朝鮮問題、ミャンマー問題についても議論されました。
(写真は、外務省の発表より)

日本の外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000547.html


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カンボジア証券取引所 不動産開発企業の新規上場手続き進む

2021年08月11日 | 経済
 8月3日、カンボジア証券取引所(CSX)は、中小企業向け市場の「成長市場(Growth Board)」に2社目の上場となるJSランド社(JS Land Plc.)の上場審査について7月22日付で基本認可を与えたと発表しました。「成長市場」は、中小企業振興のために、カンボジア証券取引場が開設した市場で、メイン市場よりも緩和された条件で上場することが可能です。今後、上場に向けて、カンボジア証券取引委員会での新規株式公開に関する認可を得る手続きとカンボジア証券取引所での上場に関する最終認可手続きが必要となります。主幹事は、マレーシア系のRHB証券となります。2021年中の上場が期待されます。
 JSランド社は、2014年にプノンペンで設立された、コンドミニアム等の不動産開発企業です。中所得者向け住宅のパイオニアでもあるとのことです。現在は、プノンペンのセンソック区で、ガーデンレジデンシィ第2期工事を実施中としています。今回のIPOで、380万ドル(約4億1000万円)を調達する計画です。
 カンボジア証券市場は、2020年以降は新型コロナの影響もあって、沈滞した状況が続いています。市場参加者は、昨年のACLEDA銀行の上場もあって増加していますが、ACLEDA銀行株の取引が全体の80%程度を占めており偏った構造となっています。新規上場により、上場企業数が増加していくことは、投資先の多様化や市場の活性化にも効果があるものと期待されます。
(写真は、カンボジア証券取引所)

カンボジア証券取引所の発表(英文です)
http://www.csx.com.kh/news/notice/viewPost.do?MNCD=8020&postId=510#.YQzbxT9xc2w


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2021年第2四半期CBC報告 消費者向け信用は減少

2021年08月10日 | 経済
 7月30日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2021年第2四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は34%減、金額は6%減と2020年後半のV字回復から低下が続いています。その内訳は、個人向け貸付が件数34%減、金額39%減、住宅ローンは件数32%減、金額17%減、クレジットカード利用は件数25%減、金額27%減となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比0.4%減の約130万人となっています。残高は、前期末比3.4%増の107億5000万ドル(約1兆1720億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%と推移しています。借入人の26.3%が複数の機関から借り入れを行っています。
 新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じていることもあって、不良債権比率は2%台にとどまっています。他方、新規貸付需要は、2020年第2四半期は急減したものの、国内での経済活動再開に伴い2020年第3四半期・第4四半期には大きく戻しました。しかし、2021年第1四半期以降は新型コロナの国内感染の拡大を受けて伸び悩んでいます。4月以降のロックダウン等の影響を受けて、2021年第2四半期は、貸付低迷と不良債権比率の悪化という懸念が現実のものとなっています。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構の発表(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/press/consumer-credit-index-report-quarter-2-2021-released-july-2021/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年08月09日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 8月9日 デルタ株の感染が脅威に

2021年08月09日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染が高止まりしている中、デルタ株の感染が確認され、感染拡大が懸念される状況です。8月8日の保健省の発表によれば、死者は1562名(8月1日から142名増)です。累計陽性者数は8万1891名(同3977名増)となっています。治癒数は7万5495名(同4741名増)です。先週の新規陽性者のうち、2790名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は1187名でした。
 国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(8月8日現在陽性者7万948名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
カンボジアでは、タイからの帰国者を中心にデルタ変異株の感染拡大が進みつつあり、8月5日現在で300例以上が確認されている模様です。中国製のワクチンの効果が十分ではないと見られているため、政府では、イギリス提供のアストラゼネカワクチンを、タイ国境に展開する医療従事者を中心とした優先対象者にブースターとして3回目の接種を実施することを決定し、8月8日から接種を開始しました。
 プノンペンでは、デルタ型の脅威もあり、感染者が発生した通りを突然隔離封鎖(48時間)して、たまたまそこにいた人が巻き込まれるという事態が発生しています。他方、7月29日から開始された夜間外出禁止(21時から翌朝3時まで)等の規制強化のうち、店内飲食については8月4日に解除されました。また、帰国時の隔離ホテルについては、既に認可済みの2ホテルに加えて、ラッフルズ・ルロイヤルホテルが選択可能となりました。14泊(3食込み)で2426ドルからと価格も手ごろで、安心できるホテルに宿泊できるようになることは、入国時のハードルを格段に引き下げる効果があるものと期待されます。
 ワクチンについては、日本(日本製アストラゼネカ100万回分)に続き、米国(ジョンソンアンドジョンソン100万回分)、英国(アストラゼネカ100万回分)もワクチン供与を実施しています。日本の第2便(66万8000回分)は8月6日に、米国の第2便(60万9600回分)は8月2日に、英国の第1便(41万5000回分)は8月5日に到着しました。これらを含めて、既に合計2100万回分の調達が完了しています。8月5日現在で、781万469人(うち12歳~17歳19万7806人)への第1回接種を完了しており、2021年内に成人1000万人への接種を完了するという目標は10月中にも達成可能となり、12歳~17歳200万人を加えて、人口の80%への接種を11月中にも完了できると見ています。なお、カンボジア政府では、民間病院によるWHO承認済ワクチンの輸入・接種を許可しました。なお、接種キャンペーンが終了したプノンペンでは、未接種の人(外国人含む)に対して接種を進めるため、8月9日から9月8日まで母子保健センター等で接種を行うことを発表しています(ワクチンは中国製となる見込みです)。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは一旦終了したものの、デルタ株の市中感染が確認されたこともあり、再度規制強化が実施されることとなりました。新たな規制については、州毎に状況が異なっていたりしますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペンに到着した日本からのワクチン。日本大使館のフェイスブックより)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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おうちでご飯 リンガーハットとルポアン

2021年08月08日 | 生活環境
 プノンペンでは、新型コロナ対策として再度の夜間外出禁止令と店内飲食禁止規制が導入されました(8月4日に店内飲食は解禁されました)。ということで、家でご飯の機会が増えています。店内飲食は禁止ですが、テークアウェイ、デリバリーはOKなので、活用しています。まずは、イオンのリンガーハットです、イオンモールで買い物のついでに、皿うどんと餃子をお願いしました(写真上)。イオンモール・プノンペンでは、1階のホールに各レストランの出先が並んでいて、そこで注文・受け取りができます。リンガーハットでは、Buy1Get1のキャンペーン中(8月13日まで)で、1万4000リエル+税(約400円)で皿うどんが2つ買えて、すごくお得感があります。皿うどんは、麺と餡が別々の容器に入っていますので、食べる時にパリパリ感が味わえます。ちょっと冷めても美味しかったです。餃子も一口サイズなので食べやすく、ビールのつまみに最高です。
 次に、ルポアンからのお取り寄せです。初めてカツサンドをお願いしたところ、美味しかったです。また、定番の低糖質メニューのカリフラワードリアは私の好物の一つです。ついつい色々と頼んでしまって、ちょっと食べすぎでしょうか。
 飲食店は厳しい状況が続いていますが、こうして家で食べるのも悪くありません。お勧めです。ぜひ、色々お試しください。

リンガーハット
https://web.facebook.com/ringerhutcambodia/

ルポアン
Le Point | Facebook

イオンモール1階に並んだレストランの出先(8月3日撮影)


ルポアンのお取り寄せ



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プノンペンで日本式の焼肉 鮨浦江亭

2021年08月07日 | 経済
 プノンペン中心部バンケンコンに開店した大型の焼肉店「鮨 浦江亭」です。本店と区別するためか店名に「鮨 Sushi」を付けています。場所は、パストゥール通りと352通りの交差点の角です。日本とベトナムにお店を持っている「焼肉 浦江亭」がプノンペンに進出して9年経ちました。今回のお店はかなりの大型店です。内装は、日本風で、4人~6人の半個室がメインですが、個室もたくさんあるそうです。メニューは焼肉屋さんなのですが、刺身やお寿司といったメニューも各種あります。今回は大人数だったので、ダイヤモンド極上カルビ(25.8ドル)や王様ハラミ(16.1ドル)等の高級品も頼んでみましたが、普通のカルビやハラミはリーズナブルな価格設定です。日本式に、焼肉のたれをつけて食べるのも本当に美味しいです。新型コロナで出鼻をくじかれた感じですが、地元の方を中心にお客さんはかなりの入りでした。お勧めです。お試しください。

鮨浦江亭
https://web.facebook.com/Sushi-Uraetei-105277851422889/?ref=page_internal

ダイヤモンド極上カルビ(奥)と王様ハラミ。プレゼンもすごいです。


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カンボジア 2021年5月の物価上昇率

2021年08月06日 | 経済
 国家統計庁から発表された2021年5月の物価上昇率(対前年同月比)は、3.0%の上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月以降3%台となる月が出てきています(2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%)。なお、4月と比べると5月は0.9%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いています。4月の3537リエル/リットルから、5月は3639リエル/リットルに値上がりしました。ディーゼルは、4月の3245リエル/リットルから、5月は3345リエル/リットルに値上がりしました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、最近は70ドル台前後で推移しています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に概ね連動して動いており、今年に入って若干上昇してきています。
 国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2021年の物価上昇率について、アジア開発銀行は3.1%、世界銀行は2.5%、国際通貨基金(IMF)は3.1%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。5月2日撮影)  



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