英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『戦う!書店ガール』 第1話

2015-04-17 00:50:58 | ドラマ・映画
 かなり忍耐力の要るドラマだ
 稲森いずみと渡辺麻友のダブル主演ということだが、ヒロインの北村亜紀が不快だった。渡辺さんに問題があるのか、脚本か原作のヒロイン像に問題があるのかは、今のところ、不明。
 最初の5分(主題歌が始まるまでのオープニング)で視聴離脱しようと思ったが、流石に短気と思い、ネットの評価を見た。
 世評は二つに分かれていた。「掘り出し物」と評価する人もいれば、私と同様に「最初の5~10分で観るのをやめた」という人もいた。また、渡辺さんへの評価も、「頑張って演じている」と「大根、ミスキャスト」とこれも割れていた。
 評価している人は1話全部見ているはずだから、「とにかく、全部見てみよう」と……

 1話を通しての感想は後述するとして、
まず、北村亜紀人物像不快さについて
・本をこよなく愛していて、本の勉強や書店員の仕事も偏りはあるが一所懸命
・自分が正しいと思うことは普遍的に正しいと信じている
・他人の気持ちを考えず、言いたいことをズケズケと言う
・自分のやりたいことの実現のためには、人を巻き込むことを全く厭わない
・「郷に入っては郷に従え」という諺を知らない
・親が権力者で、自分の主張が通ることがほとんどだった
・自分の気持ちや事情を説明するのが苦手、あるいは、説明しなくても何とかなってきた

とまあ、書き始めたら止まらなくなるほど、不快な点が多かった。

 もう一人ヒロイン西岡理子(稲森いずみ)について
 亜紀の奔放な振る舞いに振り回され、時には反目しつつも、彼女をフォローするというよくある立ち位置らしい。

 今回、まず、POPの功罪を教えた。
「同じ本を同じ人が読んでも、その時期や年齢によって感じ方も違うし、作者の思いも尊重し、良く考えなければならない」
 という教えは納得のいくものだったが、作者の苦情を受けてからというのは、副店長として理子の落ち度であると言えよう。

 そして、今回、最もがっかりしたこと
「アリーのサイン会」企画での、亜紀の自分勝手な暴走をたしなめた際
「副店長は誰の為に仕事をしているんですか?お客様の為じゃないんですか?
 どうして書店員の顔色ばかり窺うんですか?
 みんなだって、お客様の為に頑張ればいいじゃないですか?
 私はその気持ち、忘れたくはありません」

と、亜紀に言いたいことだけ言われて沈黙してしまったこと

 もともと、亜紀も、売り上げアップのための企画で提案したはず。
 「お客様の為」よりも「売り上げの為」だった
 POPの件はともかく、お客様目線には全く立っていなかったし、「企画を絶対成功させたいんです」と言い切っていた。
 「誰の為に仕事をするのか」なんて問い掛けは、典型的な理論のすり替えで、それにやり込められてしまった理子のだらしなさにも、フラストレーションを感じた。そもそも、書店員をする理由なんて、人それぞれであろう。
 副店長はスタッフをうまく使うことが仕事なのだから、顔色を窺うのは当然である。

 その直前の
「私間違ったことしていますか?」という問いに
「間違ってはないわ」と答えてしまったことも、不満。
 こういうタイプには“やり方が間違っている”と言ってやらないと。


 さらに、ストレスを大きくさせるのは、店長の八方美人振り。
 こんな台風娘の部下と八方美人の上司では堪らない。


 あと、仕事内容が違うからと言って、ドタキャンしようとする売れっ子タレントも業界人としてはあり得ないのではないか?


 非常に忍耐力を消費した初回だった。
 そう言えば、『空飛ぶ広報室』や『ダンダリン 労働基準監督官』も、初回、第2話あたりまで、ヒロインにストレスが溜まりっぱなしだった。なので、あと1回だけ視聴してみることにする。



【ストーリー】番組サイトより
 西岡理子(稲森いずみ)が副店長を務めるペガサス書房の吉祥寺店に、北村亜紀(渡辺麻友)と三田孝彦(千葉雄大)が異動してきた。
 本をこよなく愛し、相手が誰であろうとハッキリ意見を述べる、物怖じしない性格の亜紀は、初出勤当日、希望していた児童書担当に配属されなかったことで、早速、理子に猛抗議。元部下である三田が戻ってきたことを歓迎する一方、そんな亜紀の態度に理子は面食らう。

 コミック担当になった亜紀のもとに、出版社の営業担当・柴田(長谷川朝晴)が小幡(大東駿介)を連れてやってくる。実は密かに柴田と付き合っている理子は、最近多忙な柴田となかなか会えず、不安な気持ちになっていた矢先だった。
 柴田から「大事な話がある」と言われ、ついにプロポーズ!? と浮足立つ理子は、行きつけの店で、同僚の志保(濱田マリ)に柴田のことを相談。たまたま隣に座った初対面の田代(田辺誠一)から「プロポーズ、されるといいですね」と言われ、酔っぱらっていた理子はつい絡んでしまう。

 そんなある日、亜紀は来店客の言葉をヒントに、POPを使ってもっと本をアピールすべきだと訴える。それに対し、勧めることよりもお客様自身に選んでもらうことが大切なので、なるべくPOPを置かないのが店の方針だと反対する理子。
 結局、店長の野島(木下ほうか)が亜紀を特別扱いし、コミック売り場には手書きPOPが並ぶものの、これがトラブルに発展、理子からいさめられた亜紀は悔し涙を流すことに…。

 翌日、失敗を挽回しようとした亜紀が、私小説を出版する人気オネエタレントのアリー(橋本じゅん)を呼んでイベントをやろうと言い出した。準備期間はわずか数日だというのに、コネをフルに使ってスケジュールを押さえ、強引にイベントを進める亜紀。
 書店員たちから不満の声が次々とあがるなか、さらに亜紀は、イベント前日のシフトを午後出勤に変えてほしいと突然申し出る。翌朝、福岡にいるという亜紀から「出勤できなくなった」と店に連絡が入る。理子は憤るスタッフをなだめ、皆で深夜まで準備に明け暮れる。

 しかし、迎えたイベント当日、店にやって来たアリーは「客と握手するなんて聞いてない!中止して!」と言い出す。
 何とかイベントを成功させたい亜紀とアリーの間に一触即発のムードが漂うなか、現れた理子はアリーを会場へと連れて行き、何枚もの写真で構成されたパネルを見せる。
 それは、亜紀がアリーの故郷・福岡で撮影し、徹夜で作り上げたものだった。亜紀の熱意に感動したアリーは予定通りイベントを開催することを承諾。大成功に終わる。

 その晩、久しぶりに柴田との食事を楽しんだ理子は、プロポーズの言葉を今か今かと待ちわびていた。しかし、柴田の口から告げられたのは「別れて欲しい」という思いもよらない言葉。聞けば、二股をかけていた女性が妊娠したため、責任を取って結婚するという。その場に一人残され放心する理子だったが、ふと我に返り柴田の後を追いかけると、その隣には女性の姿が。しかも、よくよく見ると、何とそれは亜紀で――!?

原作:碧野圭『書店ガール』シリーズ(PHP文芸文庫)
脚本:渡辺千穂
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電王戦……スポーツマンシップ、棋士のプライド……ルール内であれば“正々堂々”と言えるのか? 【2】

2015-04-16 21:38:30 | 将棋
 前回は、ルール範囲内、あるいは、ハッキリ禁止されていない範囲(いわゆる“マナー”問題)での勝利優先と考えられる行為について考察しました。
 今回は、若干横道に逸れる気がしますが、“反則周辺のテクニック”について考察します。

 (申し訳ありません。将棋とは全く重ならない話になってしまいました)

Ⅱ.反則周辺のテクニック
 前回は『「ルール内」ということ』だったので、今回は「ルール外」=「反則」ということになるが、反則にもいろいろ種類がある。
①バイオレーション
 「バイオレーション」はバスケットボールの用語で、トラベリングやダブルドリブルやオーバータイムなど技術的ミスによる反則ですがが、概念を表す言葉として都合がいいので、代表して使用します。
 バレーボールならダブルコンタクト(ドリブル)、ロングコンタクト(ホールディング)、タッチネットなど、サッカーならオフサイド、ラグビーならノックオン、スローフォワードがこれに当たる。
 これらは、意図的ではなく、技術的やうっかりミスに起因するもので、戦術や戦略にはほぼ無関係なので、今回の議論とはほぼ無関係なのだが、“反則周辺のテクニック”に若干関係がある。

②ファウル
 バスケットボールでは、相手のプレーを阻害する肉体的接触行為を言う(バスケットボールは基本的に体の接触は禁じられているが、過度にならないポジションの取り合いや壁のように移動しないで相手の進路を妨害すること(スクリーン)などは認められている)プッシング、ホールディング(相手の体をつかむ)などがこれに当たる。
 バレーボールはネットで区切られているので接触プレーはなく、ここで定義しているファウルはないと思われる。
 サッカーにおいては、過度なスライディングタックルや、ボールではなく相手選手に働きかける阻害行為(トリッピング、キッキング、プッシング、ホールディング)が該当する。

 このファールは偶発的に起こる場合もあるが、意図したより程度が強くなってしまう場合や故意の場合など、総じて意図的にアクションを起こすモノが多い。
 どのケースでも、多発するとゲームが成り立たないし、重篤な怪我にもつながることもあり、ファウルはない方が良い。

 ただ、戦術的なファウルも存在する。例えば、バスケットボールでは終盤にファウルして相手のフリースローのミスを期待することがある。相手のオフェンスで残り時間が減るのを避ける意味もある。強力な攻撃力を持つがフリースローが苦手なシャキール・オニールに意図的にファウルをした『ハック・ア・シャック 』が有名(もともと、マーベリックスのドン・ネルソンHCがシカゴ・ブルズに用いた戦術)。
 また、ダンクシュートを決められて相手チームの士気が上がるのを避けるために、強引に相手選手を抱えて制止させる場合もある。(アマチュアの試合では、露骨にこのプレーを行うとアン・スポーツマン・ライク・ファウルを取られる)

 同じ戦術的ファウルでも、ダーティーなファウルも存在する。
 相手の主力プレイヤーにわざとファウルをして精神的な乱れを誘う。さらに、多少痛める(負傷させる)ことが目的でファウルを犯す悪質な場合もある。
 これで思い出すのは、昨年のワールドカップサッカーで、ブラジルのエース・ネイマールが相手チームから過度なタックル(膝蹴り)を受け、第3脊椎を骨折したこと。
 選手生命を脅かすほど、あるいは、試合続行不能の負傷を追わせる意図はなかったと思いたいが、とにかく、痛めつけるのが目的としか思えないプレーであった。

③審判を欺くテクニック
 これには、審判の死角を利用するなどの「反則を犯しているのにそう思わせないテクニック」とオーバーアクションなどで「相手が反則を犯したと思わせるテクニック」がある。
 前者はNBAのジョンストックトンが定評があった(Wリーグの矢野良子選手も上手いと私は思っている)。
 後者もバスケットボールでよく使用される。ただ、この場合はダーティーと言うより、オフェンスとディフェンスとではオフェンス寄りのジャッジがされるバスケットボールにおいては、ディフェンス側の正当なテクニックのように思える。それに、バスケットの場合、そのほとんどがディフェンス側はある程度押されており、それをアピールしているだけで、審判を欺いているわけではない。
 サッカーの場合はバスケットと異なり、オフェンス側が倒れた場合、それが完全にジェスチャーだと判断されれば、「シミュレーション」(反則)を取られ、イエローカードを出される(レッドカードだったかも)。
 バレーボールや野球においても、反則には拘わらないが、これに類する行為はある。
 「ボールに触れているのに素知らぬ顔をする」(バレーボール)、「タッチしていないのにタッチした振りをする」(野球)などがそうである。

④不正行為
・ドーピング
 薬物による肉体改造(興奮剤などで精神に作用する行為も含む)
・不正投球
 ボールに傷をつけたり、唾液をつけたりして、変化球を投げること
・規制外の道具の使用
 卓球のラケットの規定外のラバー、スキーのジャンプで過剰浮力を受けるスーツ、身長によって規定された長さを超えるスキー板

 もっと大規模な不正行為もある。地元選手が有利になるような室内の空気調整が最近では有名。メジャーリーグのビジターのブルペンのマウンドの高さが、実際のマウンドの高さと微妙に異なるという噂もある。

 バスケットボールの戦術的ファウルを除いて、ファウルや不正行為はない方がよい。また、審判を欺くテクニックも頻発すると、競技(ゲーム)の面白さを損なってしまう。
【続く】
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ご近所の枝垂れ桜 (4月11日、12日撮影)

2015-04-15 15:30:24 | 歳時

 ご近所の枝垂桜です。
 自宅からほぼ200mですが、その存在を知りませんでした。

 視界を遮っていた建物が解体されたのと、たぶんライトアップを今年から始めたので、気づいたのでしょう。
 隣の町内なので、近辺を歩くことはありませんでした。いえ、いちごとの散歩で1、2度見ているかもしれませんが、春以外は桜に気を留めない“偽風流人”です。こんな見事な桜が咲いていたのですね。


 私は植物をライトアップするのは、植物の生活リズムを阻害すると思い、賛同しないのですが、実際にこの姿を見ると感動してしまいました。


 昼の姿も観たかったので、翌日もお邪魔しました。



 枝をアップで撮ってみました。

 ………見事に、鉄塔と被ってしまっています。
 “余計なものは見えない”という人間の目の優秀さが実証されました(笑)

 再びチャレンジです。


 今年はあまり撮れないかもと言いつつ、けっこう撮りました。(それでも昨年の3分の1程度ですが。昨年が張り切り過ぎ)
 現在は、ほとんどが散ってしまっていますが、ほんのりピンクがかった桜も綺麗で、撮りたくなってしまいますね。

 今年の桜紀行もこれで終わりです。
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近辺の桜 (4月10日撮影)

2015-04-15 11:42:20 | 歳時
 中学校工業高校の他にも、近辺には素敵な桜がたくさんあります。



 幹線道路でなく、住宅地の一角にあるのですが、以前から気になって(眼をつけて)いました。
 今回、雨降りでしたが、散る間際でしたので、立ち寄って3枚撮りました。

 雨雲が厚くて薄暗かったのが残念です。

 ちなみに、冒頭の写真とこの3枚目(最後の)写真は同じものです。
 オリジナルサイズの方がクリックしなくても大きくアップされますが、リンク付きサムネイルの方がクリックしてオリジナルより大きく表示され、さらにもう一度クリックするともっと拡大したものが表示されます。なので、最近はオリジナルサイズででアップした写真も、リンク付きサムネイルでアップするようにしています。
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吉野瀬川の桜 2015 (4月9日撮影)

2015-04-14 16:48:40 | 歳時
吉野瀬川(太田橋付近)の桜(4月9日撮影)
2011年2012年2014年に続いての登場です。


 まず、橋の上から。
 上流側は歩道付きなのですが、下流側は車道しかないのでどうしてもガードレールが入ってしまいます。


 トリミングをして無理やりガードレールを除きましょう。


 こんな感じの小さな橋で、長さも20m足らずです。

 歩道(上流側)は向こう側です。

 川面近くに降りてみましょう。
 こちらが上流側です。


 下流側です。


 いい気分で撮りまくりました。





 最後に堤防の駐車場側からも1枚。
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電王戦……スポーツマンシップ、棋士のプライド……ルール内であれば“正々堂々”と言えるのか? 【1】

2015-04-13 20:07:33 | 将棋
まず、下記の文章から……
 これは、『糸谷竜王の離席問題に関して、いろいろ、いろいろ……』というタイトルで、2月下旬に書き始めて中断してしまった文章です。

==========================================
 このテーマについて書き始めると収拾がつかなくなるような気がして、書くのを躊躇っていました。
 対局中に席を離れることは禁止されていません。用を足しに行く場合もありますし、気分転換で盤を離れることも許されています。
 もちろん、席を離れて他人に助言を求めたり、PC機器や棋書などを用いるカンニング行為は許されません(と言っても、明文化はされていないようです。詳しくは「『週刊将棋』驚きの記事」にて)。

 この「離席問題」の根底にある疑問……「よりよいコンディションで思考するための行為はどこまで許されるか?」が、ここ数か月の私の頭の片隅で浮遊していた。
 と、その前に、もっと大きな命題を考えてしまうのが私の悪い癖。その大きな命題とは「勝つためには何をしても良いのか?」である。

 このテーマについては、一度は思索したことがある方が多いのではないだろうか。
 ……「相撲の張り手」「ドーピング」「シミュレーション(サッカー)」「卓球の雄叫び」など、いろいろな事象が浮かぶ。その中でも「甲子園 ~勝利至上主義~」の件は、当時、社会問題にもなった。
 今回は、まず「反則にまつわる考察」から考えていくが、反則(ルール)という点から考えると、松井選手への敬遠は全くクリーンで問題はないが、つい思い浮かべてしまう出来事だった(以前の記事で、クタクタになるほど考えたので、今回は触れることはほとんどないと思います)。
==========================================


 一度書き始めてあっさり放り投げてしまったのですが、今回の電王戦の事件によって、上記のような諸々のケース、さらに、今回タイトルに挙げた「スポーツマンシップ」、「棋士のプライド」、「ルール内」、「正々堂々」などの概念が、私の頭の中でぐるぐる彷徨うという困った状況になってしまいました。
 そこで、全然、整理できていないのですが、とにかく、少しでもモヤモヤしたものを取り払うため、思いついたことから書き始めることにしました。もともと、まとまりのない私の文章ですが、今回さらに読み難いものになると予想されますが、どうかご了解ください。


Ⅰ.「ルール内」ということ
①松井選手に対する4打席連続敬遠

 「ルール内」と言えば、やはり頭に浮かぶのは、「明徳義塾の松井(星稜)に対して4打席連続敬遠策」である。
 論点は、「徹底した勝利至上主義」対「ルール内で戦う正当な戦術」となる(「勝利至上主義」という言葉が適正かどうかは今回は問題にしないでください)。
 私は2012年8月に「甲子園 ~勝利至上主義~」で、かなり批判的に書いている。しかし、その後、スポーツや将棋において、そういった思想に関係する出来事に遭遇し思考を重ねた結果、ほんの少し容認寄りになっている。
 その理由は「野球が“チーム対チーム”の戦い」であること。松井を敬遠することで星稜の攻撃力を押さえた明徳義塾のチームとしての戦術を採った。「戦術面を含めた明徳義塾のチーム力」>「松井を擁した星稜高校のチーム力」の結果、明徳義塾が勝利したと言える。
 とは言え、両チームの選手の心に負ったモノを考えると、「そこまで勝利にこだわっていいものなのか?」という批判は心に持っている。
 話が脱線するが、一昔前の選手宣誓は「スポーツマンシップに則り、正々堂々と戦うことを誓います」が決まり文句だった。まあ、これは儀式的なもので、「スポーツマンシップ」や「正々堂々」を誓うというより、「よ~し、これから戦うぞ!」という気分盛り上げみたいな意義が強いと思う。この松井敬遠の時の選手宣誓がどのようなものだったかは不明だが、明徳義塾の馬淵監督に「スポーツマンシップに則り、正々堂々と戦ったのか?」と問えば、「スポーツマンシップに則り、正々堂々と戦った」と答えるであろう。

 で、容認寄りになった理由がもう一つある。
 それは「アマチュアだからいいんじゃない?(許される)」ということ。(これについては後述

②相撲の張り手
 相撲は「相手を土俵の外に出す」か「足の裏以外を土俵につける」ことで勝利を得るスポーツ(格闘技)である。「土俵の外に出す」ために「寄る」「押す」「突く(突っ張る)」「吊る」、「土俵に体をつける」ために「投げる」「引く」「足を掛ける」のである。
 では、「張り手」はどうなのだろう?「張り手」は、「相手の出鼻をくじく」のが目的でボクシングのパンチのように「ダメージを与えて倒す」ものではない。張り手が偶発的にまともに入って、相手の意識がなくなり、土俵に崩れ落ちることはある。
 これに類する技として、「猫だまし(立ち合い直後、相手の目の前でパチンと拍手する)」、「のど輪」、「いなし」がある。これらは、相手の気を削いだり、体勢を崩すなどして、優位を築くというものである。
 しかし、最近の張り手は、相手にダメージを与える威力のあるモノ。手のひらで叩くという違いだけで、ボクシングのフックとほとんど変わりはない。そもそも、ボクシングのようにガードしたりスウェーしたりして相手のパンチをかわす格闘技ではない。立ち合い時など、頭からぶつかるので、ほぼ無防備。しかも、自らぶつかりに行くのでカウンターとなり威力は倍増。意識が飛んだり、平衡感覚がおかしくしても不思議ではない。「出鼻をくじく」というより、肉体的にもダメージを与えるのが目的と言ってよい。そのうえほぼ無防備なので、“手っ取り早く優位に立てる技”なのである。
 そんな張り手を、第一人者である横綱が多用する。特に、日馬富士は二次攻撃でも乱用する。しかも、最初の攻めが受け止められて、焦って、あるいは、怒って、張り手(パンチ)を何度も繰り出すのである。(もともと、星勘定が苦しくなると、安易に変化技を使う横綱の品位に欠ける力士である)
 力と力の激突が相撲の醍醐味であるが、第一人者自らがその醍醐味を損なう“手っ取り早い二次的技”を繰り出していいのだろうか?(白鳳には自重しようという意識は見られる)

③卓球の雄叫び
 女子のM選手の奇声、男子のJ選手の雄叫びはどうなのだろう。
 卓球のルールでは
「わざと大きな音を立てる事」
「相手選手を威嚇、挑発するような大声やガッツポーズ」
「不快感を与えるほどの大声で叫ぶこと」
などは禁止
されている。
 しかし、「自分を鼓舞する為に声を発する」「会心のプレーで思わず声やガッツポーズが出る」という解釈も成り立ち、違反行為の線引きが難しい(大声を出すことは、能力を十分に発揮するために有効な手段であると考えられている)。
 M選手の場合、1プレーごとに5回くらい繰り返しており、限度を超えているし、「意識的行為」と取られても仕方がない。J選手もかなりのオーバーアクションで、声も大きく、やはり、≪意図的ではないか≫と勘ぐりたくなるほどであった。私は不快以上のモノを感じたが、文句を言わない対戦相手は偉いと思った。
 卓球には、先に挙げた禁止行為の規定があるのだから、審判がイエローカード(レッドカード)を出すべきであろう。

 そもそも、禁止規定がなくても、相手プレーヤーを思いやって奇声や雄叫びは慎むべきであろう。
 少年相撲大会(中学生大会か小学生大会かは失念した)で、勝った選手が喜びのあまりガッツポーズを取ってしまい、「敗者を思いやる精神がない」と審判から注意を受けていたことがあった。なかなか、よい指導であったが、マイクを使ってのアナウンスはちょっと思いやりがないのではないだろうか。

 さて、ここで、問題に感じるのは、威嚇や大声に関する規定がない競技の場合である。
 その競技に大声・奇声の規定がなければ、奇声や大声を頻繁に発して、自分のパフォーマンスを高めるのは、正当で有効な手段となる。
 雄叫びを咎める規定がない場合、自分も負けずに雄叫びを上げるのが手っ取り早い対抗法だが、そうなると、試合そのものは品がないものとなるだろう。

 で、なぜ、わざわざ、そういった規定がない場合の合法的パフォーマンス発揮法を仮定したかというと、「糸谷竜王の離席問題」が頭に浮かんだからである。
 先の引用文(自分の文章だが)でも書いたように、盤から離れること自体は問題はない。しかし、糸谷竜王はその回数が多く、延べ時間が長いのである。その端的な例が昼食休憩の5分前に退席し帝国に戻ってこず昼食休憩になってしまったこと。定刻少し過ぎてから戻ってきたが、森内竜王(当時)がすれ違うように退席していた。その際、糸谷挑戦者が声を掛けるのは可能であったが、無言のままだった(声を掛けそびれた可能性もある)。
 また、離席とは違うが、自分の着手の時に歪めてしまった駒を放置し続けたこともあった。

 ≪対局相手に失礼ではないか?≫と思われるくらいの離席回数だが、ルール上は問題はない。糸谷竜王にしてみれば、将棋は盤上で争うもので、相手の前で座っているより、席を離れて考えた方が疲れもしないし足がしびれることもない。より深く考えることができるという考え方なのであろう。
 しかし、“非礼”だと感じる相手にしてみれば、相当なストレスで、しかも竜王位のタイトル戦は持ち時間8時間の2日に渡る長丁場なのである。“盤上の勝負”と割り切っている糸谷挑戦者だったが、図らずも強烈な盤外戦術となってしまったのだ。

 この離席問題と雄叫び問題はよく似ている。自分のパフォーマンスをより発揮するための行為が、相手を苛立たせる。しかも、ルール違反ではなく(卓球の場合は微妙)、マナーの問題。
 両対局者(選手)がベストの状態で最高の将棋(試合)を繰り広げるのが理想であるが、勝利優先で考えれば自分のパフォーマンス発揮が優先で、対戦相手のことなどお構いなし。
意図的ではないが、相手の調子が崩れれば儲けものなのだろう。


 勝利によって得られるものは大きい。特にオリンピックのメダルともなれば、それによって得られるものは計り知れない。(実際は人気競技かどうかで、メダルの効果は大きく違うらしい)
 実際、電王戦の第5局の阿久津八段の勝利について、NHKの午後のニュースでは速報的にプロ棋士がコンピュータソフトを破ったことを伝え、夜7時のニュースでは映像つきで報じていた。共に、勝った手法には触れず、手数と対局時間と阿久津八段の勝利、棋士が勝ち越したという事実のみを報じていた。
 こういうのを見ると、やはり「勝ったという事実」は非常に大きなものだと感じる。

 しかし、私は両対局者(両選手)が最高のパフォーマンスを発揮し、最高の試合を観たい。私は我儘なのである。
【続く】
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中学校の桜 (4月9日撮影)

2015-04-11 15:51:51 | 歳時


 近くの中学校の写真です。(昨年の「工業高校の桜(4月9日撮影)」の最後の方で登場しています)
 昨年は、この桜の方が開花(散る)のが早かったのですが、今年は工業高校の桜の方が2日ほど早く満開になりました。


 どの枝を撮ったらいいのか迷う程、満開でした。







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日野川堤防の菜の花

2015-04-10 22:26:59 | 歳時

「椿、小彼岸桜、菜の花、そして…いちご 【4月2日撮影】」に登場した菜の花です。

 この図で言うと、⑧です。

 4月2日は、まだ咲き始めという趣でしたが、かなり咲き揃っていました。



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生命力 (4月9日撮影)

2015-04-10 22:09:52 | 歳時


 前記事の標本木より少し南方で咲いている桜です。
 少しわかりにくいと思いますが、枝が下方に垂れたようになっています。

 こちらは、もう少しズームで撮ったものです。

 何本も折れているのですが、それでもたくさんの花を咲かしています。

 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」と言われ、直接の意味は桜は枝を切るとそこから腐りやすくなるので切らないほうがよく、梅は枝を切らないとむだな枝がついてしまうので切ったほうがよい」で、「同じ対応をしても、相手によって全然違う結果が生まれる」という教訓だそうです。
 教訓はともかく、そんな枝が折れることに弱い桜ですが、逆境に負けずにこれだけ花を咲かせていることに、勇気づけられました。(その内、前記事の標本木のように剪定されると思いますが)
 そんなわけで、たくさん写真を撮りました。

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日野川堤防の桜 2015 (4月9日撮影)

2015-04-10 21:31:42 | 歳時
 いつもの桜(日野川堤防)です。
 桜がほぼ満開(4月4日ごろ)になってから、季節が逆行したかのような寒さになったせいか、散らずに咲いてくれています。しかも、久々の晴天だったので撮ってしまいました。




 いつもの標本木です。
 残念ながら、強風で折れてしまったのか、剪定されていました。

 虫か病気のせいかもしれません。枝を剪定したというより、幹を切断されたというレベルです。残った部分は元気に花を咲かしてくれていたので良かったです。

 下の写真は、昨年の状態です。(右は今年の写真)


 もう少しだけ、歩いてみました。

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