英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新型コロナウイルス その95「三浦瑠麗氏、緊急事態宣言の発出に反対」

2021-04-20 10:15:30 | 時事
相変わらずな三浦瑠麗氏である。
緊急事態宣言発出について反対意見を述べていた。もちろん、反対意見も新型コロナウイルス感染に対処する上で、必要な意見(考察)である。
ただし、氏の場合、その論拠・論理に飛躍や歪曲を感じてしまう。


 氏の意見を要約すると
①緊急事態宣言の効果は小さい
②医療崩壊が危惧されているが、宣言発出より高齢者関連施設の感染を抑制することの方が効能が大きい。それと同時に医療体制を拡充するのが先決。
③宣言発出によって経済が停滞してしまう害が大きい。コロナ感染による死亡より、宣言などによる経済停滞によって窮乏する人たちの自殺者の方がはるかに多い。



①については宣言発出により新規感染者数が押さえられたというのは紛れもない事実である。
②については、確かに医療体制の拡充は重要な要素だが、短期間で拡充できるものではない。「1年以上も経っているのに」という指摘もあるが、ベッドや病室、機材などのハード面はともかく、人材の育成は1年でどうこう出来るものではない。退職者の再雇用という手もあるが、それでは補え切れない。
 それに、この1年間、現場で頑張っている医療従事者の消耗は計りしれない家族に感染させる危険を考え、別にアパートなどを借りて家族と離れている医療従事者も多い。医療の拡充より、新規感染者の抑制の方がはるかに重要である。
 感染防止の対策に多大な神経を配っている状況の介護施設の負担も大きい。入所者の心の負担も大きく、認知が進む人も多い。活動が制限されるので、運動機能の低下もある。
③については「警察庁と厚生労働省は22日、2020年の自殺者数は前年比750人増(3.7%増)の2万919人(速報値)だったと発表した。これまで10年連続で減少していたが、リーマン・ショック直後の09年以来11年ぶりに増加に転じた。女性や若年層の増加が目立ち、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や生活環境の変化が影響した恐れがある」という記事がある。(『日本経済新聞』「20年の自殺者2万919人 11年ぶり増加、コロナ影響か」より)
 増加の数値としては前年比750人増(3.7%増)。これを単純に「コロナによって増えた自殺者数が750人」と考えてはいけない。自殺者約2万人の内、コロナの影響で自殺に踏み切った人は相当数に上る可能性は大きい。ただし、新型コロナ感染が発生していなかった2019年の自殺者数も2万人を超えていたことを考慮すると、三浦氏の主張には疑問を感じてしまう。論拠を示してほしい。
 因みに、新型コロナウイルスで死亡した方は9679人(2021年4月19日現在・日本)

 コロナウイルスが変異して、感染力も強くなり、重症化の割合も増えているという。
 三浦氏のいうように経済を最優先すると、感染はどんどん拡大してしまう。そうなった場合の生活はどうなってしまうのか?
 医療が崩壊すると、社会も崩壊。当然、経済も停止。
 三浦氏はそういうシミュレーションはしないのだろうか?
コメント
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