7月28日は朝から猛烈な暑さ、これでは散歩に出られないと思い「TSUTAYA」 にDVDを借りに行く。新作2本、準新作1本を選んでレジに持って行った。店員が、「この3本、1泊2日で1,130円ですが、今5本借りると1000円です。どうしますか?」と問われる。選んだ3本に2本追加した方が安いというおかしな価格設定である。ふに落ちないが、もう一度陳列棚から2本を選んで1000円を支払い借り出した。後で選んだ2本は旧作で7泊8日の期間がある。別に全部を見なくてもいいのだが、借りたからには見ないで返すのは口惜しい。しかし、結局まともに観たのは2本だけで、後は面白くなくて途中で止めたのが1本、残りの2本は早送りと途中飛ばしで大体のストーリーを追っただけである。そして翌日の夜には全部を返してしまった。久々に借りてきたDVDだが、5本も映画を見なければいけないと思うと、意欲が失せてしまい楽しめないものである。
先日、帰宅途中に池袋で「ABCマート」という靴屋を覗いてみた。紳士の靴売り場の壁面は2万円前後の高い靴が並び、中央部分のゴンドラにはお手ごろ品コーナーなのだろう、「1足12,390円、2足目半額(6,195円)」のプライスカードが付いた商品がずらりと並んでいる。ゴンドラの前で商品と値段を見比べて、「果たしてこのコーナーで1足だけ買えるだろうか?」と考えてみる。やはり「2足目半額」の表示がある限り、1足だけ買うのはばかばかしいと思ってしまう。しかし、かといって2足も買う気はしない。店としては「売らんかな」で、1足でも多く売りたいのであろうが、みすみすその手には乗りたくない。少しからかってやろうと、店員を呼んで聞いてみた。「このコーナーの靴、3足目はいくらなの?」。店員曰く、「3足目は12,390に戻ります。そして4足目はまた半額です」。何のことはない、9000円程度の商品を高く設定し、2足買わせるために、姑息な価格の付け方をしているのである。「3足買った方が2足より平均単価が高いとは、おかしな値段の付け方だね」、店員にそう言って店を出た。
「ABCマート」を出た後、夏用のスラックスを見てみようと思い「洋服の青山」に入った。1階のメイン売り場にスラックスのコーナーがある。そしてその一画の棚の上に「2本目半額、3本目プレゼント」というショーカードが目に入った。ハンガーに掛かったスラックスの値札を見ると7,900円である。さすがにこれは行き過ぎではないかと思い、傍を通った店員に聞いた。「この表示、2本買えば3本目はタダということなの?」、店員は「そうです」との返事である。「これじゃあバナナの叩き売りじゃない、最初の価格設定がおかしいよね」と言うと、店員も「まあ私もそう思うのですが、本部の指示ですから、」と口ごもった。
7,900円+3,950円=11,850円でスラックス3本ということは、1本3,950円である。考えるに1本づつでは売り上げが上がらないから、3本まとめて11,850円のバンドルセールの表現を変えただけである。3本まとめて○○円というのならまだ許せるが、最初から商品価格を倍に設定し、2本目半額、3本目タダという売り方は姑息で、消費者を愚弄するような手法である。こんな販売をしていると他の商品の価格設定も不信感が出てくる。そして何よりこんな販売方法をとる「洋服の青山」という会社の企業スタンスに怒りさえ感じるのである。「この店では絶対にものは買わない!」、そう思って売り場を出た。
「ツタヤ」にしても「ABCマート」にしても「洋服の青山」にしても、全国に店舗展開している専門店のトップ企業である。DVDを5本も借りてしまえば、10時間も映画に拘束されなければいけない。そうなれば見る方も雑になり、流し見のようになって、作品に対しての集中力や印象が薄くなってくるように思う。過当競争の今、新作1本1泊2日で410円という価格設定が通用しなくなっているのだろう。しかし、だからといって安さを演出するためにバンドルセール的な扱いで映画を押し付けるのは止めてほしい。膨大な時間と費用を費やして作った映画、映画本来の価値をどんどん貶めているように感じるからである。
それから靴にしてもスラックスにしても長く自分の身に付けるものである。だから1足1足、1本1本を吟味して選びたいと思うのが普通であろう。それをその場で2足選べ、3本選べというのでは、消費者は商品選定の段階から気持ちが入らない。それでは商品に対して愛着が湧かず、その後の取り扱いが雑になるのではないだろうか。もう大量生産大量消費の時代は終わっているはずである。どこかで今の販売方法を見直さないと、早晩消費者に見捨てられてしまうのではないだろうかと思う。私は今後、DVDは「見たいのを1本だけ」を借りるようにする。靴も洋服も値段が高い安いに関係なく、1足単位1着単位の販売を基本としている店でしか買わないことにした。これが「売らんかな」で商品価値を貶(おとし)める売り方をする企業への、せめてもの抵抗である。
先日、帰宅途中に池袋で「ABCマート」という靴屋を覗いてみた。紳士の靴売り場の壁面は2万円前後の高い靴が並び、中央部分のゴンドラにはお手ごろ品コーナーなのだろう、「1足12,390円、2足目半額(6,195円)」のプライスカードが付いた商品がずらりと並んでいる。ゴンドラの前で商品と値段を見比べて、「果たしてこのコーナーで1足だけ買えるだろうか?」と考えてみる。やはり「2足目半額」の表示がある限り、1足だけ買うのはばかばかしいと思ってしまう。しかし、かといって2足も買う気はしない。店としては「売らんかな」で、1足でも多く売りたいのであろうが、みすみすその手には乗りたくない。少しからかってやろうと、店員を呼んで聞いてみた。「このコーナーの靴、3足目はいくらなの?」。店員曰く、「3足目は12,390に戻ります。そして4足目はまた半額です」。何のことはない、9000円程度の商品を高く設定し、2足買わせるために、姑息な価格の付け方をしているのである。「3足買った方が2足より平均単価が高いとは、おかしな値段の付け方だね」、店員にそう言って店を出た。
「ABCマート」を出た後、夏用のスラックスを見てみようと思い「洋服の青山」に入った。1階のメイン売り場にスラックスのコーナーがある。そしてその一画の棚の上に「2本目半額、3本目プレゼント」というショーカードが目に入った。ハンガーに掛かったスラックスの値札を見ると7,900円である。さすがにこれは行き過ぎではないかと思い、傍を通った店員に聞いた。「この表示、2本買えば3本目はタダということなの?」、店員は「そうです」との返事である。「これじゃあバナナの叩き売りじゃない、最初の価格設定がおかしいよね」と言うと、店員も「まあ私もそう思うのですが、本部の指示ですから、」と口ごもった。
7,900円+3,950円=11,850円でスラックス3本ということは、1本3,950円である。考えるに1本づつでは売り上げが上がらないから、3本まとめて11,850円のバンドルセールの表現を変えただけである。3本まとめて○○円というのならまだ許せるが、最初から商品価格を倍に設定し、2本目半額、3本目タダという売り方は姑息で、消費者を愚弄するような手法である。こんな販売をしていると他の商品の価格設定も不信感が出てくる。そして何よりこんな販売方法をとる「洋服の青山」という会社の企業スタンスに怒りさえ感じるのである。「この店では絶対にものは買わない!」、そう思って売り場を出た。
「ツタヤ」にしても「ABCマート」にしても「洋服の青山」にしても、全国に店舗展開している専門店のトップ企業である。DVDを5本も借りてしまえば、10時間も映画に拘束されなければいけない。そうなれば見る方も雑になり、流し見のようになって、作品に対しての集中力や印象が薄くなってくるように思う。過当競争の今、新作1本1泊2日で410円という価格設定が通用しなくなっているのだろう。しかし、だからといって安さを演出するためにバンドルセール的な扱いで映画を押し付けるのは止めてほしい。膨大な時間と費用を費やして作った映画、映画本来の価値をどんどん貶めているように感じるからである。
それから靴にしてもスラックスにしても長く自分の身に付けるものである。だから1足1足、1本1本を吟味して選びたいと思うのが普通であろう。それをその場で2足選べ、3本選べというのでは、消費者は商品選定の段階から気持ちが入らない。それでは商品に対して愛着が湧かず、その後の取り扱いが雑になるのではないだろうか。もう大量生産大量消費の時代は終わっているはずである。どこかで今の販売方法を見直さないと、早晩消費者に見捨てられてしまうのではないだろうかと思う。私は今後、DVDは「見たいのを1本だけ」を借りるようにする。靴も洋服も値段が高い安いに関係なく、1足単位1着単位の販売を基本としている店でしか買わないことにした。これが「売らんかな」で商品価値を貶(おとし)める売り方をする企業への、せめてもの抵抗である。
私はまだまだ若輩者なのですが、主様のすこ~し意地悪な考えが大変痛快に感じました!
ずいぶん前の書き込みのようですが、辿り着いた記念にコメントで足跡をつけさせていただきます。