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ソウル訪問記その7 韓国の精進料理

2019-12-25 15:50:21 | Weblog

12月25日(水)曇り【ソウル訪問記その7 韓国の精進料理】

今日も寒いですね。お正月のお札書きは終わりました。午前中は、応援の力を借りて、本堂にお参りの檀信徒の皆さんの為に椅子ならべを致しました。このお寺に入寺してから、少しづつ買い集めてきた椅子を総て並べました。お蔭様でいつのまにか檀信徒数が増えましたので、本堂一杯に椅子を並べました。

これから、まだまだ新年祈祷に向けて準備する仕事はありますが、ちょっと一休みしまして、ソウル訪問記の〆を書きたいと思ってブログを開けました。
その途中で、本覺スニムから電話が入りました。こういう一致が生きていてなんとなく面白いことですね。

さて、上の写真はお料理を並べた風景です。韓国では漢字を当てれば「寺刹飲食」という字になるようです。まことに多くの料理がテーブル一杯に並びます。それを自由に自分が食べられるだけ一皿に盛ります。僧堂では日本の僧堂にように鉢を使うでしょうが、お寺の中では、今はお皿を使います。とても合理的でもあります。僧侶だけではなく、信者さんもみな同じです。

そうして、それぞれのお寺でも精進料理です。ベジタリアンというだけではなく牛乳や卵もほとんど食べないと思います。ケーキなどに使われているのはそれは大丈夫です。牛乳や卵も食べないのは、西洋ではベジタリアンのなかでもヴィーガンベジタリアンというのでしょうか。(私もほとんど牛乳や卵をたべませんが、一か月に一個くらいは卵を食べることはあります。また私のことで恐縮ですが、魚はたまに食べます。)

日本の僧堂においては、ほとんど精進でしょうが、日本の場合はほとんどの僧侶は、僧堂から戻りますと、今は何でも食べますので、日本の精進料理はその場限りですが、韓国のお寺の料理は常に精進です。ですから寺刹の料理イコール精進料理ということになります。本音と建て前の違いが日本は、総てにおいてありますが、韓国の精進料理はその場限りではなく、正真正銘の寺刹の料理が精進料理です。伝統がありますので、比丘尼や比丘の健康を保つために料理に工夫が凝らされていますし、とても美味しいです。

また韓国の比丘尼の方々も比丘の方々もしっかりした体格です。私は精進料理はとても健康にも精神にもよいです、とお勧めしますが、私はとても痩せていますので、説得力にちょっと欠けます。ただいつも元気で跳び回っている姿だけは説得力になりますが。

今でもあるお寺を訪ねたときご馳走になったキムチはとても美味しく忘れられません。お寺ではニンニクは使いません。また特筆すべきことは、食事時でしたら、お寺の食堂でだれでも食事を食べさせてもらえます。

先日、宗務庁で曹洞宗総合研究センターの研究発表で、精進料理の特集がありました。各国、といいましてもヨーロッパやアメリカの精進料理を紹介していましたが、西洋では、お寺の精進料理というよりはマクロビオティック料理が意外と浸透していますので、その感覚の料理が多いと思いました。これはジョージ・オーサワ(桜沢如一)という日本人が、はじめ広めた健康法としての食養料理になります。(私は50年前、桜沢先生の奥様だったリマ先生の時代に学びました。)

韓国の寺刹料理は食養的でもあり、精進料理になります。食物の陰陽について研究なさっているかどうか分かりませんが、そのようなことも研究なさっていてくださると素晴らしいと、思います。なんといいましても、釈尊の教えを布教するためにも、比丘尼の皆様に健康であってほしいと願っています。

日本の僧侶の方々にも勿論健康を願いますが、一番問題は甘いお菓子が大敵ではないかと思っています。お寺は甘いお菓子を仏様にいただくことが多いので、それを全てご馳走になっていては、体は弱ります。陰陽で言いますならば、お砂糖はお塩より陰性が強いです。もともと頑健な陽性タイプの人や労働する人は、多少、陰性な食べ物でも体に害はないでしょうが、簡単に言いますならば、弱弱しい体の方には甘いお菓子は害になるでしょう。

精進料理にしても、白砂糖は厳禁と思います。私はほとんど、全くと言ってよいほどお砂糖は使いません。

とにかく現在あまりに癌でお亡くなりになる人が、檀信徒の方にも多く、残念に思っています。抗がん剤治療をしてお亡くなりになる方が多いので毎日の食事こそベストの薬であると常々思っています。あなたと健康社の東城百合子先生のもとでも三年間みっちり教えを受けましたが、食べ物がいかに重要であるか、痛感しています。その意味でも韓国の寺刹料理は大変優れていると思います。

寺刹料理のご紹介から、食養料理についてもちょっと書かせていただきました。皆様、どうぞご健康にご留意されて、大宇宙から任されてあるそれぞれのこの一度の身命お大事に。良いお年をお迎えくださいますよう。

 

 



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