英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

梅雨明けについて

2016-07-19 14:56:36 | 気象
18日昼前、気象庁は、九州南部・北部、四国、中国、近畿、東海が梅雨明けしたとみられると発表しました。

 北陸地方の梅雨明けは、まだのようです。
 福井県はまずまずの天気なのですが、北陸地方は南北に長いので、梅雨明けの判断は難しく、慎重になります。
 ただ、アメダスの日照データを見る限り、新潟県も晴れており、気圧配置も新潟県に雨が降る要素も見当たらないので、梅雨明けが発表されると思います(最近は“宣言”とは言わず、「梅雨明けしたとみられる」と遠慮がち)。

 梅雨明けには、いくつかのパターンがあります。

1.順当型
 太平洋高気圧が充当に勢力を強め、梅雨前線を押し上げる。太平洋高気圧がどっしりと日本を覆うので、安定した夏空が続く。
 “梅雨明け十日”という言葉があるが、梅雨明け後しばらく(約10日間)は、大気の状態も安定し、良く晴れ、積乱雲も発達せず、夕立(にわか雨)も生じない。

 このパターンの場合でも、太平洋高気圧の発達が十分でないと、梅雨前線が北陸や東北地方に留まり、東北・北陸の梅雨明けは遅くなります(大雨の心配も)。
 また、太平洋高気圧の発達が1次的で、梅雨前線が南下して来たり、復活することもある。


2.梅雨前線消滅型
 太平洋高気圧の発達が不完全で、日本列島付近に梅雨前線が存在し続けるが、そのうち、北の大気状態(高気圧)と南の大気状態(高気圧)の差がなくなり、境目(前線)がはっきりしなくなる。
 太平洋高気圧の発達が弱いので、4、5日で前線が復活することも多い。また、高気圧圏内で晴天であっても、大気の状態が不安定なので、にわか雨(ゲリラ豪雨)も起こりやすい。


3.台風牽引型
 太平洋高気圧の発達が十分でなく、梅雨前線を押し上げないのは、“タイプ2”と同じだが、台風が通過する際、梅雨前線も引っ張られて北上する。
 それと同時に、台風が南の空気を引っ張ってくるので、その影響で太平洋高気圧が強くなり、夏空が広がる。
 しかし、順当に太平洋高気圧が強くなったのではないので、長続きしないことが多い。また、晴れても安定した大気状態ではないのも“タイプ2”と同じで、ゲリラ豪雨の発生率が高い。


4.オホーツク高気圧型
 太平洋高気圧が発達せず、オホーツク高気圧が発達する。梅雨前線は太平洋沖に留まり、北上しない。
 そのうち、オホーツク高気圧が徐々に南下し、太平洋高気圧化し夏型の気圧配置となり、梅雨が明ける(梅雨前線ははるか南方に南下するか、消滅)。
 梅雨明け前から晴天が続き、その後もしばらく晴天が続く。もともと、涼しい空気団で、高気圧の軸も北よりなので、猛暑にはならない。水蒸気も少ないので、にわか雨も少ない。
 ただ、本当の太平洋高気圧ではないので、徐々に衰退し、その後は、不安定な天気が続く。


 さて、今年の梅雨明けは“タイプ2”のようだ。
 今のところ、中国大陸生まれの高気圧に北陸以北は覆われるので新潟県も天気は良さそうだ。しかし、北陸・東北の晴天はここ数日だけかも。
 関東地方も高気圧の芯からずれてくるので、今後はスッキリしない天気のようだ。
 高気圧の勢力圏にある西日本は夏空が続きそう。
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【歳時メモ】 待宵草、朝顔、梅雨明け

2016-07-19 13:57:10 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 18日昼前、気象庁は「九州南部・北部、四国、中国、近畿、東海が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。
 北陸の梅雨明けはまだのようです。(福井は晴れ模様なのですが)

 待宵草は、1週間ほど前から咲き始めました。
 朝顔も、ちらほら。
 稲の緑色は、今が一番、鮮やかなように感じます。

 今年は、ヒメジョオン、フランスギク、オオキンケイギクがいつもの年より目立たなかったような気がします(もちろん、あちこちで見かけました。“例年より”という意味です)。
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女流3題 「その3」

2016-07-18 12:06:19 | 将棋
「その1」「その2」 の続きです。
(本記事の図面で対局者が「先手」「後手」と表示されていますが、先手は今井奨励会6級、後手は山根女流初段です)

2題目(2局目)
第6期リコー杯女流王座戦二次予選
★今井絢奨励会6級 対 山根ことみ女流初段

 昭和の香りがする居飛車対振り飛車の図。
 先手の今井奨励会6級が▲8七銀と銀冠に組み替えを図ったところ。
 銀冠は強固な囲いだが、この銀を上がった瞬間が金銀3枚がバラバラになり、仕掛けられるのを警戒しなければならない(振飛車側の組み替えも同様)。
 今井奨励会6級は手慣れた戦型なのか、直前の▲8六歩までは考えても2分で通計16分の考慮時間(チェスクロック使用)。そして、この▲8七銀も2分の考慮だった。
 しかし、後手が4四銀型で先手は角が3七にいる状態なので、この瞬間、△3五歩と仕掛けられる危険が大きい。それを2分の考慮で指すとは、よほど経験がある戦型なのか、迂闊なのか……


 山根女流初段は6分半の考慮で△3五歩と仕掛ける。

【以下、中継サイトの解説を引用】=======
6分半以上考えて、△3五歩と仕掛けた。

※局後の感想※
ここで△3五歩が機敏な仕掛けで、山根がペースを握った。対して本譜の▲3五同歩に代えて▲2六飛は、次に▲3五歩と取れるわけではなく後手ペース。山根はここで▲3八飛を本命視しており、以下△3二飛▲7八金△2二角▲2六角△3六歩▲2四歩△同歩▲2八飛△3四飛▲4六歩は、後手に不満はないものの、勝負としてはまだまだの戦いだった。
=========【引用終わり】

 “機敏な仕掛け”と言うより“当然の仕掛け”
 しかし、それで決定的に形勢が離れるという訳ではなく、引用した解説通り、“まだまだの戦い”が続くはずだった。
 ただ、△3五歩に対して、取りあえず▲7八金と締まりたい。△3六歩と取りこまれるが▲2六角で意外と難しい。先手から次に▲3八飛として3六に歩を取り返す手段があり、これがすんなり実現できれば先手が良くなる。
 △2四歩には▲同歩で大丈夫そう。△2二角と引いて△3二飛を用意する手や、△5五歩と戦線拡大する手が有力で、後手ペースになりそうだが、互角に近い戦いが望める。
 ところが……


 7分の考慮で▲3五同歩
 銀冠が完成していても▲3五同歩とは取りにくいはずだが、たった7分の考慮で戦える見通しを立てたのだろうか?

【引用】========
対して7分以上考えて▲3五同歩と応じる。代えて▲2六飛と浮いて銀を進出させない順も、考えられるところだった。

※局後の感想※
この▲3五同歩が躓きの始まり。このあと今井に大きな見落としがあった。
========【引用終わり】


 見落としがあったというが、▲3五同歩と取って△3五銀と進出させる感覚に、大きな疑問を感じる。

 さらに、1分の考慮で▲6五歩
【引用】========
「この手を突いた瞬間に△6五同桂があることに気づきました」(今井)
期待の反撃だったが、△6五同桂と応じられ、傷口を広げる結果となった。
========【引用終わり】




 ここまで通計で26分の考慮。持時間は3時間あり、少なくとも3度は腰を落ち着けて熟考すべき個所があったというのに。
 成立の可能性はあるものの不用意な▲8七銀(2分)。
 将棋の筋としてはあり得ない▲3五同歩(7分)。
 完全な見落としの▲6五歩(1分)。


 第6図以下▲6八飛(9分、悪手)△4六歩▲同歩△3六歩▲2八角△7七桂成▲同金△同角成▲同玉△6五桂(第7図)。

 △6五桂は11時39分の着手。
 このまま昼食休憩に入ったが、今井奨励会6級は食事はまずかっただろう。
 以後は24手指し継がれたが、指してみただけの手順。

「その4」
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『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』 第1話「殺人者への探求心…危ないヒロイン誕生」

2016-07-14 21:33:20 | ドラマ・映画
最近の刑事ドラマは、主人公が異常との境界線にいることが多い。
犯罪現場を前にしたり、犯人と対峙したシーンでの主人公の心理描写が鬱陶しかったり、あっち側(犯罪者側)に行ってしまわないか心配したりとか、疲れてしまう。

(「だったら観なければよい」という突っ込みは、ナシね)


★今回のヒロイン・藤堂比奈子(波瑠)、その特質は?
1.どんなものにも七味唐辛子(長野権産)を掛けて食べる。
2.犯罪(特に異常犯罪)に興味を示す。「興味深い」と呟き、嬉しそうに観察・考察する。
  怒りや悲しみという感情より、興味が占有する。
  「そう、その顔が見たかったの。あなたの人殺しのスイッチが入る瞬間が」という台詞が、決まり文句らしい。

3.過去の犯罪データを暗記している。暗記方法はイラストを描く。
4.起床後に「スイッチオン」、就寝前に「スイッチオフ」と呟く。その様子はアンドロイド。
5.飴玉を口に詰め込まれ斬殺された少女と何らかの関わりがあるらしい。

 2の比奈子の異常な?性格は、原作と異なるようだ(原作を読んだことがある娘からの情報)。
 原作は、かなり普通で“可愛らしい女の子”のイメージで、現場検証でも遺体を見て吐いたらしい。
 原作と多少の設定変更は仕方がないかもしれないが、主人公の性格を変えてしまうのは、如何なものだろうか!


 七味唐辛子好きの件は、ヒロインの本質に深い関係があるらしい(by娘の情報)。
 犯罪データを暗記しているという主人公の特技は、ストーリー展開上、便利過ぎるのでやめてほしい(原作がそうなので仕方がないが、本来、過去の事件と現在の事件の関連を発見するのが難しく、それが脚本の見せ所だと考える)

★東海林刑事(横山裕)について
 5年前、犯罪に遭い非業の死を遂げた家族がいるらしい(父母妹)。
 犯罪を憎み、犯罪者に嫌悪感を持つ。犯罪を興味本位で扱う比奈子に苛立ちを感じる。
 犯人逮捕が最優先(腕の良い情報屋も抱えている)。

 原作では出番が少なく。性格も改変してあるらしい。


 第1話のクライマックスで、犯人を追及し「そう、その顔が見たかったの」という台詞を吐く。
 その後も、精神的に追い詰め、犯人の殺人衝動を煽ったが、東海林が現れ、彼女の思惑は中断されてしまう(犯人逮捕)。
 彼女は何をしたかったのだろうか?(何を見たかったのだろうか?)

 二度書きになるが、主人公は普通の性格にして欲しかった。

【その他の感想】
・東海林の情報屋が有能過ぎ。もう少し、自分で捜査しろよ。煙草を介した“間接キス”が気になる。
・鑑識の三木(斉藤慎二)が、『相棒』の米沢さんとかぶる。「~ですな」という話し方は、完全に意識している。
 三木(みき)は女性名の美樹や美紀などを連想するので、別の名字にして欲しい。(“みき”という女性に、私が深い思い入れがあるわけではありません)


【ストーリー】番組サイトより
 藤堂比奈子(波瑠)は警視庁捜査一課の新人刑事。母親の形見である七味缶を持ち歩き、あらゆるものに振りかけるので、周囲からは変わり者扱いされている。

 ある日、捜査一課に宮原秋雄(清水優)という男が遺体で発見されたと連絡が入る。名前を聞いた比奈子は即座に、男に強制わいせつ容疑など過去3度の検挙歴があると報告。上司の厚田巌夫(渡部篤郎)は驚くが、実は、比奈子の頭の中には過去10年に都内で発生した未解決事件と性犯罪の容疑者リストがすべて入っているのだ。
 驚異的な記憶力を買われ、先輩刑事の東海林泰久(横山裕)や倉島敬一郎(要潤)と初めて現場を訪れた比奈子。そこには下半身を切り刻まれた無残な遺体が横たわり、その状況は3年前に起きた女子高生殺害事件とそっくり。しかも宮原は、当時、事件の容疑者として警察がマークしていた人物だった。また、現場にあった宮原のスマートフォンには、宮原が何者かに襲撃されていると思われる凄惨な映像が残されていた。

 後日、過去に宮原に襲われた被害者に聞き込みをしていた比奈子は、とある家で心療内科医の中島保(林遣都)に出くわす。さらに、その家に住んでいた被害者の宇田川早苗(柏原優美)は結婚が決まっていたにも関わらず3か月前に自 殺、原因は宮原による嫌がらせだったことが分かる。
 同じ頃、遺体の解剖結果も明らかになる。監察医の石上妙子(原田美枝子)によると、見立て通り、宮原の傷は3年前の女子高生の遺体とすべて一致。しかし、それらは宮原本人が自らつけたものだという。つまり、宮原の死は自 殺ということになるが、厚田はどうも腑に落ちない。そんななか、例の宮原の死に際の映像がネット上に流出していることが判明。どうやら、宮原のスマートフォンには、録画映像が投稿サイトに自動送信されるよう、違法なアプリが入っていたらしい。するとその矢先、今度は公園で女性の他殺体が発見される。しかも被害者は、比奈子の同期・鈴木仁美(篠田麻里子)巡査。宮原の事件と同様、仁美の殺害映像も流出し、警察が犯人捜しに躍起になるなか、鑑識の調べで、宮原に違法アプリを送りつけたのは、自 殺した早苗の元婚約者で、ソフトウェア開発会社に勤める斉藤文隆(山中崇)だと分かる。しかし斉藤は、宮原への復讐を目論む人物から、宮原の悪行が晒されるソフトを開発するよう依頼されただけだと供述し、謎は深まるばかり。

 そんななか、比奈子は仁美の殺害現場で中島と再会し、ひょんなことから、育児放棄された子供と犯罪の関係性についての話へ。そして、育児放棄した母親を撲殺した少年の映像を見た比奈子は、そこに映っている少年・大友翔こそが、仁美を殺害した犯人だと気付く。なぜなら、事件当日、仁美は殺された大友の母親と同じ香水をつけていて、現場には幼い頃の大友が一人寂しく過ごした部屋と同じ、裸電球が。その2つの要因こそが、大友が殺人の衝動に駆られるスイッチだと考えた比奈子は、自らも人殺しのスイッチが入る瞬間を見ようと、青年に成長した大友(三浦貴大)呼び出す。すると案の定、スイッチが入った大友は鉄パイプを持って比奈子に襲い掛かってくるが、間一髪のところで東海林が助けに入り、大友は駆け付けた厚田らによって逮捕される。しかしその数日後、大友は留置場で自ら頭を砕き、死亡してしまう――。

脚本:古家和尚
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白鵬の凶悪技(かち上げ)

2016-07-13 20:54:53 | スポーツ
白鵬の立ち合いの危険性については、以前も指摘したことがあった(「もはや格闘技……白鵬の立ち合い」)が、今日の一番でも炸裂した。もはや“暴行”と言っていいのではないだろうか。

(現在のPCにビデオキャプチャー機能がないので、スマートフォンでテレビ画像を撮ったモノを使用しています。画像が粗いのは、ご容赦ください)
 まず、相手の顔の前を左手でスイング(これが、張り手として頬やこめかみを打つこともある)。

 これが顔面にヒットする必要はない。当たらなくとも、その動きが目くらましとなり、第2段(本弾)のカチアゲが効果的になる。(ヒットすれば、更に効果的になるが)




 相手は張り手の気配を感じ、頭を下げ白鵬にぶつかろうとする(張り手の気配を感じなくても、頭を下げてぶつかる)が、その顔面を目がけて、白鵬の二の腕が始動する。
 そして、狙いすましたように白鵬の二の腕が顔面に炸裂。さらに、肩から腕まで全体を使って相手の顔面を突き上げる。一番硬い肘は使用しないが、一種のラリアートのような技(逆バージョン?)で、破壊力は抜群。

 逆サイドからの画像。







 白鵬は勝利を誇るが………
 被害者の栃煌山は………


 栃煌山は、「猫だまし」をされたり、変化技を食らったりと、いつも酷い目に合っているような気がする。
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東京都知事選……どたばた劇……

2016-07-13 00:31:26 | 時事
「東京都知事選……相変わらず、ゴタゴタ……」の続きです(まさか、続くことになろうとは!)。

 舛添問題で、「都知事は実務能力があり、信頼できる人間性を持つ人を」という機運が高まったが……選挙は勝たねばならないのだろう。結局、「選挙に勝てる人」が選考条件になってしまった。
 その流れを、決定的なものにしたのが小池百合子氏。小池氏によってドタバタ劇の幕が上がった。


小泉劇場の再現を狙う(スポットライトに当たりたいのだろう)
 動きを小出しにして、何度も会見を行う小池氏。
 10日夜、党本部の都連事務局に推薦願の取り消し依頼を提出し、11日の朝、「進退伺」を提出し、夕方、選挙公約を発表した。「セーフシティ」「ダイバーシティ」「スマートシティ」と聞こえの良いスローガンを掲げ、東京五輪・パラリンピック予算を適正規模に抑え、子育て・福祉の充実を目指す。都知事の報酬を削減し、都政の透明化に取り組むなどの公約を提示した。
 しかし、出馬を表明した6日の会見で「都議会の冒頭解散」「五輪などの利権追及」「舛添氏問題の第三者委再調査」の公約を提示していた。あれは何だったのだろう?
 さらに、昨日の会見では、「私は今たった1人でございます。この戦いざまを皆さんに見ていただきたいと思っております」と力説、都民の共感(同情)を集めようとした。しかし、これは都政と関係ないし、氏が勝手にひとりになったのだと思うのだが……

「だったら、小池氏を処分しろよ」
 自民党都連は、前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏の擁立を正式に決めた
 小池氏から「進退伺」を提出されたが、除名などの処分は行わず、分裂選挙となった。そのため増田氏支援に総力を挙げるため、「都知事選挙における党紀の保持について」という文書を出した。
 その中で、「各級議員(親族含む)が、非推薦の候補を応援した場合、除名処分等の対象となります」と明記。
 これは明らかにおかしい。小池氏を処分しないということは、出馬を黙認したことになる。今回の騒動(分裂選挙)の根源である小池氏を処分しないのはおかしい。小池氏を除名すれば、小池氏を支持すれば、党員以外の立候補者を支持したことになり、相当の覚悟が必要なはず。
 小池氏を処分しないのは、処分することによって自民党が悪役になることを避けたいようだが、党紀を乱した小池氏を処分して、党の断固たる姿勢を内外に示した方が良いように思うが。


昨日(11日)の握手は何だったのだろう?
 民進党東京都連の立候補要請を受けて、経済産業省元官僚の古賀茂明氏が前向きな姿勢を示し、握手していたシーンが報道されたが、一夜明けると、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が出馬を表明(11日に民進党岡田代表との会談が行われたらしい)。その出馬会見の場に、古賀氏が乱入?、「応援します」と固い握手。
 また、民進党執行部も鳥越氏出馬を受けて、擁立する方針を固め、野党4党の枠組みでの支援に向けて、調整に入った。
 手のひらを返された形となった古賀氏だが、鳥越氏が出馬するのならと鳥越氏を支援することに決めたとのこと。
 邪推だが、鳥越氏当選の場合、副知事のポストに就くとか……


最後の後出しジャンケン
 いきなり登場し、古賀氏擁立をひっくり返してしまった鳥越俊太郎氏
 会見では、「参議院選挙の結果を見て、立候補を決めた」と強調していたが、都政と国政は直接関係なく、説得力に欠けた。
 民主党が古賀氏擁立に動いたことで、出馬の顔ぶれがほぼ出揃い、都知事選の勝算が立ったのだろう。古賀氏とは懇意なので、予め話がまとまっていたのかもしれないし、昨日の段階で、両者で話し合いが行われたのかもしれない。
 会見の印象は、頭の回転が速く、話術にも長けている。ただ、準備が十分でなく、政策の内容は乏しかった。この点からは、出馬が急だったとも考えられるが、勝算を考えるのに一生懸命だったのかもしれない。


やっぱり、そうなったか…
 11日、石田純一氏が出馬断念を表明。仕方ないかなあ。
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女流3題 「その2」

2016-07-12 16:35:03 | 将棋
「その1」の続きです。


 後手長谷川女流二段の攻めの間隙をぬって、4筋に2枚の成駒を作り、一歩早く敵陣に迫る手筈を整えた斎田女流五段が、▲5三とを楽しみに、△4五桂に▲4六銀上とかわしたところだが、次の一手を見て「▲5三とと攻めた方が良かった」と後悔することになった。

 △6四飛!

 5五の銀の利きに自ら飛び込む一手。
 しかし、この手によって、陰になっていた角の利きが通り、▲6四同銀ならば△4六角が抜群の味良い手となる。
 ▲6四同角△同歩で飛車角交換で収まってみると、先手玉の不安定さが気になる。と言っても、後手も▲5二とから清算する手がいつでもあり、その間合いを計るのが難しい。
 そのまま、際どい寄せ合いが展開されるかと思われたが、斎田女流五段が▲4五銀と手を戻し、後手の攻めを面倒見る流れとなった。

 その後、大駒が振り替わったり、更に打ち合ったりと、細かい攻防(斎田の受け、長谷川の攻め)が繰り広げられ、第1図は受け切ることが困難と判断した斎田女流五段が▲3七玉といなしに掛かったところ。

 実戦的な一手で、この手が長谷川女流二段の指し手を狂わせた。
 △4八金!

 “数の攻め”で着実な一手と言いたいが、次に3八の金を取ったとしても、「金を打って金を取った」ことになり、金得ではあるが、実質的には「1手+金」→「金」とあまり得とは言えない。しかも、4七の歩や5九の龍はすぐには働きそうもなく、その上、玉の上部脱出を助長させる危険性もある。教え子が指したら、厳しく叱責するような手だ。
 ここで斎田女流五段は▲4六玉と指したが、金を取らずの△6七馬が好手で、▲6四銀と上部脱出を図ったものの△5七龍で捕まってしまった(即詰み)。
 △4八金を見ると▲4六玉と逃げたくなった気持ちは良く分かる。しかし、本局の場合の▲4六玉は、後手の馬と龍の機動力が生きてしまう“やぶ蛇”の一着だったのだ。△6七馬に①▲6二角成は△5七馬で詰み、②▲4四銀や▲3四銀には△5六馬で詰み、③▲6四銀(本譜)も△5七龍で詰んでしまう。普通は、どれかが詰みを免れるのだが、不運であった。

「前手△4八金の寄せでは不安でした。実際に見直すと、ここで▲6二桂成はあったかもしれません。以下△3八金▲4六玉△6七馬▲5八金で……これは秒読みではとても読みきれません」と、長谷川は話す。強く▲6二桂成とすれば勝負はどうなっていたかわからかったようだ」(by棋譜中継解説)。

 ところで、第2図では▲1四桂はなかったのだろうか?

 3四ではなく1四に跳ねるのがミソで、1四の地点を埋めておけば、先手玉を寄せ難くなっている。また、3五の角も後手玉を攻める駒ではあるが、2四に駒を打たれた時に▲2四同角と切ってしまう役割を優先させるのが肝要。
 先手が勝つには時間がかかるが、相当勝ちやすいはずだ。

【続く】
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2016年参議院選挙 ~憲法改正草案の危険な匂い~

2016-07-12 13:27:55 | 時事
前記事「2016年参議院選挙 ~自民党公明党が大勝~」の続きです。

 選挙の争点にはならなかったが、自民党が提示した草案を見て……
 ……安易に使用してはならない言葉だが、“ファシズム”への傾きを感じさせるものだった。


 検索して、自民党草案に関する分析をを読むと、そう感じたのは私だけではないようだ。

「【真剣に考えよう】自民党の憲法改正草案、問題点を超ざっくり分かりやすく紹介! 」『ゆるねとにゅーす』
『【自民党憲法改正草案】見やすい対照表で現憲法との違いが分かる!』
「森永卓郎の戦争と平和講座 第53回“自民党憲法改正案の本質”」『マガジン9』
 詳しくは、紹介したページを読んでいただくとして(私が書くより確かであろう)、引っ掛かりが強い点をいくつかあげる。

前文
 憲法の前文は、理念と目的を示し、この憲法の根本の柱となる精神(方針)を明らかにしたものだと考える。
 現行憲法においては、「主権は国民にあり、国民は福利を享受するものでなければならない」「国民は恒久な平和を念願し、それを達成するよう努めるべし」と要約されるが、自民党草案では“国民主権”“平和主義”“世界の平和”という文言は記されているが、“司法三権に基づいて統治される”家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する”“国を成長させる”という表現があり、国家主義を思わせる内容のように感じる。

 根本理念ともいえる前文をこんなに変容させていいのだろうか?
 この前文を読んだだけで、現行憲法とはかなり違うものに改変しようとする意図が見えてくるのだが……



第1章 天皇
第一条 「天皇は、日本国の象徴」→「天皇は、日本国の元首
第三条【新設】 「国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする」「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなけれならない」

 「象徴」と「元首」のどちらに権力を感じるのか?
 「国旗及び国歌に関する法律」(1999年8月13日に公布・即日施行)で規定されているのに敢えて憲法で規定したのはなぜ?


第2章 安全保障
国防軍という条項を新設
 “国防軍”て?……「軍」だよね。 「自衛」と「国防」の表現も強硬さが増していない?


第3章 国民の義務及び権利
第十二条 国民の責務
現行憲法
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
 国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
 又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、

 常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ

自民党草案
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
 国民の不断の努力により、保持されなければならない。
 国民は、これを濫用してはならず、
 自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、
 常に公益及び公の秩序に反してはならない


 “公共の福祉”と“公益及び公の秩序”は似ている表現であるが、“国民”より“国家”のためという色合いが濃いように思える。


第十三条 人としての尊重等
現行憲法
「すべて国民は、個人として尊重される。
 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
 公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

自民党草案
「全て国民は、人として尊重される。
 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
 公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない


 ここでも“公共の福祉”を“公益及び公の秩序”に言い換えている。さらに「個人として尊重される」が「人として尊重される」と言い換えてあり、個人を軽視していると考えられる。


第二十一条 表現の自由
「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する」
という項目は同じだが、自民党草案には項目2として
「前項の規定にかかわらず、
公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、
並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」

 という表記が加えられている。

 これだと、国家の判断で、表現や結社は統制されることになる。


第11章 最高法規
102条 憲法尊重擁護義務
「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」

 わざわざ新設して、念を押している。


この他、「第9章 緊急事態」も、緊急事態と判断されれば(判断基準があいまい)、総理大臣に権力が集中できるなど、相当危険な臭いがする。

心配になりませんか?
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2016年参議院選挙 ~自民党公明党が大勝~

2016-07-11 17:05:58 | 時事
 自民党は56議席(+6)、公明党は14議席(+5)と議席を増やした一方、民進党は11議席を減らして32議席にとどまった。おおさか維新の会は7議席(+5)、共産党は6議席(+3)。
 これにより、自民、公明、おおさか維新の会の3党を合わせた改憲勢力は、憲法改正案の発議に必要な参院(定数242)の3分の2(162議席)を上回る165議席となった。


 ほぼ、前評判通りの結果だった。
 前評判と言えば、“世論調査”。
 この調査項目の中で、いつもいい加減だと思うのは思うのは、「選挙に必ず行く」「行くつもり」の比率である。
 NHKの世論調査によると、
6月14日発表の数字は「必ず行く」……55%、「行くつもり」……30%
7月 4日発表の数字は「必ず行く」……55%、「行くつもり」……23% だった。
 「行くつもり」が減ってきているが、それでも、両者を合わせて73%と7割を超えている。しかし、実際の数値は54.7%であった(笑)

 「投票しても、変わらない」とあきらめている(言い訳にしている)人が多いと思われるが、これでは政治家(自民党)に舐められてしまう。
 私はPTAなど各種団体などで、運営側に回ることが多かったが、総会など参加率が非常に低いことが多かった。そういう場合、こう思ってしまう≪だったら、文句はなしだよ≫よ。
 極端な話だが、消費税率が上がっても、年金が減っても、徴兵されても、文句は言えないのである。


 今回、自民・公民が圧勝した要因の一つに、「憲法改正」を論点にした野党の戦略の拙さがあげられる。
 確かに「改憲か護憲か」は世論も分かれていて、野党はそこを突けば有利に展開できると考えた。
 しかし、選挙戦でそれを論点にしてはまずいと考えた自民党は、極力、憲法改正については触れないようにして、選挙の争点をぼかし、組織力の戦いにしてしまった。
 それに、そもそも、有権者は「景気対策」「社会保障制度」「子育て支援」などの方に関心があり、関心が低い「憲法改正問題」(←大事なことなのだが)を争点にしても、賛同しようとは思わないのである


 結局、TPP、原発事故、米軍基地で不満が大きい東北、福島、沖縄で自民が苦戦したのと、野党共闘がある程度機能したので、“惨敗”とまでは至らなかったが、大敗を喫してしまった。


 「憲法改正」を論点とするなら、自民党の草案をもっと追究すべきだった。【続く】
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東京都知事選……相変わらず、ゴタゴタ……

2016-07-08 23:15:48 | 時事
 本日、石田純一氏が立候補の意思がある事を表明した。
 今回の表明によって、タレントやCM活動に支障をきたす可能性が大きく、リスクを覚悟の今回の会見を評価する向きもあるが、私はかなり疑問に感じている。
 「野党統一候補なら、ぜひ(立候補擁立を)受けさせていただきたい」と述べていた。しかし、政治経験もなく政治や経済に精通してもいないようで、その彼が、(市民団体から支持があったらしいが)どのような論理で≪野党統一候補なら擁立を受けたい≫という結論に至ったか、不思議である。(優秀なスタッフを集めるとしても)都知事をやるだけの能力があると思っているのだろうか?票を集める能力はあるかもしれないが、それをエサに野党から擁立を公募?するなんて、「前知事+自民、公明」の図式と大差がないのではないだろうか?
 「“子どもたちに夢を”という平和で安心できる暮らしを実現したい」という理念は素晴らしく、都知事選の争点について「市民目線で言えるのは、もうちょっと憲法改正について話し合った方がいいと思う」「東京は出生率が低くて子供を産みにくい、育てにくい」と話し、憲法改正と子育て支援を挙げていたが、都知事と憲法改正とは関連が薄く、国会議員に立候補すべきなのでは。
 会見は半分程度しか見られなかったが、東京都民1361万人(2016年6月現在・推計)の生活を背負う覚悟は感じられなかった。
 妻の東尾理子さんは「驚いている」と語っていたらしい。「反対していた」のではなく「驚いている」なので、夫婦間の話し合いは不十分だったのだろう。この件からも、今回の石田氏の表明が地に足が付いていないように思える。

 また、自民党東京都連が擁立を目指している元岩手県知事、元総務大臣の増田寛也氏が都内の市長の有志から立候補を要請された(立候補を表明する見通し)。増田氏は岩手県知事時代、赤字を2倍にした実績?がある。人員削減など思い切った改革も行ったようだ。情報収拾不足なのでそういった政策の是非は、私にはわからない。3選を果たしているし、県民の支持を得ていたのだろうか?(増田氏の支持団体・政党の基盤の強さにもよるし、この点も分からない)ウィキペディアを読むと「毒にも薬にもなる」という印象。

 さらに、日本弁護士連合会元会長の宇都宮健児氏も立候補を正式に表明する考えを示した。
 過去2回の都知事選では2度とも次点であった人物だ。これまでの主張は「教職員の君が代起立斉唱義務化に反対、外国人参政権推進、五輪招致反対(今回はコンパクト開催を主張)、脱原発、福祉の充実」など。

今日の小池百合子氏
 「自らの立候補は、安倍政権の経済政策に貢献するもの」という考えを示した。
 「アベノミクスの一丁目一番地が女性の活躍なので自信を持って手をあげた」と説明していたが、理論の飛躍があるようでよく分からない。
 自民党の公認が得られないと察知すると、先手を打って立候補を表明。さらに、自民党都連を批判し自身の正当性を主張。それでいて、アベノミクスを取り上げて、その賛同者であること、さらに女性をアピール。

 いろいろと選挙戦略は長けているが、勝手に立候補を表明したり、公約で「冒頭解散」を掲げたりと、信用できない人物に思える。
 都議会においては、知事に対する不信任案が可決されないと解散はできない。都民の声を聴く姿勢を表したモノらしいが、仮に選挙を行ったとすると、また数十億円の費用が掛かるのだが。
 


この他、今尾貞夫氏、河野憲二氏、桜井誠氏、高橋尚吾氏、立花孝志氏、中川暢三氏、マック赤坂氏、山口節生氏、山口俊夫氏が立候補を表明している。
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