英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

露草と蒲公英とピンクの…

2010-10-19 23:24:23 | 歳時
★露草(10月2日撮影)

 露草は、その「つゆ」という音から「梅雨」と連想され、梅雨時の花と思われる方が多いようです。実際、図鑑やネットで調べると、咲く時期は「6月~9月」とされています。
 しかし、私の実感では、盆過ぎから9月に咲く印象があります。いえ、実のところは分からないのです。
 露草はご存じの通り、小さい花なので車に乗っていては気がつきません。歩いて足もとに気を配らないと、目に入りません。梅雨時は雨が降っているので、夏場は暑いので足もとにまで気が回らないだけなのかもしれません。
 でも、鮮やかな青なのと、割と人が歩くような道端に咲いているので、見つけやすいです。実は青い花も好きなのです。特にこの心が洗われるような青さの露草は、私の一番好きな花です。
 ただ、素人の私が写真に収めるのはなかなか難しいです。

 このように、非常に低い位置に花弁があるので、なかなか水平方向のアングルで捉えるのは難しいのです。上の写真は、当てずっぽうで下から撮りましたが、露草にはピントが合っていませんね。ええ、青い空とアキノエノコログサを撮りたかったのです。
 ちなみに、エノコログサ(ねこじゃらし)と似ていますが、ねこじゃらしは夏の花(草)で穂が短く、アキノエノコログサは穂が緑色で先が垂れているそうです(穂が長い)。
 まあ、とにかく、水平アングルで撮るのには難儀しました。傍から見ると、草原に向って変な恰好(体勢)をしている怪しい男です。露草は見えないだろうし。

 披露するほどのものではありませんが、労作です。


 2枚の青く大きな花弁と白くて小さな花弁が1枚と、それらを下から支え包むような位置に包葉あります。

★蒲公英(10月11日撮影)
 なぜか咲いていました。

 以前ご紹介した『小さな春と小さなチューリップフェア』
のものと同じ花です。
 すごく珍しいのかと思っていたら、翌日、他でも咲いているのを見かけました(写真はありません)。

★ピンクのコスモス(10月19日撮影)
 某koumamaさんが、リクエストして下さっていて、ずっといい写真を撮ろうとアンテナを張っていました。
 でも、欲張るせいか、「これだ」と思うものに出会えませんでした。
「いいぞ」と思っても、撮る余裕がなかったり、風が強く花が揺れて撮れなかったり、撮ったもののピンボケだったり、アングルがさえなかったり。
 目で見るときれいに見えても、いざ撮ってみると生え放題の雑草みたいに撮れていたりすることが多いです。
 今年は花弁も大きく、全体的に大きくて、骨太のものが多かったような気がします。そうこうしているうちに、コスモスも最盛期を過ぎつつあります。
 焦って撮ったのがこれです。

  もっと正面から撮りたかったのですが、私の影が写ってしまうので、それを避けたつもりです。でも、アングルは中途半端、私の影が一番手前のコスモスに写ってしまっています……なにとぞ、これでお許しを。
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将棋雑感 女流名人位リーグその後

2010-10-17 20:58:42 | 将棋
 10月8日に『将棋雑感 女流名人位戦』を書きましたが、その後の情報です。
 番号をつけるとしたら「その2」ですが、「その5(その後)」です……

 A級は10月8日以降、(○囲み数字はリーグ順位)
○甲斐女流二冠④(3勝3敗)-岩根女流二段③(2勝4敗)●
○早水女流二段⑦(3勝3敗)-北尾女流初段⑩(2勝4敗)●
が行われた。
 現状は
①清水女流王将 7勝0敗 挑戦権獲得
②千葉女流三段 休場
③岩根女流二段 2勝4敗
④甲斐女流二冠 3勝3敗
⑤斎田女流四段 3勝3敗
⑥本田女流二段 2勝4敗
⑦早水女流二段 3勝3敗
⑧石橋女流四段 2勝5敗
⑨上田女流二段 4勝2敗
⑩北尾女流初段 2勝4敗
(降級3名)
 石橋、北尾、本田、岩根の順に危ない。
 8日の記事で、石橋女流四段の残留はほぼ絶望的で、残留確率は1%に満たないと書いた。
 8日以降の2局は、降級候補同士の勝負だったので、石橋女流の残留確率はあまり変わらない気がしたが、リーグ順位最下位の北尾女流が敗れたのと、残っている対戦カードの関係で、若干残留確率は上がったようだ。
 残留争い同士の勝負が消化されたので、やや降級候補が絞られた。特に、石橋女流残留に限っては、考えやすくなった。
 石橋女流は残り1局なので、最終局に勝っても3勝どまり。同星の場合は順位が優先されるので、現在石橋女流より上位(7位以上)で3勝を挙げている女流棋士を上回ることはできない。つまり、石橋女流を下回る可能性があるのは、岩根女流と本田女流と北尾女流のみで、岩根、本田は2連敗が条件、北尾は1勝1敗以下が条件だ。
 さて、この3棋士の残りの対戦カードは
 岩根-早水  岩根-北尾
 本田-石橋  本田-早水
 北尾-斎田  北尾-岩根
岩根女流、本田女流は連敗が条件なので
●岩根-早水○ ●岩根-北尾○
●本田-石橋○ ●本田-早水○
北尾女流は岩根の連敗条件により最終局の白星は決定、北尾も1敗以上が条件なので斎田戦は黒星でなければならない。ということで、
●北尾-斎田○ ○北尾-岩根●
 ということで、石橋女流残留にかかわる対局の星の配分は上記のみしか許されない。
 つまり、石橋女流の残留確率は勝ち負けを5割と仮定すれば
1÷(2の5乗)=0.0135となります。約1%です。

(1÷(2の6乗)とならないのは岩根-北尾と北尾-岩根戦が重複しているため)

 石橋女流は非常に厳しい状況ですが、次のカードで、石橋女流にとっての最終局の本田戦に勝って、岩根、北尾の両者が敗れれば、最終日を1÷(2の2乗)=25%の残留確率で迎えることができます。

 他の残留争いは、4勝挙げれば、ほぼ助かると思われ(下位の4勝は降級の可能性もあるが)、石橋以外は4勝の余地があり、混沌とした状態。上位は3勝でも助かる可能性があり、次局が終わらないと、全く分からない。


 B級は、前記事(8日)以降、
●中井女流6段①(6勝1敗)-竹部女流三段⑥(4勝3敗)○
●貞升女流1級④(3勝4敗)-中村女流二段⑥(5勝2敗)○
●室田女流初段⑤(4勝3敗)-長沢女流四段⑥(3勝4敗)○
が行われた。
 その結果、
①中井女流六段 6勝1敗 昇級決定
②矢内女流四段 5勝1敗
③井道女流初段 1勝5敗
④貞升女流二冠 3勝4敗
⑤室田女流初段 4勝3敗
⑥蛸島女流五段 2勝4敗
⑥長沢女流二段 3勝4敗
⑥竹部女流三段 4勝3敗
⑥山田女流二段 0勝6敗
⑥中村女流二段 5勝2敗
(昇級3名、降級5名)
 中井女流は敗れたが、中井女流を上回る可能性のあった室田女流も敗れたため、中井女流を上回る可能性があるのは矢内女流、中村女流のみとなり昇級が決定した。(同星は順位優先)
 矢内も残り1勝でよい状況。残り1名は中村女流が有利であるが、まだまだ逆転の余地はある。室田女流だけでなく、竹部、貞升、長沢、さらに2勝4敗の蛸島女流にも可能性が残されている。
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『SPEC~(サブタイトルは長いので省略)』第2話

2010-10-16 16:22:31 | ドラマ・映画
 今回の超能力は千里眼
 千里眼とは、千里先をも見通せる、つまりなんでも見通してしまう能力のことですが、実は見通せるのではなく、何でも聞き取ることができる能力で、異常に聴力が発達していたというだけでした(まあすごい能力なんですが)。

 未詳事件特別対策係(ミショウ)は、この千里眼者の挑戦を受け未解決事件の真相を解明し、犯人逮捕を課せられる。
 特徴的なのは、千里眼者との対決といっても、ミショウは24時間以内に犯人逮捕という課題をクリアするだけで、千里眼を否定したり、千里眼のからくりを暴こうとはしない。実際にからくりを暴いたのは、公安の特殊能力対策の専門部署であった。
 事件自体は超能力者が絡まない普通の殺人事件で、純粋に推理を楽しめた。
 また千里眼のからくりを暴くのも論理的だったので面白かった。(千里眼者は類まれな聴力の持ち主と推定し、筆談で会議を行い、公安の動きを察知できるかどうかで検証した)

【犯人追及の推理】
・なぜ被害者は電話中に撃たれたか?
 電話の相手(被害者の妻)に必要な情報(殺人現場をアトリエと思わせる)を提示するため。通報されないように電話を切ってから、撃つのが普通。
・なぜ犯人のめぼしが付いたか?
 「電話の向こうから鈴虫の声を聴いた」という証言は嘘。電話は伝える周波数は限定され(上下がカット)、鈴虫の声は伝達されない。
 電話のベルの音も伝達されなかったという経験があったので、わざとらしい鈴虫の存在プラス電話の証言で、私もピンと来た。

 というふうに、今回は推理も楽しめた。

【つっこみどころ】
①類まれな聴力を以ってしても、殺意があることを知るにとどまり、24時間後という時間を知るのは無理。自信満々で「24時間後、裁きを下す」と断言できないはず。
②被害者の妻が共犯なら、はじめから偽証が可能なので、電話工作の意義が薄れてしまう。

 前回、「推理と超能力は相性が悪い」と述べたが、うまく同居させていると感心しました。主人公ふたりのやり取りも面白いです。
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竜王戦第1局 ~謎の羽生名人の指し手と渡辺竜王の「これはどういうことだ? 教えろ、オラオラ攻撃」~

2010-10-15 20:39:13 | 将棋
 謎の羽生名人の新手と突然の投了……残念な結果でした。特に、突然の終了は、激闘を期待していただけに、残念です。
 とは言え、渡辺竜王相手に、後手が悪いとされている局面に自ら飛び込み、柔軟な指し手で渡辺竜王を翻弄しかけた辺りは羽生名人の本領は発揮したと言えます。
 謎多き羽生名人の指し方に驚かされた一局、感じたことを徒然と書いてみます。
(本当は図面を起こしたいのですが、まず、書きたいことを書かせてください。図面は後日、起こしたいと思います)

①羽生名人の新手、しかし、攻めつぶされそうだ。大丈夫なのか?
 羽生名人が局面を誘導して新手を出したが、封じ手の局面では後手の羽生名人がまずそう。控室でも「後手良しどころか、互角に持ち込むのも難しい」という評判だった。
 私も心配で、▲5六角と飛車取りに打たれた局面で、△2五歩や単に6四や5四に逃げる手など、何とか後手が持ちこたえる変化を探しすが、光明は見出せなかった。
 今日(二日目)の午前中は忙しくて、ネット中継を見ることができなかった。昼になってネット中継を恐る恐るのぞくと、△2三金と金を自陣に投入した局面。
 「防戦一方か」
と、よくよく局面を見ると、潰される順は見えない。持ちこたえているというより、受けとめているという印象。
 「渡辺竜王が攻めそこなったか?それとも、羽生名人が妙手で受けとめたのか?」
 封じ手の局面に戻して手順をたどってみると、△2三歩?
 飛車取りの先手で受ける△2五歩ばかり考え、じっと受けるだけの△2三歩は全く見えなかった。
 しかし、この手が自陣の隙間を埋め、先手の飛車と馬の働きを弱める好守だった。渡辺竜王も見えていなかったとのこと。
 その後も堅守の△2三金を放ち、「羽生良し」の声がちらほら出始めた。

 △4五角は新手だが、これは「見かけの新手」……皆が考えるが、良くなりそうにないので指さない。通説を覆した△2三歩。「真の新手」は△2三歩だったのだ。局面をリードしなければ新手と言えない。
 羽生新手と讃えたいが、羽生名人の感想が不可解。△2三金辺りの局面でも「自信がなかった」そうである。
 序盤でやや失敗し、不本意な局面から好手を繰り出して挽回したのならともかく、新手の局面に誘導したのは羽生名人ではないのか?重要な竜王戦の一局で渡辺竜王相手に、わざわざ自信のない「新手」を披露したのろうか?
 考えられるのは2つ
Ⅰ.序盤で何か誤算があり、仕方なく研究段階の局面に誘導せざるを得なかった
Ⅱ.疑問に思っていた局面だがどうもわからない。竜王戦で渡辺竜王に答を出してもらおう


 謎多き羽生名人の新手である。

②渡辺竜王の「これはどういうことだ? 教えろ、オラオラ攻撃」
 「これはどういうことだ?」という渡辺竜王の呟きに、竜王の驚きが表れている。
 その後の竜王の指し方が面白い。羽生名人の指し手に、ほとんど時間を置かずに、ビシビシ指す。
 「この局面で指せないはずはない」という自信の表れにも思える指し方だ。しかし、自信だけではない。二年前の羽生名人の卓越した大局観に脱帽させられた渡辺竜王。
 「何かあるはず」
 それで、羽生名人に「答を早く見せろ」「オラオラ!早く指せ!」と。
……少しでも核心の局面に進め、羽生名人の真の狙いが推測できる局面まで進めたかったのだろう。狙いをつかんで、ひと晩ゆっくり対策を練りたい。
 と、推測する私は深読みし過ぎなのだろうか。

③魔の時間帯、2日目午後5時~6時
 ここ数年の羽生名人、終盤の指し手にかげりが見られる。
 二日目のBS中継は通常、午後4時~6時だが、中継開始時「羽生優勢」で終了時には「形勢不明」に変転している記憶が多々ある。
 BS中継があるのは名人戦と竜王戦のみだが、この現象(夕方の指し手の変調)は名人戦、竜王戦に限らず他の二日制のタイトル戦にも見られるような気がする。
 それはともかく、夜戦に入り、何とか持ちこたえて勝つことも多いが、2日目のBS中継にはあまりいいイメージがない。
 今日の戦いも夕方に失速の感が強い。国会中継でBS中継は5時26分からになったが、放送が始まった直後の△4四玉で形勢を損ねたようだ。
 夜戦での競り合いの強さは棋界一の渡辺竜王が相手に、今後に不安を残した一局だった。

 それにしても、投了前の△5五香以下の指し手は謎である。見落としがあったとしか思えないのだが。

④終盤、盤上に現れたハートマーク
 おお!ハートマークだ!と思ってしまいました。

 書かない方がいいかなと思うのですが、やはり気になったので
⑤上田女流二段
 上田女流の言動にいらついたのは私だけでしょうか?
 解説の三浦八段に急かせるように聞きたてたり、茶化したりする上田女流。
 以前、「なるほどを連発」が気になった記憶があります。神経が太くて物おじしないという印象があり、それが彼女の長所でもあると思いますが、今回の三浦八段とのやり取りは、ゼミで実直な学生をいたぶる女性助教(講師)のように感じました。
 矢継ぎ早に指し手の選択を迫る他にも、三浦八段の読み筋に反する応手をしたりして、三浦八段も解説がし難そうでした。

 終盤の急転直下と羽生名人の敗局は残念で、今後に不安も感じましたが、羽生名人の柔軟な指し手と渡辺竜王の強靭さは、今後の激闘を予感させるものでした。今日の一局は、ほんの小手調べなのです。
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勘違い ~「えい」の放電日記~

2010-10-14 14:10:33 | 日記
 先日、お得意さんとの会話の中で、当ブログを自薦しました。
 その際、「英の放電日記、英語の英です。そう打って検索していただくのが分かりやすいです」と言ったのです。

 今日、またお会いした時、その件があったので、少しドキドキしました。
 ところが、「放電日記、わからなかったけど、英語の「えー」でしょう」
「そう、英語の英です」
「おかしいなぁ、英語のA、B、CのAでしょう」
「あ、そうか、そうですね。私の言い方が悪かったです」

 今までもそう言って自己PRしたのですが、何の問題も感じていませんでした。同じように「ないなあ、おかしいなあ」と悩んだ方もいらっしゃったかもしれませんね。

 で、その方なのですが、メジャーの写真コンテストで特選に入ったほどの撮影の腕前だそうです。
 写真の話で盛り上がって、ブログをPRするにいたったのですが、後悔しています。
 一応、余計な放電記事が多いので、写真だけ見るには、左側にあるカテゴリー欄の「歳時」をチェックしてくださいね。お見せするほどのものではないのですが、よろしかったらご覧ください。
 歳時(こちらからでもご覧いただけます)
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清水女流王将×あから2010戦に思う

2010-10-12 23:43:15 | 将棋
 実はこの件については興味が薄かったのですが、その反響が想像以上に大きかったのに驚いています。
 この反響も偏りがあって、TVで報道されても、多くの人(将棋を知らない、知っていても指さない、興味がない)は、「ふ~ん、そうなの」という感想だったのではないでしょうか。
 ところが、ネット上ではかなりの反響があったようで、普段、将棋について書いていないブロガーの方が取り上げています。普段ブログを開いているのでPCにも興味が深いわけですから、過去に将棋と関わりを持った人、普段指しているが記事にはしていない人でも、「将棋」「PC」と2つの事象で執筆意欲をくすぐられるのでしょう。

そういう中で、少々誤認されている記事やコメントが見受けられます。もちろん、私の認識も怪しいのですが。

①清水女流王将の地位と棋力
 「清水女流王将」という書き方だと、「王将」というタイトルを保持している女性の棋士という受け取り方もできます。(実際は「女流王将」というタイトルを保持している)
 世間一般的には、「女流棋士」は単に女性の「棋士」と思っている方も多いのではないでしょうか。
 しかし、実際は「女流棋士」と「棋士」には大きな隔たりがあって、端的に言うと「地位」が違うのです。これは差別によるものではなく、性別関係なく「棋士」への門戸は開かれています。
 過去にも棋士の養成機関である奨励会に入って(入会試験がある)、棋士を目指した女性はいます(現在もいます)が、棋士になった女性はいないというのが現状です。
 要因としては、棋士を目指す女性の絶対数が非常に少ないこと、そして、女性には負けないという男性の凝り固まったプライドと、奨励会全体の雰囲気。「女に負けたら坊主になる」と公言する者もいたそうです。そういう言葉を聞いたら、ふつうの少女なら気遅れてしまうでしょう。
 とにかく、「女には負けない」という雰囲気が充満する中、ひとり、あるいは二人しかいない少女が孤独感と圧迫感を感じながら将棋を指すのは並大抵のことではなかったと容易に想像できます。
 話が逸れてしまいましたが、「女流棋士」は棋士と別枠、つまり女性だけ枠の中で設けられたプロなのです。「女性棋士」ではなく「女流棋士」と呼ぶのはそういう区別があるからです(将棋に「女流」や「男流」はありません)。
 女流棋士は将棋連盟の正会員でなく、総会の議決に参加できないそうです。収入も低いようです。
 女流棋士も将棋で収入を得ているプロなのでもちろん強いのですが、女流のトップでも実力的には男性棋士の下位よりも低いと言われています。プロ棋戦などの実績を分析するとアマチュアトップレベルよりも落ちると思われます。
 
 ですから、今回の件で、「将棋ソフトが将棋のプロ(棋士)を破った」と言うのは少々気が早いのです
 こういう誤認を招かないためにも、将棋ソフトの対局相手に女流棋士を選ぶべきではなかったと考えます。

②「完敗」ではない。
 終盤、受け一方にまわらされ、投了図ではあから2010の美濃囲いは無傷状態だったので、「清水女流王将の完敗」という判断した方も多かったです。
 将棋は、
Ⅰ.普通相手の攻めを受けながら、その一方で攻めるという展開
Ⅱ.とにかくお互いほとんど自陣を顧みず、先に相手の喉元を切り裂いた方が勝ちという猛烈な攻め合い

 というパターンが多い(特にⅠ)のですが、相手の攻めを受け切る、しのぎ切らなければ勝てないというパターンもあります。
 この場合、相手の攻めをしのぎ切るまで、攻める手はほとんど皆無。時には、攻めを見せて、相手の攻めにプレッシャー(ゆっくりした攻めは許されない)を掛けることもありますが、受け切りに失敗すると、投了時には大差になるのが普通です。
 受け切る、受け切れないが紙一重、つまり形勢は互角、あるいは微差でも終局時には大差のことが多いのです。
 今回の将棋も、攻められていたが、中盤では「こう指せば清水女流が有望」「こう指していれば、まだまだ難しい」という局面が続いていた。
 こういう受け切って勝つというのは、相当な棋力(特に受けの力)が必要なので、勝つのは大変な将棋にしてしまった。たぶん、「形勢は難しいが、清水女流が勝つのは大変」と思っていた観戦者は多かったのではないでしょうか。
 ただ、この将棋を「完敗」というのは妥当ではないと言えます。初めから最後まで勝機がなかった勝負を「完敗」と言うべきです。

 機会(時間)があれば、今回の勝負の公平性や、背景について言及したいと思いますが、「あれ」が始まりますからね。ええ、あれ(竜王戦)です。
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5手詰(10月10日)解答

2010-10-11 12:27:04 | 詰将棋
 先日ご紹介した詰将棋の解答です。
 正解手順にたどり着くシミュレーション風にしました。つき合っていただけたらうれしいです。


 問題図を見ると、まず目に付くのは▲1三とと金を取る手です。実戦なら私も一番最初に考えます(詰将棋として出題されたら、除外します。なぞなぞや推理小説もそうですが、平凡な手で詰むのは面白くないですよね)。
 守備駒の金を取り、持ち駒も増えるので、手の価値は高いですし、実際、詰みそうな気もします。
 さて、▲1三とに対し、△同玉が普通の対応ですが、これには▲1二飛で詰みます。しかし、△1五玉と上に逃げられると詰みません。

 以下▲1四飛△2六玉▲1六飛と追いかけることはできますが捕まりません。詰将棋もそうですが、実戦でも上部に逃がすと捕まえるのは大変です。

 初手に戻りましょう。

 ▲2四ととするのはどうでしょう。△1五玉と逃げられそうですが、▲2五金(飛)△同銀▲同馬で詰みます。

 そこで初手の▲2四とには△2四同金とします。このように守備の斜めに金を誘うのは詰将棋のひとつの筋です。そして▲1三金と捨て△同玉に▲1二飛で詰みあがるとここまで初手から読んだ方は初級の域を卒業しています。しかし、3手目の▲1三金に△1五玉(失敗図2)とかわされると、失敗1図と同じく詰みません。


 再び初手に戻りましょう。

 では今度は思い切って▲2四馬と馬を捨ててみましょう。強力な馬を捨ててしまうのはもったいないですね。でも、そういう盲点を突くのは詰将棋の常道です。推理ドラマでも一番怪しくない人が真犯人だったと言うことがありますよね。というか、そういう時のほうが多いです。
 
 ▲2四馬には△同金の一手で、金が動いて空いた場所に▲1三飛と打ち込みます。

 しかし、残念ながら△2五玉と脱出されてしまい失敗です。でも、この足掛かり2図で、もし2五に玉が行けなかったら詰んでいます。この「もし~だったら」と言うのは正解を見つける大きなヒントになります。
 この場合、玉が2五に行けない状態を作るには、①2五に自分の駒の利きを作る、②2五を相手の駒で埋めるの2手段あります。
 詰将棋の場合は②が駆使されることが多いです。で、初手に戻りましょう。


 ▲2四馬を決行する前に、2五の地点を埋める前工作が必要なのです。で、先ほどの手段②を使うには、自分の駒をその地点に打ってそれを相手に取らせる「捨て駒」のテクニックを用います。この場合は持ち駒の金を使います。

 この手に対しては、△2五同歩と△2五同銀がありますが、まず△同歩と取りましょう。

 そして、ここで必殺技の▲2四馬を繰り出します。一見、2四の歩を2五に逃がして1歩取り損ねたように見えますが、この2局面を見比べてみてください。
 
 2五に歩があるかどうかの違いですが、ここに守備駒がいるので玉はそこに行くことができなくなっています。これが天と地の差なのです。
 そして、△2四同金にフィニッシュの▲1三飛!

 気持ちよく詰み上がりました。

 では、初手の▲2五金に△2四同銀とされたらどうでしょうか?

 この方が守りの銀が近づくので、実戦だとこう応じるほうが多いかもしれません。しかし、実はこれにも同様に▲2四馬△同金▲1三飛で詰みます。2五に守備駒があれば同じなのです。
 この場合、2四の歩を取ることになり、詰め上がりのときの持ち駒に歩が残ってしまいます。詰将棋において受け方は手数が長くなるように、相手の持ち駒を使わすように、頑張ります。ですから、2手目を△2四同歩とするのが本手順(作為手順)となります。感覚的にも持ち駒が余らず使い切ったほうが爽快ですよね。
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『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』

2010-10-10 21:42:02 | ドラマ・映画
 視聴後の感想は
「こういうドラマだったんだ…」
です。

 面白かったが、残念という気持ちも大きい。
 おそらく、多くの方が『TRICK』の雰囲気を感じ取ったと思います。私もあのドラマ好きだったので、ワクワクしながら観ていた。。
 「殺される」という予言をされた五木谷議員(金子賢)の警護を押しつけられた「警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係」(通称ミショウ)、係長・野々村(竜雷太)と当麻紗綾 (戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬 亮)がのほほんと、興味津津、渋々(しぶしぶ)殺人の防止に当たるが、五木谷は心臓麻痺で死亡する。
 護衛や調査の段階は『TRICK』の雰囲気がプンプン。
 事件の謎の解明も面白かった。


 が、その事件の裏にあるのは、超能力者。しかも、組織的な動きもあるらしい。
 しかも、その能力が半端じゃなく、時間停止、銃の弾道の軌道修正(修正と言うより跳ね返す)など、常人では太刀打ちできそうもない。弾道を逸らすとか、3秒だけ止められるぐらいなら、対抗手段もありそうだけど。
 これでは、完全犯罪の推理なんて関係なくなってしまう。私はSFも好きだし、超能力もあってもいいと思う。ただ、主人公が刑事で事件の解明や防止という現実的な視点と超能力の組み合わせは相性が悪く、ドラとしては中途半端なものになってしまうような気がする。警察が関与するのはいいが、第三者的立場の方が良い。
 超能力がメインなら、いっそ、昔のNHK『少年ドラマシリーズ』的なものの方が抵抗を感じない。

 登場人物のキャラクターは面白く、ドラマの雰囲気も良い。小ネタも面白いので、深く考えず、楽しんだ方がいいのかもしれない。

【追記】他の方のブログを拝見すると、『ケイゾク』を継続(継承)しているようですね。
コメント (2)
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5手詰

2010-10-10 00:08:38 | 詰将棋
 地方新聞紙(中日新聞系)の詰将棋コーナーで掲載されていました。系列すべてに載っていたかもしれません。
 掲載されたのは少し前なのですが、解後感が凄く良かったので、覚えていました。
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将棋雑感 王将戦挑戦者決定リーグ

2010-10-09 16:59:13 | 将棋
 王将リーグが始まりました。
 メンバーは、ランキング1位から羽生名人、佐藤九段、深浦九段、森内九段、そして、5位に2次予選を勝ち抜いた渡辺竜王、三浦八段、豊島五段とそうそうたるメンバーだ。
 佐藤九段は昨年A級から陥落してしまったが、実力的にはA級上位と言っても語弊はないであろう。
 深浦九段にしても現在B級ではあるが、今夏まで王位を3期保持していたトップ棋士。
 豊島五段もC級1組在位ではあるが、昨年度は勝率、勝利数1位、通算勝率も118勝45敗の.724と対局数100以上の棋士では、羽生名人の.725に次ぐ2位(7割を超えているのはこの2者だけ)。20歳、若手の旗頭といえる。昨年は惜しくも陥落してしまったが、再度のリーグ入りは実力の証明と言えよう。
 とにかく、すごいメンバーでA級順位戦にまったく引けをとらない。……って、このメンバー、昨年と比べて、王将位を奪取した久保二冠に替わってリーグに落ちた羽生名人以外、まったく同じメンバー。
 ちなみに昨年は、久保棋王が5勝1敗で挑戦権獲得、佐藤九段が4勝2敗、深浦王位と森内九段が3勝3敗(ここまでが残留、タイトルは当時)、渡辺竜王、三浦八段、豊島五段は2勝4敗で陥落であった。
 最終局を前にして陥落の3人は決定してしまったが、残留した4人すべてに挑戦者、あるいはプレーオフ進出の可能性があった大激戦であった。豊島五段の2勝は、渡辺竜王と三浦八段。久保棋王の1敗は三浦八段。

 さて、豪華なリーグ戦のメンバーだが、2次予選も厳しいメンバーがそろっていた。
 1組は、渡辺竜王、藤井九段、屋敷九段、井上八段、北浜七段、飯塚七段で、リーグ入り決定戦は渡辺-藤井であった。
 2組は、郷田九段、高橋九段、三浦八段、鈴木八段、山?侮オ段、戸辺六段で、決定戦は三浦-鈴木であった。
 3組は、谷川九段、丸山九段、木村八段、阿部八段、杉本七段、豊島五段で、決定戦は豊島-丸山であった。
 豊島五段は、谷川九段、丸山九段を連破している。今期は2次予選の2回戦(準決勝)からの登場であったが、昨年は1次予選では、福崎九段、糸谷五段、阿部八段、南九段、2次予選では横山五段、高橋九段、藤井九段を破っている。
 ちなみに藤井九段は3年連続決定戦で敗退、その前2年はリーグ入り(陥落)、さらにその前年は決定戦で敗退している。相性が良いと言うか、悪いと言うか……


 今期は1回戦が終了。
 ○羽生-森内● ○深浦-三浦● ○渡辺-豊島● (佐藤は空き番)

 好勝負がバンバン行われるリーグであるが、ネット中継がないのが非常に残念。
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