『11手詰・摩訶不思議、打ち歩詰め回避の巻 中田章道七段作』
の究明編です。
【前回の復習です】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/61/1ea72f945a124cc1a49a0f67bb3a0e74.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/87/208d3fe773895095a8dd453e5492b8ca.png)
問題図に比べて、摩訶不思議図は強力な龍がいないのに、持ち駒は歩1枚で、3手(▲2二歩△3二玉▲4二と)で簡単に詰みます。
問題図から摩訶不思議図に持っていけば良いわけです。
====================================================================
で、▲3二龍△同金▲3三桂△同金で摩訶不思議図に誘導できるようですが、そう一筋縄ではいきません。
▲3二龍には△同金ではなく△同玉(失敗図1)と取る手があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/23/d39d46a193a00d50bf1327e41b949096.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/19/9f22a9436e5cccb08e82a6dd70b833f8.png)
この手に対して、▲4二とは△2一玉(失敗図2)と戻られて、うまくいきません。▲2二歩は、また打ち歩詰めになってしまいます。
ならばと失敗図1で▲4二角成とするのは今度は△2二玉と逃げられ(△2一玉ならば▲3一馬で詰み)、▲3一馬は1一の飛車で△同飛とされて失敗します。飛車で取られてもいいようにと▲3一角と重ねて打つと、そこで△2一玉(失敗図3)で、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/6d/561841755e7e15f1336578aad36dbf99.png)
またまた打ち歩詰めに陥ります。
失敗図3で馬が邪魔と思われた方は鋭いです。そこで、▲3二馬△同金▲3三桂△同金▲2二歩△3二玉▲4二とで詰みますが、▲3二馬にはまたもや△同玉とされると▲4二と△2一玉(失敗図4)で打ち歩詰め。まさに打ち歩詰め地獄です。
どうも2一←→3二運動がしぶとい玉の捌きで、うまく行きません。
そこで、失敗図1に戻って
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/23/d39d46a193a00d50bf1327e41b949096.png)
その動きを断ち切る▲2一角が鋭い一着……に見えます(失敗図5)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/20/180492275142bd0f9f2f36d6b08cc37f.png)
△2一同玉なら▲2二歩△3二玉▲4二と、また△2一同飛なら▲4二とで詰み。必殺技一閃!……のようですが、失敗図5から△4一玉とされる穴がありました。
どうやら、問題図より▲3二龍は△同玉とされるとうまくいかないようです。
しかし、実は失敗図1には成功のヒントが隠されているのです。失敗は成功の元なのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/23/d39d46a193a00d50bf1327e41b949096.png)
失敗図1は△3二同玉とされたところですが、ここで▲4二角成とするのは△2二玉と逃げられて失敗しました。
ならば、もし3三のの金が2二に居れば、△2二玉と逃げることができませんね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/35/7846de307500a08e8386a579d9f1dc43.png)
龍を捨てる前に、前工作が必要だったのです。以下、次回。
の究明編です。
【前回の復習です】
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問題図に比べて、摩訶不思議図は強力な龍がいないのに、持ち駒は歩1枚で、3手(▲2二歩△3二玉▲4二と)で簡単に詰みます。
問題図から摩訶不思議図に持っていけば良いわけです。
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で、▲3二龍△同金▲3三桂△同金で摩訶不思議図に誘導できるようですが、そう一筋縄ではいきません。
▲3二龍には△同金ではなく△同玉(失敗図1)と取る手があります。
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この手に対して、▲4二とは△2一玉(失敗図2)と戻られて、うまくいきません。▲2二歩は、また打ち歩詰めになってしまいます。
ならばと失敗図1で▲4二角成とするのは今度は△2二玉と逃げられ(△2一玉ならば▲3一馬で詰み)、▲3一馬は1一の飛車で△同飛とされて失敗します。飛車で取られてもいいようにと▲3一角と重ねて打つと、そこで△2一玉(失敗図3)で、
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またまた打ち歩詰めに陥ります。
失敗図3で馬が邪魔と思われた方は鋭いです。そこで、▲3二馬△同金▲3三桂△同金▲2二歩△3二玉▲4二とで詰みますが、▲3二馬にはまたもや△同玉とされると▲4二と△2一玉(失敗図4)で打ち歩詰め。まさに打ち歩詰め地獄です。
どうも2一←→3二運動がしぶとい玉の捌きで、うまく行きません。
そこで、失敗図1に戻って
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その動きを断ち切る▲2一角が鋭い一着……に見えます(失敗図5)
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△2一同玉なら▲2二歩△3二玉▲4二と、また△2一同飛なら▲4二とで詰み。必殺技一閃!……のようですが、失敗図5から△4一玉とされる穴がありました。
どうやら、問題図より▲3二龍は△同玉とされるとうまくいかないようです。
しかし、実は失敗図1には成功のヒントが隠されているのです。失敗は成功の元なのです。
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失敗図1は△3二同玉とされたところですが、ここで▲4二角成とするのは△2二玉と逃げられて失敗しました。
ならば、もし3三のの金が2二に居れば、△2二玉と逃げることができませんね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/35/7846de307500a08e8386a579d9f1dc43.png)
龍を捨てる前に、前工作が必要だったのです。以下、次回。