60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

息子の結婚式

2013年04月12日 08時12分43秒 | Weblog
 先週土曜日雨の中、鎌倉の鶴岡八幡宮で息子夫婦が結婚式をあげた。2人は昨年の5月にすでに入籍を済ませ、実質的な結婚生活はスタートしている。しかし息子の転職や引越しもあって、バタバタしてしまったために結婚式は1年後になった。当初は友人知人も呼んでの式を計画していたようだが、今年になって新婦のおめでたが判ったため花嫁の負担も考え、急遽身内だけでの式に切り替わった。鎌倉は2人の思い出の地のようで、鶴岡八幡宮での和装挙式は花嫁の希望なのかもしれない。春の桜の咲く頃、鶴岡八幡宮の夕暮れに篝火に照らされる舞殿で式を挙げる、これは2人のこだわりだったようである。

 天気予報は日本列島を爆弾低気圧が通り、関東地方も午後からは強風と豪雨が予報されていた。式の当日鎌倉に着いたときはまだ雨は降っていなかった。しかし挙式前の身内だけの披露宴が終わり、鶴岡八幡宮に向かう時には本格的に雨が降り始めてしまった。参道の若宮大路は雨に煙り、八幡宮の境内も人はまばらである。境内の控室で支度をし、花嫁花婿と参列者は傘をさして2列に並び、巫女の先導で舞殿へ向かう。本宮の正面に位置する舞殿に上がり、所定の椅子に座ると雅楽の音が聞こえてきて式が始まる。雨天の6時はすでに暗く、舞殿の外は風が吹き強い雨が降りしきりる。篝火の炎が風にあおられ大きくゆれ、時折りパチパチと薪がはぜる音も聞こえるてくる。外には何人かの人が傘をさしてこちらを見上げている。後で判ったのだが、それらの人たちは2人の友人達だったようである。斎王と呼ばれる神主が神前に2人の結婚を報告した後、巫女が雅楽にあわせ神楽を舞い、参列者が杯をあげて式は滞りなく終わった。最後に舞殿で記念撮影を終えて解散になる。新郎新婦は居残り、雨の中を来てくれた友人達と談笑したり、記念撮影をしたりしていた。我々親族はそんな2人を残して鳥居をくぐり駅に向かう。振り向くと暗闇の中に雨に霞み、林の中央に納まった八幡宮が遠くに見える。最近はほとんどが洋風の華やかな式が多いが、日本古来の結婚式も厳かで反対に新鮮な趣があり、2人のこだわりが判ったように思えた。これもまた記憶に残る良い結婚式になったように思う。

 今は家同士の結婚式ではなく、人生の伴侶と決めた2人のケジメの為のセレモニーである。だからどのようなスタイルにするかは当人達が考えていくことになる。今回2人は結婚式にあたり息子は転職をし、花嫁はおめでたになり、そして結婚式当日は爆弾低気圧が来てしまった。2人にとっては波乱含みのスタートのように見える。しかし人生とは往々にしてこんなものであろう。以前このブログにも書いたことがあるが、結婚前日に3.11の震災があって延期せざるを得なかった結婚式もあった。人生など何が起こるかわからない、計画通りに行く人生などありえない。臨機応変、その時々にどう判断しどう対処するかが、人生を生き抜いていく力なのであろう。息子の転職で経済的にも不安定になり、10月には赤ちゃんが誕生する。2人にとっては順風満帆なスタートではないのだろうが、協力して歩んでもらいたいと願うばかりである。

 父親として2人の結婚生活にアドバイスするとすれば、論語にある「和して同ぜず」と言うように、社会の一番最小単位である夫婦であっても、安易な同調を避けて、仲はいいけれど、互いが違う意見を持つことを尊重していける夫婦であって欲しい、そう思うのである。

                

                

                

               

                


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2 コメント

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Unknown (たかし)
2013-04-17 02:02:13
「和して同ぜず」
ありがとうございます。
互いを尊重して、
2人で協力し合い、
温かい家庭を築いていきます。
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祝い (スパゲティ家)
2013-04-20 16:22:44
ご子息のご結婚おめでとうございます、
何時おじいちゃんになるのかな!
先におじいちゃんになった、
スパゲティ家より。
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