森内九段の快勝と言っていいでしょう。
封じ手の△7五歩では△9五歩、△4一玉とためる手も有力だったが、先手の▲4六歩、▲3七桂、▲4七銀などとは一手の価値が低そうなので、妥当な仕掛けに思えた。
これに対する森内九段の▲4六歩が非常に意外な一着だった。突っかけられた歩を取らないのは不自然だが、考慮時間が短かったことから、封じ手の△7五歩を予想して、一晩練った手だったと考えられる。
流れ的には先手の利を手放した感じだが、羽生名人の感想では、意外に手がなくて難しかったようだ。
ただ、対局開始時の先手の有利さ(52対48か51対49)が、後手にとっては五分五分以上の局勢になったような気がする。
中盤、羽生名人の△3五歩は驚きであった。△3六歩と取り込んでも先手陣に響きが小さく、先手から▲3五桂の手段を与えるのであまり得な指し方とは思えない。
その後、△1二角と受けるところを、強く△8五飛と馬取りに出たのが敗因となってしまったようだ。飛車に成り込まれても大丈夫との読みで、観戦した棋士の形勢判断も分かれるほどの難解な局面だったが、森内九段が正確に指し回し、徐々に勝勢を確立して行った。
第1局、しかも後手番を負けただけなので、まだまだこれからである。しかし、羽生名人の指し手に若干のちぐはぐさを感じ、終盤も大人しく土俵を割った感があり(終盤の△5三角は自ら玉の逃げ場をなくし、勝負のアヤがなくなってしまった)、名人位防衛に不安を残す負け方だった。
kapkapさんとのコメントのやり取りで浮上した疑問点を付加します
【追加】
終盤、私が疑問に感じたのは、▲7四桂(疑問図)に対して△7三銀と逃げた手です。

△7三銀以下▲7一歩成△7四銀と進み、桂は得しましたが、手番は先手のままで急所にと金をつくらせ、守りの銀が離れてしまったプラスマイナスはマイナスが大きいように感じます。
解説の渡辺竜王やその他の棋士も手を抜く手はまったく触れませんでしたが(△7四銀と桂を取らずに指す変化は検討されましたが)、▲7四桂の瞬間が反撃のチャンスだったように思います。
この点について、kapkapさんと意見の交換をしています。よろしかったら、コメントランもお読みください。
封じ手の△7五歩では△9五歩、△4一玉とためる手も有力だったが、先手の▲4六歩、▲3七桂、▲4七銀などとは一手の価値が低そうなので、妥当な仕掛けに思えた。
これに対する森内九段の▲4六歩が非常に意外な一着だった。突っかけられた歩を取らないのは不自然だが、考慮時間が短かったことから、封じ手の△7五歩を予想して、一晩練った手だったと考えられる。
流れ的には先手の利を手放した感じだが、羽生名人の感想では、意外に手がなくて難しかったようだ。
ただ、対局開始時の先手の有利さ(52対48か51対49)が、後手にとっては五分五分以上の局勢になったような気がする。
中盤、羽生名人の△3五歩は驚きであった。△3六歩と取り込んでも先手陣に響きが小さく、先手から▲3五桂の手段を与えるのであまり得な指し方とは思えない。
その後、△1二角と受けるところを、強く△8五飛と馬取りに出たのが敗因となってしまったようだ。飛車に成り込まれても大丈夫との読みで、観戦した棋士の形勢判断も分かれるほどの難解な局面だったが、森内九段が正確に指し回し、徐々に勝勢を確立して行った。
第1局、しかも後手番を負けただけなので、まだまだこれからである。しかし、羽生名人の指し手に若干のちぐはぐさを感じ、終盤も大人しく土俵を割った感があり(終盤の△5三角は自ら玉の逃げ場をなくし、勝負のアヤがなくなってしまった)、名人位防衛に不安を残す負け方だった。
kapkapさんとのコメントのやり取りで浮上した疑問点を付加します
【追加】
終盤、私が疑問に感じたのは、▲7四桂(疑問図)に対して△7三銀と逃げた手です。
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△7三銀以下▲7一歩成△7四銀と進み、桂は得しましたが、手番は先手のままで急所にと金をつくらせ、守りの銀が離れてしまったプラスマイナスはマイナスが大きいように感じます。
解説の渡辺竜王やその他の棋士も手を抜く手はまったく触れませんでしたが(△7四銀と桂を取らずに指す変化は検討されましたが)、▲7四桂の瞬間が反撃のチャンスだったように思います。
この点について、kapkapさんと意見の交換をしています。よろしかったら、コメントランもお読みください。