漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 671

2025-02-15 05:01:37 | 貫之集

しづむとも うかぶともなほ みなそこに なををしどりの ともにこそおもへ

沈むとも 浮かぶともなほ 水底に 名ををし鳥の ともにこそ思へ

 

水底に沈んだりまた浮かんだりしているおし鳥の名のように、恋の浮き名が立つのを惜しいと思う。

 

 第四句「をし」が「をし(鳥)」と「(名を)惜し」の掛詞になっており、初句からそこまでがその「をし」を導くための序詞になっています。実質的な歌意の表現としては「名ををし」のみというシンプルな主題を長い修辞で飾った作ですね。



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