英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season13 第11話 「米沢守、最後の挨拶」

2015-01-16 13:05:49 | ドラマ・映画
 鑑識の米沢がピンチに陥り、彼の鑑識に対する真摯な思いと、新たな決意を感じた話であった。
 しかし、彼を窮地に追い込むための強引な設定や、罠を仕掛けた管理人の過去の遺恨があいまいだったため、
 “モヤモヤ感”が強く残った。


強引な設定
①難易度が高い綿棒のすり替え
 オープンな場所なので、人に見られずにすり替えるのは難しそう。それが3度となると、至難の業。
 鑑識資材を分けて運ぶということだが、最初に綿棒を運び出す可能性も低くない。
②米沢のマンション
 記憶違いかもしれないが、米沢さん、あんなハイカラなマンションではなく、庶民的なアパートに住んでいたような気がする。
 今回、罠を掛けた犯人が、マンションの管理人であることが必須(鍵や盗聴器の細工)で、ストーリー上、玄関ホールのドアホンで右京と米沢の会話のシーンも不可欠であった。
 このため、米沢は引越しさせられた?(部屋の中は、鉄道の備品、多数のDVD,恐竜の置物、プラモデルの箱などなど、米沢さんらしい部屋だった。小道具係さんが大変だっただろう)
③度重なる偶然
 米沢がマンションから直行する4度目の現場で、“鑑識の鏡”と謳われている主任が、血痕を踏むというミスを犯したという偶然。
 その血痕は、火災の被害者がゴミ捨ての際、たまたま捨てられていた蛍光灯で手に裂傷を負うという偶然。それを踏んでしまうというのも、かなりの偶然(この人も、手を怪我しなければ、死なずに済んだ)。
 さらに火災の現場に、凶器の可能性のある鉄パイプが落ちていて、その火災もバックドラフトという特殊な爆発火災であった(特殊でないかもしれないが)。
 そのうえ、この時米沢が、偶然にも風邪気味で、くしゃみによるDNA混入の可能性を否定できなかった。

管理人の過去の痴漢行為の冤罪の真偽
 管理人の手に、痴漢被害者の繊維片が付着していたという鑑識結果が決定的な証拠となり、犯人と断定されてしまったことが、今回の米沢に罠を嵌めた動機。
 当時の取り調べ中、痴漢行為を否定したが、鑑識係(かなり感じ悪かった)に見下すような目で断定されたことが直接の遺恨だった。
 管理人の口からは、『冤罪に陥れられた』という表現はなく、『警察、特に鑑識に対して恨みを晴らしたかった』というような言葉を吐いている。
 もし、冤罪だったら、その鑑識係や刑事たちに恨みの矛先が向かうはずである。
 それに、冤罪にうるさい右京も、冤罪に対しての言及はしていない。
 今回の動機は、逆恨みだったと考えられるが、この辺りの描写が非常にあいまいに感じた。

 米沢さんは、逆恨みの“とばっちり”を受けたことになる。


米沢の鑑識魂
「許せるわけが、ないでしょう!
  ……私に(ミスを)押し付けたかどうかが、問題なんじゃない。
 あなたがやったことは、ミス以上に、どんなことがあってもやってはならない事ではないですかっ!
 “たった1つの物証が、善悪を決め、人の人生を変え、時に奪ってしまう。
  鑑識はそういう仕事だ”と、あなた、あなたが私に言ったんじゃあ……
 ……もう、お会いすることはないと思います」

 深々と礼をする米沢………(暗転)

特に、最後の言葉は厳しい。
 師匠に“三行半”を突きつける(“三行半”は夫から妻への離縁状なのですが、適切な言葉が浮かびませんでした)と同時に、“鑑識を止めろ”と言っている。”


 

【ストーリー】番組サイトより
 都内各地で同一犯による連続殺人と見られる事件が発生! 手掛かりは、3つの現場すべてに残されていた犯人と思しき人物のDNA。ところが、問題のDNAが、鑑識課の米沢(六角精児)のものであることが判明。鑑識がDNA採取用に使用している綿棒に、米沢の細胞が付着していたのだ。マスコミでも大々的に取り上げられている“連続殺人犯”が、警視庁内の鑑識にいたとなれば尋常ならざる事態。米沢は早々にクビを宣告される。右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、憔悴しきった米沢を放っておけず、独自の捜査を開始。米沢が師匠と仰ぐ鑑識課の係長・山崎(池田政典)も協力を申し出る。そんな中、右京たちは3つの現場から“共通の痕跡”を見つけ出すが、米沢は特命係に最後の挨拶にやってきて…!?

連続殺人と見られる事件の犯人は米沢だった!?
米沢は警察を去ることに…?
特命係が“米沢守、最後の挨拶”を見届ける!

ゲスト:池田政典 大高洋夫 奥田恵梨華 藤井宏之

脚本:徳永富彦
監督:橋本一
コメント (2)
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2015全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝 JX-ENEOS×富士通 【その1】

2015-01-16 01:03:00 | スポーツ
JX-ENEOSサンフラワーズ
 昨季WJBL1位、今季3位(10勝2敗)、WJBL優勝17回、全日本総合優勝18回(NHKの字幕では“今季”となっていた。“今シーズン”という観点なら“今季”であるが、将棋界だと“今期”“昨期”が通常のような気がする)。
 シャンソンに跳ねかえされ続けた時期、2強時代を経て、富士通、トヨタ自動車などの台頭はあるが、常に女子バスケット界を引っ張り続ける王者。
 チームを牽引する吉田が、左膝前十字靱帯断裂から先月20日に復帰したばかりで、出場時間が20分に制限されている。とは言っても、渡嘉敷、間宮のツインタワーは強力で、昨季もリーグ終盤・プレーオフを吉田抜きで勝ち抜いた地力は相当。
 3回戦74-54東京医療保大、準々決勝89-41新潟と、攻撃的ディフェンスと強力なインサイドで圧倒している。

富士通レッドウエーブ
 昨季WJBL1位、今季2位(12勝2敗)、WJBL優勝1回、全日本総合優勝3回。
 新ヘッドコーチの元、スピードとパス、3ポイントシュートを武器にリーグ戦2位と好調。
 3回戦92-57アイシンAW,準々決勝64-49シャンソン。3回戦は得意の3ポイントが12本成功と圧勝。シャンソン戦は、厳しいディフェンスに加え、ポイントガードの町田がチーム最多の23点を上げている。町田は得点力もあるうえ、リーグ最多のアシストを上げている。

 今期の対戦はJX64-92富士通。富士通のゾーンディフェンスが機能して、渡嘉敷、間宮のインサイド陣を計16点に抑え、快勝している。

スターティングメンバー
JX………吉田、岡本、宮澤、渡嘉敷、間宮
富士通……町田、篠崎、山本、長岡、篠原
負傷者リスト
JX………寺田弥生子、山田愛、小山真実
富士通……なし(名木が負傷しているという情報も)

第1ピリオド
 JXは渡嘉敷のブロックショットや、ハーフラインからのプレッシャーデイフェンスで岡本がスチールからドリブルシュート、オフェンスリバウンドから渡嘉敷がシュートを決めるなど順調な立ち上がり。
 富士通も山本のドライブでファールをもらいフリースロー、さらに、柔らかなタッチでジャンプショットを決め、4-4と互角の展開。
 注目の吉田は、ルーキーで動きの良い篠崎に付かれた為か、無理はせず、パスを回したり自らジャンプシュートを放つ。最初のジャンプシュートを外したが、開始1分40秒でオフェンスリバウンドから回ってきたパスを3ポイントシュートを決め、復帰5試合での初得点。(JX7-4富士通)
 これで、JXが波に乗るかと思えたが、間宮、吉田、宮澤とジャンプシュートが外れ、この間、篠原のフリースロー、篠崎の3ポイントシュートで逆転。(JX7-9富士通、3分23秒)
 この後、互いにターンオーバーやシュートミスを犯す。JXは約3分得点なしであったが、吉田がジャンプシュートと見せかけてのゴール下の渡嘉敷へのナイスパスを通す。“ホットライン”健在を示した。
 この後のアウトオブバウンドを機に、吉田は新原と交代。吉田のプレータイムは4分45秒。

 で、代わりに入った新原だが……相変わらず進行方向の幅がなく余裕のないドリブルと、回すだけで攻撃の意図のないパス。そのうえ、ボール運びの段階でプレッシャーを掛けられた新原が苦しいパスを出してのターンオーバー、さらに24秒オーバータイムとオフェンスは停滞。富士通がゾーンデイフェンスに切り替えたこともあるが、吉田がコートにいないとこうも変わるモノなのか?
 昨季までに新原ではオフェンスが機能しないことは充分に経験しているはずだ。未だに新原を起用するのは理解不能である。新原を起用するのなら、彼女の能力に合ったオフェンスシステムを考案すべきであるが、何の工夫も見られない。吉田不在は昨年リーグ終盤からだったので、その克服の時間はたっぷりあったはず。
 一案としては、ボールキープ力の高い岡本をポイントガードにするのはどうだろうか?この場合、新原はジャンプシュート力がないので使えないが、岡本タイプのガードを入れ、両ポイントガード兼シューティングガー制も有効かもしれない。吉田のインプレイ中も、このシステムを取れば、吉田の負担も減るはずだ。
 それに若手のポイントガードを育てる機会は十分にあったはず。強力なペイントゾーンに加え、スモールフォワードに転身しSFポジションに不慣れではあるが、ポテンシャルが高い宮澤、屈指の3ポイントシューターの岡本と強力布陣。並のポイントガードでも機能するはずだ。今季のリーグ戦で、試したり経験を積ませることは十分可能だったはずだ。

 あまりにJXのオフェンスが機能しないので、話が横道に逸れてしまった。
 このJXの停滞につき合うように、富士通も外郭のシュートがエアーボールになるなど変調。9-9(4分40秒)から8分20秒まで無得点。特にフリースローをJXが3本決め、12-9。おまけに、篠原がオフェンスファールを犯し、2ファールでベンチに下がる始末。
 これを打開したのが、篠崎のドライブ。マークした新原が止められずファール。フリースローを1本決め12-10。
 これを機に、停滞していたゲームが動き出す。
 8分36秒、新原がトップの位置からゴール付近の渡嘉敷へ裏を通すパスを決め、14-10。
 9分7秒、ペイントでパスを受けた山本がターンしてジャンプシュート、14-12。
 9分25秒、セカンドオフェンスでペイント付近から間宮がディフェンスのチェックが甘くなったのを突きシュート、16-12。
 9分53秒、JXのゾーンディフェンスに対し、パスを回してフリーになった長岡が3ポイントシュートを決め、16-15。

 お互い、オフェンスに不満の残る第1ピリオド。
 JXは渡嘉敷6点、間宮5点でペイントゾーンで強さを発揮したが、間宮の動きが良くない。得意のミドルのジャンプショットも決めるどころか、アテンプトもほとんどなかった。渡嘉敷はリバウンド2、ブロックショット2、アシスト1と好調。
 富士通は山本が6点と好調。篠崎4点。町田は無得点と目立たなかった。リバウンドはJXの10に対し、13と健闘。

 JX・佐藤ヘッドコーチ「ディフェンスは良いので、オフェンスをもっと積極的に行け」
 富士通・BTテーブスヘッドコーチ「カットが遅い。もう少し早く回していけ」

 “積極的にオフェンス”…って、もっと具体的に指示してほしい。


第2ピリオド
 吉田が最初から出場。富士通はベテラン三谷(36歳)がコートに。
 開始早々、富士通の町田がドライブで引きつけ長岡をフリーにしてパス、長岡が3ポイントを決め、JX16-18富士通、と逆転。JXも高い位置でボールをもらった渡嘉敷が、高さとパワーを生かしたドライブを決め、18-18の同点に。(1分23秒)
 さらに、ハーフラインのプレッシャーディフェンスでボールを奪い、吉田→渡嘉敷のホットラインで逆転。
 富士通も山本が上手いターンからのドライブでファールをもらい、20-20の同点に(2分15秒)。
 さらに、ゾーンディヘンスに切り替え、JXを攻めあぐませ、反転速攻(町田→長岡)を決め、逆転(2分45秒)。
 ゾーンディフェンスを攻略できないJXに対し、篠崎が3ポイントを決め、JX20-25富士通と初めて5点差をつける(3分25秒)。
 JXは渡嘉敷がオフェンスリバウンドから得点(第2ピリオドはJXは渡嘉敷の6点のみ)するが、富士通が反転速攻を決め、さらに、渡嘉敷のシュートミスに、速いトラディッションからパス2本で三谷をフリーにし、3ポイントシュートシュート。JX22-30富士通(4分13秒)。

 たまらず、佐藤HC、タイムアウト。「ただパスを回すのではなく、ギャップ(隙)を見つけて、中に切り込むなどしてディフェンスを収縮させてからパスしろ」と珍しく的確な指示。できれば、岡本に3ポイントシュートを狙わせるシステム。さらに、岡本がマークされたら、ペネトレイトかマークが甘くなったペイントの選手にパスなど、突き詰めた指示が欲しいところだ。
 対するデーブスHCは「展開をもっと早く。ペネトレイトもしろ。ディフェンスは3ポイントシュートのないプレーヤーにはつく必要はない」と指示。

 タイムアウト後、やはり、攻めあぐむJXだが、セカンドオフェンスで岡本が動き回り、何とかギャップを作って間宮にパスを送り2点。
 富士通は攻めあぐねたものの、三谷が3ポイントラインの1m後方から3ポイントを決めてJX24-33富士通(5分27秒)。JXは岡本が単独で3ポイントを放つが外れる。シュートのリズムも悪かく、タイミングも悪かったので、渡嘉敷、間宮もリバウンドに絡むことさえできない。
 対する富士通は、ボールプレーヤも他の選手もよく動いてオフェンスし、山本が巧みなターンでドライブシュート。
 JXはパスを回すだけで、ゾーンディフェンスを破ることはできない。岡本がスクリーンを利用してコーナーでフリーになり、そこへ吉田がパスをしたが、カバーに三谷が寄り、吉田にボールを返す。しかし、三谷がマークに来ても、充分シュートを放てる距離はあった。シューターなら、ここで打たないと……。結局、吉田がショットクロック9秒残っているにもかかわらず、3ポイントシュートを打ち、外れる。吉田も、頭に来たのではないだろうか?
 すかさず町田がゴールに切れ込み、ファールをもらい、2投とも沈め、24-37と13点差(6分22秒)。
 この状況に、さすがに踏ん切りがついたのか、≪打て≫という雰囲気満々の吉田のパスに、岡本が3ポイントシュートを決める。岡本、ここまで3ポイントは3-1。3本しか打っていないのは少なすぎる
 富士通は完全に波に乗っている。篠崎のペネトレイトからコーナーへのパスを受けた町田が3ポイントシュートを沈め返す。間宮のパワーを生かしたゴール下のシュートに、すぐさまタッチダウンパス。三谷が良く走り、三度、13点差、29-42(7分21秒)。
 JX・大沼がフリーのミドルシュートを外し、富士通は速いトラディッションから、フリーの長岡の3ポイントシュート。これが決まっていたら、相当、JXは苦しかったのではないだろうか?
 助かったJX、間宮がやや遠いが得意のはずの位置からジャンプシュートを放つが外れる。なんとか、リバウンドを取り、今度は岡本が3ポイントシュートを放つが、これも外れる。ところが、一瞬エアーポイントに陥ったのか、ゴール下で間宮が楽々リバウンド&シュート。この攻守のプラスマイナスが非常に大きい気がした。31-42(8分2秒)
 さらに、吉田が長岡のパスをカット、2対2の状況だったが、そのままドリブルシュート。JX33-42富士通(8分51秒)。
 すかさず、反転速攻の富士通。町田がゴール下へロングパスを狙うが、これは不用意。大沼がパスカット。吉田からペイントゾーンでパスを受けた渡嘉敷がディフェンダー3人をかき分けるようにねじ込み、7点差(9分2秒)。
 結局、このまま、前半終了。JX35-42富士通。

 残り2分39秒を富士通は無得点。攻守ともの失速。勝利を意識してしまったのだろうか。


 第2ピリオド、JXは渡嘉敷8点、間宮6点と、やはりツインタワーに依存。まあ、これはJXらしさと言えるので、良いのだが、それ以外の得点が5点では少なすぎる。(前半でくくると、ツインタワー25点、それ以外10点)
 吉田が完調ではなく、ツインタワーもマークされる。岡本も消極的。となると、宮澤のポジションのスモールフォワードが鍵となる。しかし、宮澤は無得点(プレータイム9分50秒)。大沼も0点(8分12秒)、中村優花も0点(1分58秒)。なんと、このポジションは無得点だった。宮澤は第1ピリオド4-0とシュートを外したので、第2ピリオドは2分15秒とベンチを温めたが、代わって出た控え二人はシュートアテンプト1本だけ、リバウンドも1本とと、ほとんどアクションなしと言っていいだろう。これなら、宮澤を出した方が遥かに機能するはず。

 それよりも問題なのは、プレータイムが20分と制限された状態の吉田を、第2ピリオドをフル出場させたこと(通計14分45秒)
 時間的には、タイムアウト時(4分13秒)だが、8点差をつけられ流れが悪いところでは変えにくい。タイミングとしては、2点返した後、渡嘉敷のブロックショットでアウトオブバウンドになったところだろう(5分21秒)。このタイミングを逃し、続けざまに7点取られては、吉田をベンチに下げることができなくなってしまった。
 それでも、吉田のコンディション、今後の選手生活を考えると、休ませるべきだった言いたい。昨年も、嫌というほど感じたが、佐藤HCは目先のことしか考えない人である。

 富士通は、このピリオド、三谷8点、山本6点、町田と長岡が5点、篠崎も3点、アシストも町田4、篠崎2とバランスの良いオフェンスだった。3ポイントは7本中5本成功も大きい。
 ディフェンスもペイントを絞り気味のゾーンが良く機能した。ボックスアウトも良くできていた。相手の3ポイントシュートのフリーにする見極めも的確だった。
 惜しむらくは、前半終了間際の変調。二桁点差を維持しておけば、吉田のコンディションを考えると、かなりの勝機があったはずだ。【続く】
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