去年もそうでしたが、今年の3月号も素晴らしいです。
この号は『竜王戦特集』と『プレイバック2008』に尽きますね。素晴らしい。王将戦第一局、羽生王将×深浦王位もありましたが、やはり、霞んでしまっています。
あまり触れたくはないのですが、竜王戦特集は第七局を中心にシリーズ回顧、渡辺竜王物語㊤(小暮克洋氏)、『「機会の窓」を活かした若き竜王』(梅田望夫氏)など、世紀の一戦を詳細に多角的に分析、論述している。
第七局については、渡辺竜王の自戦解説(インタビュー形式)と観戦記と同時解説。両面からの解説、特に渡辺竜王の正直な感想は、激闘の中の心理が垣間見れてよかったし、形勢判断がきちんとされていたのも有り難かったです。
欲を言えば、その分、焦点が拡散されてしまった感もなくはない。渡辺竜王が寄せを誤り、羽生名人の詰めろ逃れの詰めろの▲6六角が放たれた辺りからは、もう少し詳細に、ギリギリの勝負の空気を伝えて欲しかったです。
『プレイバック2008』
昨年の『プレイバック2007』の時も、名局や熱闘がひしめき合っていて、すごい年でしたが(来年はこれほどにならないだろうと思った)、今年も去年に勝ると劣らない年でした。
個人的にベスト5を挙げさせていただきます。
5位 棋聖戦第五局 佐藤棋聖×羽生名人
佐藤棋聖の▲5六角(飛車銀両取り)を放置して、佐藤の居飛車穴熊の急所を突く△8六歩。以下、8三の銀と8四の桂を取らせる間(玉付近の駒なので、相当大きいはずなのに)に、一気に佐藤棋聖の意飛車穴熊を解体してしまった。
4位 竜王戦第一局 羽生名人×渡辺竜王
渡辺竜王のみならず、棋界の常識を覆した羽生名人の大局観。芸術の都で芸術的勝利を上げた羽生名人の名局。
3位 棋王戦第一局 羽生王座・王将×佐藤棋王・棋聖
作品的に表現すれば「傑作」。奇手妙手を散りばめ、しかも、延々と続く秒読み。将棋の面白さを堪能させられる名局。
2位 竜王戦第七局 羽生名人×渡辺竜王
渡辺竜王の新手に対し、羽生名人も強気の強襲。ギリギリの応酬の中、羽生名人がリードを保つが、渡辺竜王も必死に追走。
息切れした羽生名人が誤り渡辺竜王の勝勢に。しかし、渡辺竜王に緩手が出、詰めろ逃れの詰めろが炸裂、羽生名人が栄冠に手が掛かる。
が、渡辺竜王も前年度の佐藤戦を彷彿させるような勝負手を放つ!しびれる最終盤、将棋の神様も唸る激闘。
1位 名人戦第三局 森内名人×羽生二冠
棋史に残る大逆転。
終盤の森内名人の落手にスポットが当てられるが、私は絶望的な局面での、異様な執念を感じさせる羽生二冠の指し手に感動!
見落としに気づいた時の森内名人のぴくっとした痙攣も印象的だが、逆転した後の羽生二冠の指し回しも凄かった。これがあるからこそ、棋史に残る大逆転と成り得た。この後、きっちり締めなかったら、棋史に残る泥仕合に過ぎなかった。
この号は『竜王戦特集』と『プレイバック2008』に尽きますね。素晴らしい。王将戦第一局、羽生王将×深浦王位もありましたが、やはり、霞んでしまっています。
あまり触れたくはないのですが、竜王戦特集は第七局を中心にシリーズ回顧、渡辺竜王物語㊤(小暮克洋氏)、『「機会の窓」を活かした若き竜王』(梅田望夫氏)など、世紀の一戦を詳細に多角的に分析、論述している。
第七局については、渡辺竜王の自戦解説(インタビュー形式)と観戦記と同時解説。両面からの解説、特に渡辺竜王の正直な感想は、激闘の中の心理が垣間見れてよかったし、形勢判断がきちんとされていたのも有り難かったです。
欲を言えば、その分、焦点が拡散されてしまった感もなくはない。渡辺竜王が寄せを誤り、羽生名人の詰めろ逃れの詰めろの▲6六角が放たれた辺りからは、もう少し詳細に、ギリギリの勝負の空気を伝えて欲しかったです。
『プレイバック2008』
昨年の『プレイバック2007』の時も、名局や熱闘がひしめき合っていて、すごい年でしたが(来年はこれほどにならないだろうと思った)、今年も去年に勝ると劣らない年でした。
個人的にベスト5を挙げさせていただきます。
5位 棋聖戦第五局 佐藤棋聖×羽生名人
佐藤棋聖の▲5六角(飛車銀両取り)を放置して、佐藤の居飛車穴熊の急所を突く△8六歩。以下、8三の銀と8四の桂を取らせる間(玉付近の駒なので、相当大きいはずなのに)に、一気に佐藤棋聖の意飛車穴熊を解体してしまった。
4位 竜王戦第一局 羽生名人×渡辺竜王
渡辺竜王のみならず、棋界の常識を覆した羽生名人の大局観。芸術の都で芸術的勝利を上げた羽生名人の名局。
3位 棋王戦第一局 羽生王座・王将×佐藤棋王・棋聖
作品的に表現すれば「傑作」。奇手妙手を散りばめ、しかも、延々と続く秒読み。将棋の面白さを堪能させられる名局。
2位 竜王戦第七局 羽生名人×渡辺竜王
渡辺竜王の新手に対し、羽生名人も強気の強襲。ギリギリの応酬の中、羽生名人がリードを保つが、渡辺竜王も必死に追走。
息切れした羽生名人が誤り渡辺竜王の勝勢に。しかし、渡辺竜王に緩手が出、詰めろ逃れの詰めろが炸裂、羽生名人が栄冠に手が掛かる。
が、渡辺竜王も前年度の佐藤戦を彷彿させるような勝負手を放つ!しびれる最終盤、将棋の神様も唸る激闘。
1位 名人戦第三局 森内名人×羽生二冠
棋史に残る大逆転。
終盤の森内名人の落手にスポットが当てられるが、私は絶望的な局面での、異様な執念を感じさせる羽生二冠の指し手に感動!
見落としに気づいた時の森内名人のぴくっとした痙攣も印象的だが、逆転した後の羽生二冠の指し回しも凄かった。これがあるからこそ、棋史に残る大逆転と成り得た。この後、きっちり締めなかったら、棋史に残る泥仕合に過ぎなかった。