英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『GOLD』 第11話(最終話)

2010-09-17 19:00:52 | ドラマ・映画
今週の訓話
 なんと!唄付きでした。流石、最終回。
 茶化してしまいましたが、天海さんの唄、本当に良かったです。
 訓話も良かったです。

「人は何故頑張るのか?それは、DNAの為。
  DNAは肉体的な遺伝だけでなく、心のスピリットもバトンしていく。
  あなたがあきらめれば、あなたの子どもも諦める。
  あなたが逃げだせば、あなたの子どもも逃げ出すでしょう。
  だけど、投げださず、折れなかった気持ちは、
  必ず、あなたの子どもに受け継がれるでしょう。
  そうやって、人の想いはバトンしていくのです」

「チャップリンが「あなたの代表作はどれか」と尋ねられた時、
 「NEXT ONE」と答えたそうです。

 生きている限り、振り返ることなく、自分のベストは次だと。
 留まることなく、次に向かって欲しい」


 ドラマとしては、廉を当て馬にして、洸を立ち直らせる。しかも、廉を死の淵に立たせて、ギリギリのところで真打ち(洸)を登場させ、見事な復活を果たす。
 そして、今週のテーマで締める。

 と、本当はここで終われば鮮やかな収束と行くのでしょうが、連続ドラマの宿命というか、最終回前で最高の盛り上がりに持っていかなければならないので、たいがいの最終回は、残り25分ぐらいは間延び感を伴うものになってしまうことが多いです。
 で、そうならない為もうひと山を作る必要が生じます。それが、聖子の愚挙(悠里をナイフで狙う)による蓮見の重体。

 悠里と聖子の対決は心に響くモノはありませんでした。
 本来ならば、先週の蓮見の厳しい指摘「子どもが引き篭もるようになったのは、聖子が折れたからだ」(離婚して片親になってしまった負い目から、息子の機嫌を伺うようになってしまった=ドラマのテーマ「子どもの力、人間を信じて、妥協せず、高みに導くべきだ」の逆)で、聖子の件は終結すべきところです。
 ただ、ドラマとしては、悠里と聖子が対決しないと形になりません。蓮見の重体も必要ですし。
 悠里の『幸・不幸のブランコ論』……「幸、不幸はブランコのように揺れている。それが嫌になってブランコを止めてしまったら、退屈なだけ。辛くても漕ぎだして、揺らして幸せのところまで届かす」は面白い例えでした。
 漕がないと幸せには届かない。悠里らしいです。
 しかし、聖子に対して、自分の不幸を並べ立てるのは説得力がありません。確かに、不幸な要素はありますが、財力も権力も能力も美貌もある人に「これでも私が幸せだと妬ましい?」と聞かれてもねえ。基本的水準が高いですよね。


 聖子の暴挙も最終回ゆえのものでしたが、一応最終回の盛り上がりました。
血液型をものともしない「早乙女の血」
悠里の想いの具象化の心霊現象
悠里と蓮見の少年時代からの強い結びつき
などなど。

 その甲斐あって、蓮見は回復。
 退院時などは、危篤だったのが嘘のような血色の良さです。

 さらに、そこでサプライズ!
 「チョウチョはどっかに飛んでった」って……

 晶のタトゥーはシールだった……
 「シールもありか」と頭をよぎったこともありましたが、まさか、そんなことをマジでやるとは。
 2、3発殴られた時点で、真相を明かすでしょう。あれだけ殴られ、あの切迫したシーンは何だったのでしょうか?
 恋人と別れて、失意のどん底に墜ちた思春期の娘が…シール…ですか。
 この娘、何を考えていたのでしょうか???宇津木は行方不明のままだし……


 蓮見は悠里が好きだったのですが、悠里の幸せを願い身を引き、家族として接していくようです。
 悠里の兄の言葉「丈治、お前は家族だ。悠里に恋をしたら、もう家族じゃない」を蓮見は回想しましたが、結婚したら家族になるのではと、突っ込みたくなりました。

 この兄貴、悠里には「GOLD」、蓮見には「妹に手を出すな」の呪縛を残しました。このドラマの諸悪の根源と言えるでしょう。


 クライマックスは、リカの再採用。
 悠里がGOLDの為、廉の生命を脅かす行為に対し発した言葉「社長にはついていけません」の揚げ足を取って辞表を出させた感が強いです。
 「秘書が何たるか」を諭していましたが、非常過ぎでしょう。蓮見が気を利かさなかったら、あのまま縁がなくなっていたのでしょうか。
 一度解雇して、再採用というのはありがちでつまらないとも思いましたが、敢えてベタな展開にして、リカと悠里の回想シーンを盛り込んで、ダブル「そんな~」で締めくくりました。

 このドラマ、脚本の野島氏の一番の目的(動機)は、毎週の悠里に語らせた主張でしょう。そして、悠里とリカのコントによる小テーマも動機の一つで、これらが主で、ゴールドや早乙女家云々は付け足しで、ドラマ自体はぶれていたように感じました。
 最終回も不満はかなり有ります(幸運の女神・麻衣子も使い捨て?)が、ラストを見ると、「これはこれでいいか」と思います。まあ、「NEXT ONE」です。(おお、上から目線!)
コメント
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