英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ダンダリン 労働基準監督官』 第4話

2013-10-25 17:25:15 | ドラマ・映画
今回は「内定取り消し(内定者切り)」に関する話
 内定者は、内定通知をした時点で社員と見なされ、「内定取り消し」=「解雇」と認識されるので、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当として是認される」必要があり、容易に取り消しができない。違法行為、書類の虚偽事項、留年、健康状態悪化などが判明したなどが具体的な理由となる。
 企業側の事由として、採用者の見込み違いによる定員超過、経営状態の悪化などが挙げられる。今回の場合、ベトナム工場が洪水被害に遭い、3億超の損害が出たので、「経営状態の悪化」に該当するが、人員削減は社員全体で行わなければならず、内定者のみに行うのは違法であるらしい。
 大鷹スポーツは優秀な社員を失わず、法に触れずに内定者を切る方法を、社会労務士の胡桃沢(風間俊介)からアドバイスを受ける。
 企業から解雇(内定取り消し)をするのは違法だが、内定者から自発的に内定を辞退させればよい。そのために、過酷な内定者研修を行い入社を断念させようとした。→ダンダリン、怒る!

 胡桃沢の用意周到な会社内の打ち合わせや、「より優秀な人材を見極めるための、厳しい社員研修である」という理屈に、凛たちは苦戦する。
 そこで、過去の内定者研修と比べて極端な差があれば不法行為と認定できるとして、退職者に聞き取り調査を行った(社員は口を開かないだろう)。
 大変な手間だが、凛は「良い戦術がある」と。南三条は凛の考えを察知した……でも、「人海戦術」って、いつもと一緒じゃん。絶対、通常業務に支障が出そう。まあ、ドラマだから…。

 企業と社労士の壁を、凛たちが突き破り、結局、人事部長がひとりで責任を負うこととなった。
 「人事部長も労働者、彼を守ることができなかった」と涙を流す凛。辛い過去(……おそらく、凛が正義を貫いた結果、誰かが命を絶った)があるせいだろうが、この凛の姿勢に心を打たれた。(若い学生の夢を犠牲にしてはいけないという気持ちにも共感した)

 もう一つのテーマとなったのが
「労働基準法104条2項違反の疑いがあります。自主的に内定辞退するよう、入社後の配属について真田さんの夢を壊すような発言を人事部長がしています」
「監督官に申告した労働者を不利益に取り扱うことを禁止した104条2項違反は絶対に許せません。
 これを黙認していると、労働者は監督官に助けを求めることができなくなります

 うん、これは譲ってはいけない。

今回は脇役二人も活躍。
「夢は捨てたくないです」
縁談を進める署長に瑠璃子をあきらめるよう諭された田中が、内定者の佑美の「夢」という言葉に反応して、会議で号泣。
 田中号泣の真相を知る署長が切れてGOサイン(ボランティアでやれ)。他の監督官もわけが分からず流れに乗ってしまう。
 個人的には、田中には泣かないで署長を押し切ってほしかった。

「全く酔えません」
 酔っ払って暴走する土手山に同調する恩田だが、実に見事な酔っ払いの振り。徹底した上役のゴマすりは見上げたものだ。
 南三条の浴室への二人の突撃は笑えた。翌日の南三条の不機嫌ぶりも面白かった。


署長を始め、評価の高い瑠璃子だが
 過去にセクハラを受けたことは気の毒だと思うが、自分を可愛いと思っているせいか(不確実だが)、前回で南三条を強引に食事に誘う(もともとは胡桃沢と瑠璃子の会食だった)など、恋愛に関しては強気。単に、積極的でオープンなだけかもしれないが。

そして、今回、全くいいところがなかったのが土手山
 離婚した妻や息子とうまくいかないから、それを部下に八つ当たり、また、気分によって付加への対応、仕事ぶりも変化するのは、上司として人間として大いに問題あり。


 今回は土手山が残念だったが、「内定者切り」というテーマを上手く展開させ、労働者を守ろうという凛の意志がストレートに感じられ、非常に面白かった。(第2話、第3話も良かった)

【ストーリー】
スポーツ用品メーカーの「大鷹スポーツ」は、業績不振のために「内定切り」が避けられないほどに追い込まれていた。人事部がやむにやまれず数名の学生に内定取り消しを通知したと知った社会労務士の胡桃沢(風間俊介)は、このままでは法律違反になってしまうと指摘。学生たちに理不尽な内定者研修を課して、自主的な内定辞退を促すという手段に出ることに。

数日後、凛(竹内結子)と南三条(松坂桃李)は、内定者研修中の佑美(志田未来)たちを偶然目撃。彼女たちが重いノルマを課せられ、研修の内容について会社に抗議した途端、内定を取り消されている学生がいると知り、凛は「内定切り」の疑いがあると課長の土手山(北村一輝)に報告する。息子の運動会の日程を元妻のみどり(西田尚美)が教えてくれないことにイライラし通しの土手山は、当然のように凛の報告をなかったものにするが、「ブラック企業を摘発すればスッキリする」という瑠璃子(トリンドル玲奈)のひと言で、気持ちが一転。自ら、「大鷹スポーツ」に乗り込むことになった。

しかし、胡桃沢から事前に指導を受けていた「大鷹スポーツ」での調査は空振り、法違反は見当たらない。一方、佑美から詳しい話を聞いた凛は違法な「内定切り」を確信するが、情報漏えいを疑われた佑美は人事部から希望の部署に配属できないと圧力をかけられてしまった。

確かに会社が潰れては元も子もないが、このままでは企業のために1人の学生の夢が犠牲になってしまう。思い悩む凛だったが、内定者も労働者、労働者を守るためさらなる調査を土手山と真鍋(佐野史郎)に申し入れることに。
コメント (4)
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