英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝 JX-ENEOS×富士通 【その2】

2015-01-17 22:32:46 | スポーツ
2015全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝 JX-ENEOS×富士通 【その1】の続きです。

第3ピリオド
 開始1分30秒まではバタバタした展開で、渡嘉敷のフリースローの1点のみで、JX36-42富士通。
 ようやく、篠原がドライブからのフックショットを決め、JX36-44富士通。
 JXも岡本がゴール下へ動いた渡嘉敷にパスを通し2点。富士通もすかさず町田がマークの岡本を置き去りにするドライブでJX38-46富士通(1分56秒)。
 さらに、JX・間宮のシュートが外れたのを反転速攻。山本→町田→篠崎と一気にゴール下まで運ぶが、辛くも吉田が手を出して、アウトオブバウンド。吉田が相手の動きを察知してマークを外さなかったのだが、今のところ、吉田の動きは悪くはない。
 ここでJXはゾーンディフェンスに切り替え、対する富士通は3ポイントシュートを連続で2本放つ(←リバウンドを取って)が、リング強く当たる外れ方で不正確だ。前半ほど3ポイントは期待できないのかもしれない。
 JXはオフェンスリバウンドを取り、イン→アウトのパスを岡本が3ポイントシュートを決め5点差に迫る。(41-46、2分56秒)
 プレス気味のゾーンディフェンスに、ここも長岡が3ポイントを放つが、これも決まらない。対するJXは高い位置でボールを受けた間宮が、ディフェンスを押しのけるような力強いドライブを決め、43-46と3点差(3分26秒)。
 マンツーマンディフェンスに戻したJXに対し、篠崎がペイントにカットインしてパスを受け、ボールを浮かせるシュートを放つが外れる。JXは宮澤がライン際をドライブで抜こうとするが、ディフェンダーに行く手を阻まれる。ここでしぶとくディフェンダー越しにフック気味のシュートを決め、1点差(45-46、3分49秒)。
 焦った町田の不用意なパスを宮澤がカット、ドリブルでボールを運び、追従してきた渡嘉敷にパス。これを渡嘉敷がゆうゆうドリブルシュート。JX47-46富士通、ついに逆転!(4分12秒)
 この後、両チームが1回ずつオフェンスを失敗し、アウトオブバウンドとなったところで、吉田がベンチに下がり、ルーキーの宮崎がコートに。富士通も長岡に代わり三谷が出場(4分53秒)。聖カタリナ女子時代はシューティングガードだったらしい。
 富士通、篠原が上手いターンでディフェンスをかわしシュート。イージーシュートだったが、これをミス。富士通は3ポイントシュートを3本連続外した後、2ポイントシュートも4本連続外し、7本連続シュートミス。町田のパスミスを合わせると8連続のオフェンス失敗。
 JXは岡本が果敢にドライブを試み、フリースローを得、2本とも沈め、49-46。第3ピリオドはここまで、JX14-4富士通と、完全にJXペース。
 篠崎がマークの宮崎を振り切り、ドライブシュートを決め、約3分半無得点の悪い流れをようやく歯止め(49-48、5分22秒)。
 JX・宮澤のパスを渡嘉敷がキャッチミス。ふたりの意思の疎通がないままのオフェンス。吉田がベンチに下がったのと、逆転したという心の緩みが出たのかもしれない。
 さらに、ボールを得た山本から篠崎、そしてゴール下の町田へ素早くパスを回しイージーシュート。49-50富士通、再逆転(5分42秒)。
 ここで、JX、タイムアウト。良いタイミングだ。

 JX・間宮、富士通・三谷が共にシュートを外した後、宮澤がやや距離のあるジャンプショットを決め、再び逆転。宮澤の得点が増えるとJXは展開が楽になる。(JX51-50富士通、6分44秒)
 対する富士通は、マークが空いた三谷が3ポイントシュートを放つが外れる。オフェンスの形は悪くないが、シュートが入らない。
 この後、ルーズボールがジャンプボールシチュエーション(富士通ボール)となったところで、吉田がコートイン(6分59秒)。吉田は約2分間(タイムアウトを除く)休んだことになる。宮崎は、言葉は悪いがビビり気味で、オフェンスを主導することなくベンチに下がってしまった。宮崎に経験を積ませる為にも、吉田を休ませる為にも、もう少し、宮崎で引っ張っても良かった。
 この直後、篠崎の3ポイントが外れ、吉田が早いドリブルで運び、コーナーに開いた宮澤がジャンプショットを決めたので、“結果オーライ”となってしまったが……(53-50、7分14秒)

 ここから富士通も反撃。山本→三谷→山本のパス&ランで1点差。(53-52、7分33秒)
 さらに、吉田の厳しいディフェンスをかわした篠崎がジャンプシュートを決め逆転。(8分11秒)
 岡本の3ポイントシュートにもチェックしてエアボールにし、山本のインサイドアウトのパスを受けた篠原が、確実にジャンプシュートを決め、53-56(8分44秒)。
 JXの攻撃、岡本がサイドに開き、宮澤にパスを要求する。しかし、気づくのが一瞬遅れた宮澤、構わずパスを送るが、町田がこれをカット。ここ数プレー吉田が主導しないオフェンスが続く、何のために吉田を投入したのだろう
 しかし、このチャンスを富士通も生かせない。三谷の3ポイントシュートに託すが外れる。このピリオド、三谷の外角のシュート感覚に狂いが生じていたのが痛かった。
 JXのオフェンス、吉田がジャンプシュートを放つが外れる。これが大きく跳ねて、宮澤がリバウンド。再び、吉田がジャンプシュート。富士通・テーブスHCの指示だろうか、吉田のジャンプシュートは比較的フリーに打たせるが、流石に2本続けては外さない。しかし、解説の萩原氏「吉田選手の体力的なものが気になる。少ししんどい感じが」と懸念を示す。確かに、画面を通して吉田の疲労の色が感じられてきた。(55-56、9分10秒)
 富士通・山本がドライブから浮かせるシュートを決め、JX55-58富士通と3点差。(9分40秒)
 間宮のシュートを三谷がブロックして、JX55-58富士通で、第3ピリオ終了。

 このピリオド、流れをつかんだJXが逆転、一気に走るかと思われたが、逆に反動が出てオフェンスがぎこちなくなってしまった。吉田を投入しての崩れ。3点ビハインドは痛いが、≪一度逆転した≫という感覚があるのは心理面で大きなプラス。
 富士通は、ジャンプシュートが決まらなかったのが痛い。特に、3ポイントシュートは7-0は第4ピリオドに引きずりそう。それでも、残り3分は、よく盛り返した。
 個人では、JX・宮澤が6得点と彼女が機能し始めたのが、攻撃の幅を広げる上で大きい。間宮はシュートはよくないが、6リバウンドと奮闘。
 富士通は山本が4得点、1アシスト、2リバウンド、1スティールと活躍。町田、篠崎、篠原も4得点とバランスが良かった。



第4ピリオド
 吉田は最初からコートに。最初のオフェンス、その吉田のジャンプショットが外れ、富士通はパスを回した後、篠崎の1オン1に託す。篠崎もこのプレーの重要性を理解したのか、硬くなりトラベリング。マークした岡本が隙を見せなかったのも一因であろう。
 次のオフェンスは渡嘉敷。大きなステップでディフェンダーをかわすが、シュートはリムを舐めて外れる。富士通、反転速攻。ゴール下の長岡にパスが通るが、イージーミス。
 JX・岡本、富士通・篠崎のジャンプシュートも外れ、1分30秒経過しても、両チーム無得点。
 さらに宮澤のやや遠いジャンプシュートが外れ、JXはオフェンスリバウンドを取ったものの、オフェンスが機能しない。高い位置の吉田には引き気味のデイフェンスで、ペイント内を絞り中にパスを入れさせない。しかし、渡嘉敷が高い位置でボールを受け、ジャンプシュートと見せかけて、フリーになった宮澤にナイスパス。これを決めて1点差。(1分57秒)
 富士通はペイント内に押し込んだ篠原がフックシュート。しかし、やや強引で外れる。
 JX、外に開いた宮澤がジャンプシュートを外すが、渡嘉敷がリバウンドを手に引っ掛け、拾った間宮がシュート。逆転。JX59-58富士通(2分25秒)。
 富士通、全員が開いてペイントにオープンスペースを作り、そこに走り込んだ篠原に町田がパス。篠原が決め、59-60と逆転(2分47秒)。
 JXは間宮が1対1を仕掛けるが、篠原に守られ、吉田にボールを戻す。ここで、渡嘉敷をスクリーンに使い、吉田が3ポイントシュートを放つ。これが決まり、62-60と逆転(3分10秒)。
 この後、互いに1回ずつオフェンス失敗し、富士通のオフェンスだが、2度のシュートチャンスを躊躇した挙句、長岡がトラベリング。
 さらに、渡嘉敷のドライブも決まらず、富士通・山本、開いて待ってオープンになった岡本の3ポイントシュートも外れる。
 両チームとも、出ずっぱりの選手が多く疲労が蓄積、オフェンスがうまく機能しない。吉田も辛そうな動きだ。
 JXのタイムアウト(残り5分23秒)。解説・萩原氏「少し早い」と。私は、もう少し早くても良かったと思うが。

 タイムアウト後、富士通・山本の3ポイントシュート……これにチェックに行った宮澤が、山本に接触。3本のフリースローが与えられたが、1本外して、62-62の同点(残り5分12秒)。無理にチェックにいきファールしてしまったのは痛いが、単に3ポイントを決められるよりは良い。もちろん、富士通のロングシュートの調子を考えると外す確率も高いが、フリースローを1本落としたので、結果的にはJXにとって良かったのかもしれない。
 JXのオフェンス。相変わらず機能しない。宮澤が安易にジャンプシュートを放つが外れ、リバウンドに渡嘉敷が飛び込むが、富士通も長岡と篠崎が体を張って対抗。アウトオブバウンドで富士通ボール(残り4分55秒)
 富士通のオフェンス、町田がペネトレイトからオープンの篠原にパスアウト。しかし、篠原のジャンプシュートはエアボール(間宮のチェックも素早かった)。富士通はシュートが決まらない。
 JXは吉田がドライブで切り込むが、これは強引、無謀に近かった。
 富士通、ペイントに走り込む篠崎に山本がパス。そのままシュートだが、惜しくも外れる。間宮のマークを外すため、身体を外に流し過ぎたようだ。(残り4分20秒)

 ここ2分半ほど、膠着状態だが、富士通の方がオフェンスは機能している。JXは吉田の動きが落ちオフェンスの形にならない。これまでの吉田を無駄に使った佐藤HCの罪は重い。同点の今なら、吉田を攻守1回分だけベンチに下げ、呼吸を整えさせる。オフェンスはナンバープレーを試みる。この際、渡嘉敷、間宮も下げてしまうのはどうか。
 JX、ペイント中ほどでパスを受けた渡嘉敷がドライブするが、富士通の寄りつきが早く自由にシュートが打てない。しかし、リバウンド争いの際、篠原が4つ目のファール!(残り4分4秒)
 エンドラインからのスローイン、宮澤が走り込んでボールを受け、そのままシュート。JX64-62富士通(残り4分3秒)。
 得点が止まっていたJX、大きな得点。富士通の篠原の4ファールと、流れはJXか。

 富士通・山本がドライブからボールを浮かせる巧みなシュートを決め、流れを押しとどめる。64-64(残り3分46秒)。
 JX・吉田が岡本にボールを渡し、出来れば岡本の外角からのシュート、あるいは、オフェンスの立て直しを図ったが、岡本がファンブル(残り3分27秒)。
 JX、オフェンスの流れが悪い。しかし、富士通・町田のジャンプシュートも外れる。
 ここで、ボールを運んだ吉田が、ペイントゾーンの間宮へ渾身のバウンドパス。間宮がシュートを決め、66-64、2点リード(残り3分9秒)。
 富士通も反転速攻。ゴール付近でパスを受けた山本に、宮澤がファール(4ファール)。
 山本がフリースローを2本とも決め、同点。(66-66、残り3分2秒)

 JXのオフェンス。吉田はオフェンス停滞を打開できない。他の選手も、自ら切り開く意志が薄い。その象徴的プレーが出た。渡嘉敷からボールを受けた岡本。この時、岡本をマークしていた町田に対し、渡嘉敷がスクリーンを掛けた形となった。渡嘉敷をマークしていた長岡もドライブに備えゴールに寄った。この後、渡嘉敷が外に動いたため、フリー。岡本が意図したのかどうかは不明だが、ちょうど岡本&渡嘉敷のピック&ロールの形となった。
 そこで、岡本は渡嘉敷にパス。しかし、渡嘉敷はそのまま岡本がドライブすると思い、リバウンドに備えた。ボールは転々とコートの外へ……。
(残り2分42秒)

 富士通もJXのディフェンスを突破できず、ショットクロックぎりぎりで苦しいシュート。これが外れたが、富士通がリバウンド。詰めた吉田がファール。JXチームファール4。富士通、タイムアウト(残り2分13秒)。
 富士通・テーブスHCは、次のプレーの細かい指示。JX・佐藤HCは「受け身に回るな。とにかく最後まで積極的に行け」という応援(笑)

 富士通・町田がドライブで切り込むと見せかけて、3ポイントラインの外に移動したスクリナーの長岡にパス。長岡が3ポイントシュートを綺麗に沈める。富士通、3点リード!(JX66-69富士通、残り2分2秒)
 JX、ペイントゾーンでボールを受けた渡嘉敷がドライブ。これを長岡、篠原、山本が両手を上げて阻止。渡嘉敷が回り込んで篠原の上からシュートを放つが落とす。このリバウンドを渡嘉敷が取り、岡本へパス。岡本、3ポイントシュート……しかし、外れ、富士通がリバウンド。(残り1分39秒)
 このプレー、渡嘉敷にディフェンダーが集中する分、間宮がフリーになっていた。JXベンチはこの状態を予測できたはず。応援などしていないで、「間宮へのパスも視野に入れろ」と渡嘉敷に指示を出すべきだろう。
 1、2年前は、このツインタワー同士のパスがよく機能していたが、この大会はほとんど見られなかった。間宮の動きも悪い。


 JX、ピンチ!
 富士通は時間を掛けて攻撃して、出来れば2点を取りたい。しかし、この意識が動きを消極的にした。24秒いっぱい使ったものの、ほとんど、オフェンスにならなかった。
 おそらく、このプレーが明暗を分けた。ここで、今までどおり攻めていれば、JXは浮足立っていたので、2点かファール(フリースロー)をもらえたであろう。


 残り1分17秒、3点差。同点は十分に可能だ。
 リバウンドを取った吉田がドリブルで持ち込む。引き気味になる富士通ディフェンスを見て、ドリブルしながら決めたのだろう。迷わず、ジャンプショット。綺麗にネットを揺らした。1点差、残り1分10秒。

 富士通、町田と長岡のピック&ロールから、町田のジャンプシュート。しかし、若干、時期尚早。これが外れ、リバウンドはJX。シュートタイミングが早かったため、このリバウンドに富士通は誰も絡めず、充分な体制でJXのオフェンスに臨むことができた。(残り49秒)
 吉田がペイントの間宮にパス。間宮に対しディフェンスが収縮。すかさず、間宮が渡嘉敷へアンダーパス。これを渡嘉敷が落ち着いて決め、逆転!JX70-69富士通、残り36秒。
 富士通・山本がペネトレイトからパスアウトを試みるが、渡嘉敷の足にぶつける。痛い、ターンオーバー。パスミスと言うより、パスのスペースがなく、オフェンスそのもののミスだった。(残り19秒)
 時計を止めたい富士通がファール。JX、タイムアウト。

 残り15秒、富士通はチームファールが3。ファールゲームをするにしても、まず、1つファールをしなければならない。
 町田ファール(残り13秒)。
 スローインのJXに、富士通がファールを手間取る。残り8.3秒でようやく吉田にファール。

 吉田がフリースローを2本とも決め、72-69。残り8.3秒、富士通は3ポイントシュートを決めなければならない。
 町田がドリブルで運び長岡にパス。長岡が篠原にパス(残り4秒)。3ポイントライン付近でフリーだが、篠原には3ポイントシュートはない。コーナー付近の山本にパス(残り3.4秒)。
 残り2.9秒でパスを受けた山本、マークをずらしつつタイミングを取るようにサイドステップをして、3ポイントシュート!(残り2.2秒)
 ボールは大きな弧を描いてリングに向かう。………しかし、リングに当たり、大きくバウンド………万事休す、試合終了のブザー。
 JX、8年連続の決勝進出。

 富士通は3点差になったところでは、勝利の女神の微笑みが見えたのかもしれない。
 しかし、修羅場の経験値の差が出てしまった
 最終盤、富士通は三上を出していればという気もするが、後半、三谷のシュート感覚が狂っていたので使いづらかった。それに、最後はレギュラーに託すと言うのが正道なのだろう。

 JXは個人の力で勝った。しかし、もう少し戦術・戦略を磨かないと勝てないし、選手も潰れてしまう。


個人スタッツ
JX
得点 渡嘉敷21、間宮17、吉田14、岡本10、宮澤10
リバウンド 間宮14、渡嘉敷11、岡本7、吉田5、宮澤5
アシスト 吉田8、渡嘉敷3、間宮2、宮澤2
スティール 岡本3、宮澤2
ブロックショット 渡嘉敷4

富士通
得点 山本22、長岡11、篠崎11、町田9、三谷8、篠原8
リバウンド 篠崎10、篠原8、長岡6、町田4、山本4、三谷3
アシスト 町田6、篠崎3、山本3
スティール 町田2
ブロックショット 三谷1

 第4ピリオド、吉田の7点は凄い。しかし、プレータイムは予定を大幅に超える32分39秒だった。 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする