英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「私には脚本家を信じ抜く力が残っておらぬ」 景虎の絶望と遠山の真意

2009-04-14 16:47:48 | ドラマ・映画
「私には人を信じ抜く力が残っておらぬ」
「我、生き過ぎた」

 この悲しい言葉に尽きますね。
 怒りや悲しみさえも感じることができない景虎の絶望。

 チャチな演出を無視するとして、この点は良かったと思います。


……が!!


でしゃばりトリオ(今回はコンビではなくトリオ、妙椿尼・お船・兼続)の活躍?で、ぶち壊し。
(もっと、穏かな表現をしたいのですが、脚本家を信じ抜く力が残っておりませぬ)

 決死の覚悟で(その割には、少しも危険そうでなかった)使者として赴き、景虎に降伏するよう説得するように仙桃院を説得。
 ここは、仙桃院の格からいっても、お船に指図されなくても、自らの判断で景虎を説得させて欲しかったです。これでは、お船の言うがままの「(ショッカー)戦闘員」です。

 それに、使者として行くのを反対する夫・直江信綱(山下真司)を説得する際も、わざわざ兼続の名を出します。呆れた脚本です。

 ちなみに、ホームページの登場人物相関図では、既に抹消されています。哀れ!


 兼続も負けじと活躍?します。
 景虎最期のシーンで、タイミングよく登場し、涙で景虎を見送る。
 冒頭に挙げた台詞を言わせたかったと思いますが、上田衆みんなで見送る図は、変。



 さて、ずっと怪しい動きを見せていた遠山康光。景虎との別れ際、見せた「ほくそ笑み」で、今回の北条高広と景虎の息子・道満丸の暗殺の黒幕であるようほのめかせている。

 この遠山康光、最後まで景虎に仕え、景虎と共に自害という説があるが、このドラマでは御館の乱を陰で引き起こした人物のように描かれている。

 このドラマにおける遠山の真意はどのようなものであったのだろうか?

①景虎に越後を支配させ、北条氏の勢力下に置く
②景虎・景勝に跡目争いをさせ、上杉家を内部分裂させる

 ドラマでは本気で景勝派を滅ぼそうという積極的な動きをしていないことから、②であるような気がします。
 でも、そうなると、北条暗殺の意味が分からなくなります。内部分裂による上杉家の消耗を狙うのなら北条高広は利用価値があるはずです。

 そこで、第3の説。
③景虎が嫌いだった
 ただただ、景虎を窮地に追い込みたかったんですね。男前で、眉毛もかっこいいもんね。

 とにかく、いろいろ怪しかった遠山ですが、その真相を「ほくそ笑み」一つで済ませてしまいました。(ありきたりな演出ですね)
コメント (2)
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