承久の乱
後鳥羽上皇の院宣は「鎌倉に攻め入るのではなく、”義時追討”」
……《義時の首を差し出せば許そう。朝廷に味方をした者は厚遇しよう》というモノで、武士たちは従うであろうと読んでいた。
事実、そうなる流れもあったが、政子は《上皇に従って未来永劫、西の言いなりになる》のを良しとせず、《戦って坂東武者の世を創る》と御家人たちに訴えた。その政子の言葉に、板東武者は一丸となった!
……というのが、前話の流れだったが、《できれば戦などしたくない》というのが御家人たちの本音。
朝廷軍を鎌倉近辺で迎え撃つというのが常道のように思えたが、時が経てば、御家人の気持ちは冷えていきそう。
そこで、鎌倉側から京に攻め込むこととなった。総大将は北条泰時、補佐に時房。
しかし、旗揚げしたのは、たった18騎。《自分を入れても19騎か…》と落胆する泰時だったが、自分を入れて18騎と知って、更に落胆(一緒だろう・笑)
まあ、ドラマ初期の“頼朝挙兵”を思い出す兵の少なさ。ところが……
なぜ、大軍に?
蓋を開けてみると、鎌倉軍は19万騎まで膨れ上がっていた。
「策が当たったなあ」と泰時は嬉しがっていたが、一体、何が起こった?
この情勢の変化は唐突に思えたが、何か、秘策や説明があったのだろうか?(私が寝ていた?)
原因は《朝廷と御家人の思いの違い》
朝廷……栄誉を与えれば武士は従う(武士は、朝廷(皇族)、貴族、寺院の下に武士)
幕府……御家人に褒賞として所領を与えた(“一所懸命”の語源)
「策が当たった」というのは、《見切り発進で挙兵、京を目指す》という行為を起こしたことを指していたのだろう。
上記のように、御家人(武士)の意識の違いが、大群に膨れ上がったのだろう。
兵力は圧倒的多数で木曽川を突破したが、宇治川では苦戦!
朝廷は宇治川に架かる橋をすべて落としてしまったので、鎌倉軍は進攻がままならない。そこで……
“泰時の秘策”……家を壊して筏を作り、強行突破!
武具なしで川に入り、筏を押す兵は無防備……盛綱の胸にも矢が刺さり、犠牲に……と誰もが思ったが、延命。
……宇治川を突破した鎌倉軍の勝利!
実は、勝利の行方を左右したポイントはもう一つあって、上皇自身が陣頭に立って士気を高めるかどうか……上皇自身はやる気満々だったが、藤原兼子に《後白河法皇の言葉を思い出しなさい》と戒められて、自重。
敗れた上皇は隠岐に流されることとなった。
どういう罪状で配流(流刑)となったのだろうか?
ところで、善村を「じじい」呼ばわりした奴は誰?
“承久の乱”…少し雑だったように感じた。
最終話冒頭の家康の登場や、陸の再登場、さらに意表の文覚の再登場、そして運慶の泰時像よりも、もう少し丁寧に描いて欲しかった。(子どもたちへの武芸の訓練も不要)
ただし、運慶の泰時像については、どうせ描写するのなら、泰時の心の深淵を表したものとして、クライマックスの政子&義時のシーンに重ねて欲しかった。仏像を斬ろうとして、倒れる…というのは安易。
義時も像を見て、もう少し自分を顧みるのかとも思ったが……
希望としては、義時と政子との会話で“裏・鎌倉殿の13人”の回想シーンで義時像を重ねてほしかった
政子と実衣(実衣の述懐の言葉)
「結局、姉上は一度も偉くなりたいとは思わなかった(偉くなろうと)狙っていた人たちは、みんな亡くなってしまった」
「全成の血筋を絶やしたくなかった」「どうかしていた」「誰でも、人の上に立ってみたいと思うもの」
義時と のえ
のえは義時に毒を盛っていた。
息子が北条の後を継ぐことを願ったが、叶いそうもない。
のえの独自の解釈によると、
《八重は“敵筋の伊東家の娘”、比奈は“政敵の比企の娘”、北条家の嫡男は二階堂筋の我が息子の政村であるはず。
なので、後継ぎを泰時に決めている義時が亡くなれば、嫡男は政村と認められる》というもの。
それで、義時毒殺を目論んだ……
だが、本当のところは……
そういう自分(のえ)の本心や本性を、義時は全く気づかない。それは、義時が自分に全く無関心だからだ。
そんな義時に対する復讐だったのだろう。
泰時「新しい世を創るのは私です」……御成敗式目
帝暗殺を反対し、
「やっていいことといけないことを、はっきり示す」→御成敗式目
それを聞いた時房「今、新しい世が来る音がした」
目を輝かせ、泰時を見る。
泰時、初に初めて褒められる
御成敗式目の草案を語る泰時に、初は
「まじめ」
「何が悪い」
「悪いとは言っていない。偉いと言っています」
「初めて褒められた」(にこにこ)
義時と義村
義村に酒を注ぐ義時
「のえが体に効く薬を用意してくれてなあ…それを酒で割って飲むとうまい」
義村は、普通の酒でよいと避けようとするが、
「一口だけでも飲んで見ろよ……長沼宗政がお前の裏切ろうとしていた心内を白状したぞ」と。
「もし俺が裏切っていたら、(鎌倉)負けていた。勝ったのは(裏切らなかった)俺のおかげだとも言える」と嘯くが……
構わず義時は
「うまいぞ。それとも、飲めないわけでもあるのか…」と迫る
観念した義村が酒を飲み干し、
「お前にできたことが俺にできないわけがない。
俺はすべてに於いて、お前に優っている。頭のキレも剣の腕もだ。
それなのに、お前は天下の執権。俺は一介の御家人だ」
「…お前を超えてやる。こえてんやりゅ…いかん、唇が痺れてきた」
「これはただの酒だ。毒は持っておらん」(義時)
「…本当だ。しゃべれる(けろり)……俺の負けだ」
「平六(義村)、これからも太郎(義時)を助けてやってくれ」
《何度も裏切ろうとした自分に頼むのか》と驚く義村
「お前は一度死んだ」と。
「これから先も、北条は三浦が支える」と言う義村
おそらく才覚などは義村の方が上だった。
しかし、頼朝に近い位置にいたのは北条だった。
おそらく、これが義時と義村を分けた要因であろう。
しかし、それよりも、義時には《板東を何とかしたい。武士の世にしたい》という強い意志があった。
損得勘定を考える義村との大きな違い……こちらの要素の方が大きかったかもしれない。
「これから先も、北条は三浦が支える」の義村の言葉は嬉しかったが、最後に襟を直さないかドキドキした。
ついでに「”おなごはキノコが好き”というのはでまかせだ」と告げる。
……「早く言って欲しかったぁぁ」(信じていたのか・笑)
義時と政子
「それにしても、血が流れ過ぎた。 何人が死んでいったか…
……梶原殿、全成殿、比企殿、新田殿、頼家様、畠山、稲毛殿、平賀殿、和田殿、中章殿、実朝様、公暁様、時元殿」
「病で死んだはずの頼家が、なぜここに入っているの?
嘘つきは、自分の付いた嘘を覚えていないと。
うすうすは分かっていた。怖くて(真相を)訊けなかった」
脚本の三谷氏は、NHK特番で『ウラ話トークSP』で「政子は最後まで聖女(善人)」と言っていたので、
《義時の指示で頼家を殺害したこと》《頼家の死を病死だと偽っていたこと》を受け止め、毒を抑える薬を義時に渡そうとしていた行為は、偽りではないと考えられる。
しかし、義時が、帝(後鳥羽上皇の孫)の復権を懸念し、殺害を企てるのを聞いた政子は、義時に薬を渡さず、床にこぼす。
「泰時がいるから、そんなことを(帝を殺害)しなくても大丈夫」と義時に言うが、義時は、「泰時の為、汚い仕事は自分の仕事で、そう言う悪行は自分が地獄に持っていく。自分が汚れるほど、泰時は輝く」と語る。
結局、泰時を信じない……自分しか信じることができない。
義時は必死に床を這いつくばり、床に溜まっている薬を舐めようとするが、政子は自分の衣で拭き取るように滑り込み、阻止。義時にこれ以上の悪行を重ねて欲しくないと言う
三谷氏は最後まで政子は聖女だったというが、私には、そんな義時の傲慢さが、数々の悲劇を繰り返した。義家の死も然り……そんな怒りが政子の心に湧き出したのではないかと、私は思ってしまう。
ともに北条を守り、鎌倉幕府を創ってきた弟・義時の最期を看取り、むせび泣く政子……完
第1話「大いなる小競り合い」 第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」 第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」 第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」 第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」 第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」 第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」 第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」 第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」 第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」 第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」 第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」 第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」 第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」 第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」 第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」 第32話「災いの種」
第33話「修善寺」 第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」 第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」 第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」 第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」 第44話「審判の日」
第45話「八幡宮の階段」 第46話「将軍になった女」
第47話「ある朝敵、ある演説」
【ストーリー】番組サイトより
反目する北条義時(小栗旬)を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇(尾上松也)。
これに対し、政子(小池栄子)の言葉で奮起し、徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元(栗原英雄)や三善康信(小林隆)の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。泰時(坂口健太郎)、平盛綱(きづき)らが先発隊として向かい、時房(瀬戸康史)らが続く。
そんな中、三浦義村(山本耕史)は弟・胤義(岸田タツヤ)と……
脚本:三谷幸喜
後鳥羽上皇の院宣は「鎌倉に攻め入るのではなく、”義時追討”」
……《義時の首を差し出せば許そう。朝廷に味方をした者は厚遇しよう》というモノで、武士たちは従うであろうと読んでいた。
事実、そうなる流れもあったが、政子は《上皇に従って未来永劫、西の言いなりになる》のを良しとせず、《戦って坂東武者の世を創る》と御家人たちに訴えた。その政子の言葉に、板東武者は一丸となった!
……というのが、前話の流れだったが、《できれば戦などしたくない》というのが御家人たちの本音。
朝廷軍を鎌倉近辺で迎え撃つというのが常道のように思えたが、時が経てば、御家人の気持ちは冷えていきそう。
そこで、鎌倉側から京に攻め込むこととなった。総大将は北条泰時、補佐に時房。
しかし、旗揚げしたのは、たった18騎。《自分を入れても19騎か…》と落胆する泰時だったが、自分を入れて18騎と知って、更に落胆(一緒だろう・笑)
まあ、ドラマ初期の“頼朝挙兵”を思い出す兵の少なさ。ところが……
なぜ、大軍に?
蓋を開けてみると、鎌倉軍は19万騎まで膨れ上がっていた。
「策が当たったなあ」と泰時は嬉しがっていたが、一体、何が起こった?
この情勢の変化は唐突に思えたが、何か、秘策や説明があったのだろうか?(私が寝ていた?)
原因は《朝廷と御家人の思いの違い》
朝廷……栄誉を与えれば武士は従う(武士は、朝廷(皇族)、貴族、寺院の下に武士)
幕府……御家人に褒賞として所領を与えた(“一所懸命”の語源)
「策が当たった」というのは、《見切り発進で挙兵、京を目指す》という行為を起こしたことを指していたのだろう。
上記のように、御家人(武士)の意識の違いが、大群に膨れ上がったのだろう。
兵力は圧倒的多数で木曽川を突破したが、宇治川では苦戦!
朝廷は宇治川に架かる橋をすべて落としてしまったので、鎌倉軍は進攻がままならない。そこで……
“泰時の秘策”……家を壊して筏を作り、強行突破!
武具なしで川に入り、筏を押す兵は無防備……盛綱の胸にも矢が刺さり、犠牲に……と誰もが思ったが、延命。
……宇治川を突破した鎌倉軍の勝利!
実は、勝利の行方を左右したポイントはもう一つあって、上皇自身が陣頭に立って士気を高めるかどうか……上皇自身はやる気満々だったが、藤原兼子に《後白河法皇の言葉を思い出しなさい》と戒められて、自重。
敗れた上皇は隠岐に流されることとなった。
どういう罪状で配流(流刑)となったのだろうか?
ところで、善村を「じじい」呼ばわりした奴は誰?
“承久の乱”…少し雑だったように感じた。
最終話冒頭の家康の登場や、陸の再登場、さらに意表の文覚の再登場、そして運慶の泰時像よりも、もう少し丁寧に描いて欲しかった。(子どもたちへの武芸の訓練も不要)
ただし、運慶の泰時像については、どうせ描写するのなら、泰時の心の深淵を表したものとして、クライマックスの政子&義時のシーンに重ねて欲しかった。仏像を斬ろうとして、倒れる…というのは安易。
義時も像を見て、もう少し自分を顧みるのかとも思ったが……
希望としては、義時と政子との会話で“裏・鎌倉殿の13人”の回想シーンで義時像を重ねてほしかった
政子と実衣(実衣の述懐の言葉)
「結局、姉上は一度も偉くなりたいとは思わなかった(偉くなろうと)狙っていた人たちは、みんな亡くなってしまった」
「全成の血筋を絶やしたくなかった」「どうかしていた」「誰でも、人の上に立ってみたいと思うもの」
義時と のえ
のえは義時に毒を盛っていた。
息子が北条の後を継ぐことを願ったが、叶いそうもない。
のえの独自の解釈によると、
《八重は“敵筋の伊東家の娘”、比奈は“政敵の比企の娘”、北条家の嫡男は二階堂筋の我が息子の政村であるはず。
なので、後継ぎを泰時に決めている義時が亡くなれば、嫡男は政村と認められる》というもの。
それで、義時毒殺を目論んだ……
だが、本当のところは……
そういう自分(のえ)の本心や本性を、義時は全く気づかない。それは、義時が自分に全く無関心だからだ。
そんな義時に対する復讐だったのだろう。
泰時「新しい世を創るのは私です」……御成敗式目
帝暗殺を反対し、
「やっていいことといけないことを、はっきり示す」→御成敗式目
それを聞いた時房「今、新しい世が来る音がした」
目を輝かせ、泰時を見る。
泰時、初に初めて褒められる
御成敗式目の草案を語る泰時に、初は
「まじめ」
「何が悪い」
「悪いとは言っていない。偉いと言っています」
「初めて褒められた」(にこにこ)
義時と義村
義村に酒を注ぐ義時
「のえが体に効く薬を用意してくれてなあ…それを酒で割って飲むとうまい」
義村は、普通の酒でよいと避けようとするが、
「一口だけでも飲んで見ろよ……長沼宗政がお前の裏切ろうとしていた心内を白状したぞ」と。
「もし俺が裏切っていたら、(鎌倉)負けていた。勝ったのは(裏切らなかった)俺のおかげだとも言える」と嘯くが……
構わず義時は
「うまいぞ。それとも、飲めないわけでもあるのか…」と迫る
観念した義村が酒を飲み干し、
「お前にできたことが俺にできないわけがない。
俺はすべてに於いて、お前に優っている。頭のキレも剣の腕もだ。
それなのに、お前は天下の執権。俺は一介の御家人だ」
「…お前を超えてやる。こえてんやりゅ…いかん、唇が痺れてきた」
「これはただの酒だ。毒は持っておらん」(義時)
「…本当だ。しゃべれる(けろり)……俺の負けだ」
「平六(義村)、これからも太郎(義時)を助けてやってくれ」
《何度も裏切ろうとした自分に頼むのか》と驚く義村
「お前は一度死んだ」と。
「これから先も、北条は三浦が支える」と言う義村
おそらく才覚などは義村の方が上だった。
しかし、頼朝に近い位置にいたのは北条だった。
おそらく、これが義時と義村を分けた要因であろう。
しかし、それよりも、義時には《板東を何とかしたい。武士の世にしたい》という強い意志があった。
損得勘定を考える義村との大きな違い……こちらの要素の方が大きかったかもしれない。
「これから先も、北条は三浦が支える」の義村の言葉は嬉しかったが、最後に襟を直さないかドキドキした。
ついでに「”おなごはキノコが好き”というのはでまかせだ」と告げる。
……「早く言って欲しかったぁぁ」(信じていたのか・笑)
義時と政子
「それにしても、血が流れ過ぎた。 何人が死んでいったか…
……梶原殿、全成殿、比企殿、新田殿、頼家様、畠山、稲毛殿、平賀殿、和田殿、中章殿、実朝様、公暁様、時元殿」
「病で死んだはずの頼家が、なぜここに入っているの?
嘘つきは、自分の付いた嘘を覚えていないと。
うすうすは分かっていた。怖くて(真相を)訊けなかった」
脚本の三谷氏は、NHK特番で『ウラ話トークSP』で「政子は最後まで聖女(善人)」と言っていたので、
《義時の指示で頼家を殺害したこと》《頼家の死を病死だと偽っていたこと》を受け止め、毒を抑える薬を義時に渡そうとしていた行為は、偽りではないと考えられる。
しかし、義時が、帝(後鳥羽上皇の孫)の復権を懸念し、殺害を企てるのを聞いた政子は、義時に薬を渡さず、床にこぼす。
「泰時がいるから、そんなことを(帝を殺害)しなくても大丈夫」と義時に言うが、義時は、「泰時の為、汚い仕事は自分の仕事で、そう言う悪行は自分が地獄に持っていく。自分が汚れるほど、泰時は輝く」と語る。
結局、泰時を信じない……自分しか信じることができない。
義時は必死に床を這いつくばり、床に溜まっている薬を舐めようとするが、政子は自分の衣で拭き取るように滑り込み、阻止。義時にこれ以上の悪行を重ねて欲しくないと言う
三谷氏は最後まで政子は聖女だったというが、私には、そんな義時の傲慢さが、数々の悲劇を繰り返した。義家の死も然り……そんな怒りが政子の心に湧き出したのではないかと、私は思ってしまう。
ともに北条を守り、鎌倉幕府を創ってきた弟・義時の最期を看取り、むせび泣く政子……完
第1話「大いなる小競り合い」 第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」 第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」 第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」 第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」 第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」 第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」 第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」 第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」 第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」 第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」 第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」 第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」 第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」 第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」 第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」 第32話「災いの種」
第33話「修善寺」 第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」 第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」 第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」 第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」 第44話「審判の日」
第45話「八幡宮の階段」 第46話「将軍になった女」
第47話「ある朝敵、ある演説」
【ストーリー】番組サイトより
反目する北条義時(小栗旬)を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇(尾上松也)。
これに対し、政子(小池栄子)の言葉で奮起し、徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元(栗原英雄)や三善康信(小林隆)の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。泰時(坂口健太郎)、平盛綱(きづき)らが先発隊として向かい、時房(瀬戸康史)らが続く。
そんな中、三浦義村(山本耕史)は弟・胤義(岸田タツヤ)と……
脚本:三谷幸喜