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枕経の大事なこと

2024-07-18 12:27:45 | Weblog

7月18日(木)晴れ【枕経の大事なこと】

今日も暑そうです。夏の暑い時と、冬の寒い時は、年をとっている人は、あの世がさらに近くなるようですからお互いに、まだこの世にいたいのならば、気をつけましょう。

残念ですが、お寺の為によく貢献してくださった檀家さんが、お見舞いに行った翌日、あの世にお帰りになりました。今生のお別れをさせていただき、今までのお礼も言わせて頂けたことは、有難いことでした。なかなかこのようなご配慮を、ご家族の方にしていただけることは少ないので、奥様がそれほど急なことにはならないけれども会いに来てください、とおっしゃってくださったので、そのつもりでいたところの急変でしたので枕辺に駆けつけることができました。

さらに、目をつぶられてからの一日後には、枕経に伺うことができました。

ご家族の皆さん、お孫さんもともに、心を合わせて、仏界の仏さまにお導きを願い、故人の冥福を祈り、お経もお唱えしました。

さらに、引導法語をつくらせていただくために、故人の人生をご家族にお話しいただきます。そのお話をもとにして、引導法語を作らせていただくことが目的なのですが、実は、大事なことは、ご遺体の枕もとで、ご本人の人生を共に辿り、泣いたり、時には笑ったり、その時々を思いだし、語ることが大事だと思っています。そうしてみんなで感謝して、思い出します、いろいろなことを。

故人も、姿は見えませんが、ともに思い出しているに違いありません。

ご葬儀という儀式も大事ですが、この枕経と、その後、その人の人生を思い出し、語っていただくことが素晴らしいお見送りだと思います。その細かいことのすべてを引導法語には書き入れられませんので、ご本人も、ご家族の話を聞きながら、「そうだった、そうだった」と思っていると、私は考えています。

時には「いやそうじゃなかったけれど、違うよ」と思うこともあるでしょうが、ともに人生を歩いたこの世の家族と、別次元に帰り逝く人との、懐かしい交流の枕経なのです。

握った手のぬくもりを忘れられません。お別れに伺った時、私が帰る後ろ姿に、手を振ってくれていたそうです。

お世話になった檀家さんのご冥福を、ひたすらに祈ります。

 



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