英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『八重の桜』 第43話 「鹿鳴館の華」

2013-10-27 21:51:30 | ドラマ・映画
「吉本新喜劇」か?~八重と巌の腕相撲~

「おふたりとも、これは捨松さんの縁談ではねえのですか?
理屈ばっかりで埒が明かねえなし……
……腕相撲で決着をつけんべ!」


 山川浩と大山巌が、捨松の縁談を巡って、政治の見識の理屈から、会津と薩摩の感情論となり、八重が仲裁かと思いきや、理屈でも感情でもなく、なんと腕力で決着を付けようという八重。
 吉本新喜劇なら、一斉にコケルところだ。
「そんな…力ずくはいけません」
と襄が諌める(突っ込む)が、無視して捨松に
「どうですか?捨松さん」
「はい、どうぞ」
新喜劇なら、重ねてコケルところだ。

「おなご相手に、腕相撲なんて出来もぅか」
と、勝負を避けようとしたが
「また私に負けるのが怖えのですか?部下に命令してばっかりで体がなまってんのでは?」
と挑発。
「八重さん…」
揉め事の張本人(浩)が止めに入るのも、新喜劇パターン。
「兄上!この勝負、薩摩の陸軍中将が立場の弱い会津ものの家に嫁取りに来っとは、まさに、女相手に腕相撲を取るようなもの。今度こそ会津は負らんねえ。八重さんに託しましょう」
 黙して状況を冷静に見守っていた東大教授のインテリ・健次郎までもが、八重に同調。(いや、きっと、冷静な計算のもとの言葉であろう)

レフェリーを任されたジョー樋口(襄)の
「大山さん、後悔するかもしれませんよ………レディ、郷ゥ!」
の合図で激闘が始まった。

 八重が押し気味に進めるが、大山も踏ん張る。
「押せ、押せぇ」(浩)
「行け、行けぇ!」(健次郎)
「押し返せぇ」(浩)
「会津は負けねえ」(八重)
「行け、行け行け行けぇ!」(浩、健次郎)
「撃てぇ!」(浩)
「行けぇ!」(健次郎)
「薩長を、倒せぇ!」(浩)
「行け、行け行けぇ!」(健次郎)
「撃てぇぇ!」(浩)
「行け、行け行けぇ!」(健次郎)
「撃てぇぇ!」(浩)
「負けるな!」(健次郎)
「撃てぇぇ!」(浩)
「行け行けぇ!撃てぇぇぇ!」(浩、健次郎)

策略どころか、見識も、そして、もはや縁談も、捨松の事も忘れ去り、薩摩憎しの感情だけ。
「大山様っ!」
捨松の一言で、停止……
勝負再開後、八重は力が入らず、大山の勝利。

 捨松の本心を知り、
浩も大山も顔を見合わせ笑い合う。
「戦は……終わったのぉ、山川」
「この屋根の下では、“兄上”と呼んでもらおうか」

          ………………大団円。
 『山川』と呼びかけるのは不自然だが、うまくまとめた(見え見えの展開ではあったが)。
 山川家と大山巌の「会津⇔薩摩」の敵対心は昇華できたが、今後、「妹を犠牲に出世した山川浩」という会津人の罵倒を浴びるだろうなあ。

 八重と大山、会津城籠城戦で大岩の足を撃った八重。因縁のふたり。
 襄と出会い、キリスト教を信心した八重なので、戦当時や直後の≪薩摩憎し≫の激しい憎悪は消えているのは当然だが、捨松の縁談、大山に対面して、≪薩摩には負けねえ≫という思いが強くなり腕相撲となった点は、脚本家の都合を感じた。


【ストーリー】番組サイトより
 襄(オダギリジョー) は八重(綾瀬はるか)と共に、同志社大学の設立を陳情するため東京の勝海舟(生瀬勝久)のもとを訪ねた。
 そして、2人はその帰りに山川家に立ち寄る。山川家には、旧薩摩藩士の陸軍中将・大山巌(反町隆史)が、長期留学から帰国したばかりの山川家の末娘・捨松(水原希子)を嫁にほしいと日参していた。旧薩摩藩士との結婚に怒りを抑えきれない長兄の浩(玉山鉄二)と、迷いを捨てきれない妹の捨松。その様子を見かねた八重は一計を案じるが…。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする