昨日の記事で、「札幌市交通資料館」が、お子さん(大人も?)の自由研究にオススメと書きましたが、現在の状況だけではなく、その歴史を調べてみることも、大変よい学習になると思います。
そんな歴史学習に最適なコーナーが、資料館の展示スペースにありました。
明治時代の札幌市内の交通。
最初は馬車鉄道からのスタートだったんですね。
1879年(明治2年)に、開拓使によって札幌本府の建設が進められましたが、1885年(同8年)には、石山での軟石の採掘が始められたのが大きなきっかけとなり、馬車鉄道の運行が開始されたというのがその始まりです。
その後徐々に路線が拡張され、1912年(明治45年)には「札幌市街馬車軌道株式会社」のもと、札幌区内の各地域に、馬50頭、馬鉄18台が常時運行していました。
続いて大正時代。
所謂「チンチン電車」の時代です。
1918年(大正7年)、中島公園で、開道50周年を記念する「大博覧会」が開催され、そのときに電車の運行が始まりました。
黄緑が、札幌駅前~中島公園の「停公線」の区間、青が南1条西15丁目~南1条東2丁目の「南1条線」、黒が、南4条西3丁目~南4条東3丁目の「南4条線」の区間です。
現在の「南1条通」は、かつて「銭函街道」と呼ばれ、小樽方面へ向けて整備された主要街道でした。
電車が最初に開通したということからも、地域における重要路線としての位置付けが窺えると思います。
ここにも書かれていますが、札幌の市営交通には、地下鉄、電車の他に、かつては市営バスというのがありました。
高校生のときは、市営バスが主たる通学手段だったので、それが一番の思い出ですね。
この赤色の入った車体が特徴的でした。
2004年(平成16年)3月で廃止となってしまったことが、今更ながら残念でなりません。
藻岩山のロープウェイも、かつては市営だったんですね。
これは知らないという人も多いと思います。
因みに、函館山のロープウェイは、開業当初から民間事業者だったそうです。
そして、地下鉄の開業は1971年(昭和46年)。
南北線の、北24条~真駒内間です。
東西線は、1976年(同51年)に、琴似~白石間で開業し、東豊線は、1988年(同63年)に、栄町~豊水すすきの間で開業しています。
平成の札幌市営交通で思い出として残っているのは「ウィズユーカード」ですね。
これはプリペイドカードで、普通に改札口に入れて入退場できるんだけど、乗るときに、乗った駅名が裏面に表示されるので、全ての駅名が表示されるよう、コンプリートを目指して歩いていた人が多くいたそうです。
私もそれを考えてはいたのだけど、今から思えば、やっておいて、カードを記念に残しておけばよかったと後悔です。
可動式ホームの設置は2008年(平成20年)だったんですね。その頃は全道を転々としていて、札幌には年に数回しか帰っていなかったこともあり、可動式ホームも、いつの間にか設置されていたという印象しかありませんでした。
2015年に市電の新型車両導入と書かれていますが、この年には、西4丁目~すすきの間が結ばれてループ化されるという大きな出来事がありました。
よ~く見ると、小さい文字でそのことについて触れていますが、これは大きな文字で強調すべき出来事だと思います。
市電地下鉄開業50周年を過ぎ、これからの市営交通はどう変化し、どう市民生活(観光もか)と共存していくのでしょうか。
「未来をつくるのは、私たちです」の言葉を、しっかりと意識して利用していかねばなりませんね。