風月庵だより

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先生のいじめ

2006-10-19 23:50:01 | Weblog
10月19日(木)晴れ【先生のいじめ】

11日の水曜日に、九州で中学二年生の少年がいじめによる自殺をしたことが報じられた。一週間がたって、ご家族の方にとっては、苦しみがさらに増していることではないかと思っている。

先生によるいじめが発端であるとは、本当に情けないとしか言いようがない。この少年の自殺のことを考えると、なんとも言えない思いでこの数日を私も過ごしていた。

私も実は先生によるいじめに苦しんだことがある。それは50歳を過ぎて大学院に入学してからのことである。中国語の先生であった。恥を申し上げるようだが、私が中国語ができないので馬鹿にされたのであるが、馬鹿にされたり無視されたり等等……せっかく乗り越えられたので、今は振り返って思い出したくもないことである。

小・中・高・大学まで友人にも先生にもいじめられたような経験はまったくない。想像もできないことである。それがよりによって50歳過ぎてから先生によるいじめに遭うとは。あまりの辛さと口惜しさに不眠症になってしまったほどであった。

それまでいじめに遭う子供たちの苦しさが本当には分からなかった。いじめられる子供たちのほうに、なにか落ち度や原因があるのではないかと、やはり思っていたところがある。子供の頃も大人になってからも、いじめに遭うという経験が全く無かったので、どこかに同情しきれない点があったのである。

しかし自分がいじめられるという信じ難い経験をしてから、いじめられるということがいかに辛いことか分かったのである。幸いにして理性ある友人に囲まれていたので、先生と同じく馬鹿にしようという友人が一人もいなかったことは有り難いことだった。

大人の私の場合は、それでも他に気を紛らすこともあり、逃げることもできた。しかし中学生や小学生の場合、学校が生活のほとんど全てとも言えよう。そのような場で先生や友人からいじめられるということは、どうして生きたらよいか分からないほどであろう。

いじめられた経験がないと、どこか高見の見物のような気持ちや、自分ならいじめられないという考えも起きてしまうだろう。しかしいじめられてみると、どんなにか辛いことかよく分かる。自分がいじめられてみて自殺したくなる気持ちがよくわかる。なんとかこんな気持ちになってしまう子供たちの役に立つことはできないものだろうかとさえ思う。

このブログをそんな気持ちの子供が読んでくれたらコメントを下さい。あの笑顔を返してくれよオ!」という彼のお父さんの悲痛な叫びが耳に焼き付いています。罪のない子供たちが死ななくても済むように、大人たちが手を貸さなくてはならないと思うのです。