「M」の正体
事件を整理。分析した天樹(東山紀之)は、Mの行動(馬久根の殺害、ビルの爆破未遂など)に矛盾があることに気づき、“驚愕の真相”(Mの正体)に到達する
M=御厨の正体が山下(片岡愛之助)であることは、拉致や監禁のされ方が不自然なことから予想できた。
天樹が気づいた不合理性は
・臨界エリアを乗っ取るのが御厨の目的なら、死期の近い馬久根を殺害する必要はない
・「ビル爆破未遂は犯行ミスではなく、意図的に中止したものだった」
……この件に関しては、
「臨界エリアの利権が目的なら、ビルを破壊するのは大きな損失」
「介護士・林敬子の怨恨の中心地のビルを爆破する意図だったが、中止した」
という、二重の矛盾があった。
「2番目の矛盾に関しては、その原因が準備室のメンバーが現場に向かったことによる急遽の中止だった」と天樹は推理。
以上のようなことから、「M=御厨の正体は山下」という結論に到達。……しかし!
山下黒幕の矛盾
捻じれた正義感、歪んだ顕示欲で馬久根への懲罰(殺害)を企て暴走したとはいえ、多くの無関係な一般人を巻き込むビルの爆破をするとは考えられない。
正義感が捻じれたとはいえ、無関係の人を大量に巻き込む愚行に走るとは思えないし、馬久根ひとりを倒すのにビル爆破という大雑把な手段に甘んじるのはプライドが許さないだろう。
それに、殺害という裁き方も山下らしくなく、介護士・林敬子を取り込み馬久根の日記が手中にあるのなら、馬久根の悪事を立件出来たのではないだろうか?
その他の疑問点
・雰囲気を盛り上げるだけの監察官
そもそも、監察の対象は何だったのか?最終的に第11方面本部準備室を解散に追い込んだので、メンバーの行き過ぎた捜査に対してなのだろうが、そうだとすると、メンバーに“殺意があったか?”をしつこく追及していた。なので、馬久根死後の取り調べかと思ったら、そうでもなかった(特に先週の時点では、捜査中、馬久根を死に至らしめてしまい、そのことで聴取を受けているのかと思った)。 進行中の事件の捜査を停止させてどうするのだろうか?片桐(吉田鋼太郎)のこれまでの黒い所業を天樹に忠告するなど、最終話用のかき回しキャラだった。
それはともかく、メンバーに対してみっちり取り調べをし続けた体力と精神力は驚異。
・突如、絞殺を図る片桐(吉田鋼太郎)
吉田鋼太郎のキャラとしては正解だが、すべてを台無しにしてしまいかねない暴挙だった。
・噛み殺すとは…
ずっと怪しい雰囲気を醸し出していた介護士の林敬子。
恨みに恨むと“噛みつく”ものなのだろうか?そこまで恨んでいたのなら、Mの指示があるまでよく馬久根の世話をできたものだ。(“馬久根をいつでも殺害できる”立場にいるという優越感があったのかもしれないが)
馬久根を殺せば、逮捕されてもかまわなかったのだろうが、傷跡から採取されたDNAが証拠とは、単純な逮捕劇。
・告発者Mは必要だったのか?
ストーリーを複雑にしたかったのだろうが、正体が分かってからチラリと画面に現れただけ(セリフなし)。
馬久根を脱税の罪で逮捕するための“お助けキャラ”も兼ねていたが、悪質な反則脚本だった。
脚本担当は前話に引き続き“要注意脚本家” 真野勝成氏。
“警戒作家”の椅子に更に近づいた……
ラストの7人横隊の行進は、『Gメン'75』のパクリか?
【ストーリー】番組サイトより
臨海エリアを裏で牛耳る大地主・馬久根恒義(山本學)の狙撃を次々と試み、天樹悠(東山紀之)ら「第11方面本部準備室」の面々に阻止された男2人が自殺した。その後、事件現場となったビルには、第三波として複数の爆弾も仕掛けられていたことが判明。天樹らは、臨海エリアの利権を狙う謎の人物「御厨」によるテロの可能性を疑う。
その矢先、馬久根が天樹らを呼び出し、ある交渉を切り出す。天樹らが証拠をつかんでいる脱税の罪を認める代わりに、自分を殺そうとした首謀者を掴まえてほしいというのだ。だが、彼らにとって馬久根は、憎むべき最大の敵。彼のために捜査するのは本意ではない。天樹らは逡巡しながらも、あくまで自分たちの意志で首謀者を洗い出そうと決意する。
まもなく、自殺した狙撃未遂犯たちの身辺から、「御厨」との接点を暗示する証拠が見つかる。だが、ここにきて天樹が首をかしげる。臨海エリアの利権を狙う勢力が馬久根を殺害しようとする――そこまでは合理的だが、ビルの爆破に関してはどう考えても合理性が見受けられないからだ。この一連の犯罪計画には一体、どんな意味があるというのか…。「御厨」の正体も含め、捜査は混迷を極めていく。
そんな中、馬久根が何者かに殺される! 容疑者として“ある人物”に目を付けた天樹らは、捜査を続行。やがて、天樹はそれまで想像すらしなかった“驚愕の真相”に直面する――。
脚本:真野勝成
監督:及川拓郎
事件を整理。分析した天樹(東山紀之)は、Mの行動(馬久根の殺害、ビルの爆破未遂など)に矛盾があることに気づき、“驚愕の真相”(Mの正体)に到達する
M=御厨の正体が山下(片岡愛之助)であることは、拉致や監禁のされ方が不自然なことから予想できた。
天樹が気づいた不合理性は
・臨界エリアを乗っ取るのが御厨の目的なら、死期の近い馬久根を殺害する必要はない
・「ビル爆破未遂は犯行ミスではなく、意図的に中止したものだった」
……この件に関しては、
「臨界エリアの利権が目的なら、ビルを破壊するのは大きな損失」
「介護士・林敬子の怨恨の中心地のビルを爆破する意図だったが、中止した」
という、二重の矛盾があった。
「2番目の矛盾に関しては、その原因が準備室のメンバーが現場に向かったことによる急遽の中止だった」と天樹は推理。
以上のようなことから、「M=御厨の正体は山下」という結論に到達。……しかし!
山下黒幕の矛盾
捻じれた正義感、歪んだ顕示欲で馬久根への懲罰(殺害)を企て暴走したとはいえ、多くの無関係な一般人を巻き込むビルの爆破をするとは考えられない。
正義感が捻じれたとはいえ、無関係の人を大量に巻き込む愚行に走るとは思えないし、馬久根ひとりを倒すのにビル爆破という大雑把な手段に甘んじるのはプライドが許さないだろう。
それに、殺害という裁き方も山下らしくなく、介護士・林敬子を取り込み馬久根の日記が手中にあるのなら、馬久根の悪事を立件出来たのではないだろうか?
その他の疑問点
・雰囲気を盛り上げるだけの監察官
そもそも、監察の対象は何だったのか?最終的に第11方面本部準備室を解散に追い込んだので、メンバーの行き過ぎた捜査に対してなのだろうが、そうだとすると、メンバーに“殺意があったか?”をしつこく追及していた。なので、馬久根死後の取り調べかと思ったら、そうでもなかった(特に先週の時点では、捜査中、馬久根を死に至らしめてしまい、そのことで聴取を受けているのかと思った)。 進行中の事件の捜査を停止させてどうするのだろうか?片桐(吉田鋼太郎)のこれまでの黒い所業を天樹に忠告するなど、最終話用のかき回しキャラだった。
それはともかく、メンバーに対してみっちり取り調べをし続けた体力と精神力は驚異。
・突如、絞殺を図る片桐(吉田鋼太郎)
吉田鋼太郎のキャラとしては正解だが、すべてを台無しにしてしまいかねない暴挙だった。
・噛み殺すとは…
ずっと怪しい雰囲気を醸し出していた介護士の林敬子。
恨みに恨むと“噛みつく”ものなのだろうか?そこまで恨んでいたのなら、Mの指示があるまでよく馬久根の世話をできたものだ。(“馬久根をいつでも殺害できる”立場にいるという優越感があったのかもしれないが)
馬久根を殺せば、逮捕されてもかまわなかったのだろうが、傷跡から採取されたDNAが証拠とは、単純な逮捕劇。
・告発者Mは必要だったのか?
ストーリーを複雑にしたかったのだろうが、正体が分かってからチラリと画面に現れただけ(セリフなし)。
馬久根を脱税の罪で逮捕するための“お助けキャラ”も兼ねていたが、悪質な反則脚本だった。
脚本担当は前話に引き続き“要注意脚本家” 真野勝成氏。
“警戒作家”の椅子に更に近づいた……
ラストの7人横隊の行進は、『Gメン'75』のパクリか?
【ストーリー】番組サイトより
臨海エリアを裏で牛耳る大地主・馬久根恒義(山本學)の狙撃を次々と試み、天樹悠(東山紀之)ら「第11方面本部準備室」の面々に阻止された男2人が自殺した。その後、事件現場となったビルには、第三波として複数の爆弾も仕掛けられていたことが判明。天樹らは、臨海エリアの利権を狙う謎の人物「御厨」によるテロの可能性を疑う。
その矢先、馬久根が天樹らを呼び出し、ある交渉を切り出す。天樹らが証拠をつかんでいる脱税の罪を認める代わりに、自分を殺そうとした首謀者を掴まえてほしいというのだ。だが、彼らにとって馬久根は、憎むべき最大の敵。彼のために捜査するのは本意ではない。天樹らは逡巡しながらも、あくまで自分たちの意志で首謀者を洗い出そうと決意する。
まもなく、自殺した狙撃未遂犯たちの身辺から、「御厨」との接点を暗示する証拠が見つかる。だが、ここにきて天樹が首をかしげる。臨海エリアの利権を狙う勢力が馬久根を殺害しようとする――そこまでは合理的だが、ビルの爆破に関してはどう考えても合理性が見受けられないからだ。この一連の犯罪計画には一体、どんな意味があるというのか…。「御厨」の正体も含め、捜査は混迷を極めていく。
そんな中、馬久根が何者かに殺される! 容疑者として“ある人物”に目を付けた天樹らは、捜査を続行。やがて、天樹はそれまで想像すらしなかった“驚愕の真相”に直面する――。
脚本:真野勝成
監督:及川拓郎