英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒season12』 第1話「ビリーバー」

2013-10-16 23:48:15 | ドラマ・映画
かなりがっかり……まあ、これは前シリーズを考えると、覚悟はできていたこと。

 『相棒』においては、「テロ」発生?の場合、たいがい個人的な動機(理由)で、テロではなく、実態はしょぼいことが多い。
 今回は、しかも、導入部がじれったくて、さらに、内容もスカスカ。
 甲斐峯秋誘拐の誘因となった殺人事件も、「遺体から2種類の毒が検出」「署名が万年筆からボールペンに切り替えたこと」の謎も、「峯秋絡みの遺書が隠ぺいされた」事実を知った時点で、右京にとっては二つの謎が、推理のヒントとなり事件真相が把握できてしまうような軽い扱い。

 陰謀吹聴者・綾辻(忍成修吾)のキャラは面白かった。
 視聴後は、あの吹聴ぶりは、仲間に誘拐を手伝わせるためかと思ったが、誘拐自体は予定外だったので、そうでもないらしい。となると、陰謀論を吹聴してその反響ぶりを楽しんでいたのか、それとも、本当に陰謀を信じている痛い人なのか……。それにしても、忍成くん、ピッタリキャラにハマっていた

 初回のテーマは、
「テロリストの誘拐に対する身代金」と「甲斐親子の信条」
 「相手がテロリストの場合、いかなる交渉もしない」というのが日本の方針らしいが、実際はどうなのだろう?
 また、今回のように、警察幹部や政府要人と一般人とでは対処は違うのだろうか?
 一つの回答として、峯秋は「身の安全は望むが、身代金と引き換えに助かりたいとはこれっぽっちも思っていない」と言い切っている。前シリーズでは、単に憎々しくて人間のスケールを感じなかったが、今回は世間の悪評など気にも留めないのと合わせて、少し見直したぞ。

 この親父(峯秋)のことを、理解している享。峯秋の言葉を猪瀬から教えられ、嬉しそう。
 また、猪瀬孝徳の峯秋評「立派なクズだ」に同意しながらも、「他人に父親をクズ呼ばわりされるのは、良い気持ちしませんねぇ」と思い切り殴る。……えっ?そこで殴るのって、変じゃない?なんだかんだ言って、親父のこと好きなのか?
 純粋な者を巻き込んだこと、三浦が大怪我したこと、真実を明らかにするため殺人を犯したことなど、もっと怒るべきことはあったのでは?


 犯人・猪瀬もミイラ取りがミイラになってしまっていた。
 身代金の授受とは関係なく、峯秋を開放するつもりだった。そうすれば、世間は身代金の裏取引があったと思うはずと。「世の中、真実かどうかなんて、実はどうだっていいんだよ。非とは信じてえことだけを信じんだよ」
 これに対し、右京さんが激昂。
「恥知らずには、何を言っても無駄ですか?」
「開き直るんじゃない!」
 さすがに猪瀬も自分の行いを恥じたようだ。

初回のビックリは三浦の勇退
 三浦の警部補昇進(係長に)にも驚いたが(伊丹・三浦の仲もぎこちない)。
 太腿を刺される直前に、≪あぁ三浦さん、殉職?≫という考えがよぎったが、太腿だったので、≪三浦さんらしいなあ≫と安心したが、神経を損傷してしまったとは……

 悲しみに体を震わせる伊丹。
 右京は「そうですか」と一言だけ。「どんな言葉を発しても、空回りしそうな気がしてしまいましてねえ」……そう言えば、以前、亀山が異動になった時も「そうですか」の一言だけだった。
 この右京のこういう思いが伝わったのか、「相変わらずだなあ警部殿は」と。
 三浦さんがいなくなるのは、寂しいなあ。

【些細な突込みなど】
・峯秋がターゲットなのに、綾辻が峯秋の息子の享の顔を調べてないのはおかしい
・急遽、峯秋誘拐を決行したのに、用意周到だった
・猪瀬は初めから峯秋誘拐をメインにした方が良かったのでは?効果的だし、殺人をしなくてもよいし
・蛸壺や綾辻を尋問する前の、右京、享、伊丹のスローモーションは意味があるのだろうか?
・仲間の女子高生はスレタ印象だったが、峯秋のために一生懸命抵抗して、けっこう純粋なんだなと嬉しかった
・陰謀説を利用して、仲間に引き込んだというのは面白かった
・毒が効いている状態で、しかも、仰向けの紙を支えるのも不安定な状況で、よくあんなきれいな署名ができたものだ。

【ストーリー】番組サイトより
 特命係・杉下右京(水谷豊)は、甲斐享(成宮寛貴)の彼女、笛吹悦子(真飛聖)から最近、享の様子がおかしい、と相談を受ける。どうやら、「みんなの動画」というサイトで「火の玉大王」と名乗る男の生放送にハマっていると言う。「9.11同時多発テロがアメリカ政府の陰謀」「富士山は今年中に噴火する。それも人為的に。」など様々な諸説を配信している「火の玉大王」こと綾辻(忍成修吾)は陰謀論者のようだ。

 心配になった右京は、享を尾行しその行動を探ろうとする。すると、「火の玉大王」を中心に手をつなぎ、夜空に向かって宇宙船を呼ぼうとする享の姿が…。本当に享は「火の玉大王」に心酔しているのだろうか?右京も流石に首をかしげてしまう。

 そんな折、大東亜産業の専務・高山(大原康裕)の遺体がホテルで見つかった。所轄によると服毒による自殺の模様だが遺書は無く自殺理由は不明とのこと。そのニュースを見て妙に気になっている享に右京は気づくが…

 右京は真相を探るため「火の玉大王」の生放送に潜入するが、図らずもネットの放送上で享と会話してしまうことになり、調べていることが明らかに。

 享は一体なにをしていたというのか?
 そのあとに起こる警察を揺るがす大事件とは!
 ネットの闇が右京たちに迫る!
 犯人の目的とは!?

脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治
コメント (6)
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