英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「ぐう」の詳細 その2 ……2024順位戦 羽生九段-近藤七段戦

2024-10-19 17:25:36 | 将棋
「ぐう」の詳細 ……2024順位戦 羽生九段-近藤七段戦 の続きです。


 第4図は△5七歩▲同金△5六歩と歩の連打をしたところ。
 この手に対し、熟慮に沈む羽生九段。
 私の第一感は▲5六同金。▲5八金と引くても考えられるが、△5六に歩の拠点を残すのは、後々響きそうだ。他には……▲3四金と銀を取る手がある。もちろん、△5七歩成と金を取り返されるのも大きい。▲5七同角と後手を引くことにもなるし。いや、後手角にも当たりが掛かっているし、完全に後手を引くわけでもない。……考えていると、相当有力に思えてきた。
 しかし、羽生九段は▲5八金。34分の考慮には、▲3四金も選択肢にあり、相当読みを入れたと思うが、自重した。
 う~ん、△2四角▲同飛と角金交換にはなるが、際どく、拠点作りを入れられてしまったのは、損をしたように思える。それに、34分の考慮で、残り時間が55分になってしまった。(近藤七段は1時間3分)
 もしかしたら、▲2四同飛と角を取った手が、銀当たりの先手になるという点を評価したが、△2三銀と銀取りを受けた手が、飛車取りの逆先になるのを軽視したのかもしれない。


 第4図の△5六歩以下、▲5八金△2四角▲同飛△5七銀▲5九歩△2三銀▲2七飛△6八銀成▲同金右△3八角▲2五飛△4七角成▲5五角△5七歩成▲7三角成△6八と▲同金△6六歩▲4五飛△4二歩▲5八銀△6七歩成と進んで第5図。

 指し手が長くなったので要約すると…
 近藤七段は歩の拠点を利して、△5七銀と打ち込み、△6八銀成と角を手に入れる、その角を3八に打ち(△2三銀に▲2七飛と引いた飛車に当たりを掛けて)馬を4七に作り、△5七歩成と“と金”を作って先手玉に迫る。
 羽生九段は、後手の攻めを浴びながらも、飛車の活用を図る。さらに、△5七歩成を甘受する代わりに▲5五角~▲7三角成(飛車取り)と反撃。
 さらに、後手の近藤七段も自陣に手を戻さず、6筋を攻める。素直に取ると△6七歩と叩かれて厄介なので、一旦、▲4五飛△4二歩を利かせて、▲5八銀と補強した。
 第5図直前の▲4五飛が味の良い手で、歩合いをさせることで持ち歩を消費させると同時に、飛車を後手陣に利かせ、△4六馬も消している。

 近藤七段は、△6六歩を継承して△6七歩成(第6図)

 羽生九段は直前の▲5八銀で8分考慮していて、残りは21分(近藤七段は△6七歩成に8分使って、残り24分)。
 残り30分のうちの8分は大きく、ここで腰を据えたと思われる。当然、次の一手は……(その3へつづく)
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「全然辛いです」(『旅サラダ』ゲストの旅より)

2024-10-19 09:56:49 | 日記
テレビをつけた直後、「全然辛いです」という言葉が聴こえた。
思わず、ガクッと!(ちなみに、福井弁ではこういう状態を強いられることを、「はぐしをくらう」と言う。私は「はぐしをかく」だと思っていた)

 「全然」は、あとに続く打消しの語や否定的な表現を強調する時に使われる言葉だ。「全然、知らない」「全然、英語を話せない」など。
調べてみると、日本語学においては容認されていないが、《俗語として、肯定の強調として「とても」「非常に」と同様な使い方で用いられる》らしい。
 私見だが、「全然、大丈夫」「全然、平気です」という言い回しがよく使われていて、そこから、《肯定的強調》としても使われるようになったのではと。
 これも、推測だが、上記の「全然、大丈夫」というのは、「辛くないか?」「痛くないか?」という問いを受けて、「全然(辛くないです)。大丈夫です」という意味で、「辛くない」を省略して言ったのが、定着したのではないだろうか。

 『旅サラダ』の「ゲストの旅」コーナーで、岐阜・大垣市~養老町の観光・グルメを中村ゆりさんが紹介する旅レポートで発せられた言葉。
 続けてコーナーを見たが、観光・グルメを的確に伝えていた。偶々、辛さが強かったので発してしまった言葉だろう。

 グルメや旅のレポートは、その場その場の即時の感想を表現しなければならないので、大変だと思う。
 日頃気になるのは、以前も書いたが、「すごい」の使われ方。
 「すごい」は、“甚だしい”、“程度が大きい”という意味の形容詞。時には、“表現できないほど素晴らしい”というような意味で、「すごい!」「すっごい!」とか単独で感嘆詞的に使われることも多い。
 また、形容詞なので後に続ける名詞を“素晴らしさ”や“甚だしさ”を強調する用法もある。用例:「すごい景色」「すごい人」。

 なので、旅レポートやグルメレポートでは「すごい」が頻発する。実際、「ゲストの旅」の後の「海外の旅…バルト三国 ラトビア・リガ」コーナーでは、連発されていた。
 「すごい景色」「すごいオシャレ」とか。……この表現は《形容詞+名詞》なのでOKだと思われるが……
   ………「すごいオシャレ」はダメなような気がする。「オシャレ」は名詞として使われる(化粧などすること)が、形容動詞でもある(“気の利いた服装である”という物事の状態や性質を表現している)。「すごいオシャレ」の場合、「おしゃれだ」という形容動詞である(たぶん)。
 この形容動詞というのがくせ者でややこしい(まぎらわしい)。
 例えば「きれい」は形容動詞、「美しい」は形容詞。(”きれい”は「きれいだ」の語幹で、終止形は「きれいだ(きれいです)」で、“だ”を省略して語幹のみで使われている)
 形容動詞の大まかな見分け方は、「~だ」という表現が成り立つかどうか。
 (実は、「名詞+だ」と「形容動詞」の区別がつきにくいが、私もよくわからないので、説明は省略)

 で、問題なのは「すごいおいしい」「すごいきれい」だ。
 「きれい」は形容詞と思っている人が多い気がするが(私もそうだった)、形容動詞、形容詞のいずれも用言(自立語で活用があり、単独で述語と成れるモノ)である。用言を就職する場合、形容詞は連体形ではなく連用形にすべき。つまり、「すごくおいしい」「すごくきれい」というのが正しい。
 テレビでバラエティの芸能人が「すごいきれい」とか言うのは、これだけこの表現が氾濫している現在では仕方がないと思う(学者も“言葉は変化するモノ”と言っているし、新しい表現も続出している)。また、街角インタビューでは「すごいきれい」と発しても、字幕では「すごくきれい」と記されていることが多い。
 でも、最近では話のプロであるアナウンサー(キャスター)が誤用しているのが見られるようになったのは残念。

 《「全然」は否定的な強調のみ》という牙城は守ってほしいなあ。
コメント (4)
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「ぐう」の詳細 ……2024順位戦 羽生九段-近藤七段戦

2024-10-18 17:31:30 | 将棋
「ぐう」(昨日記事)の詳細です。
 昨日の順位戦(B級1組)の羽生九段-近藤七段戦は、近藤七段の勝利……
 これで、順位戦の成績は2勝5敗(5連敗)で、成績は12人中10位。降級は成績下位3名なので降級圏内だ。
 降級者成績は、年度によって若干変動する。
2021年度はランク3位・3勝9敗の木村九段が成績10位で降級
  (成績9位で残留はR6位・4勝8敗の久保九段)
2022年度はランク10位・4勝8敗の久保九段が成績10位で降級
  (9位残留はR4位・4勝8敗の屋敷九段)
2023年度はランク10位・5勝7敗の屋敷九段が成績10位で降級
  (9位残留はR7位・5勝7敗の山崎八段)

 成績10位というのは下から3番目の成績で降級枠に入り降級となる。成績9位は残留。
 成績が同じ場合は、昨年度の成績(今年度のランキング)がモノを言う。2022年度、2023年度はランキングで明暗を分けた。

 通常、ランクが上位で4勝すれば残留できることが多いが、昨年の屋敷九段のように5勝してもランクの差で降級してしまうこともある。
 羽生九段の現ランクは5位なので、5勝すればほぼ大丈夫であろう(残り3勝2敗)
 残り5局を2勝3敗ならば、他の棋士の成績によって残留が左右される。
 少なくとも2勝してほしい。とにかく、次局に敗れると相当苦しくなる。


 昨日の将棋の出来は悪くなかった。拮抗した序中盤で、終盤も優勢になったこともあったが、最終盤に判断を誤り、敗れてしまった。


 第1図は▲2四歩と、2筋突破を目指したところ。直前に▲3五歩△同歩▲同銀△8六歩▲8八歩△4五歩と進んでいるので、▲2四歩の合わせは自然の流れと言える。
 後手には△5五角(飛車取り)とかわす手があるので、▲2四銀と進出する前に▲2三歩△同金と利かせた方が良いのか……
 後手も△2三同金と応じず、△5五角と飛び出る手もあり、悩ましい局面だ。
 第1図の▲2四歩に38分考えているのは、この辺りの変化を読んでいたのだろう。残り時間は3時間18分となった(持ち時間は6時間)。
 近藤七段も▲2四歩に△同歩は必然としても、▲2三歩に△同金と応じる手には46分費やして、残り2時間21分となっている。

 △2三同金に、当然、すぐ▲2四銀と指すものだと思っていたが、なかなか指さない。結局、56分動かず、夕食休憩に入ってしまった。
 おそらく、▲2四銀△5五角と進んだ時の対応(▲4六歩か▲3七歩か)を考えていたのだろう。《だったら、▲2四銀と指してから考えてよ》と思うのだが、ある程度の見通しを立てずに指すのは信条に反するのかもしれない。あるいは、▲2四銀の前に▲6六銀と△5五角と飛び出させないようにして、△6五歩と銀をどかせようとする手を無視して、▲2四銀と勝負する手の可能性を考えていたのかもしれない。
 ただし、私にしてみれば、《夕食休憩前の羽生九段の長考はロクなことがない》という思い出が何度もあるので、不安だった。
 対局再開1分後、▲2四銀と指した。

  少し進んで第3図。 

 △3六歩(先手の桂跳ねを防ぎ、場合によっては△3七歩成▲同桂△3六歩の手を見ている)に対し、▲3四歩と攻め合いを挑んだところ。(残り時間は羽生1時間39分、近藤1時間25分)
 △3四同銀は▲2四金の角銀取りがある。なので△5五角とかわしたいところだが、▲5六歩と角を追われる手の対処がが難しい。2二への角の利きがなくなれば、先手の飛車にダイレクトに成り込まれてしまう。
 近藤七段は18分考えて△3四同銀と応じた。羽生九段は狙いの▲2四金。
 ここで、近藤七段の手裏剣が飛ぶ。△5七歩!
 棋譜中継の解説「▲5七同金に△2四角▲同飛△5六歩▲同金△5八銀と進めば、△6九金までの詰めろが掛かる」という。……けっこう嫌な手だ。
 羽生九段、5分考えて▲同金と取る。
 さらに、△5六歩!

 (「その2」に続く)
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「ぐう」

2024-10-17 23:59:53 | 将棋
「“ぐう”の音も出ない」という表現があります。
そういう状態です。悔しいので「ぐう」と言ってみました。
詳細は明日書きます)
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相棒 season23 第1話「警察官A~要人暗殺の罠!姿なき首謀者」(初回拡大スペシャル)

2024-10-17 19:15:09 | ドラマ・映画
(前後篇の前篇なので、当然なのかもしれないが)
《よくわからない》という印象が強く残った。

   …………分からない、わかりにくい、不可解………………
①150年前の警視庁創始者の川路利良と大久保利通。利通暗殺と今回の元・国家公安委員長で現衆議院議員・芦屋の殺害は関係があるのか?
 芦谷議員は党総裁選に立とうとしていたようだが、よくない噂が多いらしい。
 創始者の川路が書き綴った『警察手眼』(警察官心得)に背くような現警察に怒りを感じている警察官Aが起こした事件かもしれない。

②高田創警察官(加藤清史郎)と特命係との遭遇も裏がありそう
 閉じているオジギソウの葉を頼りに、右京たちが小道を進むと、ある若者に遭遇。その若者は右京と冠城亘が関わった高田創だった(当時は戸籍を持たない少年)
 「付近で不審な人物を見掛け、追い掛けていた」と言うが……本当にそうなのか?
 それと、小道から大通りに出た右京たちが、後姿しか見えない彼にいきなり話しかけたのが不思議だった。確かに、小道に残っていた足跡はスニーカーらしきモノで、彼もスニーカーを履いていたが……
 ちなみに、オジギソウの葉が閉じたのは、猫が通っただけかもしれないぞ……と思ったりもした。

③芦屋議員殺害殺害の凶器は、6年前の無差別殺傷事件に使用された凶器と同種のナイフだった
 関係があるのだろうか?(ドラマ上、関係がないとおかしいが…)

④高田創の先輩警察官の仁科征司も気になる
 「警察官としての“拠り所”は大事」(←はっきり覚えていません)とか語っていた。タイトルや川路の『警察手眼』と関係ありそう。

⑤探偵コンビの平井久美(福崎那由他)と高木宇宙(石川雷蔵)の登場の仕方に悩む
 捜一トリオが有力容疑者と思い込んだ平井&高木は、芦屋議員の妻から浮気調査を依頼された探偵だった。
 実は、この探偵コンビは特命係の右京&亀山と旧知だった(右京たちに世話になったらしい)。
 ……そんなことがあったっけ?………と思ったら、『相棒 sideA/sideB』(配信ドラマ)で関わり合ったらしい。
 その時のシーンをフラッシュバックとかハイライトシーンを流してくれないと、悩むでしょう(私は配信を観ていないので、見ても分からなかったとは思うけれど)

 話は逸れるが、“那由他”と言うと、『那由他』(作:佐々木淳子、SF漫画)を思い出す。
 “那由他”は、《ものすごく大きい桁を表す単位》だったと思う。この漫画では、主人公の少女の名が“那由他”だった。
 なので、このふたりの正体を調べると、ひとりは平井久美(福崎那由他)というらしい。
 役名が「久美」、芸名(俳優名)が「那由他」なので、混乱。先のアニメの影響で、“那由他”は女性のイメージが強い。
 ……う~ん、男性に見えたけれど……となったのだ。

 もともと、私が藤崎那由他くんを知らないのが問題なのか。
 ウィキペディアによると、22歳で、遺留捜査 第2シリーズ 第2話(2012年7月26日)が初出演らしい(当時11歳)。
 その後、多くのドラマに出演している。私もいくつか見ているはずで、『相棒』にもSeason17 第18話・第19話(2019年3月6日・13日)に出ている。
 おそらく、Season17でも他のドラマでも、俳優名と役名を一致できず、エンドロールを見ていたのだろう。

➅半グレ集団の意図が不明
 値引きシールを手掛かりに、特命係と高田創が遺留品に関わりのある人物を割り出す。その人物を尾行した創が、逆にその男に誘い出されており、半グレ集団に囲まれる。
 まず、男が尾行になぜ気づいたのか?
 途中、スマホで指示を受けたらしいが、半グレたちはいつ尾行に気がついたのか?
 創をおびき出して、痛めつけようとしたようだが、その目的がよくわからない。舎弟を増やしたかったのだろうか?
 シナリオ的には、「過去に半グレに痛めつけられた創が、警官となり鍛えて、半グレたちをやっつける」シーンを挿入したかったとか?

⑦相席居酒屋は必要なの?
 底辺付近の生活というのも、テーマのひとつなのかもしれないが、殺害現場の遺留品のひとつに、相席居酒屋のおしぼりが残っていた。
 婚活パーティーの居酒屋版という感じで、女性優遇のシステムらしい。身元確認(登録?)制なので、捜査は簡単だったが、亀山君は小遣いが減ったかも。

⑧犯人は、ドミトリータイプの簡易違法宿泊所のもう一人の宿泊者なのか?
 “半グレ集団の下っ端”と“相席居酒屋女”はシロで、もう一人の軍手男が宿泊者ふたりの所持品(と言うほどではなく、ゴミ)を現場に置いていったようだ。
 なぜ、そんなことをしたのか?
 遺留品を残して、底辺者の生活を調べさせるため?

⑨総理襲撃(爆破)事件の不可解さ
 マイクのハウリングはわざと?
 遠隔操作で爆破させるのなら、マイクを交換してステージ中央に戻ってきてから爆破すればよい。
 ハウリングを起こして、わざと総理をステージ中央から遠ざけたのでは?
 総理殺害が目的ではなく、爆破襲撃をしたという事実が欲しかった?
 だとすると、芦屋議員を殺害した理由は?



★レギュラー、準レギュラー陣も総出演
 捜一トリオ、刑事部長、参事官、“暇か?課長”はもちろん、鑑識の益子、サイバーセキュリティの土師、副総監・衣笠、内閣情報調査室の社美彌子、首席監察官・大河内、長官官房付・甲斐峯秋、女将・小手鞠、亀山美和子、全員総出演?!(大河内さんは使い走りが多いなあ)

 国家公安委員長?(現在は役職不明?)の鑓鞍兵衛(柄本明)はどうなったんだっけ?

★藤原総理(柴俊夫)と利根川幹事長(でんでん)のモデル(基)になった政治家は?
 藤原総理は自民党最高顧問の麻生氏、利根川幹事長は二階元幹事長かなあ。
 でんでんの演技は、巷では絶賛されていたが、私は上手でない物まねに視えた。


【ストーリー】番組サイトより
日本中を震撼させる大事件が発生
“少年A”との再会が衝撃をもたらす!


 右京(水谷豊)が『警視庁150年史』のまとめを命じられる中、元・国家公安委員長で現在は衆議院議員を務める芦屋(並樹史朗)が殺害される事件が発生。さっそく臨場した右京と薫(寺脇康文)は、一課の捜査を横目に動き出す。
 いっぽう、事件を受けて、政治の中枢にも衝撃が走っていた。「キングメーカー」の異名を持つ与党幹事長の利根川(でんでん)にとっては、支持率が低迷する総理大臣の藤原(柴俊夫)に見切りをつけようとしていた矢先の青天の霹靂。 
 また、内調のトップである社美彌子(仲間由紀恵)から一報を受けた藤原も、解散総選挙という窮余の策を封じられ、ショックを隠せないでいた。

 現場に残された手掛かりを追っていた右京と薫は、思わぬ人物と遭遇する。それは、かつて右京が事件を通じて知り合い、新たな人生への一歩を手助けした高田創(加藤清史郎)という青年だった。現在、警察官として地域課に勤務する高田は、付近で不審な人物を見掛け、追い掛けていたという。
 高田の情報から新たな手掛かりを得た右京と薫は、手分けして事件を追うことに。今回の捜査に前のめりの高田は、同じ交番勤務の先輩・仁科(内野謙太)との関係も良好で、すっかり警察官の顔になっていた。
 しかし、その後、事件は異様な展開を見せ始める。今から約150年前、警察黎明期に起きた、時の内務卿・大久保利通暗殺など、当時の緊急事態をなぞるかのような重大な事件が次々に起きて…!?

議員殺害の背景に権力者たちの野望と陰謀が!?
共に事件を追う特命係と警察官になった“少年A”
政治家、警察、事件関係者…
絡み合う思惑が思いも寄らない悲劇を呼ぶ!!


ゲスト:加藤清史郎 でんでん 柴俊夫

脚本:徳永富彦
監督:橋本一
コメント (2)
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【歳時メモ】セイタカアワダチソウ と コスモスと蕎麦の花

2024-10-17 11:09:39 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 前回記事(10月7日)はセイタカアワダチソウ と コスモスについて書きましたが、その続報と蕎麦の花についてです。
 羽生敗局のダメージや他の記事などもあり、今記事は2~7日前の状況です。

セイタカアワダチソウ
 当然ですが、前回より黄色の面積は増え、色も濃くなってきました。
 個体で捉えず、すべての花の総量の視点で言うと75%の開花状況でしょうか。 

コスモス
 少し前から最盛期に入っているようです。
 やはり、前記事同様の感想を抱きます。 
「コスモスの生育面積が減ってきているように感じます。ここ数年の過去記事も、同様な感触を述べています。
 ただし、配達回数、距離も減ってきているので、これが要因かもしれません」(←前回記事)

蕎麦の花
 今月10日に市の東部地区を通りました。一面、白い泡が立っているような状況(満開)でした。
 この地区の蕎麦畑は健在でしたが、全体的に作付け面積は減っているように思います。
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第50回衆議院選挙 ~有耶無耶にされてはいけない~

2024-10-16 15:40:30 | 時事
 第50回衆院選は15日公示された(投開票は27日)。
《自民党派閥裏金事件を受けた政治改革》や《物価高を踏まえた経済政策》、《安全保障政策》などが焦点となる。
 切実な問題としては経済対策であるが、私は裏金問題における国民の追及が票に反映してほしいと思っている
 これだけ自民党が好き放題して、その疑惑(疑惑と言うより不正)を払拭する事実解明も説明も何らされず、再発防止の政治資金規正法の改正案も"おざなり”で“緩々(ゆるゆる)”としたものでお茶を濁されてしまった。
 この自民党の対応に、世間は納得できず支持率は低落した。しかし、自民党総裁選が大混戦でヒートアップし、勢いのまま?に解散、裏金議員にとっては厳しい処分(非公認や比例重複は認めない)で、落とし前をつけようとした一連の動きで、有耶無耶にされつつある感がある。現に新総裁誕生や新内閣発足後に支持率がアップする“喉元過ぎれば熱さを忘れる”効果が生じているようだ。


 そこで、有耶無耶にされてしまっている問題を列記させていただく。
①キックバックを再開させようと動いた幹部は誰か?
 『政治倫理審査会』では審査会で答弁した議員は「記憶は曖昧」と言って、肝心なことは語らず、単に形式を踏んだだけの会だった(まあ、国会での『証人喚問』も「裁判に関わることなので」で逃げることができるので、期待はしていなかった)
 石破総理とお会いする機会があるのであれば「あの政治倫理審査会は意味があるのか?国民が納得したと思っているのか?」と問いたい。
 『政治倫理審査会』だけでなく、裁判の場においても、“キックバック再開に動いた幹部”は明らかにされなかった。
安倍派会計責任者の証言【政治資金パーティーの収支報告書に虚偽記載に関する裁判での被告人質問】
 この記事で取り上げた『NHK NEWS WEB』の記事(2024年6月18日)では、かなり詳細に松本氏(安倍派会計責任者)の証言が記されている。
 この記事では、松本氏はその幹部議員の名を明かさず、弁護士も尋ねなかったと書かれていて、更に、7月9日の裁判では、検察が尋ねたが、やはり名を明かさなかった。
 9月30日、東京地方裁判所で「政治活動の公明、公正を確保するという法律の目的をないがしろにする犯行だ」として禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡されている。

 この一連の政治資金パーティー券収入における収支報告書不記載やキックバックなどの不正は、会計責任者や秘書たちが実務を任されたと思うが、主導や指示したのは議員である可能性が非常に高いが……

②パーティー券収入を巡る《収支報告書不記載》《キックバック》《中抜き》などの実態解明と、その裏金を何に使ったのか?
 自民党はこれらについて、ほとんど明らかにせず、“再発防止”と謳った『政治資金規正法』改正も、全く形式的なモノだった。《領収証の公開は10年後》とか《“いわゆる連座制”》とか(笑)
 今回焦点の選挙区になっている福井2区の高木候補は、不記載問題で《6か月の党員資格停止処分》を受け、期間終了で資格停止は解けたものの、今選挙では非公認となった。
 この高木議員、地元での記者会見(2024年1月27日)で、
「派閥の事務局から事務担当者に、いわゆる『還付金』は収支報告書に記載しなくていいという指導があったので、記載せずに提出した。私は代表者として、毎年の収支の概要について報告を受ける程度で詳細までは把握しておらず、記載漏れがあるという認識はなかった」
 高木議員に限らず多くの議員は、収支報告書や実際の入出金については秘書任せだったのかもしれないが、派閥の事務総長の高木氏が「知らない」というのは、非常に疑わしい。
 その上、還付金については「『還付金』は、現金で事務所内で保管し、必要に応じて同僚議員、マスコミ関係者、有識者と意見交換の場を設けた際の飲食費や会場費、交通費などに充てていて、政治活動に使用したものだ。いわゆる『裏金』や私的な使い方をしたことはない」と説明したが、還付金は全部使い切り、領収書はないという!
 石破総理とお会いする機会があるのであれば「政治資金パーティーのキックバックやその不記載は“不正行為”ではないのか?」「(高木氏などの)還付金使用に関する領収書はないことは、許されることなのか?」と問いたい。
 (他にも、いろいろ追及したいことは多々あるが、今日の記事ではここまで)


 今回の選挙で与党が勝利すると、「禊ぎは済んだ」「やはり“有耶無耶”にできた」となり、自民党は好き放題に政治・政策を進めてしまうことになる。
 《経済政策》、《安全保障政策》など大切な案件は多数あるが、裏金問題における自民党の一連の不誠実さを念頭に置いて、投票してほしい。
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そのうち勝つさ……

2024-10-15 22:24:09 | 将棋
羽生九段がこれだけ負けが込むのは、なかったと思う。
最近の成績は……何勝何敗か……確認する気にもなれない(確認するのが怖い)
今日、棋王戦で負けて今期の棋王戦は終了。今日、勝ってベスト4に入れば、敗者復活戦も付いたのだが……

明後日(17日)には順位戦が組まれている。
そろそろ勝って、泥沼脱出して欲しいのだが……それにも増して、次負けると、B級1組の座という点でも、背筋が寒くなってきてしまう。

取りあえず、明日はゆっくり休みましょう。
(私は仕事しますが)

それはそうと、今日は女流王将戦の第二局が行われるはずだったが、
「福間女流五冠より体調不良のため本対局の実行が不能との申し出があり、同三番勝負の対局規定に基づき、囲碁将棋チャンネルと日本将棋連盟で構成する女流王将戦委員会にて協議を行い、本対局を福間女流五冠の不戦敗とすることにいたしました」
とのこと(連盟のホームページより)

 タイトル戦の対局が体調不良で対局が延期されることはあったが、“不戦敗”は記憶にない。(私の記憶にないというだけで、実際に不戦敗はあったのかもしれない)
 遠い昔、升田元名人が対局を放棄したことがあった(陣屋事件)
 この第1期王将戦七番勝負は第5局を升田八段(当時)が勝ち、4勝1敗となった時点で、タイトル獲得は決定していたが、この当時の王将戦は指し込み制を採用しており、勝敗が3勝開いた時点で”指し込み”となり、指し込まれた方が香落ち下手を持たねばならない屈辱が与えられていた。
 その第6局の旅館の対応(主催新聞社かもしれない)に問題があり、「その旅館では将棋は指さない」と升田八段が主張。主催者側、旅館、連盟の説得にも応じず、対局は中止となっている。

 升田八段は「1年間の対局停止、王将位剥奪」の処分が下された。(この王将位については、升田八段が対局した為、第6局が成立しておらず、第1期王将戦自体が完了しておらず、升田の王将位就位じたいが成立しないという解釈が行われた)
 ただし、この処分はおかしいという世論が巻き起こり、論争になった。
 結局、当時の名人の木村義雄名人に裁定が委ねられ、「升田八段の会員待遇停止処分(一字不明)十五日をもって解除」となった。また、第1期王将位に升田八段が就いた。ただし、第2期は大山康晴名人との「被挑戦者決定戦」という面妖な3番勝負が行われ、1勝2敗で敗れた升田は、第2期の七番勝負の舞台に立てなかった。
 升田王将は第1期王将戦の決着後に、《迷惑を掛けた》という気持ちから陣屋を訪れ、和解している。

 それはともかく、連盟の報には疑問を感じる。
「同三番勝負の対局規定に基づき、囲碁将棋チャンネルと日本将棋連盟で構成する女流王将戦委員会にて協議を行い」とあるが、規定があるのなら協議するのはおかしい
 規定を“確認”し、不戦敗を決定したのなら納得できる。
 どういう協議がなされたのかは分からない(公にする必要はないかも)。
 ただし、《不戦敗にした理由》を公にすべきであろう


 ……連盟のことなので、単に表現ミスで“協議した”と表記しただけかもしれない
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【アニメ所感】僕の妻は感情がない(2024年7月~2024年9月)

2024-10-14 08:46:42 | アニメ
【公式サイト Introduction】より
毎日ご飯を作ってくれる女の子は、<感情がない>家事ロボットだった――。

一人暮らし3年目の社畜サラリーマン「タクマ」は、家事ロボットの「ミーナ」を購入する。
タクマは不器用で恋愛経験が少なく、ミーナも料理は出来るが人間についてはまだまだ勉強中。
人間とロボットという一見ちぐはぐな夫婦の二人は、一緒に過ごすことで互いを知っていく。
そして、感情がないはずのミーナにもやがて――。

「月刊コミックフラッパー」(KADOKAWA刊)にて好評連載中の杉浦次郎による大人気漫画「僕の妻は感情がない」。
「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第6位入賞のほか、SNSを中心に話題の本作が堂々のアニメ化決定!

監督は『五等分の花嫁』や『安達としまむら』、『君の膵臓をたべたい』等、多数の演出を手掛けてきた吉村文宏、アニメーション制作は手塚プロダクションが担当する。
「感情がない」はずの家事ロボットの妻との、少し不思議な、でも温かい結婚生活が始まる――。


《僕の妻は感情がない》という表現だと、次の2パターンが考えられる。
①妻はロボット(アンドロイド)
②妻は人間だが、ロボットのように感情がない
 ②の場合、いくつかのケースが考えられる……
・心因、あるいは外傷によって、情操部位に欠損などが生じ、感情がなくなった(回復する可能性もある)
・感情は普通にあるのだが、顔に出さないようにしている(顔に出ないタイプ、顔の出せないタイプもある)

 このアニメは①で、家事ロボットとしてタクマが購入
 ロボットやアンドロイドが社会で活躍しているという設定で、かなり精巧で感情を持つアンドロイド、それなりに人間性を感じさせる行動をするロボットもいるようだ。
 実際、ほぼ人間と同等に振る舞うことのできるロボット「スーパーミーナ」もいる。
 ロボットの感情や知能テストでランクも付けるし、ロボット法のようなものも細かく整備されているようだ。相当、ロボットの社会への浸透度が高い世界(社会)である。

 タクマは一人暮らし3年目のサラリーマンと言う訳なので、感情を持つほどの高価なロボットではなく、ミーナは一般的な家事ロボット。(スーパーミーナの廉価版、しかも、リサイクルに出されていた)
 とは言え、この家事ロボットのミーナは、最初から負けず嫌いの面を持ち、少し抜けたところもある(初期の頃だけ、負けず嫌いは持続)。
 ミーナ型の家事ロボット全体の設定ぽい気もするが、実は、タクマのミーナだけは、初号機開発者が心血を注いで作り上げたモノだった。

 主人公のひとりのタクマは、優しくてお人よしというアニメ主人公のひとつの典型タイプだが、かなり短絡的。
 これはアニメの尺(12話で終了)の関係かもしれないが、ミーナに愛着を感じるのはアニメの普通の流れとしても、そこから、《ミーナが妻であった欲しい》《ミーナを妻として接する》までの期間が非常に短かった。
 普通、もう少し悩んだり、葛藤(←同じ意味か?)するものだろう!

 ちなみに、このアニメ的には“内縁の妻”扱いとしている。
 

 《アンドロイド(ロボット)の感情》については考えることが多い。
 過去には『AIの遺電子』 第3話「心の在処」訂正)などで、深く考えさせられた。
 最近でも、『NieR:Automata Ver1.1a 第2クール』 とこの『僕の妻は感情がない』も、同種のテーマだった(『NieR:Automata』は、真相解明的な要素も強かった)

 で、この『僕の妻は感情がない』はタケシが短絡的に突っ走ってしまったので、少し引いてしまった点もあり、途中で離脱するような気がしたが、最後まで観てしまった。(理由は後述)
 それはともかく、先述したように、タクマがアンドロイドを妻とすることを決断する際の葛藤がないというのは……視聴者のこちらが心配になってしまった。そんなこちらの心配を意に介さず(当たり前か?)、“ミーナちゃん”と呼び掛けるのには、《う~ん》と思ってしまう。
 当然、子どもはできないし、両親はやはり残念というか、猛反対するのでは?……(妹は、少々変わっていて、「異種間恋愛フェチ」でタクマたちを熱烈応援)

 その《アンドロイドを妻にすることの問題点》を、叔父と母親が指摘してくれた。
叔父・峰岸康史郎
「これ(ミーナを指していたが、アンドロイドと“夫婦ごっこ”をしていることを言っている)は、ちょっと趣味が悪いじゃないか?」
「このロボットを妻として生活していることが、酷いことに感じたんだ」
「ゲーム感覚だったり、自分を慰めるためにこんなことをしているんなら、やめてくれないか」

《対等な関係で、一生夫婦としてやっていきたいと思っている》(タクマ)
「そういう話じゃなく、(結婚というのは)離婚したっていいんだよ。
 結婚してみて、《やっぱり違うな》って時に、離婚できる方が健全だ。
 ただ、その時、お前と離れたら、人間と対等な関係から、ただのロボットになっちゃうということだろう。
 お前と結婚している間だけ、これは人間と同等に扱われるということだ。これは、とてつもなく不平等なことだ。
 敢えて言うと、俺の目から見ると、今のおまえは、《その不平等に胡坐をかいている》ように思う。おれはそれが、どうにも気持ちが悪い」
「このロボットを嫁さんだって言うなら、そういうことも考えてやってくれ。
 他の人にとって、どうでもいいことだからこそ、お前だけは考えなくちゃいかんと思う」


ここでニーナが、康史郎の腕を強く掴み、上方へ引き上げる(痴漢の現行犯を捕まえるような動作)
「私はタクマ様と一緒にいてもいなくても、私です。
 タクマ様がどのように私と付き合うかは、私とタクマ様の自由です」

「あれ?ロボットって怒るのぉ?」
ミーナ、タクマに歩み寄り並ぶ。
「怒っていません。《妻帯者は新しく恋人を作る》必要はありません。
 全部、憶えておいてください」

ふたりの様子を見た康史郎は
「ごめん、ごめん……悪かったよ」(降参の表情)

 一見すると、康史郎は能天気に見えるが、けっこう、考えが深い。(ちょっと、論点がズレているような気もするが)
 でも、ちょっと、理屈っぽいなあ。“これ”とか“酷い”とか“気持ち悪い”と言ったのはわざとなんだろうけれど。
 ミーナが強く自己を主張しているし、そういうことを言える関係だということが分かり、納得したようだ。


 叔父の意見に、タクマは考え一大決心して実家の両親に、ミーナを妻として紹介する。
 両親は、「お前が良いなら、それでいい」と反対しない。タクマはまともな結婚はできないと半ばあきらめていたと言う。
 ただ、ニーナを《便利な家電ロボット》としか見ていないようだ

母・絵美
 ニーナが夕飯のカレーを作り終えたころ、絵美がニーナと二人で話す機会ができた。
「いつもタクマに料理を作ってくれてありがとう。お料理が好きなの?」(絵美)
所有者の健康の為、お料理を作る…そのために生まれたのでそうしています。好きかどうかで作ったことはありません
「仕事ってこと?……そうねえ、わたしもそうよぉ。嫌でしょうがない時も、何とか頑張ってやっている」(絵美)
「絵美さまはご立派ですね」
「タクマと結婚して…大変なことはない?」(絵美)
私はお嫁さん用ではないので、対応に困るときがあります
「そうよねえ、そうなのよ……人間もそう、誰もお嫁さん用にもお婿さん用にも、作られてないの
 それなのに、“家族”っていう一つのまとまりになって暮らそうとするのよねぇ」(絵美)
「大変ですね」
「大変なの。他人同士が暮らすから、うまくいかないことばっかり。家族みんなが敵に見えることだってあるわぁ」(絵美)
「どうしすると、うまくいきますか?」
努力よ……努力だけが、あたしたちをやっと“家族”にするの」(絵美)
「努力なら、したことがあります」
「じゃ、大丈夫ね」(絵美)
「はい」


あんた(タクマ)の持っているミーナの所有権を、私に替えられない?
 これ、私の勝手な気持ちなんだけど……あんたが《“奥さん”て言っている子》の所有権を持っているのが、どうしても……気持ち悪いのよね
」(絵美)
「別に、本物の嫁じゃねえんだから、いいんじゃねえかぁ?」(父親)
タクマにとっては本物なんでしょ?」(絵美)
(はっ!とした表情をするタクマ)
そうなんでしょ。だったら(所有権を)私に替えてほしいの。お父さんでもいい。
 家族はあなたの持ち物じゃないんだから
」(絵美)

「所有権の移譲はお勧めしません。
 私たちロボットの行動は、所有者の権利を代わりに行使するような形で実行されます。
 所有者が離れた場所にいると、その人に許可をもらうまで、リンゴをむくこともできません」(ミーナ)
「例えば、《私の許可は不要》とか《実行に際してタクマの意思に従うこと》みたいな設定はできないの?」(絵美)
「できます」(ミーナ)
「だったら…」(絵美)
「ですが、想定していない事態に咄嗟の対応ができなくなる可能性があります」(ミーナ)
「なら、《想定しない事態が起こった時の判断は、タクマに任せる》ということはできないの?」(絵美)
(横を向いて)……………………………………………………できます(ミーナ)
ひょっとして……嫌がって…るの?」(絵美)
「嫌…なの?」(タクマ)
「どうして、嫌なの?」(絵美)
「合理的な理由はありません」(ニーナ)
「どんなことでもいいのよ。言ってみて」(絵美)
ロボットは全ての人間の生命を守るよう行動しますが、中でも所有者の生命は最優先です。
 恵美様の納得の為に、所有権を移した場合、タクマ様と恵美様の生命に同等の危機があった時に、恵美様を助けなければいけません。
 ……このことは、私の最重要部分です。それが完全には果たせなくなります。
 恵美様、私から仕事を奪わないでください
」(ニーナ)
……僕も…ニーナちゃんを誰にも渡したくないっ!どう思われてもいい!」(タクマ)
それなら、いいの」(絵美)

 《第1所有者をタクマ、第2所有者を恵美にする》ことでうまくいきそう(詳細は省略します)


ニーナとタクマ(アンドロイドと人間)が夫婦となることの、根底にある問題、哲学的思想を深く考え、整理し納得できたようだ。
 ただ、私としては、母・絵美が《他人同士が、家族として一つになるのは“努力”しかない》と思っているのが、少し悲しい。
 きっと、嫁いだ女性が抱える大きな問題なのだろう。


 短絡的にニーナを愛したタクマにちょっと引いてしまったが、作者が深く掘り下げて描いてくれて、よかった。

 さて、私が離脱せずに視聴した要因に、健康管理サポートロボット“マモル”の存在がある
 ミーナがメーカーでのグレードアップのため家を留守にする間、タクマを状況を確認(監視?)するために家に送ったサポートロボット。
 健康をサポートするための基本能力を備えていたが、何故かそれが消滅し、サラの状態になってしまい、いわゆる“赤ん坊”状態。ただし、基本的成知識はなくなったが、ニーナの性質は受け継いでいた。なぜか、タクマが幼いころの奇異な笑い方も継承していて、タクマとニーナの子どものよう。
 このマモルが非常に愛らしい。特に、声と話し方がかわいい。声 -は若井友希さん。大げさかもしれないが、ドラえもんの声に匹敵すると思っている。(大山のぶ代さん…寂しいなあ。ご冥福をお祈りします)

けっこう人間味があるニーナ
・何事にも冷静に分析するが、かなり強情で負けず嫌い
・自尊心が高い?……褒められると顎が上がる→傍目からは、《無視でも飛んでいて、それを凝視している》と勘違いされる
・初期の頃は、少し間の抜けたところがあった
・とてもタクマを大切に思っている

 アニメの最終は……家族が3人となり広い家に転居。家族宣言を兼ねた引っ越し挨拶の葉書を、タクマの知人たちが見ているシーン、これまでの回想シーンで締めくくっている。
 原作は続いているのだろうか?
 いいアニメだったと思う。

個人的嗜好得点……765点(1000点満点)
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厄介な正義……「テロリストを5万人殺そうが、5千人の市民を殺そうが関係ない」(イスラエル市民・中年女性)

2024-10-11 11:16:43 | 時事
(タイトルが地味だったので、サブタイトルを付け足しました)
NHKスペシャル 「“正義”はどこに~ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル~」
NHKクローズアップ現代「広がる戦火ガザ衝突1年 不信と憎悪の果てに」
 この両番組を観て、非常に陰鬱な気持ちになった。

「歪んだ正義」とか「暴走する正義」とか言うことがあるが、
 “正義”という言葉、概念、思想そのものが厄介なのである。
 辞書によると――
【正義】……①人が行うべき正しいすじみち。正しい道理。用例「―の味方」
      ②正しい意味。

 この記事で考えているのは①の意味。
 確かに、《人が行うべき正しい筋道》というのが、普通、皆が思っている「正義」の意味で、この定義を否定する人は少ないだろう。
 ドラマなどでも、その定義に沿って使用されている。
 ただし、上記で挙げたように「歪んだ正義」「暴走する正義」や「俺の正義」「それぞれの正義」とかいうように、「正義」にはいろいろあるようだ。
 極論すれば、《人間の数だけ正義がある》のだ。
 ドラマなどでは、もともと、世の中の為とか人の為に良いことをしようとする善人がいる。しかし、“世の中の為”という気持ちから発生した正義が偏ったものになることも、往々にしてある。その偏った正義に基に行動を起こすので、とんでもない悲劇を引き起こす……。

 “偏った正義”と記したが、“正義”という言葉・思想を発した時点で危険なのである。
 復讐心や欲望によって成し遂げたい行為が決定することがある。
 その場合、復讐心を正義という言葉にすり替えて、自分の行為を正当化してしまう危険性もある。
 《正義に従って行動する》=《自分は正しいことをしている》に凝り固まってしまう……



 ニュースでは《ガザ空爆などの犠牲者や被害》や《停戦が難航》などの情報が報じられ、《アメリカがイスラエルを支援して、積極的に制止しようとしない》とか《イスラエルのネタニヤフ首相は、国際批判を意に介さずハマス殲滅を目指している》という報道(批判)がされている。
 さらに、「イスラエル国内では、ガザに対しては停戦の声が大きくなってきているが、ヒズボラ殲滅の為のレバノン攻撃を支持する声は大きい」という報道もある。
 なので、レバノンはともかく、ガザ攻撃をやめないのは、ネタニヤフ首相をはじめとする政府や軍部の意思だと思っていた


 しかし、この2番組を見て、ガザ攻撃はイスラエル国民の総意(そうでない人もいるが)によるものだと痛感した。


NHKスペシャル 「“正義”はどこに~ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル~」
ハマス壊滅と人質救出のために始まったはずの軍事作戦だったが、状況が大きく変わっていた。
(人質解放の為)停戦を訴える人質家族たちも抑圧の対象となっていた。

停戦と交渉を求める家族の訴えが、ハマスを壊滅する戦闘の妨げになるとされている。
家族が人質になっている女性
「政府は私たちのデモをやめさせようとしています。
 後ろから刺されるような身の危険や恐怖を感じます。
 この戦いにもう大義なんてありません」
(その言葉の直後に、デモ参加の女性(インタビューとは別の女性)の背後から、警官の騎馬隊が来て、馬に蹴倒され、踏みつけられる映像が映された)
イスラエル市民(高齢・男性)
「イスラエルは戦争をやめない、テロリストを全員排除するまでは」
「ハマスを殲滅するためなら、ガザ市民が何万人死んでも構わない」
「ガザの赤ん坊も殺害すべきで、パレスチナ人がいなくなれば良い」


 イスラエル人教師M氏が、ガザへの攻撃の停止を願って、ガザの赤ちゃんや子どもの遺体をの画像をアップしたら、教員免許を略奪され、煽動の疑いで逮捕・拘留された。「国家を裏切り、秩序を破壊する意図がある」「10月7日のハマスによる強姦などの暴力を正当化する行為だと思わないか」と。
 釈放後は、生徒たちから罵声を浴びせられた。
「お前は人でなしだ。兵士はガザで戦っているのに」
「私の兄は戦場で戦っているんだ。お前はここにいるだけのくせに」
「お前は癌だ。人でなし」
 何十人もの生徒が職員室に向かって苦情を申し立てた。学校では完全に孤立した。
 外出するたびに罵倒され、唾を吐きかけられた。

 ネットからも
「イスラエルの敵め。あなたは現実が見えていない」
「お前が残虐なリンチを受けることを願うよ」

こんなメッセージが何千件も届くという。
 同僚の教師からも
「あなたは良心がゆがんでいるから、敵の子どもを守りたくなるんだ」
「ユダヤ人の道徳は絶対的だ」
「神の教えでは、敵は消し去らなければならない。たとえ赤ん坊だとしても
※《宗教については個人の考えです》と注釈

 教師は取材陣の顔を見て
「なんて返せばいい?《赤ん坊でも消し去らなければならない》なんて」と問う。


イスラエル検察庁・治安責任者
「私たち検察はテロや虐殺を支持したり、ハマスを支持した場合のみ起訴しています。
 グレーなケースはありません。明々白々なケースのみです」
「テロ対策法はテロを行うように呼びかけた時点で犯罪になります。
 ハマスの残忍なテロを支持した場合も犯罪になります」
「トラウマとなる恐ろしい虐殺が起きた事実から目を背けることはできません」
「私たちはユダヤ人とアラブ人が手を取り合う平和な楽園に住んでいるわけではないのです」
「自国民が敵を支持することを受け入れることは不可能です。すべてが犯罪行為とは言えないが、社会が封じ込めるべきことです」

ハマスによるイスラエルの被害(10月7日時点)
死者 1200人以上  人質 約250人



停戦を求める集会の場にて
「散れ!散れ!」と言いながら、デモの人々を突き飛ばす警官
 デモの人々から、パレスチナの国旗を奪う警官


イスラエル人右派活動家
 数百件のイベント(デモ)を阻止してきたと言う
「例えば、イスラエル兵を貶める展示……《ガザの無実の子どもを傷つけている》と主張していた(表現している絵)。
 このイベントを阻止してきます」
 実際に、その場に行って、展示してある絵を蹴り飛ばす。
 展示していた人には手を出さないが、「家に帰りなさい」と叫ぶ。
この場にいた警官は、彼を制止していた。
インタビューの場で
「扇動は人を殺します。人に危害を加えます。だから止めなくてはならない。
 イスラエル兵やイスラエルに危害を加える者と戦います。
 これは善と悪、光と闇との戦いです。
 善の民である私たちは必ず勝利します

 彼は、胸を張った。

(場面は変わって)
〔停戦を求めるデモ隊、デモを囲み注視する警官たち、そのデモ隊をなじる市民〕
市民「私たちは国防の為の軍を誇りに思っている」
「アラブ人は出ていけ!恥さらしめ、恥さらしめ!……」
その中に、先程の右派活動家もいて
「恥さらしめ!恥さらしめ!恥さらしめ!恥さらしめ!恥さらしめ!」 
「私の曾祖父の家族は全員ホロコーストで、殺害されました。
 思い出してください。85年前、ナチス・ドイツによって600万人のユダヤ人が殺されたことを。
 10月7日はユダヤ人にとって、ホロコースト以来、最も困難な日になった」
「テロリストを殺して、その代償を払わせる必要があります。
 軍は自衛と我々の命を守るために戦っている」

“イスラエル民族よ永遠なれ!先祖たちは永遠に生きている……”
  叫び、歌い、踊る市民たち……


右派活動家
「10月7日に戦争を始めたのはハマスだ。戦争をやめろと訴えるなら、ハマスにこそ言うべきだ」
取材記者
「“ハマスが許しがたい”と言うが、あの日以来、ガザのパレスチナ人が4万人も亡くなっている。
 そのことをどう思っていますか?」

右派活動派
「悲しいことだと思いますが、その中にテロリストもいるのです」
記者
「だから問題ないと?」

活動家
「戦争では罪のない人々が死ぬ。
 ハマスが戦争を始めたのだから、仕返しをするのは当然ですよね!
 もしあなたが歩いていて、いきなり誰かに殴られたらやり返さないと言えますか?!!
 やつらは私たちを殺した。誘拐して丸焼きにした!
 あなたなら黙っていられますか?それともやり返しますかっ?」


〔ヨルダン川西岸〕
 国際法違反とされる占領地への入植活動に拍車がかかっていた
 ユダヤ人入植者たちが次々とプレハブやトレーラーハウスを設置し、実効支配を進めていた。
 国際法違反を無視して、イスラエル政府はユダヤ人の入植を認めていた。

 入植ユダヤ人たちは、「自分たちの土地に戻ってきただけだ」と当然の権利だと主張
 入植者だけではなく、警官たちも何もしていない先住者たちに警棒などで殴りつける、蹴りつける。
 イスラエル兵も同様だ。

 イスラエル人は、ハマスのテロ行為を免罪符にして、テロを受けた仕返しに暴力をふるって、パレスチナ人を追い出そうとしている。
《ハマス(パレスチナ人)は危険だから、排除する》という理屈だ。

 入植者たちはパレスチナ人の住居を重機で破壊し続ける。
 そして、ついに、入植者が発砲。倒れるパレスチナ人。近くにいたイスラエル兵は傍観するだけ。


 アイーダ難民キャンプで青少年センター長で子どもの教育支援をしているM氏
 これまで5回の拘束を受けたが、今回はこれまでと全く違っていた。強い復讐の雰囲気を感じたという。
 兵士に殴り倒され、監獄に連れていかれ、そこで無理やり裸にされた(拒否したが、殴られ床に倒され、服を脱がされた。
 全裸で身体をなぶられ、嘲笑され怒鳴られ、罵詈雑言を浴びせられた。
 食事は、兵士の食べ残しをミキサーにかけられ皿に盛られたモノ。
 ただの拘束ではなく、辱めを与えるのが目的のようだ。


 1948年、イスラエルの建国により、パレスチナ人は土地を追われ、ガザとヨルダン川西岸に追いやられている。

 10月7日以降、パレスチナの占領地への抑圧は強くなり、
 「ガザにユダヤ人の入植地を作りましょう」
 「ガザは全て我々ユダヤ人のモノだ」
という言葉まで公然と叫ばれるようになった。

 
《国際法違反とされる入植をガザにまで広げる正当化を、どう説明するのか?》
極右政党の議員
「10月7日以降、イスラエルの人々はガザやハマスに対する考えを改めた。
 彼らは我々を滅ぼし、ここからユダヤ人を一掃しようとしている。そのことが鮮明になった。
 私たちは戦い続ける。イスラエルはそうして永らえてきた。
 もし誰かが悪の側に立つのであれば、我々は民主国家として善の立場に立って戦う」

《国際社会からの批判が高まっていたとしてもですか?》
「もちろんだ。どんな力をもってしても、私たちを消し去ることはできない。
 私の祖父はアウシュビッツで殺された。困難を経てこの地を得たのだ。誰にも邪魔はできない」


M高校教師(パレスチナの子どもたちの遺体の画像をアップして、世間から村八分にあった)
「パレスチナ人も私(ユダヤ人)も同じ人間だと、大学時代に彼らに会って気づいた。
 私が持っている権利を彼らにも持ってほしいと考えるようになった
 しかし、多くのユダヤ人は自分たちと違う人々を受け入れることができない。
 あちらが悪でこちらが善という考えから抜け出すのはとても難しいのです」


高校教師は友人に会いに行く。同僚のイスラエル人教師だ。復職に協力してくれている。
自分に理解を示してくれている4人のうちの一人だという。


 友人は友好的な態度で出迎えてくれたが、「占領」についての議論が始まると、
《占領はない》と主張。「ユダ王国時代から我々のモノだ。授業で習っただろう」と譲らない。
それでも《一旦は、パレスチナと分割した。譲歩した》という論点になり、
M教師
「パレスチナ人には基本的人権がない。何世代もそうして暮らしてきた。一日の自由もない人生を送らねばいけないというのか?」
友人教師
「イスラム教はどんな宗教だ?
 パレスチナ人に「平和」の概念はない。あるのは服従だけだ。
 “イスラム”というのは「服従」という意味だ。

 ムスリムは神に服従しているんだ」

   ※宗教については個人の考えですという字幕
 《宗教の話ではない》《広い視野(宗教)で考えるべきだ》と議論にならなくなった。落胆の表情で、友人を見つめるM氏。
 引き出しから取り出したグロック製の銃を見せる友人。
「この銃が家族や親しい友人の命を守ってくれる」と誇らしげに語る

〔国連 安全保障理事会〕
 ガザでの無条件の即時停戦を求める決議案には、アメリカが繰り返し拒否権を行使
 アメリカの後ろ盾を得たイスラエルは社会の非難を無視
イスラエル国連大使
「同盟関係にあるアメリカとは固い絆で結ばれている。
 我々は民間人の犠牲を最小限にとどめながら、引き続きテロリストの殲滅に力を注いでいく」

アメリカは自制を求めながらも、一貫してイスラエルを支持してきた
《イスラエルは過剰に武力や自衛権を行使しているとは思わないのですか?》
アメリカ国連次席大使
「我々はイスラエルに自衛の必要性を理解し支持すると伝えてきた。
 同時に、民間人の犠牲を抑えて作戦を行うよう繰り返し働きかけている。
 イスラエルは存立の為の戦争に巻き込まれており、自衛の権利がある」

《アメリカはウクライナに侵攻したロシアを非難する一方で、イスラエル人の国際人道法違反を容認してきたことで、ダブルスタンダードだという批判が強まってきていますが》
「全くそうは思わない。我々は常に国際的な正義の理念の提唱者であり続けている。
 国際的な正義や国際法を損なうとは考えていない」

《ガザの犠牲者が増え続けても、アメリカはイスラエルを守り続けると?》
「我々は特に自衛権の名においてイスラエルを擁護し続ける」


〔国際刑事裁判所〕
2024年5月、ハマスの指導者3人を国際法上の犯罪を起こしたと判断、さらにイスラエルのネタニヤフ首相とがらんと国防相も国際法上の犯罪の責任があると判断し、逮捕状を請求
 この逮捕状請求に対して、アメリカが圧力をかけているが、
「法の下の平等は世界のどこの裁判所においても不可欠であり、人々の命は等しく尊重されねばならない。そこに上下はない
 あらゆる状況下において、同じ基準で法を適用しなければ、法の支配が崩れてしまう」


NHKクローズアップ現代「広がる戦火ガザ衝突1年 不信と憎悪の果てに」
 『NHKスペシャル』と同様な内容だった。NHKのドキュメント共通の思想なのか、独立して番組を制作した結果、同じような考えを持ったのかは不明である。
 ちょっと『NHKスペシャル』に精力を使い果たしてしまったので、こちらは簡単に(桑子さん、ごめんなさい)

〔ハマスを壊滅させるため、ガザでの攻撃の継続を訴えるエルサレムでの集会〕
 一般市民のコメントが強烈だった
男性市民
「私たちは止まらない。停戦はあり得ない」
中年女性(普通の人に見えた)
「テロリストを1万人殺そうが5万人殺そうが、5千人の市民を殺そうが関係ない

世論調査(イスラエル民主主義研究所・9月3日発表)では
「ガザ地区で軍事的にできることをまだ達成していない」………64%


ガザの窮状を何とかしようと支援物資を供給しようとする動きもあるが、脅迫などの圧力がかかる


 ヨルダン川西岸の状況はこの番組でも報じられていた。
 その中で印象的だったのは、その地域に住むイスラエル人の中年女性
 10月7日のハマスのテロ以降、パレスチナ人への警戒心が強くなったという。銃を携えていた。
 テロで多くの知人を亡くした。アラブ人を見かけると不安を感じるという。

 この女性の他にも、銃保有の免許申請者が急増した。
 だれにも頼らず、自分たちが強くなれば、平和が訪れると思うと言う。


 西岸地区で入植者(ユダヤ人)のパレスチナ人の襲撃・暴行が増えた。
 銃で撃たれ、死亡した若者もいた。


 10月7日のテロ以降、それを大義名分にして暴行を繰り返している。
 イスラエル首相のネタニヤフも同様で「自衛」という大義名分で空爆を続けている。
 さらに、ハマス最高幹部の殺害、ヒズボラへの攻勢強化、ヒズボラ最高指導者殺害と続け、支持率もアップしている




イスラエル人(ユダヤ人)の根底にある思想が感じられるのが以下の言葉。
「ハマスを殲滅するためなら、ガザ市民が何万人死んでも構わない」
「ガザの赤ん坊も殺害すべきで、パレスチナ人がいなくなれば良い」
「ユダヤ人の道徳は絶対的だ」
「神の教えでは、敵は消し去らなければならない。たとえ赤ん坊だとしても」
「これは善と悪、光と闇との戦いです。善の民である私たちは必ず勝利します」
「私の曾祖父の家族は全員ホロコーストで、殺害されました。
「思い出してください。85年前、ナチス・ドイツによって600万人のユダヤ人が殺されたことを。
 10月7日はユダヤ人にとって、ホロコースト以来、最も困難な日になった。
 テロリストを殺して、その代償を払わせる必要があります」
「ガザは全て我々ユダヤ人のモノだ」
「彼ら(ハマス、パレスチナ人)は我々を滅ぼし、ここからユダヤ人を一掃しようとしている。そのことが鮮明になった。
 もし誰かが悪の側に立つのであれば、我々は民主国家として善の立場に立って戦う」
「イスラエルは存立の為の戦争に巻き込まれており、自衛の権利がある」(アメリカ国連次席大使の言)
「テロリストを1万人殺そうが5万人殺そうが、5千人の市民を殺そうが関係ない」
「自分たちが強くなれば、平和が訪れると思う」


……《自分たちは善で、自分たちと違う者は悪だ》
《敵(悪)は消し去らねばならない》
《ホロコースト、10月7日のテロの悲しみと恐怖は忘れられない。絶対に、それを繰り返してはいけない》
《自分たちの行為(パレスチナ人を殺害する)は、自衛の為で正しい》
《銃を持って強くなれば、平和を掴める》



公正な目を持つべき立場の機関でさえ……
〔イスラエル検察庁・治安責任〕
「私たち検察はテロや虐殺を支持したり、ハマスを支持した場合のみ起訴しています。
 グレーなケースはありません。明々白々なケースのみです」
「テロ対策法はテロを行うように呼びかけた時点で犯罪になります。
 ハマスの残忍なテロを支持した場合も犯罪になります」
「トラウマとなる恐ろしい虐殺が起きた事実から目を背けることはできません」
「私たちはユダヤ人とアラブ人が手を取り合う平和な楽園に住んでいるわけではないのです」
「自国民が敵を支持することを受け入れることは不可能です。すべてが犯罪行為とは言えないが、社会が封じ込めるべきことです」


言葉を素直に解釈すると、妥当なことを言っているように聞こえる。しかし、
 《起訴するのは、明々白々なケースのみ》……“明々白々”かの判断が、妥当なものなのか?
 《私たちはユダヤ人とアラブ人が手を取り合う平和な楽園に住んでいるわけではない》……アラブ人を受け入れる選択肢はない



一刻も早く、紛争が終わることを願います
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