かなり忍耐力の要るドラマだ。
稲森いずみと渡辺麻友のダブル主演ということだが、ヒロインの北村亜紀が不快だった。渡辺さんに問題があるのか、脚本か原作のヒロイン像に問題があるのかは、今のところ、不明。
最初の5分(主題歌が始まるまでのオープニング)で視聴離脱しようと思ったが、流石に短気と思い、ネットの評価を見た。
世評は二つに分かれていた。「掘り出し物」と評価する人もいれば、私と同様に「最初の5~10分で観るのをやめた」という人もいた。また、渡辺さんへの評価も、「頑張って演じている」と「大根、ミスキャスト」とこれも割れていた。
評価している人は1話全部見ているはずだから、「とにかく、全部見てみよう」と……
1話を通しての感想は後述するとして、
まず、北村亜紀の人物像や不快さについて
・本をこよなく愛していて、本の勉強や書店員の仕事も偏りはあるが一所懸命
・自分が正しいと思うことは普遍的に正しいと信じている
・他人の気持ちを考えず、言いたいことをズケズケと言う
・自分のやりたいことの実現のためには、人を巻き込むことを全く厭わない
・「郷に入っては郷に従え」という諺を知らない
・親が権力者で、自分の主張が通ることがほとんどだった
・自分の気持ちや事情を説明するのが苦手、あるいは、説明しなくても何とかなってきた
とまあ、書き始めたら止まらなくなるほど、不快な点が多かった。
もう一人のヒロインの西岡理子(稲森いずみ)について
亜紀の奔放な振る舞いに振り回され、時には反目しつつも、彼女をフォローするというよくある立ち位置らしい。
今回、まず、POPの功罪を教えた。
「同じ本を同じ人が読んでも、その時期や年齢によって感じ方も違うし、作者の思いも尊重し、良く考えなければならない」
という教えは納得のいくものだったが、作者の苦情を受けてからというのは、副店長として理子の落ち度であると言えよう。
そして、今回、最もがっかりしたことは
「アリーのサイン会」企画での、亜紀の自分勝手な暴走をたしなめた際、
「副店長は誰の為に仕事をしているんですか?お客様の為じゃないんですか?
どうして書店員の顔色ばかり窺うんですか?
みんなだって、お客様の為に頑張ればいいじゃないですか?
私はその気持ち、忘れたくはありません」
と、亜紀に言いたいことだけ言われて沈黙してしまったこと。
もともと、亜紀も、売り上げアップのための企画で提案したはず。
「お客様の為」よりも「売り上げの為」だった。
POPの件はともかく、お客様目線には全く立っていなかったし、「企画を絶対成功させたいんです」と言い切っていた。
「誰の為に仕事をするのか」なんて問い掛けは、典型的な理論のすり替えで、それにやり込められてしまった理子のだらしなさにも、フラストレーションを感じた。そもそも、書店員をする理由なんて、人それぞれであろう。
副店長はスタッフをうまく使うことが仕事なのだから、顔色を窺うのは当然である。
その直前の
「私間違ったことしていますか?」という問いに
「間違ってはないわ」と答えてしまったことも、不満。
こういうタイプには“やり方が間違っている”と言ってやらないと。
さらに、ストレスを大きくさせるのは、店長の八方美人振り。
こんな台風娘の部下と八方美人の上司では堪らない。
あと、仕事内容が違うからと言って、ドタキャンしようとする売れっ子タレントも業界人としてはあり得ないのではないか?
非常に忍耐力を消費した初回だった。
そう言えば、『空飛ぶ広報室』や『ダンダリン 労働基準監督官』も、初回、第2話あたりまで、ヒロインにストレスが溜まりっぱなしだった。なので、あと1回だけ視聴してみることにする。
【ストーリー】番組サイトより
西岡理子(稲森いずみ)が副店長を務めるペガサス書房の吉祥寺店に、北村亜紀(渡辺麻友)と三田孝彦(千葉雄大)が異動してきた。
本をこよなく愛し、相手が誰であろうとハッキリ意見を述べる、物怖じしない性格の亜紀は、初出勤当日、希望していた児童書担当に配属されなかったことで、早速、理子に猛抗議。元部下である三田が戻ってきたことを歓迎する一方、そんな亜紀の態度に理子は面食らう。
コミック担当になった亜紀のもとに、出版社の営業担当・柴田(長谷川朝晴)が小幡(大東駿介)を連れてやってくる。実は密かに柴田と付き合っている理子は、最近多忙な柴田となかなか会えず、不安な気持ちになっていた矢先だった。
柴田から「大事な話がある」と言われ、ついにプロポーズ!? と浮足立つ理子は、行きつけの店で、同僚の志保(濱田マリ)に柴田のことを相談。たまたま隣に座った初対面の田代(田辺誠一)から「プロポーズ、されるといいですね」と言われ、酔っぱらっていた理子はつい絡んでしまう。
そんなある日、亜紀は来店客の言葉をヒントに、POPを使ってもっと本をアピールすべきだと訴える。それに対し、勧めることよりもお客様自身に選んでもらうことが大切なので、なるべくPOPを置かないのが店の方針だと反対する理子。
結局、店長の野島(木下ほうか)が亜紀を特別扱いし、コミック売り場には手書きPOPが並ぶものの、これがトラブルに発展、理子からいさめられた亜紀は悔し涙を流すことに…。
翌日、失敗を挽回しようとした亜紀が、私小説を出版する人気オネエタレントのアリー(橋本じゅん)を呼んでイベントをやろうと言い出した。準備期間はわずか数日だというのに、コネをフルに使ってスケジュールを押さえ、強引にイベントを進める亜紀。
書店員たちから不満の声が次々とあがるなか、さらに亜紀は、イベント前日のシフトを午後出勤に変えてほしいと突然申し出る。翌朝、福岡にいるという亜紀から「出勤できなくなった」と店に連絡が入る。理子は憤るスタッフをなだめ、皆で深夜まで準備に明け暮れる。
しかし、迎えたイベント当日、店にやって来たアリーは「客と握手するなんて聞いてない!中止して!」と言い出す。
何とかイベントを成功させたい亜紀とアリーの間に一触即発のムードが漂うなか、現れた理子はアリーを会場へと連れて行き、何枚もの写真で構成されたパネルを見せる。
それは、亜紀がアリーの故郷・福岡で撮影し、徹夜で作り上げたものだった。亜紀の熱意に感動したアリーは予定通りイベントを開催することを承諾。大成功に終わる。
その晩、久しぶりに柴田との食事を楽しんだ理子は、プロポーズの言葉を今か今かと待ちわびていた。しかし、柴田の口から告げられたのは「別れて欲しい」という思いもよらない言葉。聞けば、二股をかけていた女性が妊娠したため、責任を取って結婚するという。その場に一人残され放心する理子だったが、ふと我に返り柴田の後を追いかけると、その隣には女性の姿が。しかも、よくよく見ると、何とそれは亜紀で――!?
原作:碧野圭『書店ガール』シリーズ(PHP文芸文庫)
脚本:渡辺千穂
稲森いずみと渡辺麻友のダブル主演ということだが、ヒロインの北村亜紀が不快だった。渡辺さんに問題があるのか、脚本か原作のヒロイン像に問題があるのかは、今のところ、不明。
最初の5分(主題歌が始まるまでのオープニング)で視聴離脱しようと思ったが、流石に短気と思い、ネットの評価を見た。
世評は二つに分かれていた。「掘り出し物」と評価する人もいれば、私と同様に「最初の5~10分で観るのをやめた」という人もいた。また、渡辺さんへの評価も、「頑張って演じている」と「大根、ミスキャスト」とこれも割れていた。
評価している人は1話全部見ているはずだから、「とにかく、全部見てみよう」と……
1話を通しての感想は後述するとして、
まず、北村亜紀の人物像や不快さについて
・本をこよなく愛していて、本の勉強や書店員の仕事も偏りはあるが一所懸命
・自分が正しいと思うことは普遍的に正しいと信じている
・他人の気持ちを考えず、言いたいことをズケズケと言う
・自分のやりたいことの実現のためには、人を巻き込むことを全く厭わない
・「郷に入っては郷に従え」という諺を知らない
・親が権力者で、自分の主張が通ることがほとんどだった
・自分の気持ちや事情を説明するのが苦手、あるいは、説明しなくても何とかなってきた
とまあ、書き始めたら止まらなくなるほど、不快な点が多かった。
もう一人のヒロインの西岡理子(稲森いずみ)について
亜紀の奔放な振る舞いに振り回され、時には反目しつつも、彼女をフォローするというよくある立ち位置らしい。
今回、まず、POPの功罪を教えた。
「同じ本を同じ人が読んでも、その時期や年齢によって感じ方も違うし、作者の思いも尊重し、良く考えなければならない」
という教えは納得のいくものだったが、作者の苦情を受けてからというのは、副店長として理子の落ち度であると言えよう。
そして、今回、最もがっかりしたことは
「アリーのサイン会」企画での、亜紀の自分勝手な暴走をたしなめた際、
「副店長は誰の為に仕事をしているんですか?お客様の為じゃないんですか?
どうして書店員の顔色ばかり窺うんですか?
みんなだって、お客様の為に頑張ればいいじゃないですか?
私はその気持ち、忘れたくはありません」
と、亜紀に言いたいことだけ言われて沈黙してしまったこと。
もともと、亜紀も、売り上げアップのための企画で提案したはず。
「お客様の為」よりも「売り上げの為」だった。
POPの件はともかく、お客様目線には全く立っていなかったし、「企画を絶対成功させたいんです」と言い切っていた。
「誰の為に仕事をするのか」なんて問い掛けは、典型的な理論のすり替えで、それにやり込められてしまった理子のだらしなさにも、フラストレーションを感じた。そもそも、書店員をする理由なんて、人それぞれであろう。
副店長はスタッフをうまく使うことが仕事なのだから、顔色を窺うのは当然である。
その直前の
「私間違ったことしていますか?」という問いに
「間違ってはないわ」と答えてしまったことも、不満。
こういうタイプには“やり方が間違っている”と言ってやらないと。
さらに、ストレスを大きくさせるのは、店長の八方美人振り。
こんな台風娘の部下と八方美人の上司では堪らない。
あと、仕事内容が違うからと言って、ドタキャンしようとする売れっ子タレントも業界人としてはあり得ないのではないか?
非常に忍耐力を消費した初回だった。
そう言えば、『空飛ぶ広報室』や『ダンダリン 労働基準監督官』も、初回、第2話あたりまで、ヒロインにストレスが溜まりっぱなしだった。なので、あと1回だけ視聴してみることにする。
【ストーリー】番組サイトより
西岡理子(稲森いずみ)が副店長を務めるペガサス書房の吉祥寺店に、北村亜紀(渡辺麻友)と三田孝彦(千葉雄大)が異動してきた。
本をこよなく愛し、相手が誰であろうとハッキリ意見を述べる、物怖じしない性格の亜紀は、初出勤当日、希望していた児童書担当に配属されなかったことで、早速、理子に猛抗議。元部下である三田が戻ってきたことを歓迎する一方、そんな亜紀の態度に理子は面食らう。
コミック担当になった亜紀のもとに、出版社の営業担当・柴田(長谷川朝晴)が小幡(大東駿介)を連れてやってくる。実は密かに柴田と付き合っている理子は、最近多忙な柴田となかなか会えず、不安な気持ちになっていた矢先だった。
柴田から「大事な話がある」と言われ、ついにプロポーズ!? と浮足立つ理子は、行きつけの店で、同僚の志保(濱田マリ)に柴田のことを相談。たまたま隣に座った初対面の田代(田辺誠一)から「プロポーズ、されるといいですね」と言われ、酔っぱらっていた理子はつい絡んでしまう。
そんなある日、亜紀は来店客の言葉をヒントに、POPを使ってもっと本をアピールすべきだと訴える。それに対し、勧めることよりもお客様自身に選んでもらうことが大切なので、なるべくPOPを置かないのが店の方針だと反対する理子。
結局、店長の野島(木下ほうか)が亜紀を特別扱いし、コミック売り場には手書きPOPが並ぶものの、これがトラブルに発展、理子からいさめられた亜紀は悔し涙を流すことに…。
翌日、失敗を挽回しようとした亜紀が、私小説を出版する人気オネエタレントのアリー(橋本じゅん)を呼んでイベントをやろうと言い出した。準備期間はわずか数日だというのに、コネをフルに使ってスケジュールを押さえ、強引にイベントを進める亜紀。
書店員たちから不満の声が次々とあがるなか、さらに亜紀は、イベント前日のシフトを午後出勤に変えてほしいと突然申し出る。翌朝、福岡にいるという亜紀から「出勤できなくなった」と店に連絡が入る。理子は憤るスタッフをなだめ、皆で深夜まで準備に明け暮れる。
しかし、迎えたイベント当日、店にやって来たアリーは「客と握手するなんて聞いてない!中止して!」と言い出す。
何とかイベントを成功させたい亜紀とアリーの間に一触即発のムードが漂うなか、現れた理子はアリーを会場へと連れて行き、何枚もの写真で構成されたパネルを見せる。
それは、亜紀がアリーの故郷・福岡で撮影し、徹夜で作り上げたものだった。亜紀の熱意に感動したアリーは予定通りイベントを開催することを承諾。大成功に終わる。
その晩、久しぶりに柴田との食事を楽しんだ理子は、プロポーズの言葉を今か今かと待ちわびていた。しかし、柴田の口から告げられたのは「別れて欲しい」という思いもよらない言葉。聞けば、二股をかけていた女性が妊娠したため、責任を取って結婚するという。その場に一人残され放心する理子だったが、ふと我に返り柴田の後を追いかけると、その隣には女性の姿が。しかも、よくよく見ると、何とそれは亜紀で――!?
原作:碧野圭『書店ガール』シリーズ(PHP文芸文庫)
脚本:渡辺千穂