英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

11手詰・摩訶不思議、打ち歩詰め回避の巻 中田章道七段作

2010-10-21 17:41:35 | 詰将棋
 前回同様、中田章道七段作(中日新聞系地方新聞掲載)です。



 11手詰とやや長いですが、打ち歩詰め回避の手筋モノで、手数ほど難しくありません。5分で二段、10分で1級だそうです。


 ヒントです。
 ヒントと言うより、詰将棋の面白さを伝えるのに適した作品なので、よろしければおつき合いください。

 問題図で▲2二歩と打ちたいのですが、「打ち歩詰めの禁」で打てません。

 【打ち歩詰め】
 玉のとどめを刺す最後の一手は、歩を打ってはいけません。実戦でもし打つと反則負けになります。盤上の歩を突いて詰ますのは構いませんし、打った歩を相手が一度取れてその後詰むのは構いません。
 詳しくは、Wikipediaの打ち歩詰めの項の図1~図3をご参照ください。本来ならば、自分で説明するべきですが、楽させてください。


 詰将棋では、その「打ち歩詰めの禁」の制限を逆用することが多いのです。
 「打ち歩詰め」を避ける手筋としては、
①詰め方(攻め方)の駒を捨てたり、脇にどかせたり、遮ったりして、玉の包囲網を緩くする
②守備駒を移動させて、玉の逃げ道を作る
③わざと守備駒を寄せて歩を打っても取れるようにする

などがあります。
 また、後で打ち歩詰めの局面に陥ることがあります。こういうときは、
④最初の段階でわざと駒を成らないで、攻め駒を弱くしておく
という手筋もあります。

 さて、この詰将棋の場合、①と③が駆使されますが、主題は①です。
下図をご覧ください。


 ひとつは問題図、もうひとつは摩訶不思議図です。
 この両図の盤上を比べると、詰め方(攻め方)の竜の有無だけの違いです。通常、強力な竜がいる方が詰めやすいのですが、問題図では詰めるには角、桂に歩が2枚も必要で、しかも11手かかります。
 摩訶不思議図は、歩が1枚だけで、3手(▲2二歩△3二玉▲4二と)で詰みます。

 何と不思議な世界ではありませんか!

 問題図から摩訶不思議図に持っていけば良いわけです。
 で、▲3二龍△同金▲3三桂△同金で摩訶不思議図に誘導できるようですが、そう一筋縄ではいきません。

 それは、なぜか?
 その理由がわかれば、正解に辿り着けるわけですが、それは解答編で。
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耐えられないドラマ……これはもう罰ゲーム?

2010-10-21 11:51:24 | ドラマ・映画
 妻に頼まれて、時々ドラマを録画します。
 最近は番組表から直接予約できるので、チャンネルや日時を間違えることはまずありませんが、それでも、野球中継の延長などで、ドラマ途中で録画終了の危険性もあります。まあこれも、最近は自動に録画延長する機能があるので、まず大丈夫なのですが、可能ならば実際にテレビをつけてチェックするようにしています。
 その時に、そのドラマをしばらくつけて見てしまうことがあります。ええ、「見てしまう」のです。

 残念ながら、私と妻ではドラマの嗜好が大きく異なります。160度くらい違います。
 つい最近、『渡る世間は鬼ばかり』が始まりました。会社員はホームドラマに向かないので、やたら医者、弁護士、クリエーターなど才気あふれるキャラクターが多く、波乱万丈でゴタゴタ揉め事が多く、とてもついていけません。1年間、録画し続けなければならない(毎週予約でいいので楽なのですが)のは、気が重いです。
 で、先日、仕事の同僚から『セカンドバージン』が面白いという情報を得たらしく、録画を頼まれました。
 で、たまたま見たシーンが、ヒロイン鈴木京香(出版業界の辣腕プロデューサー)の職場に、彼女の留守中に放蕩息子が小遣いの無心にやってくる。相手をした女性が息子とのやり取りを彼女に報告し、「余計なことは言いませんから」と言う。
 ところが、職場の休憩中、ぺらぺら同僚たちに話しまくり、それをネタにヒロインについて中傷まがいの話で盛り上がる……

 恋愛ドラマではこういう俗なシーンは不可欠なのでしょうが、私には耐えられません。罰ゲームを強いられているようです。
 少し前は『同窓会』の録画を頼まれました。その他は「月9」は毎クール。とにかく、恋愛系、特に「どろどろな不倫もの」が好きなので、困ったものです。
コメント (4)
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清水女流王将×あから2010戦に思う その2

2010-10-21 01:03:16 | 将棋
 先日、『清水女流王将×あから2010戦に思う』で、
①清水女流王将の地位と棋力
②「完敗」ではない

 について述べました。

 旬を逃したくなかったので、最も言いたかった上記の2点についてのみ、言及しました。でも、いい切れていない感じが残り、モヤモヤしています。敢えて言わなくてもいい気がしますし、多くの方も述べられているようなのですが、私の精神衛生的理由で、述べさせていただきます。

③今回の対局の横に見えるもの
(「横に」という表現でなく、「裏に」とか「向こうに」にするつもりだったのですが、連盟の意図があからさまだったので、敢えて「横に」としました)
 まず、今年の4月に社団法人・情報処理学会が将棋連盟に挑戦状を送り、それを受けて立ったという形で世間に公表された。
 情報処理学会の大仰な挑戦状や出で立ち(扮装)、即日の受けて立った将棋連盟の「いい度胸をしている」という回答文など、PR的イベントであったが、宣伝効果は多分にあったと思われる。
 しかし、その回答文の後半部分の
「女流棋士会も誕生して三十五年 奇しくも同年であります。今回は初戦相手を女流棋界の第一人者の清水市代に決定しました。すべての対局運営は女流棋士会ファンクラブ駒桜が執り行うことを委嘱いたします」
としていて、女流王将・女流王位(当時)である清水市代棋士が迎え撃つことを、そして駒桜が対局運営を駒桜が執り行うこと発表している。

 手始めに女流棋士というのは、理解できる。ただ、既にアマチュアトップが単独の将棋ソフトに敗れていることから考えると、苦戦と言うか、敗局は予想された。それに、①でも述べたが世間的には「女流棋士」=「将棋のプロ」なので、今回生じた誤認が予想されたはず。ここは、小手調べとして、「奨励会員を倒したなら、正式に挑戦を受けようじゃないか」が最善手だったように思う。
 それはともかく、女流棋士は将棋連盟の正会員ではないが、将棋連盟に所属しているのだから、初戦を女流棋士に任すというのは、組織的には差し支えない。しかし、運営を女流棋士会、しかもファンクラブの駒桜としたのは、どうなのだろうか?
 情報処理学会は
「名人に伍する力ありと情報処理学会が
認める迄に強いコンピューター将棋を完成致しました
茲に社団法人 日本将棋連盟殿に挑戦するものであります」
と、将棋連盟に挑戦しているのだから、将棋連盟が主管するべきだろう。
 それを女流棋士会、しかも、ファンクラブ「駒桜」としたのは、明らかに連盟の意図が感じられる。ファンクラブが執り行うって、どう考えてもおかしく、これはもう記者会見の前日に発足している「駒桜」のPRと見るのが妥当であろう。
 しかも、この対局をネットで観戦するには、「駒桜」に入会(年会費5000円)するか、「日本将棋連盟モバイル」に登録(月額315円)しなければならない
 戦力をいかに効率よく活用できるかが、対局におけるポイントであるので、今回の対将棋ソフト戦を活用するのは立派な戦略であろう。しかし、あまりにも露骨なので興醒めしてしまった。
 しかも、
主宰「女流棋士会ファンクラブ駒桜」からのお願い==================
主宰は「女流棋士会ファンクラブ駒桜」です。
対局者である清水市代女流王位・女流王将の対局料・賞金も「駒桜」より支払われます。
是非とも、将棋ファンの皆様方には1口5,000円の「女流棋士会ファンクラブ駒桜」にご入会していただき、サポーターとして熱い戦いを見守っていただきますよう、お願い申し上げます。
===========================

 という文面が女流棋士会サイトのページに。
 たしかに、広義ではファンクラブは応援するのが目的であるので、上記の内容はおかしくないのかもしれない。
 しかし、私の感覚では
世紀の一戦を見たければ、観戦料を払え。
ファンならばファンクラブに入って応援しろ
しかも、対局料や賞金もファンの会費を当てにするの?

 と感じてしまう。

 、情報処理学会が将棋連盟に挑戦したことになっているのに、その対局料や賞金はファンクラブ、つまり、ファンが払うの?

 
 予定以上に長くなってしまいました。「その3 対局の公平性とソフトの妥当性」に続きます。
 駒桜についても、「その特典が会費に見合うものか」などいろいろ疑問に思うことは多いが、それを書き連ねると、どんどん本題から外れてしまいそうなので、機会があれば別記事で取り上げたいと思います。
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