「戦略」などという立派な表題にふさわしい効果覿面の対策などはない(苦笑)のですが、(一)~(十)の出題分野ごとに、思うところを書きます。
(一)読み 目標25点
25-3 では、分類A~Cで21点。あと4点をどう取るかですが、「辞典」に載っていない熟語の出題も多く、なかなか対策が難しい分野です。ただ音読みに関しては、例えば 25-3 で出題された 【寿讌(じゅえん)】 のように知らなくても読める問題も少なくないので、分類A~Cをしっかりやれば、20点中18点程度は期待できるでしょう。問題は訓読みです。回によるばらつきが大きいですが、一文字で送り仮名もない読みなどはなかなか前後の文脈からの推定も難しく、知らなければそれまでという問題が多いです。25-3 の 【檠(ゆだめ)】 などがそうですね。特効薬はないので個々の漢字の学習を地道に積み上げて行くしかないですが、その際、初回合格のための効率追求という観点では、「漢検要覧」に載っていても「漢検 漢字辞典」に載っていない読み(=主として「字義」としての訓読み)は学習対象から外しましょう。かつてはそうした読みも時折出題されていたようで、「完全征服」や「分野別」には僅かながらそうした問題も掲載されていますが、少なくとも私が手元に持っている平成15年度以降の過去問では一度も出題されていません。出題の基準はあくまで「要覧」というのが漢検協会の考え方のようですからいつ出されても文句は言えませんが、「要覧」に記載されているQ&Aの記述(転記は差し控えますが、288ページです。お持ちの方は確認ください。)からしてもまず出題されることはないでしょうし、万が一出ても1問でしょう。「要覧」にあって「辞典」にない読みはかなりの数ありますから、学習負担が相当軽減されると思います。
(二)書き取り 目標22点
25-3 に関しては、分類A~Cだけで目標の22点が取れます。残りは 【矯激】 【相貌】 【呉】 ですが、実際のところ後ろの2つは分類D・Eとしては易しいですね。25-3 は(二)が少し難易度が低かったということでしょう。ただ今回、 【呉】 に関しては、思いついても「まさか」と思って書かなかった方も多かったようです。やはり試験ですから、空欄は極力残さないということが大切と思います。私もまったく確信はなかったですが、「くれ」と読む漢字を他に思いつかずに 【呉】 と書き、幸運にも正解できました。
25-3 の話はさておき、過去問を一通り身に付けた上でのプラスアルファの対策としては、やはり過去問の読み問題を書けるように練習するということでしょう。ひとつひとつは把握していませんが、漢検において読み問題がしばらく後に書き問題として出題されることは非常に多いです。
もう一つ、やや邪道かもしれませんが、効率追求という観点で、易しい漢字で代替できる字は書く練習は不要と思います。例えば 【曁(およ・ぶ)】 という1級配当漢字があり、読み問題としてはたびたび出題されていますが、これは書く場合には「及」で代替できてしまうため、まず書き取りで出題されることはないでしょう。万が一出題されても「及」と書けば良いのですから、【曁】 を書ける必要はないと思います。
(三)国字 目標10点
ここは10点満点以外ありえません。分類がどうの過去問がどうのではなく、約100字しかない中から必ず5問出るのですから、完璧に準備しましょう。実際、合格者の平均はいつも9.8~9.9点で、合格者10人のうち9人が満点、1人が8点の計算になります。合格者はここは落とさないということですね。なお、傾向としては5問中1問は単位を表す漢字が出ることが多く、直近5年では15回中11回で出題されています。全部覚えるのですから出題傾向など関係ないですが、ご参考まで。
(四)語選択書き取り 目標6点
ここは対策が難しく、また回によって難易度のばらつきも大きい設問で、合格者の平均が6点代なんてこともありました。選択肢が与えられるとは言え、意味の記述からその熟語を想起できることが必要ですので、他の分野で既出の熟語でも必ずしも正解できないところが難しいです。私自身が過去問以外にやっている対策としては、勉強していて知らない熟語に出会ったら、この設問の形式で自作問題集に加えていっています。エクセルに順に意味・読み・漢字を入力しておき、極力意味だけから熟語が想起できるように練習します。エクセルはこんな感じですね。
(五)四字熟語 目標 書き取り18点 意味10点
前回の「その3」で詳しく書きましたので繰り返しませんが、目標は28点。つまり、下位級配当のものや四字熟語辞典にないものが出題されたらそれは誤答で已む無しとし、それ以外はすべて取るということです。しつこいですが、それが実現できるだけの勉強をすれば、必ず他の分野にも大きくプラスに波及します。
また、前回書き忘れましたが、1級四字熟語を網羅するもう一つのメリットとして、それをやることで1級配当漢字の半分近くが学習できるということもあります。各四字熟語に基本的に一つ以上の1級配当漢字が含まれている一方、1級配当漢字全体は実質的には2,700弱ですので。
半分まできました。(六)~(十)に続きます。
(一)読み 目標25点
25-3 では、分類A~Cで21点。あと4点をどう取るかですが、「辞典」に載っていない熟語の出題も多く、なかなか対策が難しい分野です。ただ音読みに関しては、例えば 25-3 で出題された 【寿讌(じゅえん)】 のように知らなくても読める問題も少なくないので、分類A~Cをしっかりやれば、20点中18点程度は期待できるでしょう。問題は訓読みです。回によるばらつきが大きいですが、一文字で送り仮名もない読みなどはなかなか前後の文脈からの推定も難しく、知らなければそれまでという問題が多いです。25-3 の 【檠(ゆだめ)】 などがそうですね。特効薬はないので個々の漢字の学習を地道に積み上げて行くしかないですが、その際、初回合格のための効率追求という観点では、「漢検要覧」に載っていても「漢検 漢字辞典」に載っていない読み(=主として「字義」としての訓読み)は学習対象から外しましょう。かつてはそうした読みも時折出題されていたようで、「完全征服」や「分野別」には僅かながらそうした問題も掲載されていますが、少なくとも私が手元に持っている平成15年度以降の過去問では一度も出題されていません。出題の基準はあくまで「要覧」というのが漢検協会の考え方のようですからいつ出されても文句は言えませんが、「要覧」に記載されているQ&Aの記述(転記は差し控えますが、288ページです。お持ちの方は確認ください。)からしてもまず出題されることはないでしょうし、万が一出ても1問でしょう。「要覧」にあって「辞典」にない読みはかなりの数ありますから、学習負担が相当軽減されると思います。
(二)書き取り 目標22点
25-3 に関しては、分類A~Cだけで目標の22点が取れます。残りは 【矯激】 【相貌】 【呉】 ですが、実際のところ後ろの2つは分類D・Eとしては易しいですね。25-3 は(二)が少し難易度が低かったということでしょう。ただ今回、 【呉】 に関しては、思いついても「まさか」と思って書かなかった方も多かったようです。やはり試験ですから、空欄は極力残さないということが大切と思います。私もまったく確信はなかったですが、「くれ」と読む漢字を他に思いつかずに 【呉】 と書き、幸運にも正解できました。
25-3 の話はさておき、過去問を一通り身に付けた上でのプラスアルファの対策としては、やはり過去問の読み問題を書けるように練習するということでしょう。ひとつひとつは把握していませんが、漢検において読み問題がしばらく後に書き問題として出題されることは非常に多いです。
もう一つ、やや邪道かもしれませんが、効率追求という観点で、易しい漢字で代替できる字は書く練習は不要と思います。例えば 【曁(およ・ぶ)】 という1級配当漢字があり、読み問題としてはたびたび出題されていますが、これは書く場合には「及」で代替できてしまうため、まず書き取りで出題されることはないでしょう。万が一出題されても「及」と書けば良いのですから、【曁】 を書ける必要はないと思います。
(三)国字 目標10点
ここは10点満点以外ありえません。分類がどうの過去問がどうのではなく、約100字しかない中から必ず5問出るのですから、完璧に準備しましょう。実際、合格者の平均はいつも9.8~9.9点で、合格者10人のうち9人が満点、1人が8点の計算になります。合格者はここは落とさないということですね。なお、傾向としては5問中1問は単位を表す漢字が出ることが多く、直近5年では15回中11回で出題されています。全部覚えるのですから出題傾向など関係ないですが、ご参考まで。
(四)語選択書き取り 目標6点
ここは対策が難しく、また回によって難易度のばらつきも大きい設問で、合格者の平均が6点代なんてこともありました。選択肢が与えられるとは言え、意味の記述からその熟語を想起できることが必要ですので、他の分野で既出の熟語でも必ずしも正解できないところが難しいです。私自身が過去問以外にやっている対策としては、勉強していて知らない熟語に出会ったら、この設問の形式で自作問題集に加えていっています。エクセルに順に意味・読み・漢字を入力しておき、極力意味だけから熟語が想起できるように練習します。エクセルはこんな感じですね。
(五)四字熟語 目標 書き取り18点 意味10点
前回の「その3」で詳しく書きましたので繰り返しませんが、目標は28点。つまり、下位級配当のものや四字熟語辞典にないものが出題されたらそれは誤答で已む無しとし、それ以外はすべて取るということです。しつこいですが、それが実現できるだけの勉強をすれば、必ず他の分野にも大きくプラスに波及します。
また、前回書き忘れましたが、1級四字熟語を網羅するもう一つのメリットとして、それをやることで1級配当漢字の半分近くが学習できるということもあります。各四字熟語に基本的に一つ以上の1級配当漢字が含まれている一方、1級配当漢字全体は実質的には2,700弱ですので。
半分まできました。(六)~(十)に続きます。