英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

【少し訂正……文末に】新型コロナウイルス その84「さらに、まくし立てる三浦瑠麗氏」

2021-01-05 20:40:51 | 時事
GoToトラベルキャンペーンの一時停止で、まくし立てていた三浦瑠麗氏だが(「その81」
「その81」で書いたが、“7日にも首都圏の1都3県に緊急事態宣言を出す方向”という情報に、今日(1月5日)の『とくダネ!』で苛立ちを見せながらまくし立てていた。

 朝の業務を終えてテレビをつけたのが8時28分だったので、それ以前の氏の主張は分からないが、いろいろ、まくし立てており、主張は大まかに言うと5点。
①前回の緊急事態宣言についての反省を含めた総括をしていないないまま宣言を出すのは、国民が納得しない
 三浦氏が納得しないだけ。
 確かに、前回の宣言を終了した1か月後ぐらいに総括して、次に感染の再拡大した場合にそれを生かすべきである。

 緊急事態宣言に限らず、総括や分析は非常に重要で、随時行い、今後の施策に反映させるべき。
 そもそも、政府や分科会は(都のモニタリングも)、分析などをしている振りだけ。GoToトラベルキャンペーンを開始した7月下旬は、感染者数が増加し始めていたが、それにも拘らず、強攻。
 東京もキャンペーンの対象に加えた10月下旬は、第2波が収まり小康状態にあったものの、その数は500~700人。これは第1波のピーク時を超える新規感染者数で、感染対策によって均衡を保っていたと考えられる。《増加はしていない》という現象のみを信じて、東京都をキャンペーンの対象に加えてしまい、GoToイートなどと相まって、感染拡大を後押ししてしまった。
 しかし、政府は「GoToトラベルは感染拡大の原因になっているというエビデンスはない」と言い張っている。それどころか、「GoToトラベルは経済回復に大きく貢献している」と評価。……分析とは程遠い姿勢で、反省などする気は全くない
(自民党の辞書には反省という言葉はないのである)。
 三浦氏の思考も政府と同じに思えるが、その三浦氏が「政府が反省総括をまとめないのは国民が納得しない」と批判しているのを見て、苦笑いしてしまった。

②週内にも発令しようかという段階で、未だに保育所(園)の対応を厚労省が検討中とは政府の失態である
 これは私も同意見。
 宣言を出すのも遅すぎるし、その範囲ももっと広範囲(1日の新規感染者数が3桁の都道府県)にすべきだが、感染拡大が顕著(11月10日頃)になってから久しいというのに、出す場合の各機関(分野)への指示を決めていないなど、怠慢としか言いようがない。政府の分科会や感染症対策本部はいったい何の会議をしていたのだろうか?


③5月25日に宣言を解除した後(それからずっと発令されていないのに)、知事たちは何の法的根拠もなしに、休業要請や時短要請を行っている。これは訴えられても仕方がない。賠償と責任を負わされるべきだ
 三浦氏は、とにかく《自粛要請による経済の停滞は許しがたい》と考えているが、「いくらかの補償(給付金や協力金)もあるので曖昧にしてきたが、罰則云々(給付金と罰則をセット)となると、事業者も黙っていられないだろう」と解説者の石橋文登氏に噛みついていた。
 飲食店等の経営者にとっては訴訟を起こしたい気持ちだろうけれど、三浦氏が「何の法的根拠もなしに」とか「損害賠償」とか言っているが、知事たちの時短要請は、あくまで“要請”で強制や指示・命令ではないので、どうなのだろうか?
 私は、感染拡大の傾向があるにもかかわらず、キャンペーンを推進した政府や都知事の政策こそ、訴えられるべきだと考える。
 “経済優先”(政府は「感染防止と経済活動の両立」と謳ってはいたが)志向の結果、現在の感染蔓延状態を招いてしまったことに関して、三浦氏はどう考えているのだろうか?


④第1波からかなりの時間を経たのに、一向に医療体制が拡充されないのは、どういうことなのか?

「医療体制の拡充どころか、コロナの病床を開放したり、借り上げていたホテルとの契約を終了していたりとか、(もう大丈夫かなと)タカをくくっていたのではないか?」
「協力金を医療体制の拡充に使ってしまえばよい」
と声高に主張していた。」
「医療体制の拡充に努めておけば、宣言を出さなければならない事態にはならなかったはず。いったい、政府は何をやっていたのか?」

 コロナの治療に当たる病院は、却って経営が苦しくなっているようなので、当然、金銭面の補助は必要だが、金銭面で解決できる問題ではない。
 医療に従事する人材は簡単に補充できるわけではない。コロナ医療に当たっている従事者は、すでに10か月、ほぼ休みなしで従事している。危険度は高く、神経や体力をすり減らして、疲弊している。看護師の中には、家族への感染を危惧して、ホテルに宿泊していて、自宅には帰っていない人も多いと聞く。そのうえ、保育園での差別を受けるなどマイナス面もあり離職する人も多い、人材の拡充どころか維持さえも難しい。金銭面だけで解決できる問題ではないのだ。
 「GoToキャンペーンをしなければ、こんな事態にはなっていなかったはずだ」という言葉を、三浦氏に贈りたい。


⑤飲食店への時短要請で、宣言を出さなくても済むのではないか?
 《宣言を出しても効果はない》という考えを持っている政府関係者や各事業者や世間一般の人は多いようだ。
 “証文の出し遅れ”で遅すぎて、なかなか効果は上がらないかもしれない。時短を要請しても、応じない店もいるだろうし、そういう店を探して訪れる客も多いだろう。箱根駅伝で「沿道からの応援は自粛してください」と呼び掛けても、かなり多くの人が沿道に出ていた。中継カメラに向かって手を振る人も多く見かけた。
 しかし、宣言を出せば、「やはり、大変な事態なんだ。感染拡大を防ぐため、自粛しよう」と考える人も多いはず。そうなれば、出歩く人への抑制にもなるはず。


 とにかく、このまま感染が拡大しては、経済もさらに滞ることになる。
 三浦氏はそう思わないのだろうか?
 三浦氏は治療に当たる当事者の消耗を知らないのだろうか?医療従事者にとっては、感染者を出さないことが大きな支援になるはずだと思うのだが……


【④について、少し訂正】
 三浦氏は、医療体制の拡充について、ことあるごとに述べていたような記憶がある。
 その度に、《何を言っているんだ、この人は》と思っていたのだが、今日の『ミヤネ屋』での橋下徹氏の主張を聞いて、三浦氏の言いたかったことが分かった気がした。
 橋本氏は「コロナ対応に背を向けている病院に、コロナの対応をしてもらえば、ひっ迫状態が解消できる」ような旨の発言をしていた。
 三浦氏の不満も、コロナに対応する病院の偏りにあるのでは?と思った。

 そういえば……少し前に、三浦氏が医師会の会見を批判したような記事のタイトルを見たような気が……
……《参照》『とくダネ!』三浦瑠麗氏、医師会の会見に「全てを国民の責任にしている」痛烈批判で賛否の声
 なるほど、そういう不満があったのか?
 だったら、昨日も言葉を濁さないで、はっきり言えばいいのに。
 先の発言は賛否両論だったと聞くが、批判の声を気にしたのかもしれない。

 三浦氏や橋下氏の主張はなるほどと思うが、命の危険と相当の負担が掛かる業務を医療従事者に強いるのは、心苦しい。

 あと、現コロナ患者のケアを看護師だけがしなければならない状況(普通の病棟だと、掃除や簡単な世話はヘルパー的な人がしていると聞く)を是正してほしい。これも、コロナ患者と接触する人を減らすという観点から、やむを得ないのかもしれないが。
コメント
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