英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

中田章道七段作・15手詰 解答

2011-01-21 17:35:15 | 詰将棋
 1月18日『中田章道七段作・15手詰』の解答です。

 初手の▲2四銀打(解答1図)が重複感があるうえ、玉を逃がす手なので、まったく見えませんでした。

 △1六玉と逃がしますが、▲2五龍(解答2図)が必殺技。(△1六玉の局面からなら発見は容易だと思いますが、初手からだと、かなり見えにくいはずです(見えにくいですよね)。

 以下△2五同玉に▲3四角(解答3図)が決め手。

 以下は角を馬に変えて順当に詰みます。

 勝手さん、お見事でした。
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『CONTROL』 第1話、第2話

2011-01-20 17:19:08 | ドラマ・映画
 警察組織の位置づけとしては『相棒』の特命係に近いですが、コンビとしては『ガリレオ』に近い。このふたりの絶妙のコンビネーションで事件の真相に迫るところも似ている。ただ、捜査課に煙たがられながらも協力して捜査していくところは『相棒』に近い(ただし、捜査課の初期の捜査はあまりにもずさん)。総合的には『ガリレオ』に近い感じだが、全体的な雰囲気は、なぜか『ハンチョウ』を思い出す。

 さて、『ガリレオ』の湯川教授と同じく、南雲教授(藤木直人)は学問本位+自分本位で相方・瀬川里央警部補(松下奈緒)を振り回す。ただ、湯川教授が物理学で事件を解明していくのに対して、南雲教授は心理学からのアプローチ。
 実はこの心理学が、推理ドラマでは曲者で、教授の前では嘘が通用しない。これがドラマを浅くしているように思う。

 この辺りを、『相棒』の右京と比較して考察してみる。
 右京も洞察の達人で、犯人や関係者の嘘や隠し事を瞬時に見抜く、あるいは、見抜かないまでも違和感を感じてしまう。洞察力+知識(右京)、心理学(南雲)とそのアプローチはちがうものの、証言の真偽、あるいはその裏にあるものを見抜く力はほぼ同等であろう。
 ただ、その証言を前にして、二人の行動に大きな違いが出る。
①右京の場合
 証言に引っかかりを感じても、眉がピクリと動かしたり、目をぎょろりとさせたり、ちょっと意外そうな相槌を打つなどの反応をするが、たいていの場合はその場ではスルーする(時には突っ込んで、真実を引き出すこともある)。
②南雲の場合
 相手にそれが嘘であることをすぐ指摘することが多い。その場でスルーしても、その直後、里央とふたりきりになると、自分の分析を語る。

 ①と②は似ているようだが、視聴者にとっては大きく違う。
 右京は、引っ掛かりを感じても、確証を得るまでは多くを語らない。相棒の尊(及川光博)の明かす場合も多いですが、その全貌は語らない。
 つまり、視聴者は右京の表情にヒントは得られるが、それ以上のことは分からない。その後の思わせぶりな右京の捜査によって、さらに材料(ヒント)が得られ推理を進めることができる。
 南雲の場合は、その種明かしをしてしまうので、その証言に対しては推理することが出来ない。南雲が里央に対して講釈を述べたことは事実と確定してしまう(アドバイザー的主人公なので、間違えては話にならない)。
 相棒に比べて、分かりやすいが、深みがない。

 まあ、そういう面はあるが、主人公ふたりに魅力を感じるので、楽しんでみている。各ストーリの肝の部分は、里央が解明するようだし。


★その他、特筆すべきこと
 松下奈緒の走りは、ものすごくおばさんっぽい
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『江 ~姫たちの戦国~』 第1話、第2話

2011-01-19 19:15:10 | ドラマ・映画
 ドラマとしては面白いかもしれませんが、大河ドラマとしてはどうなんでしょう。でも、『天地人』はひどかったから、こんなものかもしれませんね。

 まず、気になった点は、史実や通説や逸話と異なっていたり、省略(無視)されていることがいくつか見られたことです。
①市と浅井長政の婚姻時に、浅井家と盟友関係にある朝倉氏を攻めないという協定がを結んだ。……【省略(無視)】
②浅井氏が織田を攻めることを知った市は、暗にこれを知らせるため、陣中見舞いと称して小豆を送ったが、この時、袋に両端を縛り、織田軍が袋のねずみ状態であることを示唆した……【逆】ドラマでは、小豆袋を信長に送ることを勧めたのはお供の女性で、その進言を払いのけている
③小谷城(浅井長政の居城)攻めの際、信長は浅井長政に降伏を勧告(大和一国を与えることを約束)している……【省略】
④浅井長政の長男・万福丸(市との間にできたかは不明)の存在……【無視(省略)】
⑤浅井長政・浅井久政・朝倉義景の頭蓋骨で酒を飲みかわした……このエピソードは、もともと脚色されたものであり、彼らの頭蓋骨を前にして酒を飲んだぐらいの可能性はかなりあるとされている

 さて、この結果、織田信長、浅井長政の行動は一般的な史実とかなり歪められてしまっている。
Ⅰ ドラマでは浅井氏が織田氏との協定(婚姻)を破って、織田家を攻めたとなっているが、先に信長が協定を破っていた
Ⅱ ドラマでは市は、長政に従い、兄信長のスパイとしての役を捨てたが、通説では、迷った挙句、長政の織田攻めを案じさせることで兄との約束も守っている。
Ⅲ ドラマでは信長がためらいもなく浅井家を滅ぼしているようだが、実際は信長は長政を殺すのは惜しいとみていた
Ⅳ 万福丸も助命を嘆願されたが許されなかった。それで小谷城から脱出したが捕まり、磔(はりつけ)あるいは串刺しにされたとされている。実際に処したのが秀吉で、命じたのは信長。この行為こそ残忍性を示す事象と思われるが、何故かドラマでは万福丸の存在はないものとされていた

 まあ、多少は史実と差異や省略があっていいと思うが、上記のことは市や茶々、初、江の信長に対する感情を左右するドラマの肝である。
 特に、今回のドラマにおいて、市は通説を曲げてまで長政に従っていた。なのに、「織田家の裏切り者として肩身の狭い思い」という台詞を言っている。しかし、その道を選んだのは市本人である(通説を曲げてまで)。敵意むき出しの信長への市の視線を飛ばすのはお門違い。脚本がおかしいとしか思えない。


 「おなごにはおなごの戦がございます。おなごは思うまま生きることができませぬ。夫を殺され、織田家にあっては裏切り者とそしられても、死ぬこともならず、抜け殻となって娘たちと身を寄せ合って生きてまいりました。それがいつまで続くのか……。明日はどうなるのかもわかりません。
 なれば…女の戦は生きること。本日唯今を生きていくことにございます」

 このドラマのテーマ(タイトル)を市に語らせていたが、私は凄く抵抗を感じた。市に無理やり違う人生観を押しつけ、この台詞を言わせたように思えてならない


★ドラマの演出・脚本としての違和感
1.信長と対面時の三姉妹の実年齢と、演じる女優の年齢との差があり過ぎ
 信長と三姉妹との心情の描写を描くには、実年齢でやるのには無理がある。……まあ、これには目を瞑ろう。
2.浅井家滅亡が色濃くなり、市は三人目を流そうとする。それを5、6歳の茶々が妹の初の喉元に小刀を当て、「妹か弟を殺すなら、私も初を殺して死ぬ」と説得……脚色のし過ぎだろう。

 2回までを見ての印象は、自分のテーマを描くため史実を無視し、無理な展開を押しつけ、さらには自分の進めた脚本の整合性さえも顧みない強引な脚本。
 一年近く続く大河ドラマなので、早々と離脱した方がストレスを感じずに済みそうである。
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中田章道七段作・15手詰

2011-01-18 17:40:17 | 詰将棋
 時々紹介している中日新聞系地方紙の詰将棋コーナーの作品です。
 1週間に5日間ぐらいコーナーがあるので、詰むまで考えていると、将棋世界を読む時間が、ますますなくなってしまうので、2、3日前から5分で勝負しています。
 ちなみに今作は「5分で三段、10分で初段」です(1月17日掲載)。難しい部類です。



 紙上でのヒントは「馬を作って詰める」(←カーソルをドラッグさせて読んでください)です。

 5分で解けませんでした。
 10分で………解けませんでした。しかたないので、潔く降参して解答を見ました(潔くありませんね)。
 早くも1敗……
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大雪手前

2011-01-17 15:35:08 | 気象
 積雪はアメダス(観測値)によると52cmです。昨夕の値が44cmだったので、新たな積雪が8cmということになりますが、、実際は20cm強は降った感じです。




 雪かきは重労働ですし、車の運転も難儀(まず、雪の中から脱出するのも大変)ですし、何かと大変ですが、この程度なら、仕方がないかなあと思うようにしています(愚痴りますが)。
 お天気キャスターや気象予報士が、安易に「大雪」という言葉を用いますが、「大雪警報」という警報があるように、「大雪」は「洪水」と同じように「災害」の意味が強いのです。そんなに簡単に「大雪」という言葉を用いるべきではないと思います。 予想積雪の数値によって「警報」や「注意報」が出されると思いますが、災害として「大雪(雪害)」という言葉をを考えると、家屋の倒壊(屋根の損傷)、交通マヒなど生活に非常に支障をきたす降雪量(積雪値)に達する雪の降り方を指すと考えられます。
 また、雪に慣れていて、その備えも十分な雪国と、滅多に雪の降らない太平洋側とでは、「大雪」の範疇も異なってきます。
 今回の雪なら、今のところ「大雪手前」が妥当でしょう。
 朝、お天気キャスターが「日本海側は雪が降り続き大雪のところも。太平洋側は晴れますが寒さは厳しいです」と爽やかに話しているのを聞くと、イラッときます。 
 あと、気象情報で「北陸の多いところで1mの降雪の恐れも」という表現は、もっと正確なものに切り替えるべきです。並みの寒波だと、そんなに降るところは、よほどの豪雪地帯かスキー場があるような山の中だけです。普通の山あいの町や山沿いの町で40~60cm、平野部で20~30cmがいいところでしょう(しかも多いところ)。海岸沿いだとほとんど積もりません。そりゃ、そういう予報を出しておけば、外れることはないですよね(たとえ予報が外れて、北陸のどの地点も1mに達していなくても、誰もわかりません)。
 上記の表現だと北陸中、50cmは積もる印象がしませんか?地図で地域を示す場合県単位で塗りつぶしてありますし。

 寒気の峠は越えたようで(今後も冬型の気圧配置が続くようです)、時折、日が射すようになりました。
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2011-01-16 19:12:31 | 気象
 雪が降りました。
 昨夜は暴風雪で、さながら『八甲田山』の一場面のような感じでした。
 朝起きると、昨夕から新たに20㎝ほど降ったようです。アメダスデータも昨夜6時21cmから今朝8時39cmでした。
 積雪39cmというと多いようですが、観測値は自然状態で(融雪や除雪しない)ここ2週間の雪が蓄積された状態なので、生活空間では昨夕の積雪状態は5~8cmという程度で、今朝の状態も実感としての積雪は20㎝強程度です。
 といっても、放置するわけにもいかず、朝から雪かきを1時間半程度しました。でも、日中もある程度降り続けたので、除雪の形跡はなくなってしまいました(午後7時現在、積雪45cm)。

 強い冬型は西から徐々に緩んでくるそうです。でも、北陸は今夜も油断ができません。それにゆるむと言っても、今度の日曜日まで雪マークが続いています。年末からずっと雪マークです。半日ほど晴れた日が2日ほどありましたが、これほど冬型が続くのは珍しいです。ほとんど、冬型が緩みません(大陸の高気圧の一部がちぎれる程度があっただけです)。
 昨シーズンも、12月下旬から厳冬状態が続いて、
『気象庁さん、暖冬って言ったよね』
気象庁さん、暖冬って言ったよね②』
「暖冬ではなく厳冬だよ」…ぼやき&雪日記

と、ぼやいていました。(昨年と比べてどうなのか、今度、比較してみたいです)

 それはともかく、昨日もそうでしたが、今朝は受験生の皆さんは大変だったでしょう。雪、厳しい寒さ、さらに、インフルエンザ、充分に実力を発揮されることを願います。
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『LADY ~最後の犯罪プロファイル~』 第1話

2011-01-14 19:23:39 | ドラマ・映画
 グズグズしている間に1週間が経ってしまいました。なので、簡単に。

 そもそも、プロファイル自体をテーマとすると、プロファイラーの思い込みなどご都合主義で事件が進展し、解決するパターンが多い。さて、このドラマは……
①導入部のオシャレなデモンストレーションは導入としてはありかもしれないが、プロファイリング内容はインチキくささが充満していた。
 「犯人はおしゃれに敏感、見栄っ張り」(根拠なし)、さらに→「目立ちたがりだからシャツはピンク、ネクタイは今年の流行の黄色」って、この色合わせ、最悪……
 「花火(爆発)を女と観たいから、女を口説いている奴を探せ」…凄い論理だ。
 極めつけは木村多江さんの「彼が犯人なら、きっとこう言う。『この服、いくらしたと思う』『弁償しろ、同じ服をすぐ買ってこい』」って、それは犯人ならではなく、見栄っ張りで自信過剰の男のプロファイルだろう。
 小沢君の気の毒さだけが頭に残った。

②オシャレな会話が痛い
 これ日本人だからなのかな。同じような会話が海外ドラマで為されていたら、自然に受け入れたような気がする。

③木村多江さんの不幸度が足りない
 なんとなく似合っていない気がする。不幸度に関しては、何やら病気を抱えているらしいのでこれから増してくる可能性は大。

④TBSのサスペンス類は惨殺、大量殺戮が多い
 『ブラっディ・マンデー』『 MR.BRAIN (ミスターブレイン) 』

⑤犯人の侵入経緯も何の確証もなしに断定

⑥やたらと犯人を持ち上げるプロファイラーたち
 「犯人は日本の犯罪史上にないモンスター、しかも成長している」
 「モンスター」「成長」という言葉を使いすぎ

⑦「犯人から何らかのメッセージが届くでしょう」って、その根拠は?

⑧犯人からのメッセージが微弱
 「止めたければ 早く俺を探してくれ。
  本当の俺にたどり着いてみろ。」
 児童虐待の親への復讐が目的でしたが、その割にはメッセージが弱い。もちろん、これを明かしてしまうと、ドラマとしての面白味がなくなってしまうので、仕方ないかも。

⑨北川景子がでしゃばり過ぎ、会議においても、現場においても
 まあ、主人公だからね

⑩竹中さん、迂闊
 帰宅すると家族が縛られていた。それを解こうとして駆け寄る竹中さん。一般的反応
だが、縛られているということは必ず縛った者がいるということ。敏腕刑事にしては迂闊過ぎ。

⑪「プロファイリングは捜査のツールでしかありません。犯人を捕まえるのは皆さん(捜査陣)です。我々はそれを全力で支えます」
 良いこと言います、木村さん。でも、脚本家さんはそう思っていないような気がする。

⑫児童虐待を止められなかった気弱な犯人の母親役が杉田かおる
 笑えた。

⑬犯人に感情移入させたままで終わる演出・脚本
 そう、これが一番の問題点。他のブロガーさんも指摘していたが、「俺は何で生まれてきたんだ?」という問いかけ、答える前に犯人射殺。
 確かに、児童虐待は許せないことだが、児童虐待にトラウマを抱える犯人に感情移入させたまま、射殺で幕を閉じるのは非常にまずいのではないか?
 せめて、北川景子に「あなたは弟を守るために生まれてきた。しかし、あなたのやり方は間違っていた。人の命を奪うこと、子どもの両親を奪うこと、それは絶対許されないこと」
など、犯人を正すのが主人公の役目だろう


⑬犯人は何人もの児童をどのようにしてかくまっていたのだろうか?


3回で視聴リタイヤの予感
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2011かるた名人戦、クイーン戦

2011-01-14 16:10:10 | 趣味
 先日、かるた名人戦、クイーン戦が行われました。その関係からか、私の過去の記事、かるた名人戦、クイーン戦(2009年1月10日記事)にかなりの方が訪れてくださっています。
 でも、この記事は一昨年のものなので、せっかく来てくださったのに申し訳ないなあと思っていました。「申し訳ないなあ」と思うだけなのも申し訳ないので、簡単ですが書きます。

 結果は、
  西郷直樹3-2川崎文義  楠木早紀2-0 山下恵令
名人、クイーンともに防衛を果たしました。これで西郷名人は13連覇、 楠クイーンは7連覇。
 西郷名人の13連覇は、もう金字塔と言って良いほどの偉業です。ただ、ここ4年は接戦続きで、特に昨年は三好輝明氏にあと1枚まで追い込まれました。今回も、大接戦でした。
 2-2で迎えた5回戦は、17-12(数字は残り枚数で、少ない方がリード)となって川崎六段が5枚リード、そこから名人が5連取して12-12と追いつく。終盤、3連取して10-7とし、再び突き放す。
 しかし、ここから名人は集中力を発揮し9連取と大逆襲、1-7とし、結局7枚差で西郷名人が勝利した。
 実は私の住む福井県はかるたが盛んで、何度も名人戦に登場しています。しかし、そのたびに西郷名人に跳ね返されています。土田雅は実に5度、三好輝明氏は2度、そして今回の川崎文義氏と計8度挑戦しています。
 福井渚会にとって大きな壁としてそびえ立っている西郷名人です。しかし、先にも書きましたように、ここ4年は接戦続き。西郷名人も社会人となり、トレーニングが学生時代ほど十分ではないのと、30歳を過ぎ、スピードにかげりが出てきているのは否めません。その分を、精神力と集中力で補っているのが現状です。来年こそは打倒西郷名人を果たしてほしいです。その前に挑戦者決定トーナメントを勝ち抜かなければいけませんが。(福井渚会としては、クイーン位には山崎みゆきさんが就いています)

 クイーン戦は当分、楠クイーン時代が続くような感じです。7連覇すべて2-0のストレート勝ち、しかも1戦1戦、相手を圧倒している感があります。クイーン戦において14連勝はすごいです。ちなみに西郷名人は初防衛から7期連続3-0のストレート勝ち、名人位を奪取した望月仁弘名人戦では0-2から3連勝しているので、27連勝の記録があります。王座戦における羽生名人みたいです。

 さて、名人戦とクイーン戦、同じ場で平行して行われますが、その趣は大いに異なります。それについては、おととしの記事に記しましたが、今回も同様な印象を持ちました。(この記事は、けっこう的確に競技かるたについて書いてあります。よろしければご覧ください)

 おととしの記事を引用すると、
「女性のクイーン戦は男性の名人戦に比べると、動の趣が強いです。これは、西郷永世名人と渡辺永世クイーンの戦い方によるものかもしれません。
 渡辺永世クイーンは、闘志を表に出して札を取ります。また、感情の動きもカメラを通しても分かります。また、読みが始まる合間の動き(素振り)も激しいです。それに対して、西郷永世名人は、本当に静かです。

 実際の札の取り方は驚くほど速くて、豪快です。4、5枚根こそぎ払います。一瞬ですから、どちらが速かったか、分からないことは多いです。競技者同士でも主張しあうこともあります。この場合、どちらかが譲るか、審判の判定を仰ぐかになります。審判は、競技者に判定を求められて初めて判定を下します。
 渡辺永世クイーンの場合、特にこの主張の押しが強かったように思います。バチバチと火花が散ることもあり、女の戦いの様相になることもありました。
 もちろん、渡辺永世クイーンの強さはそれだけでなく、強靭な精神力はもちろん、暗記力、瞬発力を兼ね備えていました。すごいと思ったのは、読み手の第一声を発する前の息の吸い方で第一声を予測したと言います」


 この伝統?は現在も継承されていて(と言っても渡辺クイーンほど激しくはない、空打ち(素振り)も少ない)、審判の判定を仰ぐ場面が何度も見られました
 基本的にどちらが札を取ったかは、競技者同士の合意で行われるのですが、どちらも自信ある場合は、審判に判定を仰ぎ委ねます。
 紙一重の差なのですが、本来、競技者自身はどちらに利があるのかは分かると言います。実際、名人戦においては審判に判定を仰ぐことは滅多にありません。
 とは言え、本当に紙一重なので、たとえば、Aがわずかに札を動かしたあと、Bが勢いよく払った場合、Aは「自分が先に触れた」と思いますし、Bは「(Aが触れたのに気づかず)自分が払った」と思います。なので、審判に判定を仰ぐということが頻繁に起こっても当然なのかもしれません。
 しかし、名人戦ではそういうことが少ないので、男女の気質の差からきているのかもしれません。専門外なので、論述するのは気が引けますが、
①男性は「私が札を取った」と強く主張するのは格好良くない
②男性は冷静に分析し、女性は自分に欲目で判断する
③(これはないと思いますが)言ったもん勝ち(審判が自分を支持すれば儲けモノ)
④(これもないと思いますが)相手への嫌がらせ(心理を揺さぶる)
 ただ、今回の審判の判定には疑問がありました。5回のうち4回は間違っていたように思います。ただ、これもスローモーションで確認して言えるのであって、肉眼では札の勢いを重視するしかないのかもしれません。

 さて、来年はどんな戦いが繰り広げられるのでしょうか?福井渚会の悲願は成し遂げられるのでしょうか?
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駅伝考いろいろ② 高校駅伝(男子) 中継所・ランナーそれぞれの役割

2011-01-11 23:47:09 | スポーツ
 高校駅伝(男子)は全員が粘り強く走った鹿児島実業が初優勝しました。

★第4中継所(4区→5区)でのミス
 ここで少なくとも3チームが中継ミスでタイムロスした。タイムロスはなかったもののギリギリで間に合ったチームもかなり目についた。

 これがランナーが小差でなだれ込み、しかも順位の予想がつきにくい第1中継地点ならあり得る(それでもあってはいけない)のですが、レースの流れも落ち着き、各チームの間隔もあり、道幅も十分あるこの地点でのタスキ渡しのミスというのは、普通あり得ない。しかも、3チームも。
 チーム(ランナー)のミスとしてよくあるのは、前ランナーが予想以上の走りをして、想定以上の順にで来てしまったパターンだが、3チームも続出しまったというのは、運営側に責任があると考えるのが妥当だ。
 で、中継所の運営状況を検証すると、一番目立つのは、マイクで中継所に向かってくるチームのナンバーをコールする声。これが大きくはっきり聞こえるのでOKのようだが、問題なのはそのタイミング。コールされてから中継所に到着するまでの時間はなんと平均8秒(距離にすると50m弱)。たった8秒では、中継地点の脇に待機していてウインドブレーカーなどを脱ぎ捨て地点にスタンバイできるギリギリの時間だ。
 この前の中継所の第4中継所では、およそ1分10秒前にコールがなされていて、中継地点のラインには5~8チームほど並んで待機している状態だった。これに対し、第5中継所では、中継地点で待ち受けるランナーはほとんどおらず、中継地点にスタンバイして構える間もなくタスキリレーが行われていた。
 とにかく50m前でのコールでは遅すぎる。それでもう一度チェックしてみると、大きな声(音声)のコールとは別に、違うナンバーをコールする声が聞こえる。しかし、この声は先の声と比べると、非常に小さく聞き取るのが難しい。なので、ほとんど機能しておらず、ラインに待機するチームもいない状態だったのだろう。
 もしかすると、50m前の最終コールがされるまで道路には出るなという指示があったのかもしれない。それにしても、前中継所と中継方式が大きく異なるのはおかしい。ストレートに言えば、50m前コールは不必要というか邪魔だと思う。

 確かに、大会運営は大変だ。競技(試合)そのものの審判も大変だし、大会進行、天候による変更の判断、弁当や救護の手配、開会式の来賓の紹介、表彰式の準備など、本当に大変で、参加者としては運営者には非常に感謝しなければならない。
 ではあるが、選手の努力をふいにしてしまう運営はあってはならない。要改善。

★レースの感想(1区の役割)
 優勝した鹿児島実業、2区が不調だったが、全員粘り強く走り、最終区での逆転は
見事だった。4区にタスキが渡った時は、トップと1分14秒差(約400m)。留学生の圧倒的な走りに見る見る背中が小さくなった中、踏みとどまり、あきらめずコツコツ差を詰めていった走りはゾクゾクした。
 2位世羅高校、4位仙台育英、6位青森山田は留学生が目立ったが、他の選手も非常に頑張り上位入賞(最後の最後に逆転された世羅高校にとっては「上位入賞(準優勝)」という成績は悔しさいっぱいだろうが)。
 また、3位九州学院は常時上位争い(5位以上)を繰り広げる総合力の高さを見せ、須磨学園は1、2区1位と好スタートを切ったが、3区の不調が響き、後半盛り返したものの5位に留まった。佐久長聖、田村も穴のない走りで入賞を果たした。

 さて、レース前は須磨学園と鹿児島実業が優勝を争うと見られていた。須磨学園は県予選で全国トップのタイムを出し、5000m平均タイムもトップ、さらに大エース(西池選手)も擁している。駅伝どころ兵庫県代表でもある(兵庫県は西脇工業、報徳学園を破らないと全国へ行けない)。
 鹿児島実業も予選タイム2位、平均タイム2位(両要素とも須磨学園にほとんど引けを取っていない)、エースが5人もいるのが心強いという評判だった。

 実際、1区西池、2区山本が共に区間賞で3区にトップでタスキを渡した時はこのままいくかと思われる。
 しかし、私は1区の西池選手の走り方には大いに疑問を感じていた。彼は「大エース」と称されるほどの実力の持ち主、高校長距離においては日本人トップと見られている。
 当日の彼の走りは、序盤ほぼ最後尾に位置し、中盤からは、レースの流れに対応できるよう、また、いつでもレースを支配できるように前列に位置を上げた。そして6.5キロ過ぎからペースを上げ続け、残り300mでスパート、29分35秒で区間賞を獲得した。
 中継地点では高々とガッツポーズ(チームメイトを鼓舞する意味もあったのだろう)を取っていたので、思い描いたレースが出来たのだろう。
「自分の走りにこだわって、冷静に走れた」と満足そうにインタビューに答えている。
 序盤ゆっくり入って集団についていき力を温存し、中盤から徐々にペースを上げるのは、自分が一番発揮しやすいレース展開で、一番間違いの少ないペース配分だ。確かに、トップだし、タイムも想定タイムで、自分の力を発揮できたと思われる。
 しかし、駅伝の1区はタイムを出せばよい、1位でタスキを渡せばいいというものではない。特に大エースの場合は、他のチーム(特にライバルチーム)にどれだけ差をつけるかが、問題なのだ。
 彼のペース配分は彼の力を発揮できるものであると同時に、他の選手の能力も発揮させるものだった。レース序盤がスローペースだったので、中盤から徐々にペースを上げても彼についていけた者は多かった。残り3キロで7人に絞られたものの、残り2キロでも6人、残り1キロでも4人の集団(3人についてこられた)のままだった。結局、13位までが30秒以内でタスキを渡している。

 大エースの1区の走りとしては物足りない成果と言えよう。最初から飛ばして、できれば2位、3位とは20秒~30秒差をつけ、10位辺りには50秒差ぐらいつけたいところだった。もちろん、あまり飛ばし過ぎて、後半足が止まる危険性もあるが、後半、多少負荷を覚悟する感じでハイペースを維持して、いくつかのライバルチームを潰しておきたかった。
 彼の描いたペース配分は10キロを10キロとして走る、あるいは、9キロに感じさせるもので、そうではなく、他のランナーに10キロを11キロや12キロに感じさせるものであるべきだった。結果として、皆が十分に力を発揮できた。どのライバルチームも西池とこの差なら「御の字」と考えたのではないだろうか。
 彼としては、仲間の走力を信じ、トップで渡すのが第一命題と考えた結果かもしれない。
 1区で出遅れて、後の区間に悪影響を及ぼし1区が致命傷になる場合もある。駅伝、特に1区は難しい。
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安らかに

2011-01-11 10:46:08 | 日記
 私の大好きな方のお母様が亡くなられました。
 今朝、ブログ巡りをして知りました。昨日は何も気づかず、録画していたドラマやスポーツ中継などを見たり、ブログ記事を書いていました。不覚です。

 急なことだったようで、その悲しみを思うといたたまれません。
 お母様の御霊が安らかなることと、その方の悲しみが少しでも癒えることを願います。
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