風月庵だより

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無限大の自己

2022-12-01 10:42:46 | Weblog

12月1日(木)曇り【無限大の自己】

12月です。師走です。はや。
なんとなく気がせく感じがする年の瀬ですね。しかし、いつもと同じく朝が開けます。猫たちは、早く外に出して、と言いますが、寒いから待ちなさい、と言っていると、外猫のミーちゃんが、おなかが空いた、と窓の外で鳴いています。

さて、天風先生の本よりの紹介の続きです。(『人生を拓く』講談社文庫)

「人間はそれ自身、この宇宙の創造を司る造物主と称する宇宙根本主体である宇宙霊と自由に結合し得る資格を持っている。と同時に、共同活動を行う一切の力が与えられている。これを理解して活きる者が、生き甲斐のある人生を造り得るのである。」(P87)

「自分というものはひとりでいるのではない。常に宇宙霊というものに包まれていて、しかも宇宙霊は全智全能の力を持っている。それと結びついている生命を自分が持っているのである。つまり自己というものを無限大に考えてよい。」(P87)

*私はいつも檀家さんたちに、現し様のない無限が、有限の一人一人に現れているのですから、責任を持って、苦労も楽しく生きましょう、と言っています。これは道元禅師様の教えを私はこのように理解しています。どこからそのように解釈するに至ったか……我ながら?

「人生をあまり難しく考えない方が良い。(中略)真理は足もとにある。高遠な学理の中にあるのではない。(中略)何はさておき、人生を支配する法則にのっとり、自分の心を断然消極的にしない覚悟を堅持しなければならない。そのために、緩もうとする心、乱れようとする心をしっかりおさえつけてくれる暗示の誦句を与える。」

*ゆっくり生きたいという方々には、上の言葉は少し勘弁してくれという点もあるでしょう。次に「誦句」の一部を紹介しておきますが、これは、インドの山奥であちこちの大理石に彫られてあったヨガ哲学を学んだ人々の言葉(サンスクリット)から、天風先生がその言葉をもとに作られたものだそうです。

「思考作用の誦句(その一部)そもそも宇宙霊なるものこそは、万物の一切をより良く作り更えることに常に公平なる態度を採る。そして、人間の正しい心、勇気ある心、明るい心、朗らかな心という積極的の心持ちで思考した事柄にのみ、その建設的なる全能の力を注ぎかける。しかりしこうして、かくのごとくにしてその力を受け入れしものこそは、またまさしく力そのものになり得るのである。」

*ご来訪の方に、少しでもお役にたてれば、と願い、紹介いたしました。解釈咀嚼は、皆様にお任せいたします。