英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

5手詰(10月10日)解答

2010-10-11 12:27:04 | 詰将棋
 先日ご紹介した詰将棋の解答です。
 正解手順にたどり着くシミュレーション風にしました。つき合っていただけたらうれしいです。


 問題図を見ると、まず目に付くのは▲1三とと金を取る手です。実戦なら私も一番最初に考えます(詰将棋として出題されたら、除外します。なぞなぞや推理小説もそうですが、平凡な手で詰むのは面白くないですよね)。
 守備駒の金を取り、持ち駒も増えるので、手の価値は高いですし、実際、詰みそうな気もします。
 さて、▲1三とに対し、△同玉が普通の対応ですが、これには▲1二飛で詰みます。しかし、△1五玉と上に逃げられると詰みません。

 以下▲1四飛△2六玉▲1六飛と追いかけることはできますが捕まりません。詰将棋もそうですが、実戦でも上部に逃がすと捕まえるのは大変です。

 初手に戻りましょう。

 ▲2四ととするのはどうでしょう。△1五玉と逃げられそうですが、▲2五金(飛)△同銀▲同馬で詰みます。

 そこで初手の▲2四とには△2四同金とします。このように守備の斜めに金を誘うのは詰将棋のひとつの筋です。そして▲1三金と捨て△同玉に▲1二飛で詰みあがるとここまで初手から読んだ方は初級の域を卒業しています。しかし、3手目の▲1三金に△1五玉(失敗図2)とかわされると、失敗1図と同じく詰みません。


 再び初手に戻りましょう。

 では今度は思い切って▲2四馬と馬を捨ててみましょう。強力な馬を捨ててしまうのはもったいないですね。でも、そういう盲点を突くのは詰将棋の常道です。推理ドラマでも一番怪しくない人が真犯人だったと言うことがありますよね。というか、そういう時のほうが多いです。
 
 ▲2四馬には△同金の一手で、金が動いて空いた場所に▲1三飛と打ち込みます。

 しかし、残念ながら△2五玉と脱出されてしまい失敗です。でも、この足掛かり2図で、もし2五に玉が行けなかったら詰んでいます。この「もし~だったら」と言うのは正解を見つける大きなヒントになります。
 この場合、玉が2五に行けない状態を作るには、①2五に自分の駒の利きを作る、②2五を相手の駒で埋めるの2手段あります。
 詰将棋の場合は②が駆使されることが多いです。で、初手に戻りましょう。


 ▲2四馬を決行する前に、2五の地点を埋める前工作が必要なのです。で、先ほどの手段②を使うには、自分の駒をその地点に打ってそれを相手に取らせる「捨て駒」のテクニックを用います。この場合は持ち駒の金を使います。

 この手に対しては、△2五同歩と△2五同銀がありますが、まず△同歩と取りましょう。

 そして、ここで必殺技の▲2四馬を繰り出します。一見、2四の歩を2五に逃がして1歩取り損ねたように見えますが、この2局面を見比べてみてください。
 
 2五に歩があるかどうかの違いですが、ここに守備駒がいるので玉はそこに行くことができなくなっています。これが天と地の差なのです。
 そして、△2四同金にフィニッシュの▲1三飛!

 気持ちよく詰み上がりました。

 では、初手の▲2五金に△2四同銀とされたらどうでしょうか?

 この方が守りの銀が近づくので、実戦だとこう応じるほうが多いかもしれません。しかし、実はこれにも同様に▲2四馬△同金▲1三飛で詰みます。2五に守備駒があれば同じなのです。
 この場合、2四の歩を取ることになり、詰め上がりのときの持ち駒に歩が残ってしまいます。詰将棋において受け方は手数が長くなるように、相手の持ち駒を使わすように、頑張ります。ですから、2手目を△2四同歩とするのが本手順(作為手順)となります。感覚的にも持ち駒が余らず使い切ったほうが爽快ですよね。
コメント
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