英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015箱根駅伝 感想

2015-01-04 12:53:14 | スポーツ
 青山学院大学の完勝だった。

 復路も6区・村井2位、7区・小椋1位、8区高橋1位、9区藤川1位、10区安藤・2位と他の大学をまったく寄せ付けない走りであった。他の大学もそれなりの走りをした。例年だったら、優勝かトップを激しく競り合うことのできる走りであった。
 実は、東洋大学が優勝した昨年の大会も同じような感想を持った。東洋大と青山学院の大学名を取り換えれば記事が成立しそうである。

 2位駒澤も5区のアクシデントを除けば、昨年と同じ感想。襷が途切れる危機に陥ったが何とか繋がったのは良かったが、そういう危機を脱出したという安堵感もあったのか、是が非でも優勝という雰囲気が感じられなかった。
 もちろん、7分以上の大差だったので、逆転は非常に難しい状況ではあったこと、さらに、前半に主力を置き復路がやや手薄だったこともあったとは思う。その中で、4位から2位に順位を上げたことを讃えるべきかもしれない。
 ただ、ここ数年、優勝してもおかしくないメンバーを揃えながら勝てない状況が続いているのはどうしたことか?
 思うに、強豪チーム故、出場メンバーに選ばれるためのチーム内での競争が激しすぎるのではないか?もちろん、切磋琢磨の状況はチームの総合力をアップさせる効果があるが、選手の調子のピークが、メンバー選出の直前で、大会時には下り坂になってしまっているのではないだろうか?

 各区間の走りも、ベストを想定したペース配分に固守し過ぎで、レース展開や自己の調子を見ての臨機応変さに欠けるような気がする。
 あと、選手の配置であるが、第2エースの中村を1区に配置したのはどうなのだろうか?駅伝において、出だしで躓くのは大きな痛手ではあり、それを避けようとした起用である。完調ではないが、中村ならそれなりの走り(トップかトップと10秒差以内)は確保でき、2区で村山が1分以上の差をつけてレースの主導権を握るという読みだったのだろう。
 実際、中村は調子は良くなかったものの、トップで襷を渡した。しかし、2区の村山が計算外の区間4位でトップどころか2位(トップと2秒差)で3区に繋ぐことになってしまった。
 これでも、駒澤の地力を考えれば、想定内の走りだったはずだが、エース、準エースを1、2区に投入しての結果で、少なからず選手の心理に影響を与えたのではないだろうか?

 3位の東洋も良く走ったが、設楽兄弟の抜けた穴を埋めるには至らなかった。
 4位の明治は復路は失速。6区7位、7区14位、8区13位、9区2位、10区10位(復路成績は6位)、よく総合4位に踏みとどまったと言うべきか。
 5位の早稲田は、6区1位、7区5位、8区7位、9区4位、10区7位で復路成績は3位と健闘した。


 今年は、函嶺洞門の老朽化、バイパス道路の開通によりコースが若干変更された。(これに関しては『スポーツ報知』の記事を引用)

【引用開始】
 王宮をイメージしたという函嶺洞門は1931年、神奈川・箱根町の塔ノ沢温泉付近の国道1号線に落石防止のため造成された長さ170メートルのシェルター。箱根の名所だが、車道の幅が狭く、観光バスなどはすれ違いが困難だった。交通安全と渋滞緩和のため2月にバイパスが通り、道幅が5・8→7・25メートルに広がった。

 函嶺洞門には遊歩道が整備されるため、総会では選手は従来のコースを走り、テレビ中継車など関係車両がバイパスを使う案も検討した。関東学連関係者は「学生の大会でそこまでする必要はないし、選手と車両の分離・合流に危険が伴う。無理に函嶺洞門を走る案は見送られ、コース変更が決まった」と説明した。

 記録の取り扱いについても意見が分かれた。距離延長に伴う時間差は3~4秒(20m)と予想され、各大学の監督からは「正式記録として残すべき」という声が多かったが、最終的には「正確な距離と時間」という陸上競技の原則を重視した。【引用終わり】


 わずか20mの延長で、5区6区だけでなく、従来の総合記録、往路記録、復路記録も参考記録となる。タイムにして3~4秒など、風や気温の影響に比べると遥かに微小なこと。ナンセンスな判断である。皮肉にも、今大会の神野の走りにより、柏原の記録も本当に参考記録になってしまったが。

 往路の記事でも述べたが、そもそも、山登りの上、最長距離というのは過酷過ぎる。アクシデントが多いのもこのせいである。10区間で競う駅伝であるのに、この5区の比重が高すぎるのも問題である。
 2006年の距離延長に関して、主催者側は「5区を延長することでマラソン選手の育成や強化を図る」と全く説得力のない理由を上げていたが、テレビ中継の盛り上げの為と推測される。なのに、そんな些細なことだけ厳格に対処するのは、いかがなものか?
 それはともかく、函嶺洞門を迂回する今回を機に、5区の距離を短縮すべきだった。(今後改正するとなると、今回の神野の走りは参考記録となってしまう)


 ともかく、神野をはじめ、青山学院の走りは見事で、完勝だった。
コメント (4)
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