野の花
あきののの ちぐさのはなは をみなへし まじりておれる にしきなりけり
秋の野の 千ぐさの花は 女郎花 まじりて織れる 錦なりけり
野の花
秋の野に咲くさまざまな草の花は、まるで女郎花をまぜて織った錦のようであるよ。
文字通りの風景を詠んだものとも、錦をまとったひときわ美しい異性を詠んだものとも思えますね。
同じモチーフの類歌(というか、言葉の順序を入れ替えただけに思えるほどよく似ています)が 455 に出てきます。
あきののの はぎのにしきは をみなへし たちまじりつつ おれるなりけり
秋の野の 萩の錦は 女郎花 たちまじりつつ 織れるなりけり