決勝ラウンド6チーム中4位、と言うと聞こえは良いが、1勝4敗の同率4位(最下位)という見方もできる。
Ⅰ ロンドン五輪チームとの比較
まず、五輪メンバー(木村、江畑、新鍋)以外の先発メンバーについて旧チームと比較してみる。
宮下遥(セッター)
長年、全日本を支えてきた竹下に代わる新セッター。
多少、トスに正確さを欠けることもあるが、リベロ顔負けのレシーブ力を発揮した竹下にほぼ匹敵するレシーブ力(特にこぼれ球への反応が良い)、サーブは竹下よりも良いかもしれない。
そして、何よりブロックが良い。決勝リーグで決めたブロックは木村と同数の5、それに、スパイクにワンタッチして、後衛のレシーブにつなげることができるのも大きい。
大竹との息が合ったDクイックなど、トス回しも及第点だった。
レシーブなど全力プレー、全日本のセッターとしての重圧など、ゲーム後半にやや苦しくなり、トスが短めになっていた。
岩坂名奈(ミドルブロッカー)
この選手が、五輪メンバーに入らなかったこと自体、大いに不満だった。今回、ブロック力もさらにアップし、井上香織の全盛時を彷彿させるポテンシャルの高さを発揮した。
大竹里歩(ミドルブロッカー)
ウイングスパイカー並の俊敏さ。宮下との息の合ったDクイックの切れが良かった。バネがあり、動きも良いので、ダイレクトスパイクやオープントスも打ち切れる。
座安琴希(リベロ)
五輪メンバーの佐野は強打への反応が秀逸だったが、座安も標準をかなり上回っており、こぼれ球への反応は佐野以上である。
何より、バックコートからのオーバーハンドトスが正確、フロントコートでのアンダートスも上手い。そして、バックコートからフロントへジャンプしてオーバートスも器用に上げられるのも強みだ。
チーム全体で考えると、五輪チームのラリー中の弱点
①竹下が好レシーブしてもトスを上げられず弱い攻撃しか出来ない
②ラリー中のオープン攻撃が弱い
③相手を乱しても、ダイレクトスパイクを決められなかった
これらの弱点がなくなり、ラリーで得点を上げることが増え、さらに、サーブ力、ブロック力が上がったので、「得点を軽く上げる」ような印象が出てきた。
従来のメンバーでは、江畑が素晴らしかった。乗った時の江畑は、非常に頼もしい。
新鍋もサーブレシーブや急所でスパイクをしぶとく決めていた。
木村は疲労していたのか、動きが悪かった。特に、決勝リーグの初戦~第3戦までは酷かった。第4戦、5戦が復調気味だったので、体調を崩していたのかもしれない。
こう考えると、木村の調子が良かったら、優勝争いに絡め、2位も可能だった。
となると、眞鍋監督の采配が不満が残る。
Ⅱ 疑問の采配
バレーボール業界?の事情があり、全試合、全セット、全力を尽くさなければならないのかもしれないが、もう少し強弱をつけても良いのではないだろうか。
木村の動きが良くないのなら、ベンチに下げ、次のセット、試合に備えるべきである。攻撃だけ考えると、ポテンシャルの高い長岡を使いたいところだが、木村がサーブレシーブの要という事情がある。なので、木村のバックアップ要員としては、打って守れる石田瑞穂が適任のように思う。
木村をベンチに下げたくないのなら、木村の負担を軽くするレシーブフォーメーションを考えるべきである。
個々の試合では、快勝したイタリア戦は見事だった。セット終盤であれだけ軽く点が入ると楽である。
ブラジル戦は不思議な展開。第1セット、序盤から主導権を握り、イタリア戦と同じムードで進み、19-16と行けそうな雰囲気。
しかし、ここで先発から外れていたエースのシェイラが投入され、21-25と逆転でセットを失う。
第2セット、シェイラ先発するも、12-6と日本ペース。しかし、14-14と追いつかれ、15-16と逆転。ここから18-16と盛り返したものの、競ったのは21-21までで、22-25とこのセットも失う。第3セットも17-25と落とし、結局ストレート負け。ブラジルに遊ばれたような気がしないでもない。
セルビア戦は、先発を江畑→石井優希、大竹→平井香菜子、座安→佐藤あり紗に交替。どうせなら、木村を休ませて欲しい。
第1セット序盤は互角だったが、その後は日本の点の取り方が重苦しく、観ていて勝つ気がしなかった。22-25 17-25 19-25 と完敗。
中国戦は惜しかった。
第1セット、195㎝のシュ・テイにブロックの上から打ちまくられ、16-25で落としたところでは敗戦ムード。第2セットもその流れだったが、サーブでシュ・テイを狙うなど相手のペースを崩し、25-18と逆転するとムードは盛り上がった。
第3セットも日本ペースだったが24-26落とす。これが痛かった。ここでこのセットを取りきれば、第4セットも取れたはず。
それでも、第4セットを25-21と取り、最終セットも13-15も大接戦を演じたのは、大きな収穫。
アメリカ戦は勝てた試合だった。
第1セットをいい流れで取ったあとの第2セットが勝負だった。
前日の中国戦のフルセットの熱戦を考えると、ストレートで一気に勝ちたかった。このセットはややアメリカペースだったが、それでも、日本に流れた来た場面が2、3度あった。これをモノにできなかったのは、連戦の疲れもあるが、≪このセットを何が何でも取る≫という気迫がなかった。選手はともかく、監督(ベンチ)にそれが感じられなかったのは残念だ。
あと、選手の疲労を考えるなら、第2セット、あるいは、第4セット、木村はもちろん、メンバーを代えるのも面白かった。
「主力を休ませる」「相手の目先を変える」「長岡や石井などに経験を積ませる」などの効果があると考える。
第5セットを落としたのは、疲労が要因である。
それと、眞鍋監督、表情変え過ぎ!失点した時、落胆し過ぎ!
目先のセット、目先の勝敗にこだわらず、試合全体、大会を通しての戦略を立ててほしい。いや、大会どころか五輪までの長期的視野を持ってほしい。
で、驚いたことに、今日(9月4日)から、世界選手権2014アジア地区最終予選が始まるという。中2日の強行スケジュール。木村が潰れないか心配である。
小牧大会進出チームは
日本(最終ラウンドから参戦/WR3位)
タイ(最終ラウンドから参戦/WR12位)
チャイニーズタイペイ(東アジアゾーンの1位/WR28位)
ベトナム(東南アジアゾーンの1位/WR93位)
オーストラリア(最終ラウンドから参戦/WR103位)
上位2チームが本大会進出。参加チームの顔ぶれを見ると、まず大丈夫であろうが……
ちなみに、もう一つのグループ(中国大会)は
中国(最終ラウンドから参戦/WR5位)
韓国(最終ラウンドから参戦/WR11位)
カザフスタン(最終ラウンドから参戦/WR30位)
ニュージーランド(最終ラウンドから参戦/WR71位)
インド(中央アジアゾーンの1位/WR103位)
9月27日~10月1日
Ⅰ ロンドン五輪チームとの比較
まず、五輪メンバー(木村、江畑、新鍋)以外の先発メンバーについて旧チームと比較してみる。
宮下遥(セッター)
長年、全日本を支えてきた竹下に代わる新セッター。
多少、トスに正確さを欠けることもあるが、リベロ顔負けのレシーブ力を発揮した竹下にほぼ匹敵するレシーブ力(特にこぼれ球への反応が良い)、サーブは竹下よりも良いかもしれない。
そして、何よりブロックが良い。決勝リーグで決めたブロックは木村と同数の5、それに、スパイクにワンタッチして、後衛のレシーブにつなげることができるのも大きい。
大竹との息が合ったDクイックなど、トス回しも及第点だった。
レシーブなど全力プレー、全日本のセッターとしての重圧など、ゲーム後半にやや苦しくなり、トスが短めになっていた。
岩坂名奈(ミドルブロッカー)
この選手が、五輪メンバーに入らなかったこと自体、大いに不満だった。今回、ブロック力もさらにアップし、井上香織の全盛時を彷彿させるポテンシャルの高さを発揮した。
大竹里歩(ミドルブロッカー)
ウイングスパイカー並の俊敏さ。宮下との息の合ったDクイックの切れが良かった。バネがあり、動きも良いので、ダイレクトスパイクやオープントスも打ち切れる。
座安琴希(リベロ)
五輪メンバーの佐野は強打への反応が秀逸だったが、座安も標準をかなり上回っており、こぼれ球への反応は佐野以上である。
何より、バックコートからのオーバーハンドトスが正確、フロントコートでのアンダートスも上手い。そして、バックコートからフロントへジャンプしてオーバートスも器用に上げられるのも強みだ。
チーム全体で考えると、五輪チームのラリー中の弱点
①竹下が好レシーブしてもトスを上げられず弱い攻撃しか出来ない
②ラリー中のオープン攻撃が弱い
③相手を乱しても、ダイレクトスパイクを決められなかった
これらの弱点がなくなり、ラリーで得点を上げることが増え、さらに、サーブ力、ブロック力が上がったので、「得点を軽く上げる」ような印象が出てきた。
従来のメンバーでは、江畑が素晴らしかった。乗った時の江畑は、非常に頼もしい。
新鍋もサーブレシーブや急所でスパイクをしぶとく決めていた。
木村は疲労していたのか、動きが悪かった。特に、決勝リーグの初戦~第3戦までは酷かった。第4戦、5戦が復調気味だったので、体調を崩していたのかもしれない。
こう考えると、木村の調子が良かったら、優勝争いに絡め、2位も可能だった。
となると、眞鍋監督の采配が不満が残る。
Ⅱ 疑問の采配
バレーボール業界?の事情があり、全試合、全セット、全力を尽くさなければならないのかもしれないが、もう少し強弱をつけても良いのではないだろうか。
木村の動きが良くないのなら、ベンチに下げ、次のセット、試合に備えるべきである。攻撃だけ考えると、ポテンシャルの高い長岡を使いたいところだが、木村がサーブレシーブの要という事情がある。なので、木村のバックアップ要員としては、打って守れる石田瑞穂が適任のように思う。
木村をベンチに下げたくないのなら、木村の負担を軽くするレシーブフォーメーションを考えるべきである。
個々の試合では、快勝したイタリア戦は見事だった。セット終盤であれだけ軽く点が入ると楽である。
ブラジル戦は不思議な展開。第1セット、序盤から主導権を握り、イタリア戦と同じムードで進み、19-16と行けそうな雰囲気。
しかし、ここで先発から外れていたエースのシェイラが投入され、21-25と逆転でセットを失う。
第2セット、シェイラ先発するも、12-6と日本ペース。しかし、14-14と追いつかれ、15-16と逆転。ここから18-16と盛り返したものの、競ったのは21-21までで、22-25とこのセットも失う。第3セットも17-25と落とし、結局ストレート負け。ブラジルに遊ばれたような気がしないでもない。
セルビア戦は、先発を江畑→石井優希、大竹→平井香菜子、座安→佐藤あり紗に交替。どうせなら、木村を休ませて欲しい。
第1セット序盤は互角だったが、その後は日本の点の取り方が重苦しく、観ていて勝つ気がしなかった。22-25 17-25 19-25 と完敗。
中国戦は惜しかった。
第1セット、195㎝のシュ・テイにブロックの上から打ちまくられ、16-25で落としたところでは敗戦ムード。第2セットもその流れだったが、サーブでシュ・テイを狙うなど相手のペースを崩し、25-18と逆転するとムードは盛り上がった。
第3セットも日本ペースだったが24-26落とす。これが痛かった。ここでこのセットを取りきれば、第4セットも取れたはず。
それでも、第4セットを25-21と取り、最終セットも13-15も大接戦を演じたのは、大きな収穫。
アメリカ戦は勝てた試合だった。
第1セットをいい流れで取ったあとの第2セットが勝負だった。
前日の中国戦のフルセットの熱戦を考えると、ストレートで一気に勝ちたかった。このセットはややアメリカペースだったが、それでも、日本に流れた来た場面が2、3度あった。これをモノにできなかったのは、連戦の疲れもあるが、≪このセットを何が何でも取る≫という気迫がなかった。選手はともかく、監督(ベンチ)にそれが感じられなかったのは残念だ。
あと、選手の疲労を考えるなら、第2セット、あるいは、第4セット、木村はもちろん、メンバーを代えるのも面白かった。
「主力を休ませる」「相手の目先を変える」「長岡や石井などに経験を積ませる」などの効果があると考える。
第5セットを落としたのは、疲労が要因である。
それと、眞鍋監督、表情変え過ぎ!失点した時、落胆し過ぎ!
目先のセット、目先の勝敗にこだわらず、試合全体、大会を通しての戦略を立ててほしい。いや、大会どころか五輪までの長期的視野を持ってほしい。
で、驚いたことに、今日(9月4日)から、世界選手権2014アジア地区最終予選が始まるという。中2日の強行スケジュール。木村が潰れないか心配である。
小牧大会進出チームは
日本(最終ラウンドから参戦/WR3位)
タイ(最終ラウンドから参戦/WR12位)
チャイニーズタイペイ(東アジアゾーンの1位/WR28位)
ベトナム(東南アジアゾーンの1位/WR93位)
オーストラリア(最終ラウンドから参戦/WR103位)
上位2チームが本大会進出。参加チームの顔ぶれを見ると、まず大丈夫であろうが……
ちなみに、もう一つのグループ(中国大会)は
中国(最終ラウンドから参戦/WR5位)
韓国(最終ラウンドから参戦/WR11位)
カザフスタン(最終ラウンドから参戦/WR30位)
ニュージーランド(最終ラウンドから参戦/WR71位)
インド(中央アジアゾーンの1位/WR103位)
9月27日~10月1日
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