JR札幌駅前に、歴史ある23階建の高層ホテルがあります。
「札幌センチュリーロイヤルホテル」。
今でこそ札幌中心部にも高層ビルが沢山できていますが、昭和48年(1973年)の開業時にはそのような建物も少なかったことから、駅前のランドマーク的な存在であったことと思います。
実はこのホテル、今年の5月末で閉館が決まってしまっています。
このホテルが入っている「住友生命札幌ビル」の老朽化による建て替えが理由のようです。
泊まったことはないのだけど、せっかくなので、ちょっと中へ入って見ました。
フロントは2階にあります。
開業当時の新聞広告が展示されていました。
51年間の歴史を示す写真やグッズが展示されています。
「札幌グランドホテル」にも同趣旨のコーナーがありますが、こういう趣旨のコーナーを目当てにあちらこちらを回っている人も多いと聞いています。
いいですよねこういうコーナーも。ホテルの歴史を通して、その当時の世の中の出来事や町の歴史なんかも知ることができるのですから。
2階にはラウンジもあります。
このホテルの人気スポットとなっているのが、最上階の回転式レストラン。
小学生の頃、確か父親の冬のボーナスが出たときに、家族で行った記憶があります。
記憶に間違いがなければ、そのとき(小学校5年生)、2学期の成績が悪かったら、ここではなく近所のラーメン屋にすると言われていたのだけど、しっかりここに連れてきてもらうことができました。
ところで、先程も書いたとおり、このホテルのフロントは2階にあります。
それ自体は特段珍しくもなんともないのだろうけど、先日、このホテルのそれについて、興味深いエピソードを聞きました。
ホテルの横の「西5丁目・樽川通」という幹線道路。
今でこそJRが高架になっていて、道路はずっと平面になっていますが、旧国鉄の時代は、線路が地上で、道路が高架、つまり「跨線橋」がここにあったそうです。
「陸橋(おかばし)」と呼ばれていたその跨線橋は、現在のこのホテルの南東角あたりから、既に平坦ではなく、北へ向けて上り勾配になっていたことから、ホテルが開業した当時、1階にフロントへの出入口を設置することが構造上困難だったようで、それで、フロントが2階に設置されたという経緯があるのだそうです。
閉館間際に面白い話を聞きましたが、ビルの構造に関する面白いエピソードは、きっと他にも沢山あるような気がします。そういうエピソードを発掘してみるのも面白そうです。