漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 344

2024-03-25 05:00:32 | 貫之集

野の花

あきののの ちぐさのはなは をみなへし まじりておれる にしきなりけり

秋の野の 千ぐさの花は 女郎花 まじりて織れる 錦なりけり

 

野の花

秋の野に咲くさまざまな草の花は、まるで女郎花をまぜて織った錦のようであるよ。

 

 文字通りの風景を詠んだものとも、錦をまとったひときわ美しい異性を詠んだものとも思えますね。
 同じモチーフの類歌(というか、言葉の順序を入れ替えただけに思えるほどよく似ています)が 455 に出てきます。

 

あきののの はぎのにしきは をみなへし たちまじりつつ おれるなりけり

秋の野の 萩の錦は 女郎花 たちまじりつつ 織れるなりけり



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