英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋雑感(NHK杯 野月-深浦戦、女流名人位リーグ)

2010-11-16 21:38:35 | 将棋
★NHK杯 野月-深浦戦
 手に汗握る終盤でした。
 終局後の残念そうな、そして自分にあきれたような野月七段の表情が印象的でした。
 野月七段、感想戦で開口一番「入玉が下手すぎました」と。

 野月七段はサービス精神が旺盛で、対局前の「深浦九段の印象は?」という問いに
「頑固で、しぶとくて、あきらめの悪い将棋」
と言っていましたが、それを自ら体験してしまいました。

 中盤は深浦九段がリードしていたように思いました。
 62手目の△8五桂では△5八角成▲同飛△3六金で後手良しだと思います。 △8五桂にかまわず▲4六角と飛車取りで歩を払われたのが大きく、後手の攻めは8五桂の筋1本になり、単調の上、細くなってしまいました。
 △8五桂に一旦▲7八金と引かれ1歩を得るため△9五香と切らざるを得なくなり、 △7七桂成と金(金桂交換)を取ったものの、手順に玉を上部に逃げられ、後手の6九の角と7八の金が置き去り状態になってしまいました。 後手、やりそこなった感が強いです。

★女流名人位戦
  A級の現状は
①清水女流王将 7勝0敗 挑戦権獲得
②千葉女流三段 休場
③岩根女流二段 2勝5敗
④甲斐女流二冠 4勝3敗
⑤斎田女流四段 3勝4敗
⑥本田女流二段 2勝4敗
⑦早水女流二段 4勝3敗
⑧石橋女流四段 2勝5敗
⑨上田女流二段 4勝3敗
⑩北尾女流初段 3勝4敗
(降級3名)
 8回戦も1局残して消化されました。
○甲斐-上田●
●岩根-早水○
 本田-石橋(未対局)
○北尾-斎田●

最終局は
 清水-甲斐
 岩根-北尾
 斎田-上田
 本田-早水
 (石橋は空き番)

 石橋女流四段の降級が決定しました。
 仮に8回戦で石橋女流が勝っても3勝5敗。これより下位になるのは石橋女流より順位が上の棋士は2勝以下、順位が下の棋士は3勝以下が条件です。
 現在その可能性があるのは③岩根女流二段(2勝5敗)、⑥本田女流二段(2勝4敗)、⑩北尾女流初段(3勝4敗)の3人。降級は3人なので、この3人が全局敗れないといけません。
 しかし、最終局に岩根-北尾があるので、どちらかが勝ち星を上げ石橋女流を上回ります。
 残りの降級争いですが、まだ2勝の岩根女流二段は順位が良いので、また本田女流二段はまだ2局残しているので残留の可能性があります。
 この他降級の可能性があるのは、北尾女流二段、斎田女流四段です。

 B級は7勝1敗の中井女流六段、6勝1敗の矢内女流四段の昇級が決定、残り一つの座は、竹部女流三段に勝ち、6勝2敗とした中村(真)女流二段が有力。
 4勝3敗の室田女流初段は順位が上なので、残り2局に勝って最終局で中村女流が敗れた時のみ昇級。残り2局は矢内、蛸島。中村女流の最終局は山田(朱)女流二段。
 竹部女流は中村女流戦に勝っていれば有力でしたが、敗れたため4勝4敗となり昇級の目はなくなりました。
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映像流出保安官、逮捕見送りについて

2010-11-16 18:01:02 | 時事
 逮捕見送りですか……

 見送りの理由として
①「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはいけない」という規定に反しているか微妙
②衝突船の中国人船長の不起訴とのバランスを考慮した
③世論を考慮した
 などが挙げられています。

①「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはいけない」という規定に反しているか微妙
 一番の焦点は、今回流出した映像が「職務上知り得た秘密」かどうかですが、専門家でも意見が分かれるとのこと。
 海上保安職員ならば誰でも見ることができた情報(映像)なので、刑事処分に値するほどの秘密ではないという見解ですが、果たしてそうでしょうか。
 海上保安職員はかなり稀有な存在だとおもうのですが、どうなんでしょう?
 総職員数は12,504名(2009年4月1日)であり、これは愛知県警とほぼ同じだそうです。国民10000人にひとりというのは相当低い率だと考えられます。この率だと福井県には80人しかいないことになります(新生児から高齢者まで含めても)。ちなみに、警察官は257,125名だそうです。
 さらに、今回の映像が保安職員なら誰でも見ることができたというずさんな管理体制はもっと非難されるべきだと思いますが、「保安職員なら誰でも見ることができた情報」という視点よりも、「保安職員でしか見ることができない情報」ということを重視すべきです。
 すでに報道で証言情報や再現CGで衝突の様子は世間に知らされていて「情報であるが秘密ではない」という見解もあります。
 しかし、「百聞は一見にしかず」と言うように、やはり映像情報は情報の量や質が高いと言えます。映像を見るまでは、あれほど露骨な衝突行為だと思っていなかった人も多いでしょう。
 また、政府が映像の公開はしないという方針だった点からも、国家的に「秘密」に近いものと見ることができます。
 政府の判断が正しいかは別にして、政府が公開しないと決めた情報を、勝手に世界に発信するというのは、相当な行為で、それを容認しては組織として統制が取れないのでないでしょうか

②衝突船の中国人船長の不起訴とのバランスを考慮した
 漁船衝突と情報流出とでは、行為の質が違いますし、関連はあっても直接関係はありません。たとえば、防衛や拿捕するため過剰な行為を行ったというのなら、中国人船長の処分とのバランスを考慮するというのなら理解できます。
 船長不起訴に対する風当たりをこれ以上きつくしないためにバランスをとったということなのでしょうか?

③世論を考慮した
 世論は映像が公開されたこと自体は、「讃」の意思を示しています。しかし、結果だけを評価してはいけないと思います。正しいと信じてやったこと、さらに正しいことでも、そのやり方が不正だったら、「不正な行為」としなければ法律は意味がなくなってしまいます。
 こういう事例を作って、今後同じようなことが起こらないか心配です。
 ひと月ほど前ですが、「衝撃映像」として、バイクに乗っているライダーを通行人が自分のかばんで殴りつけて転倒させる映像が流されました。実はこのライダーは直前に引ったくりをしていて、それを捕まえようとした行為だったのですが、これ、一歩間違えば殺人になってしまいます。咄嗟のことなので、簡単に評価できませんが、他のやり方もあったのではないかと思います。

 さて、今回の逮捕見送りの理由に、「裁判で有罪にするのが難しい」とか「立件して起訴するのも難しい」という検察側の言葉がありました。
 本人が自供しているのだから、逮捕して取り調べて、「秘密」の解釈かは裁判所に委ねればいいと思うのは、素人の考え方なんでしょうね。
コメント (4)
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