英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

私が『将棋世界』を読むのが遅い理由

2010-11-12 23:47:32 | 将棋
 やっと『将棋世界』11月号(先月号)を読み終えました。今月号が発売されて10日ほど経っています。まあ、これでもいつもより早い方なんですが。
 読むのが遅い訳は、いろいろあります。
・忙しい
・多趣味(将棋、ドラマ、スポーツ中継、気象、ブログ記事など)
・棋力が内容についていけない
・前回読んだ内容を忘れ、少しさかのぼって読む

 しかし、一番の理由は「疑り深い」ということです。
 つまり、書いてある内容に疑問を感じると、延々悩み続けます。1、2時間はザラです。

 例えば、11月号『関西棋界みてある棋』(東和男七段)の畠山成幸七段-島本亮四段戦、(以下の文章は引用させていただきました)
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 (畠山七段が)中盤からずっとリードし続け、終盤に入ってからも明らかな勝勢。勝利は目前かに思われた。

 第1図(本文では第5図)、3三にいる島本玉は右玉の定位置7二から逃げ伸びてきたもの。先手の角の利きが絶大で、しかも手番。誰の目にもあと数手で後手投了の絵が浮かぶ。しかし。
 以下、▲3四桂△6五香▲6六歩△3二金▲6五歩△8六歩▲6四歩△8七歩成▲同銀△6七金(第2図)。なんともうこれで先手負けなのだ。

 まず、▲3四桂が詰めろ。△6五香が詰めろ逃れの詰めろ。▲6六歩は必然だが、次の△3二金が継続の好手で後手玉にいっぺんに余裕ができた。
 畠山成は数手前から一分将棋。最後の△6七金は△9七角からの詰めろだが、すでに負けになっているとは思いもしなかったらしい。続いて▲7八金と投入したが、△9七角▲8八銀打(第3図)△7七金で受けがなくなった。

 簡単に先手勝ちに見えた第1図(本文では第5図)。しかし調べてみると明快な順は容易に発見されない。少し前に問題があったようだ。
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 確かに第1図は東七段の言うように先手必勝に思える。根拠も東七段と同様。それプラス持ち歩も八枚と豊富。
 それが10手で先手が負けになっていて、第1図では明確な勝ちが発見できず、第1図の前に問題があったなんて……とても信じられない
 私には第1図が難解、あるいは先手不利とは思えず、第1図以降の手順に問題があるのではないか。
 第1図での▲3四桂は金取りの詰めろなので、幸便の手に見えるが、後に2二の金をかわされて、「桂頭の玉寄せにくし」状態に陥ってしまった。それに、詰めろ(▲3四桂)を詰めろ逃れの詰めろの△6五香で切り返されてしまった。なにより角の利きを遮断されてしまったのが痛い。
 一応、▲6六歩で邪魔な6五の香を排除できついでに6四の銀も取ることができたが、その間に肝心の角を取られてしまったのではマイナスの方が大きい。それにしても第3図の先手陣の金銀は凄い形だ。

 では、第1図ではどうすればよかったのか?
 そう、これで悩んでしまった。簡単に勝ちだろうと読むがなかなか難しい。
 考えられるのは、上記の反省を踏まえて、やや重たい手だが▲3四銀△4二玉▲4三角成△5一玉▲5六桂。
 あるいは▲4五桂打△同歩▲同桂△4二玉▲4三銀(あるいは▲5三銀)。この変化は、後に▲6九飛や▲2四歩が強引に6四の金を取りにいく(飛車切り)のが切り札となりそう。

 あまり自信がないが、第1図が先手不利とは思えない。


 また、第4図は、同11月号の『コンピュータは七冠の夢を見るか?』の解説。

 解説は第4図の一手前の局面で、3二の金が2二にいて、
この局面を
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・自玉は安全、相手玉は危険
・桂損だが、相手玉頭に2枚馬がある
・相手玉から金銀が離れている
という点をGPSは評価している。これらの項目は確かに評価すべき点だが、この局面は先手の攻めが切れている。
 また解説役の片上六段は
「先手優勢というほどの差はないかもしれない。はっきり「攻めが切れている」と確信持てる人も少ない。どちらを持つかと言われれば後手持ちという程度で、後手を持って勝ち切るのは骨が折れる」
 実戦は△3二金以下▲2二歩△4三金▲同馬△5二金▲2一馬△2六角▲3七金△15角▲1六歩△3三角と進んだ。
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 私は第4図の△3二金には▲3二同馬△同玉▲2四歩(第5図)で、先手の勝ちなのではないかと思います。

 △3二金では△5一金の方が良いと思います。


 とまあ、私の読みが正しいかはさて置き、疑り深い性格には困ったものです。
 もちろん、イチャモンをつけた両記事も面白く読ませていただいていますよ。 
コメント (2)
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